1990年 発表 

 

作詞:森雪之丞 作曲:吉田拓郎 編曲:吉田拓郎

 

30年前のフィクション

 

デジタルの文字は 砂時計より早く

破滅へのカウント 数えているね

昨日流行ってた 服や科学や歌が

地下鉄の車輪に 轢き殺されてゆく

石の恐竜が ひしめくビルは迷路

風も自信無げに 地図を広げる

神の顔をした システムを信じれば

人間の姿で ロボットになるのさ

君が好きだけど 「愛」なのかわからない

新しい辞書には その言葉さえなく

あの夜抱き合った ホテルは壊されて

刑務所とよく似た 学校になったよ

 

30年前なら SFの街

でも僕達はまだ 愚かに恋をする

欲望はダウンタウンで 安売りされるけど

涙を止める錠剤(くすり)は まだないね

 

 

政治(まつり)で儲ける ペテン師達は今も

平和が続くって 思ってるらしい

闇に立ち込めた 過酷な退屈が

今にも爆発しそうだというのに

君が欲しいけど 「夢」なのかわからない

情報や皮肉が あまりに多すぎて

混線した電話 聞こえないと言ったら

サヨナラがその後 FAXで届いたよ

 

30年続いた 情熱の街

未来を手に入れて 未来を失った

行く先を訊ねても 「夢」みた人はもう

土に埋もれて何も 語らない

 

30年前なら SFの街

でも僕達はまだ 愚かに恋をする

欲望はダウンタウンで 安売りされるけど

涙を止める錠剤(くすり)は まだないね

 

 

 

 

 

メロディはそれだけで 心をもっています

言葉や文字は いらないのです

 

でも それに 歌詞をつけると

奇妙な世界をさらに作り出して

ぼくを有頂天にします ぼくを有頂天に

 

誰もが悲しいから 悲しいメロディに

悲しい歌詞は似合わない

 

財津和夫 I need you and YOU  より

https://ameblo.jp/2222picnic0213/entry-12281030929.html

 

 

 

言葉がすっとぼくの中に刻まれる時、ぼくはその曲が好きになります。 “それ(30年前のフィクションと命名された歌詞)”はメロディーと編曲に ただ乗り・ダダ乗り・もたれ掛かかった安易さ・誤魔化しは全くもってありません。 旋律無しの言葉のみで きちんと一つの作品として高い完成度を誇っているという認識、評価であります。そして、 稀代のメロディーメーカー筒美京平氏をその昔唸らせ脅威を与えた拓郎さんが、秀逸な曲に仕上げています。 歌詞とメロディが高い域で拮抗…ではなく、手を取り合い世界を構築しています。 

 

その時1990年、今から30年(も)前。

 

 ちなみに 風見慎吾の僕笑っちゃいます  もこのコンビでした。 雪之丞さんは、ちょっとだけあげると、稲垣潤一やシブがき隊(←なんか今書くと凄い名前でしたねw)、布袋寅泰、氷室京介とも組んでます。中原めいこ♪君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね。 もそうです。他、多くのand本当に多くの人に歌詞を提供しています。

 

「詞が無いと曲が浮かびにくい」というような事を、拓郎さんが近年ラジオ番組で喋ったのを聞いたことがあります。 勝手な憶測域ですが、詞が先であったのではないかと思っています。 

 

氏・さん・敬省略ごった煮です 汗

 

 

1990年。

起点とした1960年代は映像や記録や本の中の世界です、ぼくには。でもこの曲が発表された1990年のぼく自身の当時の暮らしぶり、そこに居た人たち-大学生でした-  1990年の世の中の雰囲気を鮮やかに思い出させてくれる一曲です。とにかく明るい時代でした。と同時に不思議と… …ではなくわりと自然に、今のいま-2020年現在にも通じて居たり、置き換えられたりもします。この歌詞の普遍性に舌を巻きます、ニンマリしてしまいます、驚いてしまいます。

 

 

1990年

世相から ぼく個人にまで狭めると…

 

混線した電話 聞こえないと言ったら サヨナラがその後 FAXで届いたよ  の FAX は今のいまは LINE ですね(笑) and あの夜抱き合った ホテルは壊されて  ← 2020年に生きるぼくは実感であります。コンビニやら駐車場やら専門学校になっています、、この曲を知っているとそういう景色の変化と自身のちっぽけな歴史にちょっと感慨深さを覚えるのであります。

 

 

そして

 

