仕事をするうえでは、立ち止まって、自発的に物事を考える時間をとることは非常に大切である。

意識しておかないと、ただ来た球を打ち返し続けるだけになってしまう。社内で上司や他部署から頼まれた仕事をしたり、問合せに対応したり。

ただ来た球を打ち返すだけだと、仕事はそれほど難しくはない。閉じた世界で、条件を設定して、条件がわからなければ依頼元に聞けば良い。ある意味、機械的に処理するだけである。

一方で、受動的に仕事をしているので、自分の仕事の量のコントロールがやや難しい。また、モチベーションの維持も難しい。そして、環境の変化への対応も難しい。外的なトラブルがおこった場合、ただ不満に感じるだけである。

しかし自発的に考え始めると、様子は変わってくる。自発的に考えるといっても、考えるべきところは様々なレベルにある。

まずはハイレベルに、自分のやるべき仕事はなんなのか?自分のしたい仕事はなんなのか、という定義である。そのためには、自分の知見・能力がどこにあってどれくらいのレベルなのかということを考える必要があるし、それを使ってできる仕事の需要はあるのか、誰が必要としているのか、そしてその仕事を実現するためにはどういうお膳立てが必要なのか、ということを考える必要がある。

次に、組織でその仕事をやるには、自分以外にどういうリソースが必要なのか、使えるのか。そのためにはどういうお膳立てが必要なのか、ということも考える必要がある。

そうしてようやく、その環境のなかで目の前の仕事をどう処理するか、ということになってくる。その処理の仕方によっても、自分の本当のゴールを実現するためにどういう形で処理すれば良いのか、ということを考える必要がある。

そういうことを考えて仕事をやるのと、ただ来た球を打ち返すのとでは、ぜんぜん話が変わってくる。だからそういうことを考える時間を意識的にとる、ということは非常に重要なことなのである。