これまでぼくは3回転職をしたのだが、転職をするたびに毎回共通点があった。それは、ひとつは転職先は忙しく、転職後に業績が伸びた、ということ。

 

考えてみれば、ある程度その方向性は当たり前とも言える。人手が足りないから中途採用者を募集しているわけなので、入った後は忙しくなるのは当然だし、忙しく様々なことに取り組んでいれば業績が伸びる確率も高いというわけである。

 

考えてみれば当たり前なのだが、転職する前はあまりそういう事は考えたことはなかった。ヘタすると、うまくすればラクでより報酬の高い会社にいけるのでは?というようなことさえ考えていたような気がする。しかし現実は、転職するたびに忙しい仕事が回ってきたり、海外駐在を言い渡されたりするのである。

 

繰り返しになるが、そもそも中途採用者を募集しようと考える時点で「忙しい」「人手が足りない」という状態であるわけなので、そもそも転職して他の会社に行くということは、忙しい仕事に飛び込むということと同義なのである。

 

しかし、さらに良く考えてみると、そもそも「ラクでより報酬の高い仕事」というもの自体がサステナブルではない。一時的に、そういう仕事はあるかもしれない。既得権益の一部となっているような仕事で、数十年くらいそういうポジションが存在する、と言うともあるかもしれない。
 

しかしそういう仕事・ポジションは永続的なものではない。そういったものは明らかに不経済の原因になっているわけなので、マーケット環境が変われば消滅する可能性が高い。

 

そうなった場合、そのポジションにいると逆に厳しい環境になる。いわゆるぬるま湯につかっていてトレーニングできていないので、新たな環境・厳しい環境にさらされた時に対応しきれない可能性が高いからである。そういう意味では、転職をすると厳しい環境に・新しい環境に入っていくことになり、負荷は上がるのだが、環境変化に対応する力はついてくるように思われる。

 

今の自分のポジションが、マーケット環境が変わって消滅したとしても、もういちどまた新たなポジションを探せばよいだけのことなので、特段心配もない。日本の環境も変わってきて、いまや課長ポジションであろうが、部長ポジションであろうが、役員ポジションであろうが、転職は可能になっていていると思われる。10年くらい前は、転職35歳限界説のようなものがあったが、もはやそれはとっくに過去の遺物になっているように見受けられる。

(いまでも課長級以上は原則中途採用しない、としている大手企業もあるように思われるが、徐々に減っていくものと思われる)