二代目のブログ

二代目のブログ

文献講読を載せていきます

Amebaでブログを始めよう!
50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?/ダイヤモンド社

¥1,575
Amazon.co.jp

本書は赤字店舗のファミリーレストランが大手競合が参入することが決まりどのように対応していくかをバランススコアカード等を使って分析・アクションをしていくことで問題を解決していく物語である。

本文では固定費・変動費の説明から、損益計算書とは何か?という定義を行ってストーリーが進んでいくが、基本的には全てバランススコアカードが中心になっている。

1)顧客の視点に立つ
顧客を知るために実際にアンケートを設計し、具体的な顧客の声から課題を洗い出している。具体的な質問は以下である。

-----------
①感想をお聞かせください
・今回のご利用はご満足いだけましたか?(満足・不満・どちらでもない)
・また○○い来たいと思いますか?(思う・思わない・どちらでもない)
・店舗の施設はご満足いただけましたか?(満足・不満・どちらもない)

②お食事の感想をお聞かせください
1料理はご満足いただけましたか?(満足・不満・どちらでもない)
満足した料理名→(       )
不満だった料理名→(       )
2料金はご満足いただけましたか?(満足・不満・どちらでもない)
1満足した料理名→(       )
2不満だった料理名→(       )
③スタッフの印象について、ご感想をお聞かせください
1スタッフの接客はいかがでしたか?(満足・不満・どちらでもない)
2印象に残ったスタッフがいれば名前をお聞かせください(    )
④○○で気に入っている点があればご意見をお聞かせください
⑤○○で不満な点があればご意見をお聞かせください
-------------

ここでは不満な点が多く寄せられたが一方で、気にいった料理が明確になったりと次のアクションプランを作る上では貴重な資料となった。

また、自社で捉えた場合このとおりに質問を行うとかなり高い「不満足」の値がついてしまう事が容易に想像ができる。あまりにも悪い結果だと、スタッフに共有して士気が下がってしまう可能性があるため、アンケートだけではなくミステリーショッパーなどの対人的なサービスについての解答や、スタッフにストロークも送れるような調査を行いたい。

2)業務プロセスの視点
①商品とサービスを顧客満足につなげる
②生産性を向上させる
 1コストの削減
  ・歩留まり率を高めて材料費率(変動費率)を減らす
   食材のムダ使いをやめて歩留まり率を高める
  ・固定費の増加を抑える
   無駄な費用をそぎ落とすが、不可欠な費用は削らない
 2資産の活用
  ・設備の稼働率を高める
  ・在庫の回転速度を高める

飲食店においてフード原価を下げるにあたりまず仕入れ価格から見直す事が多い。具体的にはより安い材料を使おうとするわけだが、慎重に行わないと商品の質を下げてしまう可能性が低くない。そのため、食材のムダ使い(不正やロス)をまず止めることが大切である。同時に販促で使っている固定費をあらためて見直すことによって、最低でも1万円以上が見直すことは年間を通すと大きなコストカットに繋がる。

次に設備においても、購入orリースしたがあまり使っていない設備も沢山ある。そのような設備をあらためて精査をしてお店をできるだけ身軽にする必要がある。


3)学習と成長の視点
①従業員の定義
 人件費コストではなく、会社の資産として捉える
②個人目標と全体目標の一致
 ・人時売上高の把握
 ・適切な評価
③スタッフミーティング
 気付きの知識化し共有する
 アイディアの蓄積
 インセンティブの設定

ホールスタッフなど人員が多い部署については、どうしても予算ありきで人間を固めてしまいがちになる。すなわち人件費ベースで従業員を管理してしまうが、スタッフの質は顧客満足に繋がるため、ある程度適正コストを先に決めるべきである。

またお店の目標を共有し、それを個人個人に落とし込む作業も大切な事である。数値管理においては営業時間と売上金額を元にして人事売上高を管理していくことで、より適正な数値で管理することができる。

