幸せの心理学(下)/致知出版社

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ストロークは心の栄養源で、精神分析上では、自己及び他者の存在を認める働きかけとある。ストロークは人の心を開かせやる気にし、動機付けを行う物である。そしてストロークは基本として3つ存在する。①支え愛②許し愛③認め愛である。
ストロークはする人の人生観や人間観をベースにする必要があり、それを通してこそ幸せな人生に結びつく人間関係を構築する事ができる。
ストローク4つに構造化して捉える事が出来る。
横軸として肉体的or心理的ストローク、縦軸として肯定的or否定的ストロークがある。
①肉体的x肯定的…子供に頭を撫でたり抱っこしたり、大人に対して握手をする。
②肉体的x否定的…子供に躾けの意味で叩く。
③心理的x肯定的…褒める励ます手を振るなど。
④心理的x否定的…叱る注意忠告反対するなど。
大切なのは否定的ストロークとディスカウントの区別である。叩くを例にあげると相手に良かれと思って叩いても、叩かれる側が存在や価値を軽視する意味で叩かれたと誤認するとディスカウントとなってしまう。ストロークは受ける側によって捉え方が大きく変わってしまう事に注意しなければならない。
幼児期においてストロークが不足すると病気や知恵遅れの症状が出るほど重要な意味を持っており、幼児だけでなく人間が生きていくためにストロークは貰いたい・与えたいという欲求がある。
複数人が集まる場では人は無意識にストロークを交換し合っているが、どんなストロークを相手に与えているか、相手がどのように受けとっているかは無意識である。また人間関係が悪化した場合それまで交わしたストロークを解きほぐしてく必要がありそれを防ぐためにも自分が与えたり受けたりストロークが否定的になっていないか意識的に分析する必要がある。
ストロークが欠乏すると問題行動も引き起こす。軽度であれば職場で遅刻や欠勤、夫婦間では会話が少ないという状況になる。しかし重度になると最悪のケースとして自殺や殺人まで発展してしまう。一方、業績の良い企業は必ずストロークが多い企業でもある。企業内でストロークがあると人間関係が上手くいき活気に満ち結果として業績も良くなる
プラスのストロークを与えるとそれ以上のプラスのストロークが返ってくる。これはストロークのメカニズムである。プラスのストロークを受け取る事で、マイナスのストロークが減り、よりプラスのストロークを返す事が出来る。家庭でプラスのストロークを与え続けるとマイナスが減り、明るい家庭になっていく。この様な環境を整える必要がある。
ストロークを与える時に大切なのは、まず相手のどの自我状態にストロークを送るか意識を配り、自我状態に対し均等にストロークを与える事である。また、複数人にストロークを与える際も特定の人に偏るのではなく、平等に与える必要がある。
人の心の核心にピッタリ合いその人が本当に欲しいストロークをターゲット・ストロークと呼ぶ。ターゲット・ストロークは人生に絶大な威力を持っており、会社を再建したり、人生を変えたりもする。人との出会いはある意味ストロークと出会う事と同義なため、人との出会いは大切な物となる。
ストロークの与え方、受け取り方、求め方も大切である。これら打破しなければいけないストロークの課題をストローク経済の五原則と呼び、原則は5点ある。その1つとして自分自身にストロークを与えないとある。まずは自分自身を認めて大切にし価値ある人間と自分自身にストロークを与える必要がある。
ディスカウントはストロークの対極にある行為や言葉である。苦痛を伴い意欲を削ぐ物のためディスカウント自体止めなければならない。ディスカウントを行う領域は3つある。①自分②他人③現実の状況である。各々の領域には段階があり、一番軽度な場合だと自分や他人の能力に否定的になる程度だが、重度になると深刻な問題をも軽視し、企業の場合倒産にまで繋がる。これらを回避するためにはAの自我状態を働かせ現実に直視をする事と、ストロークを与えていく必要がある。