偶然、同じく 1990年に発表された曲。

ぼくの中では その詩の世界観が通じます。

https://ameblo.jp/2222picnic0213/entry-12169872387.html?frm=theme

詩は  こちらの記事をご覧いただけましたら幸いです。

 

尾崎に見えていた世界の姿と自身への眼差し、その結晶としての作品への落とし込み、そしてその表現力・伝達力・説得力、今聴いても見ても震えが来るほどの敬意を表します。今も聴いている曲の一つです。

 

30年前のフィクション も COOKIE も1990年生まれ。 30年前、、、もう30年も前なんですね。 学ぶべきは、見習うべきは、そのまなざしが今日を受け入れ明日へと向かって居る心根と活力です。 そう感じられるということがぼくに肝要・重要なのであります。 生きている力が溢れ出、そして届き伝わり 掴み損なう事無く感じ取れます。 拓郎さんや尾崎豊の、人を惹きつけてやまない本質と鍛え磨き抜いた感性、羨ましい才能が滲んで溢れています。 

 

という事でこの2曲、とっても好きです。

 

 

 

 

 

 

== 横道まっしぐらで路地裏へ ===

 

30年と言えば…  の前に

 

ところで

2013年に NHK朝ドラ「あまちゃん」が話題となりました。

 

小泉今日子、杉本哲太、美保純がメインキャストに名を連ねていました。深い理由は無くぼくは朝ドラはほとんど見ていません。 が、この「あまちゃん」は全話見ました。(あとは倉科カナさんの「ウェルかめ」は全話見ています。ヒロインになる前から倉科さんは好きでしたので。朝ドラヒロインに決まって驚愕しましたが、当時これでもっと知名度が上がるな、売れるな、と思ったものです。でもドラマ自体は… 脚本家さんには申し訳ないですが、、、うううううううううううむ、というのが内容へのぼくの評価です。ちなみに「ウェルかめ」は全話収録のDVD-BOXになっておりません。まあ、ぼくは酔狂に全話録画して今も見ようと思えば叶いますが…見たことが無いまんまであります(笑)涙 )

 

 

で2013年の30年前、

 

 

2013年から30年遡ると1983年。1983年とは…

小泉今日子 デビュー二年目。♪まっ赤な女の子 とか ♪艶姿ナミダ娘 の年。

杉本哲太 T.C.R 横浜銀蝿 R.S (THE CARZY RIDER 横浜銀蝿 ROLLING SPECIAL)の弟分 ロックバンド 紅麗威甦(グリース) でデビューして二年目。

美保純 1981年デビュー、ブルーリボン新人賞を獲得した1982年日活ロマンポルノ「ピンクのカーテン」の翌年が1983年

 

大きく言えば同じ業界かもしれませんが、まあ、1983年当時それぞれの活動領域からすると30年後にNHKの朝ドラで共演しているという巡り合わせ、各々の歴史・息の長さ、芸能人としての生命力、→ドラマの中で違和感なく役になりきり放った存在感、に、一人勝手に感慨深ってました(笑) もちろん、脚本家の宮藤官九郎の意図した掌の上だったと思いますが、皆、その手のひらに -これまたクドカンの期待通りに- 収まりきらず活き活きとしていました(笑)  こういう事があるんだなと。そこから そう言えばぼくもそれなりに長く仕事をしていて 不思議な縁と巡り合わせがあったなぁと意味づけられ気が付きました。 素晴らしきかな人生、と思えた瞬間が何回かあり恵まれてました 100点 感謝。

 

 

 

 

 

 

今から30年後は2050年。 

今は2020年。

 

今日でもう、すでに以下。

そうでありたい、以下の以下。

 

人生は長過ぎて僕の手には負えない 

生意気な若い日のツケが回ってくるのか

 

 

カウントが流れだすと 愚かな血が騒ぎだす

すまし返った街の角を はしゃぎながら翔けてゆく

 

 

1988年発表 ミュージシャン 

中島みゆき アルバム『中島みゆき』 5曲目

 

 

 

 

【音楽】[名曲:ぼくの備忘録] (27) 

「30年前のフィクション」作詞:森雪之丞 作曲:吉田拓郎

 

客演 : 

「I need you and YOU」 財津和夫

「COOKIE」 尾崎豊

「ミュージシャン」 中島みゆき

 

参考 :

♪失くしたものは景色だけさ 一緒に歩かないか

「NとLの野球帽」 CHAGE and ASKA

 

 

 

 

お読みいただきまして

誠にありがとうございました。