また本書でもスタッフとの個別ミーティングの重要性を厳しく説いている。個別に話すことで、仕事上の気付きを吸い上げることができたり、動機付けを行う事ができる。本書では具体的な外部研修やOJTについて触れられていなかったが、学習と成長の視点おいて、自社では外部研修会社を使うことが必須になると考えられる。
ビジネスリーダーのためのファシリテーション入門 (DO BOOKS)/同文館出版

¥1,470
Amazon.co.jp

◆ファシリテーターとは何をする人か
ファシリテーターはファシリテーションを行う人ですが、ファシリテーションの言葉の意味は「促進すること」「容易にすること」「円滑にすること」である。会議の上でのファシリテーションの定義は「参加者の協力を促し、全員が納得して議論を導きだすための支援をすること」である。

一般的にファシリテーターは上司や参加者に有無を言わさず「会議を仕切る人」と捉えがちだが、実際には中立の立場で会議を進めていくことを指す。

そのため大切な概念として、ファシリテーターは「会議の進行役」ではない。会議の進行役は、議題と進行表に沿って会議を進めるが、基本的に議論の決め方や参加者に対して配慮がない。それに対してファシリテーターは参加者から出た意見を整理したり、まとめたり参加者に考えるヒントを与えたり、参加していない人に参加を促したりもする。

多くの会議が上手くいかいのが、「権限のある役職者が会議の進行役をすることで、どうしてもその本人が進めたいように進行してしまう」点である。ファシリテーターは意思決定をする権限のある役職者を会議の進行役から切り離すことから始まる。

筆者は最後に以下の様にファシリテーターを定義付けしている。
「中立な立場で、チームのプロセスを管理しチームワークを引き出しそのチームの成果が最大になるように支援する人」



◆会議前の場づくりと進行の心得
会議をファシリテーターが進めていく前に事前準備も当然大切だが、会議直前の場づくりも大切である。そのステップには5つある。

1)場をほぐず
会議ではいきなり本題に入るのではなく、話し合いに入りやすい砕けた雰囲気を作ることもファシリテーターの大切な役割であり、簡単なゲームをすることもあるが、社長や役員がいる中でそれが難しい場合は、話題をファシリテーターがメンバーにふっていくことがある。

例えば、
「○○さん最近ごひいきの阪神タイガースが好調なので、気分がいいのではないですか?」などたわいもない事をファシリテーターから発信することで、メンバー同士が会話するきっかけを作るのが大切である。

メンバーが全員揃ってから砕けた雰囲気をつくろうとしても、待っている間に静まりかえっておりしらけてしまうので、それは避けたほうが良い。

2)会議の目的説明と共有
まず集まったメンバーに感謝を述べた後、「なぜこの会議をしなければならないのか」「会議をすることの意義」など会議の位置づけや重要性の認識を参加メンバーと共有する。
全参加メンバーが納得したうえで、同じ方向(目的)に向かう動機づけをすることがファシリテーターの重要な役割である。

3)会議の目標、成果物の確認
会議が終わるまでの「何が決まっていなければならないか」「参加メンバーは何を手にしているか」を確認する必要がある。常にゴールを見据えながら議論をする事が大切である。

4)これまでの会議の経緯
連続した会議の場合は、これまでの決定事項、前回やり残した点を確認する。そのためファシリテーターは前回の会議が終わった後に、今回の会議までに何をしなけばならないか、マネジメント視点が必要となる。

5)会議全体の時間配分
会議時間が60分であれば具体的に時間を配分する必要がある。時間配分の項目は、
以下である。

「意見だし」の時間
「意見の整理』の時間
「意見交換・議論の深掘り」の時間
「合意形成」の時間
「決定事項の確認と今後の計画」の時間

これらの時間配分を具体的に決めていくが、大切なのはファシリテーターがまず案を持ちより、会議の場で時間配分について相談&承認を得ることである。

◆参加者を巻き込む工夫
場がなごみ話せる状態が出来た後は、議論にメンバーを参加しやすいような工夫が必要である。

1)参加者の紹介を行う
さまざまな部署からの参加メンバーがいる場合、各メンバーの役割を認識してもらうのはとても有効である。その際にただ「名前・役職」だけの紹介に終わるのではなく、その会議において何を期待さているか、その役割もファシリテーターから一言あると、紹介された人間の参加意欲がより増す。

