今のこの時代にも年金だけでは暮らせないっつう(暮らせないと言う)声が俺達年寄りがら上がっていん(る)のに、世代間支援だの安心、安全、豊かな老後生活の確保のために保険料を納付すんべ(納付しましょう)なんて若ャ(若い)者達に言ったってなおのごど納得できる訳がねャべ(ないでしょう)。保険料を納付すねャ(しない)者が出でくる、年金制度の維持が危うぐなっているど言われでるのも無理ねャべ(ないよ)。
先生の息子さんは今からでも遅くはねャ(ない)、自分達の老後のために自分達が今がら自分達の年金支給分を貯えでいぐ、年金制度をそう変えていくべきだど言ってんだ(いるんだ)そうだ。今の二十代は二十代で、三十代は三十代で四十代は四十代で五十代は五十代で、つまりその年齢の塊ごどに毎年納付されだ保険料、国の支出額を貯蓄す(し)ていぐ、資産運用を図っていぐ、年金を受給する歳になったらその世代の塊が得だ貯蓄資金がら年金を受給する、そうす(し)ていくべきだど言ってんだ(言っている)そうだ。
世代間で余りにも支給額に差が出るようだったら、それこそ一定の額を世代間で支える分に回す(し)て調整すん(る)のも良いべど言ってんだ(いるんだ)そうだ。今の年金受給者の分は今有る年金資金とその資産運用でまかなったらどうだと言っているつう(いるそうだ)。
細がいごどは専門家に任せるどす(し)て、俺は聞いでいで賛成だね。若者達だって世代間の支えがどうのこうのではなぐ自分の老後のためだと分がれば保険料を納めんべ(るでしょう)。
老後のために自分個人で貯蓄す(し)ろ貯めろ備えを作れど言われでも簡単にそうできねャ(ない)のは俺達が一番分がってんべ(いるでしょう)。
国民皆な年金制度は良い制度なんだがらそれを維持できるように改正す(し)ていぐのは必要なごどだべ(でしょう)」。
俺も及川さん夫婦も千葉さんも畠山さんの話コに真剣な顔をす(し)て耳を傾げだ。千葉さんが言った。
「年金額に納得出来ねャ所(出来ないところ)もあっ(る)けど、国民健康保険制度とか国民年金制度とか制度の仕組みは高校生までに良く教えで欲す(し)いもんだ。他所の国にそうそう無ャ(無い)良え(良い)制度だって聞いだごどがある」。
「国民皆の健康保険制度はアメリカにも無ャ(無い)んだって。医療サービスをどの程度受げん(る)のが、どのくれャ(どのくらい)治療す(し)たら良え(良い)のが、アメリカでは医者がまず患者やその家族に診察前に聞くんだど(聞くのだそうだ)。
うなぎ屋が来た客に上中下どれにすん(る)のが注文を取るのど同ず(じ)ごどを医者がす(する)んだど。驚いだべ(よ)。
年金も個人年金主体で金のある奴は老後のために備えられるがも知んねャ(知れない)げど、貧乏人は保険料を払えねャがら年金なんて無ャ(無い)。そもそも年金保険契約が出来ねャ(ない)んだど。それが当たり前なんだど。先生の話コはそれだけではねャ(な)がったぞ。先生は自分が学校の先生だったがら知っていだらす(し)いんだけど、アメリカは教育制度は有るけど貧困とか国籍がアメリカになかったりす(し)て教育を受げられでいねャ(いない)子供も多いんだど。確か識字率どが言っていだな、子供、大人が字を読み書き出来るごどを言うらす(し)いんだけど、その識字率が先進国の中でも低いんだど。