愛する旦那様へ

 

叶わぬことだって充分理解しているのに、

会いたくて、会いたくて・・・あなたの名前を今日も呼び続けている。

 

あなたは、何を使命にこの世に生まれてきたの?

目的としたことをクリアしたから、老いていく前に去ってしまったの?

でもひどいよ、私をおいてこんなに早く一人でゴールするなんて。

 

ある人が言った、

人は寿命と共に使命を持って生まれてくると。

 

旦那様

あなたの病気がわかって余命宣告された時から、気になっていたことがあるの。

定年後も延長してまで勤めた好きだった○○業界の仕事。

若い頃その仕事に就くきっかけも、ある人との運命的な出会いだったと聞いた。

私との出会いも、同じ業界でも状況は運命が引き合わせたと思えることだったよね。

半世紀ほど勤めた天職に区切りをつけた日から、

仕事に追われることもない穏やかな第二の人生を二人で踏み出そうとしていた時。

突然、この世界とのお別れの余命宣告。

 

あなたがこの世に生まれた目的って何だったの?

ゴールは、好きだった○○業界の仕事を充分満足したから?

私との第二の人生は、そのシナリオにはなかったの?

 

強引に私の横に滑り込んできたくせに。

「逃げられないように」って笑いながら、

1日だって無かったほど、いつも手を繋いでくれたのに・・・。

 

それでも、最近こんなふうに思うこともある・・・。

あなたのもう一つの使命は、

私を見つけ出して幸せにすることもそうだったのかなあって。

様々な世界を見せてくれたし、

お金には変えられない沢山のものを与えてくれたものね。

毎日が笑顔とお互いへのありがとうで溢れて、

二人の間にはいつも穏やかな時間が流れていた。

あなたと出会えたことで、私はこれ以上ないほどの幸福感も感じていて、

悩みがないのが悩み。

こんなに幸せでいいのか、なんて傲慢なことさえ考えたこともあったほど。。。

 

ちょっと欲張って、第一の人生に詰め込みすぎたの?

思い返すと、あれ?っていうことがある。

 

退職後は、何の病気もすることなく健康体だったのに、

先の時間がたっぷりあるにもかかわらず、

自分がこの世をいつ辞しても??いいように、

私が一人になった時困らないよう?? いくつかの手続きを早々に終えていたね。

この先の多くの有り余る時間を使ってすればいいのに・・・。

その様子を見ていて私は何か心に引っかかるものがあったことを憶えている。

住宅ローンだって、本来はまだ数年残るはずだったのに繰上げ返済で完済していた。

 

もしかして、

あなたは自分でもわからない何かにつき動かされていたのかなあ??

まさか旅立つことを知っていたとは考えられないのに。。。

 

さらに、あまりの偶然に驚いたのは、

数十年間かけていた生命保険の契約終了1年前に病気がわかり、

加入してはいたのものの今まで一度も使っていたかった医療保険が、

終了期間に合わせるように使えたことにも何か、不思議な運命の作用を感じて

私は複雑な気持ちだった。

 

生まれるための使命と目的は、誕生した瞬間に忘れると聞いたこともある。

今思うと、そうなのかもしれないということだらけ。

 

墓標に刻まれた命日と年齢を見た時、魂のつながりを感じた。

自分の父と同じ歳で、祥月命日も同じ。

お義母さんとは月命日が一緒というのも不思議。

結婚記念日は、義父の生まれた日。

東京にも雪が降った日の朝食後に、

突然これから区役所へ行って入籍しようと言って手続きをしたその日は、

後で知ったあなたの亡き父の誕生日の日だった。

その日に決めたことについては、何も語ってくれなかったね。。

 

そして、あなたがこの世界から旅立ったのは、お義父さんの祥月命日の日。

 

桜の季節となり、

医師も想定していなかった回復ぶりに、わずかな希望を持ち始めていた。。

自宅療養で順調だった体調が、突然私の誕生日の朝から急変した。

 

クリスマス、お正月、あなたの誕生日、いつもの散歩・・・、

余命を告げられた時に、もう叶うことがないと諦めていたことだった。

自宅療養となって、最期に・・・とでもいうように全てが実現したのは、

あなたの精一杯の頑張りで、私の誕生日までが限界だったの??

 

その日を境に、急な階段を転げるように時間単位で悪化していく姿を前に、

驚きと怖さでどうすることもできなくただ側にいることしかできなかった。

体が水分、栄養を摂ることを拒止し始めてから、数日後。

息も苦しいほどに衰弱したあなたを前に、

私の心をよぎったのは、もしかするとお義父さんが迎えに来るかも。

・・・本当にその通りになったね。

 

前日の夜には確信に変わっていたもの。

医師から、耳は最期まで聞こえていると言われていたこともあったから、

その夜私は、

もう最期と返事もできないあなたの手を握りしめながら、

ひたすら感謝の言葉をかけ続けたけれど聞こえていた?

動くとは思っていなかった左手が伸びて私の肩を抱いてくれた腕に驚いたけれど、

とても嬉しかった。

そのまま固まってしまった手を離すのは大変だったけれど、こんなことも願った。

そのまま一緒に旅立つことができたらって・・・。

 

あなたがこの世界に生まれてきた目的を考えるとき、

好きな○○業界の仕事に携わりながら私を見つけ出して、

二人で笑顔いっぱいの楽しい生活を送るためだったのかなあって思いたい。。


この世界を去るとき、

さよならも口にすることなく先にゴールしたのは、

次の世界でもまた会えるから、その時までおあずけだったの?

お小遣いを残したから一人の生活をゆっくり楽しんでからおいで・・・ってこと??

 

きっと今回の人生では、

老いていく前の若々しく格好がいいままの姿を私に残したかったのかなあ?

あなたのことだから、きっとそうだよね。

でも、次の人生では一緒に年齢を重ねてお互い顔を見て皺を数えながら

笑えるほど老いていこうね。

じゃあその時まで。。。

 

私はそう信じていていいよね。

 

でも、会えた時にはちょっとだけお仕置きです!

こんなに悲しく寂しい思いをさせた罰です。

覚悟して待っていてね、愛する旦那様❤️

 

 

 

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