例)
【マーケティング部からは○○課長にご参加いただきました。○○課長はWEBマーケティングがご専門で、新規事業においても当社のホームページを作成担当されています。それでは○○さん一言お願いします」など

2)役割分担
会議の役割をあらかじめて決めていたほうが参加意欲もまし、会議の効率もよくなる。
役割としては以下がある。

・ファシリテーター
・書記
・タイムキーパー
・資料係

である。通常ファシリテーターと書記は兼務しないほうが良い。同時にやると本来のファシリテーターの職務がおろそかになるため、ファシリテーター自身はそれだけに特化したほうが良い。

3)会議での注意事項、約束事の取り決め
特に役職が上位の人や逆らうことができないような人などが参加する場合にルールを設定しておくと威力を発揮する。一般社員が参加する会議に部長が1人いると一般社員は部長に対して異論を唱えたり、異論を唱えることができにくいため、ファシリテーターが事前にルールを守るよう促す。

例えば発言は1回3分を決めたが、部長が3分以上延々と話をしているとルールを決めることにより、ファシリテーターがさえぎることができる。

ただ、ルールを定義する時にファシリテーターの押しつけにならないように、「一般にこのようなルールを決めることが多い」と一言置いた上で、「発言は1人3分以内」「他の人の発言をよく聴く」「席を外さない」「他の人の意見を批判しない」などの選択肢を出しそこから参加メンバーでルールを決めることも有効である。

◆流れを引き戻す「介入」のスキル

会議をコントロールするスキルとしては、5つある
・傾聴のスキル
・要約のスキル
・質問のスキル
・非言語のメッセージを読み取るスキル
・介入のスキル

会議ではどうしても会議の趣旨を無視して自分勝手な行動を取る人が出てくる。また参加者同士が言い争いになることもある。そのような場合ファシリテーターは勇気を持って介入していく必要がある。これも会議ルールと同じで約束事をあらかじめ決めておけばそれにしたがって注意することができるので、冒頭に決めておく方がよい。

具体的にファシリテーターが介入する方法には以下がある。

1)口をはさむ
あまりにも議論からそれてしまった場合、相手が話途中でも「ちょっと、すいません」と言って話に割って入る必要がある。ただ少し強引なので相手の感情に配慮し気分を害さないように気をつける必要がある。

2)身体を前に乗り出す
口をはさむ事はファシリテーターも勇気がいることなので、口をはさむのではなく、発言者の発言が終わるタイミングを見計らっていると分かるように体を前に出してサインを送る

3)手をあげる
相手に対して「ファシリテーターから一言あります」というサインを手の合図で送る。強引にさえぎられるわけではないのため、今話している事を自分の意思で手短に切り上げることができる。

4)ホワイトボードに書きだす
発言者の要点やキーワードをホワイトボードに書きだしていく。参加メンバーや発言者の視線が集まるようにあえて大げさに腕組みしたり、考えているふるをして書く。そのうち参加者の視線が集まってきたら、「今話されているのは、こういうことですね」と言って話を中断させる。

5)イエローカードを出す
あまりにも長く話しすぎた場合や、本題から脱線した場合はイエローカードを出すルールを先に決めておくとファシリテーターとして介入しやすい。カードであれば嫌味を感じさせずゲーム感覚で面白く介入できるため場の雰囲気を壊さずにすむ。


◆所感
これまでの経験では、全ての役割が会議開催した者が担当して結構大変な思いをしてきたが、役割が明確になり、特にファシリテーターが存在することで色んなことがスピーディに決まることが一番の収穫である。特に上司がいる中では、上司が好き勝手に自分の興味がある話題をして、時間を浪費し「生産性の低い会議だった」と言われた経験があるのでなおさらである。

