つい他人の価値観に戻りそうになる自分を否定しない


これまで何十年間も、「他人の価値観」で生きてきたんです。そっちの歴史のほうが圧倒的に長いわけですから、「他人の価値観」で生きることが機能不全を起こしていることが分かった後も、つい「他人の価値観」に振り回されそうになることもあるでしょう。 



そんなときは、そういう自分を否定しなくていいんです。一歩離れたところから今の自分をよく観るだけでいい。



今、「見る」ではなく、「観る」という漢字を使いましたよね。



そうなんです。ポイントはよく観ること。観るとは、観察すること。その中に巻き込まれて、自分が何をやっているのかワケが分からない状態になってしまうのではなく、自分の今の気持ちをちゃんと自覚し、そのままよく観察することが「観る」ことです。



否定もせず肯定もせず、ただ観察していれば、そこに距離ができて、巻き込まれなくなり、 やがて気持ちも落ち着きます。そして落ち着けば、また「他人の価値観」から離れることができます。




なんでも100点を取ろうとしなくていいんですよ。あっ、これもこれまでに刷りまれてきた他人の価値観でもありますね。気づいていますか?




完璧であろうと少しのブレも許さないほど自分を追い詰めると逆効果です。それがまた不自由さを生み出し、魂の望みを遠ざけてしまいます。



だから50点でよしとする。半分より少しだけ上回っているだけでいいんです。そうすれば、 ちゃんとそっちの方向に物事は動いていきます。ほんのちょっと傾いているだけでも、ビー玉を転がせば、ちゃんと傾いているほうに転がっていきますよね。



それと同じです。ほんの少しだったとしても、意識的であろうとする方向に傾いていれば、無意識に他人の価値観に飲み込まれなくなってきます。



それに、何か一つでも機能不全を起こしている「他人の価値観」をクリアすれば、さらに勢いがつきます。そうして気づいたら50点が60点になり、80点になっていきます。だから焦ることはありません。じっくり確実にいきましょう。焦って早く結果を出そうとするから、かえって葛藤が生じ、うまくいかなくなる。あなたもこれまでの人生でそういうこと を散々体験してきたでしょう。



焦るから、かえって実現が遅れる。



結果に囚われず、今この瞬間できることに集中していれば、実は焦ってどうにかしようとするよりも、ずっと展開が早くなります。



なぜならそこに宇宙の力がはたらくからです。何でも自分でどうにかしようと力まずに、流れのままであるとき、宇宙の流れとシンクロします。そうすれば、あなたに向かって無限の宇宙から大きな力が流れ込む。その宇宙の力が、あなたを楽に幸せな方向に運んでくれるのです。




今はまだリハビリ期間なんです。骨折して、まだ骨がくっついていないのに、ギプスを無理やり外して、全力疾走したら、複雑骨折してしまいます。 ゆっくり確実にいきましょう。




大木ゆきの『魂の望みは、叶うようにできている』

マガジンハウス

あたまのなかで整理するため改行色づけ

黒太字と下線は原文どおり