本当(ほんど)がどうがネットで調(すら)べだげど日本の食料自給率(ずきゅうりつ)は今では四十パーセント無かんべ(無いでしょう)。国民の生命(いのづ)を守り健康を()()す(し)ていぐのに必要な食糧自給率がそんなでは先が思いやられっぺ(やられるでしょう)。コロナコロナ騒ぎの今、輸出(ゆしゅづ)する方の国の生産力が落ずで(落ちて)日本に農産物や畜産物の輸出が出来ねャ(ない)となったらたづまず(たちまち)日本は困るごどになん(る)べ。

   それでなくても世界の人口は二〇二〇年に約七十八億人、三十年後の二〇五〇年には九十七億七千万人って言われでんだ(言われている)。今より地球人口が二十億も増えで食料危機がすぐ来るのは明らかだべ(明らかでしょう)。

   今のまま日本は輸入に頼っていて()えんだべが(良いのだろうか)。(おら)の仲間が結婚す(し)て五年になる息子にやっと家を造ってやれるって建築工事(こうず)頼んで、なんとトイレが出来なぐで引き渡す(し)が出来ねャ(ない)って、家が完成す(し)ないって聞いで驚いだべ(よ)。コロナコロナ騒ぎで便器も温水洗浄便座も生産す(し)ている中国がら届かなねャ(ない)んだど。

   生産を中国に頼っていだなんてそんなごと()っただけでも驚いだけど、食べ物だよ。食料だ。二十年後、三十年後、果たす(し)て子や孫の代に生命(いのづ)、健康を守るだけの食料確保がよその国頼みでも出来るど如何(どう)す(し)て言えんべが(言えるのでしょうか)。三十年なんてあっという間だべ(でしょう)。その時になってあたふたす(し)ても間に合わながんべ(間に合わないだろう)。

俺家(おらえ)もそうだけど、国の土地改良政策の一環で農協に相談す(し)て国の補助金を貰って何十年か前に田んぼを整備す(し)た。猫の額みでャ(みたい)だった田んぼを広げで立派な水田にするごどが出来だ。親父(おやず)の代がらも(おら)の代になっても米を(つぐ)る面積をどんどん増やす(し)ていぐごども、(ほご)りを持って米作(こめづぐ)りに精を出すごども出来だ。田植え機やコンバインの導入など耕作の仕方(すかた)も変えで機械化するごどが出来(でぎ)だ。生産能力が上がってコメ余りだの何だのって米作農家が叩かれるようになっても米の流通が自由化されで今ではスーパーでもコンビニでも米は買えるべ(でしょう)。

   良い米を作れば売れる。農家代表だみだいに(かだ)って食糧法の改正に反対す(し)でいだ政治家も居だけども、自由化の声を挙げだ米作農家や消費者の方が正すかったべ(でしょう)。ん(そう)だども今、米を(つぐ)る仲間の中にはせっかく補助金を貰って整備す(し)た田んぼを捨てでいぐ人も出で来た。

(おら)みだいに後継者が居ねャ(居ない)がら米作(こめづぐ)りを止めるごどを考える人も居っ(る)けど、それだけでは()ャ(無い)。田んぼを大きくするごどは出来だげど、そこにかかる肥料や耕作機械の確保、維持(いず)にかかる経費が馬鹿に出来ねャ(な)ぐなってきたんだ。貴方(あんだ)()はどうだ(貴方の所はどうですか)」。

先生はニコっとす(し)た。先生に酒コを注いだ。

  「(はす)の方も進めでけらいん(下さい)。肉が柔らかいうず(うち)に」。

先生は首を軽く縦に二度振って頷いだ。奥様が先生のお椀に肉と白菜、豆腐、糸コンニャク、ニンジンを取り分げだ。(あった)めようど汁を足す(し)た。先生がその汁を啜って具を(くづ)にする。