また、会に沿わない発言をする人はおそらくどの会議でも存在するため、最後にある介入のスキルとそれを行う勇気がファシリテーターには必要だろうと強く気付いた。

個人的には自社でファシリテーターをできる人が自分しかいない(=社長)ので、中立にファシリテートできるかどうかが少し不安である。やはり人材が必要…。
ありきたりじゃない 新・外食/商業界

¥1,500
Amazon.co.jp

◆APカンパニーが展開する飲食店の概要
APカンパニーには16のブランドがあり2011年には115店舗がある。ブランドは16あるが、それぞれコンセプトが別ではなく、全て地鶏、魚、肉の3つのカテゴリーに集約される。

このカテゴリーのビジネスモデルは基本同じで、「流通をスリム化し、高品質でリーズナブルな商品を提供」である。ブランドがその商品カテゴリー以上にあるのは、生産者とのお付き合いを通してAPカンパニー内に想いがあり、その結果今のブランドにいたる。


◆圧倒的な商品力を維持するためにブランドを開発する
3店舗まで開店が進んだタイミングで、繁盛もしていたので出店自体はさらに伸ばす事はできたが、それよりも供給量が追い付かないために出店計画を2年塩漬けにして新しい取引先を開拓し供給量を確保してから開店に結びつけた、

もしそれを行わず開店をし続けたら肉については薄いぺらっとしらホルモンになり、脂のつきがよいホルモンを提供することができるず、ブランド化することができなかった。すなわち、圧倒的な商品力を維持するためには溜めの時間も必要である。


◆僕らのブランドは第一次産業をリアルに伝える
APカンパニーも当初は高品質の物を低価格でマーケットに出すことで、有意性を保っていたが、さらに第一次産業を協業していくことで、彼らの想いをだんだん理解していた。

でも、ちまたにあるような商材が「絶品」「究極」「希少」といった表面的な言葉で伝えるのではなく、そのさらに奥にある作り手の「想い」を伝えることが大切だと説いている。
これがAPカンパニーが日本の第一次産業に対して「消費者に伝え方をしらない」と意義づけているところに繋がる。

「なぜ美味しいのか」「なぜ安いのか」「なぜ新鮮なのか」がしっかりお店側から生産者の想いも含めて伝える必要がある。



◆何がなんで何でも売らないきゃという想いを抱く
APカンパニーの生産者との繋がりが強ければ強いほど、生産した物を販売する責任が生ずる。しかもただの契約上の問題ではなく、深い接している分、その生産に携わっている人が人たちの顔が浮かぶようになり、新しいお店をオープンするにしても、生産者の事と思うと「何がなんでも」と奮い立つような気迫を持つこになる。


◆第一次産業と関わっていることは圧倒的な差別化になる
今日の飲食店の中ではどこのお店にってもまぁまぁ美味しく
逆に美味しくない物を提供するのを探す方が難しいぐらいである。

多くのお店が基本的に他店のコンセプトパクった業態であるにも関わらず、「雇用の創出」や「食を通じて日本を元気に!」などそれらしい経営理念を掲げ「会社の存在意義」発揮し、お客様を勘違いさせることはある程度可能である。

このような状態のため飲食業界で、圧倒的な差別化を内装や料理だけではなかなかできなが、第一次産業から関わることで、他社とは圧倒的に差別化することができる。結果として、ファン囲い込みがしやすくなりリピーターがより増える。

◆所感
飲食業の難しい点の1つとして差別化があげられる。お店のコンセプトや値段・ボリューム・業態等で小さいエリアでの差別化を行っているが、飲食業の中での大きなインパクトを生む出す事を考えると商品の第一次産業から手をつけるという点はとても理にかなった考えかたであるし、すぐに真似できない物である。

ただこれも4Pの1つを選択と集中の中、掘り下げてことなので、あらためて新業態を自分たちで行う際には4Pをベースとした差別化を考える事が有力だと思います。

ただ、APカンパニーがやれている事は今の時流に乗っているのはまぎれもない事実だと思う。(食の安全等)
1店舗目で成功したオーナーはなぜ2店舗目で失敗するのか/アーク出版

¥1,890
Amazon.co.jp

◆2店舗目を出す理由にブレがないか?

