自動車やバイクの夜間走行で大切なのは、やはり前照灯、つまりヘッドライトの明るさと見やすさです。もちろん、フォグランプやドライビングランプといった補助灯によって、見にくいところをカバーすることもできますが、基本はヘッドライトで、しっかりと見やすくすることが大切です。
まず明るさに関して言えば、明るいほどいい!!これにつきます。昼間と同じような明るさがあれば不安なく走行が出来るでしょう。しかしその明るさを得るためにいくつかの方法がありますが、一長一短があります。
①昔ながらのハイワッテージバルブで明るさUP!!
通常は55~60Wの消費電力のバルブを80~100Wの消費電力のものに交換して、根本的に明るくする。10年以上前はこの方法が一般的でしたが、プラスティックレンズの場合、発熱によってレンズが溶けてしまうことや、増大した消費電力をカバーするためにリレーや専用ハーネスを取り付ける必要があり、手軽な方法とは言えませんでした。
②消費電力は同じで明るさUPバルブ!!
15年ほど前から「消費電力は55Wで80~130W相当の明るさ」という魔法のようなバルブが登場してきました。これはバルブの発熱量を上げることで、消費電力はそのままでも明るくなるというもの。ほとんどの樹脂レンズでも使えることや、リレーやハーネスが必要無いことで、現在の商品のほとんどがこの種類のものです。ただ実際には、本当に2倍の明るさがあるのかというと、そんなことはなく、130~150%位の明るさのものがほとんどです。またバルブをギリギリまで高い温度で発光させているので、寿命が短いこともあります。そしてバルブが高温になるため、電気を供給するカプラーが溶けたりするトラブルも多発しています。
ついついUP率の高い商品を選びがちですが、寿命やその他のトラブルを考えると100W相当までの商品にしておくほうが良いかと思います。
③従来のハロゲンバルブからHIDにコンバートして飛躍的に明るさUP!
10年程前から自動車でも採用されることが多くなったHID。メーカーによってディスチャージと呼ばれることもあります。ハロゲンがフィラメントを持つ電球なのに対して、HIDはフィラメントを持たず、バラストと呼ばれる電気回路によって数万ボルトの高電圧を作り出し蛍光灯のようにバナーと呼ばれる発光菅を点灯させることで、ハロゲンの数倍の明るさと、半分程度の消費電力を実現しました。まさに夢のような照明なのですが、非常にコストがかかり、自動車でも高級グレードやオプションで設定されている程です。
バラストという電気回路で電圧を昇圧する必要があるため、電源となる電圧が安定していることが要求されることや、ハロゲン用のレンズに組み込む際には防水対策やHi/Loの切り替えが曖昧になるなどの欠点があります。
①~③の方法で明るくすることができますが、レンズの構造や素材によって最適なモノを選ぶのが良いかと思います。Hi/Loが別れている4灯タイプの場合はLo側だけをHID化することで無理なく明るさを手に入れることができます。H4タイプとよばれるHi/Lo切り替えの場合は、普段使いのLo側にポイントを絞って調整することが重要です。
またヘッドライトで重要な要素のもう一つが色。これは色温度という単位でケルビンという数字で表します。
①通常のハロゲンヘッドライト程度:4300ケルビン(K)
雨や霧といった悪条件でも見やすい一般的な色温度ですこし黄色~オレンジの入った感じです。
②青白さが少し入った程度:5000ケルビン
純正のHIDがこの数値位のものが多く、白色の発光で太陽光に近い自然なフィーリングとなります。晴れた路面では見やすいですが、濡れた路面では表面の反射などで白線が見えにくくなることもあります。
③青白さがかなり強くなる程度:6000ケルビン
車検に受かると言われる上限の色温度でかなり青白くなってきます。昼間というよりも青が強くでます。いかにもHIDというルックスになりますが、人間の目には暗く感じることもあります。雨などの悪条件では、かなり見にくく感じるようです。
④黄色く発光する3000ケルビン
従来のイエローバルブとよばれる感じの色温度になります。ほとんどハロゲンのイエローと区別は付きません。ただ従来のハロゲンでは電球を黄色にして光に着色していましたので、その分暗くなっていましたが、HIDの場合は着色で黄色にするわけではないので、かなり明るい黄色になります。雨や霧といった悪条件でもしっかりと視界を確保できます。でもちょっとレトロな雰囲気も出てしまいます。
私個人の理想はHID化して3500~4000ケルビン位の色温度なんですが、現実的には4300ケルビンかな?
見た目を重視して青が強くなればなるほど、実際の明るさや見やすさが低下してしまうので、注意が必要です。一番暗いのは、ハロゲンヘッドライトに青色の着色がしてあるもの。白色に発光しますが、実際にはかなり暗いので注意が必要です。
夜間の走行を安全に、そして疲れにくくするためにヘッドライトを明るくする。そのためにはいろいろは方法があります。夜間走行の多い方は一度、ご相談ください。最適な方法をご提案できると思いますよ。