ディスカウントは各自我状態でも反応が違ってくる。例えばRCからくるディスカウントは、自分の間違えを認めず他責にし自己正当化する。またストロークをAC・CP・RCが高い人はディスカウントしがちなため、ストロークを受け取る際はFCA、NPで受け取るのが良い。
次に、自我状態がまだ確立していない時期にディスカウントを受けると刺激に反応しながら自我状態を確立してしまうため、物の見方や考え方にゆがみを発生させてしまう。これは程度の差はあっても誰しもゆがんだ反応パターン・癖を持っている。刺激の反応としては4つある。
①萎縮
②抑圧
③逃避
④対抗
また、各反応に度数が存在しており、例えば萎縮、抑圧、逃避が重度になると自殺に行き着く。反応の特徴は全てCをベースにしている点である。萎縮、抑圧、逃避はAC、対抗はRCである。特に幼少期に強くディスカウントされた人間はCが強くなり過ぎ、物の見方考え方をCで行ってしまう。そしてAを使う時もCを通してしか働かず大人になりきれない状態になり、問題行動をとってしまう。
心理的ゲームとは裏面交流をベースに、意識下に否定的な動機を持ちながら、繰り返し行われるトリックを伴った人とのやりとりで、自分も相手も後味が悪い結果しか残らないのに繰り返してしまう。これは幼い頃に構築されたゆがんだ反応パターンでやりとりする事がこのゲームの土台となっているからである。
心理的ゲームのメカニズムはAでコントロールできない所で起こるため無意識のうちにゲームの仕掛け人になったり、引っかかる人になったりする。心理的ポジションでは私OKあなたOKの人は心理的ゲームなる事はなく、その逆の3つのポジションで心理的ゲームは発生する。すなわち各ポジションNOTOKである事を証明し強化するためにゲームを行う。
心理的ゲームを各プレイヤーに特化して分かりやすくしたのが、カープマンの法則である。迫害者、犠牲者、救援者の3つ役割がある。相手を痛め付ける事で、犠牲者が生まれ、自身が迫害者になる。その状況を救援しようとする人間が現れ救援者となる。嫁姑そして夫の三角関係が分かりやすい例である。心理的ゲームは家庭だけでなく職場や学校でも日常的に行われている。またこの心理的ゲームには各役割毎にゲームの種類が存在している。例えば犠牲者のゲームの1つとして猛烈ゲームがある。これはNOTOKのCPが高すぎるため、自身を認めるこができず自分を責め、さらに高い目標を持ち過ぎてやり過ぎてしまうケースである。心理的ゲームにも度合いがあり、過度になると猛烈ゲームの例だと病気になってしまう。
心理的ゲームを繰り返してしまう理由が9点ある。
①存在感の確認
②時間つぶし
③ストロークが欲しい
④心理的ポジションを維持
⑤ストレスを吐き出す
⑥いい人に見られたい
⑦マイナスのストロークを貯蓄している
⑧ラケット感情を味わう
⑨人生を予測する
次にゲームを止める方法は
①自分からゲームを止める
②相手にゲームを止めさせるかの2パターンがある。前提として、ゲームを止めるためにはまずゲームに気付く事、何故止めるか考える必要がある。
まず①自分からゲームを止めるためには、7つの観点がある。
①Aを働かせる
②プラスのストロークを溜める
③生産的時間管理を行う
④カープマンの法則にある役割を必要以上に演じない
⑤必要以上にラケット感情を集めない
⑥心理的ポジションをOKにする
⑦自分の人生を意味付ける。
相手に心理的ゲームを止めさせるためには、6つの観点がある。
①Aを働かせる
②ストロークを与える
③ユーモアや冗談を言う
④ゲームと対決する
⑤ラケット感情をストロークしない
⑥ゲームの相手から遠ざかる。
ラケット感情とは、本当は感じたくないのに必要以上に孤独になったり心配になったりする事である。ラケットの言葉の意味はゆすりや支配だが、人間の基本であるFCを無理やり抑圧し過敏なACを発達させた感情である。人間は大きくなるにつれ基本感情をそのまま表現する事が難しくなり自身の感情を呑み込んでしまい(抑止・禁止)基本感情の代わりに別な感情(代用感情)を持ってしまう。
悲しみ、怒り、恐れの3つの基本感情には各々代用感情が存在している。悲しみ…罪悪感、寂しさ等。怒り…イライラ、諦め。恐れ…不安、心配、妄想、混乱、から威張り等である。
ラケット感情を克服するには3つのポイントがある。
①Aを働かせ自分を支配しているラケット感情に気付く