複数店舗を経営することでリスクは倍増し、苦労も増える。その中で二店舗目の出店理由が「従業員のため、アルバイトのため、家族のため」といった「自分以外の人達の幸せのため」であれば、それは素晴らしい。

だが、一番恐ろしい出店理由は「一店舗目が大失敗しておr、その損失を穴埋めするため」の出店である。特にこれは飲食業の経験が少ない人が陥りやすく、最初にフランチャイズで飲食店に参画した企業に多い。

一店舗目が上手くいっていない場合は、まずその店舗が失敗している理由を冷静に分析できないと、2店舗目は出すべきではない。また、現在のスキル、資本力、人材力で本当に2店舗目が出せるかどうか、冷静に準備が整っているかチェックする必要がある。

意外と多い出店理由が経営者の「見栄」であり、複数店舗の方がオーナーとして格好いいと感じる機会が多いためである。こちらも改めて出店する理由が、自分以外の幸せのためなのか、自分の本当のエゴのためか冷静に見る必要がある。

◆一店舗目の活用をトコトン考えたか?

売上または利益を増やすために二店舗目を出店するオーナーは数多いが、まず現在の店舗が「フル活用されているか」を考える必要がある。営業時間を延長することで売上が10%、20%伸びることができないか検討する必要がある。家賃経営は基本1日24時活用できるので、以下の項目で実現できる物がないかチェックする必要がある。

・空き時間に料理教室などのスクールを開く
・空き時間にイベント会場として貸し出す
・物販スペースを作る
・デリバリーやテイクアウトを行う
・営業時間を延長する
・ランチ営業や深夜営業を委託する
・事務スペースとして利用する
・看板や店内スペースを広告として利用してもらう

これらを行う際には、二店舗目を開店した後よりも一店舗だけの状態の方が実現しやすい。なぜなら、オーナー自身がお店にいてスタッフとの距離が近く多少の無理がききやすいからである。特に新サービスを導入する際は、オーナーとの距離が近ければ近いほどよい。

◆2店舗目の失敗は致命傷になるという覚悟はあるか?

二店舗目を開店する経緯として、不動産屋から「良い物件が見つかった」やフランチャイズオーナーから「儲かるビジネス」として出店する場合が多い。その状況下で経営が軌道にのらなかった場合、前者のパートナーに対して責任転換をはじめるオーナーが少なくない。

しかし改めて2店舗目を決意したのは、誰でもないオーナー自身である事を再認識する必要がある。すなわち「下した判断の責任は全て自分が取る」覚悟を持って全てにチャレンジする必要がある。さらに2店舗目になると、1店舗目以上に自分に無理がきかなくなってくる。ここが2店舗目出店の際に慎重になる理由である。


◆自分は飲食店が本当に好きかと自問してみたか

繰り返しになるが「赤字を補てんするための出店」は危険である。1店舗だけならまだしも、複数店舗の赤字店を補填するための新規出店は、個人でも同じだがいつか耐えきらない状態になってしまう。

そのためビジネスとして「投資」の意味合いを込めて飲食店を行うと失敗する可能性が飛躍的に高くなってしまので、多店舗出店する時には改めて、利益を増やす事が飲食店の多店舗出店なのか?深く自問する必要がある。


◆意識的に自分の存在を軽くする

1店舗目を成功したオーナーの多くは飲食店が好きで現場を愛している人が多い。そのようなお店はオーナーの気付きが高いため、お客様が快適に飲み食いすることができる。すなわち、お店の売りが「オーナー個人の魅力」になっている可能性が高い。

この状態で2店舗目を出店するとオーナーは現場よりプロデュース業が多くなるため、
オーナーの魅力で成り立っていた1店舗目は成立しなくなってくる。

逆にラーメン店など、基本お店の店主ではなく、商品にお客様がついている場合は、オーナーが2店舗目に移っても大きな打撃にならない。すなわち、商品、立地、店構えなどで繁盛している場合は、オーナーが抜けることは問題になりにくい。

