家族経営で米作りをす(し)ていく時代では無ぐなってきた。嵩む経費の問題を解決す(し)ていぐにも耕地の集約化、大型化は必要だべ。田植え機だのコンバインだのの利用を効率化す(し)ていぐにも必要だす(し)、そうす(し)た必要な機械、器具を農家同士で共同購入、共同保有・維持す(し)てコストの軽減を図るごどが必要だべ。俺家は米作り農家だど言っても皆、農家だがら自分達が一年の間に食べるに必要なジャガイモ、サトイモに大根やナス、キュウリ、トマト、キャベツに白菜、ほうれん草など季節の必要な野菜は少す(し)ずつでも所有する畑で作ってんべ(いるでしょう)。そういうのも含めで米作り農家だけで考えるのではねャぐ(なく)、耕地の大型化、集約化を野菜作り農家等ど連携す(し)ていぐごども考えるべき時だ。耕運機やトラクター、運搬するトラックだって共同で使えるべ(でしょう)。
米が余るって減反政策を言われっごどあんだがら(言われることが有るのだから)米作り農家と野菜作り農家が一緒になって家族経営、個人経営から転換す(し)て運営主体を法人化す(し)ていれば、減らす(し)た田んぼ分を野菜栽培耕地に転換することだってやり易くなんべ(なるでしょう)。
肥料の確保や害虫駆除の農薬散布だって共同購入、共同実施で節約、効率化を図れるべ。勿論、畑と田んぼでは使う肥料も農薬も違ってっ(いる)けど耕地の集約化、大型化によるメリットはある。家族経営、個人経営ではなかなか出来ねャ(ない)けど熟練者の栽培技術や判断等をデータ化す(し)てそこに働ぐ皆にICTを使って周知する。米作り野菜作りに熟練す(し)た匠の技を継承す(し)ていくように出来んべ。紙ベースの記録がら電子記録管理に移行す(し)て耕地を管理す(し)ていぐど共に、何処に何時、何の肥料が必要なのが、何時に何処に農薬散布が必要なのが、経費の節減はもどより働く人達がデータを共有出来る、自分の生産技術の向上が図れんだ(るのだ)。そごにやりがいも生き甲斐も生まれるべ(でしょう)。魅力ある農業が出来ん(るの)だ。
今はICTの時代だ。スマートフォンを使ってみんなが目にす(し)た物、事実を瞬時に農作業記録とす(し)て蓄積する時代になる。そうするごどに依ってより一層高品質の米、野菜、農産物の確保が出来るようになんべ(でしょう)。またドローンを飛ばして農薬散布の手間暇を省けんべ(省けるでしょう)。効率的生産が出来で収穫を多くするごども出来んべ。家族経営、個人経営がら法人経営主体に同意するには抵抗があんべげど(あるだろうけど)、少子化が止まらない、若い労働力が農業の方に足が向がない、人手不足だと言う現実を見で判断す(し)なければなんねャ(ならない)」。
「先生、ICTってなんだべ(なんでしょうか)」。
法人化の問題は少す(し)は農協のセミナーで聞いだがら分がってっどご(分かっているところ)もあっ(る)けど、ICTって、俺は解んねャ(解らない)。途中、喉を潤す(し)た先生のコップがまた空になっていた。
「パソコン、スマートフォンン等のごどだべ(だよ)。ICTは情報通信技術だ。つまりお互いにコミュニケーションをとるための電子回路が内蔵されだ通信器具だ。
俺達の地域では話には出でっけどまだ法人化の取り組みが具体的に進んでいないべ(でしょう)。ん(そう)だけど、皆で考えるべぎ時だ」。
俺は先生のコップに底の方に残っている酒コを注いだ。先生が少す(し)ばがり微笑んで喉を潤す(し)た。