②FCを高める訓練をする
③今感じているいやな感情を続ける事で人生がどうなるか冷静に考え・分析する。
次に子供はAがまったく形成されていない時期から母親の顔色をうかがって気に入られようとする知恵を持っている。Aでは感知できない物を感じ見分ける事ができ、それを小教授・リトルプロフェッサーと呼ぶ。これの特徴はCの中にA'を持っている点である。
PやAが確立する前にCの中にはA'以外にもP'やC'を持っている。P'は親の影響を受けているので、ACとRCの2面を持っており、逆にC'は親の影響は受けないためFCとなる。
A'の小教授はACを使って人にどう気に入られるか手段を考えたり、RCを使っていかに自己正当化するか考える。FCを使って前向きな創造性も発揮できるが、多くはAC、RCを使って人を操作したり自己正当化する事を本能的に行う。すなわち心理的ゲームを行う時はこの小教授が働いている。
例えばあえて否定的な感情になる事で、ストロークを得る事がでできる。この様にならないためにも小教授はなるべくFCと一緒に使う必要がある。FCと結びつけたA'を活用しその上にさらにAを重ねる事で創造性が豊かになったりと、小教授はプラスな面も持ち合わせている。
人生脚本とは人間が無意識のうちに生きようとする人生プランである。まだAが十分に形成される幼少期から作られていくめ、不完全な部分が多い。ある意味親から強制された人生プランとも言える。しかし自分の自我状態の気付きや取りがちな心理的ポジションなど自分の問題点を知ることで、人生脚本を分析し、書き直す事が出来る。
0~3歳の間から一次決断を行い人生脚本を書きだす、4~6歳には親の指示や禁止により人生脚本の基本テーマを作り、7~12歳までにAの発達と共に二次決断をし脚本を完成させていく。その後二十歳までリハーサルを重ね実践に移されていく。大切なのは人生脚本自体は自分で作成するが、両親の影響(環境)は人生脚本に大きな作用を及ぼす。
4~6歳の親からの指示・禁止令は、ある意味親の呪いである。指示はどうしてもそうせざるはいられないものであり、親が努力家であればその言葉と態度が子供に影響し、過剰に努力してしまうといった影響を与える。禁止令は親の態度によって形成され本当はしたい事があるのに親の態度を見てFCを縛りつけてしまう事である。
強い指示をドライバーと呼び5つに分類する事が出来る。
①急げ急げ
②努力せよ
③強くあれ
④完全であれ
⑤私(他人を)喜ばせよ。
また各々に禁止令であるストッパーが存在する。例えばドライバーが急げ急げの場合、指示として気持ちや行動がセカセカしてしまい、ゆっくりしてはいけないという禁止令を持ってしまう。また、指示は禁止令を強化する関係にある。まずは禁止令が先に作られるが、指示を身に付けると、自身の指示でCが身に付けた禁止令をより強化してしまう。
人生脚本を書き直すためには、各理論を通し問題点に意識的になる事である程度書き直す事が出来るが、人生脚本を書き直すために禁止令を解く具体的な手法もある。
TAの最終目的は自己の能力に気付きそれの妨げになっている要因を取り除き自らの可能性に向けて自律的に生きていく事である。
幸福に生きていく最大のポイントは自ら生きる価値をどれだけ強く認識しているかである。自律的人間は幼い時に作った否定的な脚本の言いなりにならず、自己の存在価値を100%認める事で、強い信念や動機付けを行っているのである。
所感
二歳の子供がいるので、Cの中にA'が存在する所はとても共感ができる。また自分の保育園時代の記憶を辿るとA'を使いいかに親や保育園の先生に気に入られようとしていたか思いだせる。
一方、父親の病気によって自分自身や家族全体に大きく影響を与えた事を具体的に理解する事ができた。当時から父の病気を外で話すのはタブーとされていたので、父の病気(いつ亡くなってもおかしくない)について悲しい・怖い感情を抑止され事により寂しさであったり妄想が強くなった事が分かった。特に妄想については、小4の頃から今現在も脳内に顔も声も明確になった複数の人物と共生している。これの誕生要因がハッキリとしたので、とても自分自身安心する事が出来た。最後の点が幸せの心理学を通して一番の気付きである。