また、繁盛しているお店ほどスタッフをお客様に紹介するケースが多い。居酒屋の場合だと、スタッフに個人名刺を持たせて、積極的に名刺を配る事を促すことで、スタッフにお客様がついてくるサイクルになる。

こうなるとオーナーは少しずつ自分の存在を薄くしていくことができ、本来のプロデュース業に専念することができる。この体制が整ってから2号店目に移るのが最適である。


◆ヒーローになれる店長とスタッフを育てる

前述のとおり「経営者がお店のヒーロー」の場合だと、二号店にオーナーが移動すると1号店の売上が下がってくる可能性がある。そうならないために、二号店目のスタッフに対して、「君たちが主役」だと何度も繰り返し伝える必要がある。また、店長についても「アルバイトスタッフが『いつか店長のようになりたい』と思えるような管理者になりなさい」と繰り返し言い伝える必要がある。

すぐには浸透しないが、これらが本人の腹に落ちることで、店長とオーナーとの関係が、上下ではなくパートナーとなる。すなわちオーナーは店長の上司ではなく、サポート役に徹する必要がある。


◆所感

自社ではすでに3店舗経営はしているが、全て違う業態で営業している。そのため同じ業態を複数店舗営業するたのタイミングを知るためにこの本を講読した。結論からいくと、「物件ありきではなく、人ありき」であると痛感した。物件情報については、何もせずとも情報が入ってくるし、フランチャイザーからも積極的な出店が促されるが、改めて最終的な決断はオーナー自身になる事から、まずは強い組織と隙間時間の営業を増やし「1店舗あたりの最大利益」を追求してから同業態の多店舗経営を考えたい。本を読むことで、延期する決断に自信がついた。
「とりあえず、生!」が儲かる理由 飲食店の「不思議な算数」2 (セオリーBOOKS)/江間 正和

¥1,575
Amazon.co.jp


◆生ビールと瓶ビールどちらがお得か
居酒屋に行くと最初に「とりあえず生」と言ってるシーンが沢山見られるが、
居酒屋では同じ銘柄のビールが瓶ビールでも販売している。しかも同じ価格で。
顧客観点に立った場合、どちらがお得なのか?

結論は、瓶ビールの方がより安く飲める。

借りに500mlの中瓶ビールの仕入れ値が231円。
生ビールの500mlは243.5円のため、
グラムあたりの金額では、生ビールの方が高い。

しかし、生ビールは実際に提供する量が500mlとは限らないところに
ポイントがある。

通常メーカーから提供されるジョッキは、400~450mlである。
よって入っているビールの量からして、瓶よりも少ない。
しかも、生ビールにはビール以外にも泡もつぐため、
実際に生ビールとして提供しているのは、350mlぐらい。
よって、原価としては170.5円となり、瓶ビールよりも
安く提供する事ができる。


◆サイレントオープンと華々しいオープンどちらがいい?
サイレントオープンとは、「開店当初は宣伝を控えて自分を含めたスタッフが業務に
慣れたころに、徐々に宣伝を始めるオープンの仕方」である。

一方、テレビではチェーン店のオープン風景がドキュメンタリーとして放送され、
色々な苦労があるが、オープン初日にいくらいくらの売上をあげ華々しくデビューという話がよくあります。

個人店の場合、チェーン店ほどじゃないとしても、近隣の住民や関連会社の方、オーナーの知人などある程度のオープン景気を狙うことはできます。しかし現実的には、一番混むであろうこの時期のお店は、スタッフも自分も一番不慣れな時期です。チェーン店であれば、既にオペ―ションが確立されているため、そもそも導入しやすい上に、人的な応援も見込めます。

個人店が華々しくオープンするとデメリットとして、最初の段階で顧客満足を確立することができず、「このレベルか~」といったマイナス印象を大量につくってしまう可能性がある。そのためにもサイレントオープンのパターンを導入する個人店が増えている。

ただ、ずっとサイレントオープンのママにするわけにもいかず、お店オープン後1~2か月でそのお店は地域の一部となり、新鮮味が薄れてくるので、2か月の間に可能な限りオペレーションのレベルをあげ、集客が行える状態に持っていくのが望ましい。


◆飲食店の厨房で難しいことは
飲食店の厨房で難しいのは、「トゥ、オーダー」。すなわちその場で注文が入って、そこから作りだすこと。家庭のホームパーティと違って、飲食店の場合、いつどのタイミングで、いくつの料理の注文がくるか分からないため、一気に注文が入ると焦ってしまうケースもある。

その焦りは料理の質であったり、そもそもの提供時間に守れなかったりするため、2つの方法を使って解決する必要がある。

1)メニューに複数の調理法でつくれる物を配置する
中華鍋ばかり使う料理ではなく、先に仕込んでおいて冷蔵庫から出すだけの物、
揚げるだけでOKな物なので、調理する場を分散できるようメニューを構成する。

2)1)の逆で単一調理法に絞る
茹でる、揚げるといった、調理方法を絞り込み、対応の設備を重点的に設置することで、大量の注文が来ても対応できるようにしておく。

また、根本的な対策と0して「トゥ、オーダー」の仕組みを取らない営業も可能である。すなわち、お任せコースやビュッフェスタイルなど、顧客からのオーダー単位ではなく、顧客の食べるペースに合わせて調理することで、調理する流れは各段に良くなる。

調理経験者が少ない場合は、この様にオーダーの取り方に工夫をすることで、
円滑にお店を回すことができる。

◆わざわざ立地の物件は借り得か?
「わざわざ立地」とは路地裏や二等地で開店しているお店で「わざわざ行く」お店である。メディアなどでわざわざ立地でも繁盛しているお店が取り上げられるが、それは「珍しい」からであり、大多数は一過性で繁盛しているお店が多い。

通常出店する場合は、「入店確立x通行人数」と見るために通行人数の絶対数を気にする。その上、今入店いただいているお客様が100%リピートするわけでもないので、常に新規が取りこめる立地がなお求められる。

わざわざ立地では絶対的な通行人数も少ない上に、人数も少ないので新規顧客になってもらえる人数も少ないため、明確に「わざわざ行く理由あるお店」にする必要がある。

その王道としては、やはり「味で勝負しているお店」が生き残っているパターンで多い。内装や雰囲気で勝負することは立地が良いところでも真似ができてしまう。また、サービスにおいても同じで好立地でも真似が出来てしまう。

すなわちわざわざ立地にする際は、料理の味など他が簡単には真似できない、わざわざ行く理由を明確に表現していく必要がある。

◆アルバイトさんの自給は950円がいいのか1000円がいいのか
人件費の観点でみれば、時給は少しでも安いほうが望ましい。飲食店において人件費は食材費以上に高いからである。ただ、優秀な人材がいれば、その人経費をカバーすることはできる。

著者は結論として、「周辺の相場よりも50円アップ」の時給設定を推奨している。
その理由としては、以下。
・優秀な人ほど自分の価格(=時給)を知っているので、1000円以上あればかなり
 注文される
・アルバイトを探している人は時給順に面接を受けていくため、安く設定すると
 前のお店で面接を落ちた人の可能性が高くなり、優秀な人材を集めるのが困難になる。
また、著者による優秀な人材要件は以下である。
・仕事を責任持ってちゃんとやり、指示など理解力・判断力がある
・応用力がある
・コミュニケーション能力が高い
・スピーディーに仕事をこなすため残業が発生しない
・仕事の段取りが良いのでお客様に目線がつねにいっている

大型チェーン店で、すべて採用時に時給を50円アップするというのは、
人経費比率のインパクトが大きいが、個人点に関しては50円の人件費上昇は、
実際の売上で十分カバーすることができるので、「スタッフ教育」ももちろん大切だが、入店の入り口の採用部分には配慮が必要である。


◆所感
恥ずかし話だが、生ビールの方が瓶ビールより原価が高いと本当に思っていた。ただ、確かに500mlどおり入っていないので、内容量的に生ビールのが安いかもしれないが、生ビール樽を交換する時に出る、ロスの生ビールを考慮するとそこまで原価が想定値ほど低くなるかは少し疑問ではある。

しかし、厨房で一番難しいのが【調理すること自体」ではなく、種類の違うオーダーを同時に聞いてそれを「さばく」ことが難しいという点にはとても同感である。そのため厨房の負荷を下げる簡単で、繁忙期にはビュッフェスタイルを取るなどは、とても合理的だと感じた。

また、人材についても人材育成については、今まさに勉強中だが入ってくる人材によっては外部研修の結果も違う事から、最初の採用については他社以上に拘る必要があると感じた。また、別な意味で、飲食の採用&訓練の箇所については既に色々な会社が進出しているが、まだこれといったモデルがないので、ビジネスチャンスを感じる。
鳥貴族「280円均一」の経営哲学/東洋経済新報社

¥1,470
Amazon.co.jp


◆280円均一でもおいしい秘密
価格をおさえるために、海外で生産した鶏を海外で串打ちすることで実現できるが、鶏肉は肉類の中でも劣化が早いため国内にこだわっている。

ただ、国内のセントラルキッチンで串打ちを行っても
輸送の間に劣化してしまうには変わりがないため、鳥貴族では
各お店ごとに串打ちだけするパートを雇って新鮮な鶏肉をその日分だけ串打ちを行っている。これが安価でも安く美味しく提供できる理由である。


◆利益を生まない本社にもお金は掛けない
名刺を作るのも名刺会社に依頼せず、自分たちで自作する鳥貴族だが、
本社ビルでも相当お金を掛けていない。

既に300店舗を運営している会社ではあるが、今だ本社は東京と比べ
家賃が安い大阪にある、賃貸ビルの7階部分を使っている。

世界一のウォルマートやトヨタなども実際は本社は地方にある点を
考慮すると本社が首都圏にない事もあまり不自然ではない。


◆常に適切な人数で店舗を回す。無駄のカットは利益の源
仮に各店舗でパート1人が1日1時間勤務を減らすと鳥貴族の場合、
月に200万円の人件費ダウン=利益アップに繋がる。

1人の負荷をあげることが目的ではないが、
「常に適切な人数で店舗を回す」事を考えるのは重要である。

先ほどの例だと、1年間続けると2400万円の利益または人件費になる。
たかが、1人1日1時間の労働だけで。

そのため店長は自分の店の「部分最適」ではなく、
会社全体を見る「全体最適」を見て感じる必要がある。


◆東京ではビルの空中階や地下に出店。鬼門でも気にしない。
東京の坪単価は、大阪の1.5倍。280円均一の焼き鳥を東京で展開するのは
坪単価の面では厳しいため、空中階や地下に出店している。

路面店に出店すべきという、飲食のセオリーもあるが、
お店は出店場所だけで、価値が決まるわけではなく、料理の味
価格、そしてスタッフのサービスの総合力で決まるので実践する。

また、縁起もあまり気にせず鬼門であろうが出店している。
実際、鬼門にある店は大繁盛している。

◆人としての基本ができていない人は管理職にしない
鳥貴族の人材の方針及び意識決定の仕方として、「善か悪」かで判断する。
具体的な内容として、時間を守る、挨拶をする、身だしなみを整える、
感謝の気持ちを持つ、他店を利用した時にありがとうと言う、
取引業者に「いつもお世話になっています」とあいさつが出来る
たばこ吸う人間であれば吸わない人間に気を使うなど常識レベルではあるが、
これらが当たり前レベルで出来ない人間は管理職=店長にはできない仕組みがある。

その理由は、人として基本が出来ていない人間を上に付けると
その部下が不幸になり、組織が腐っていく。部下にも良い指導ができないので、
お客様にとっても良い接客ができないからである。

あくまでも鳥貴族のビジネスを支えているのは「人」であるという発想。


◆個人店をチェーン展開という思想
チェーン化を行うと必ず、メリットデメリットが出てくる。
鳥貴族におけるメリットは低コスト化である。全店同じメニューで大量に
食材を調達するため、購買力がつくことでコストダウンが図れる。

また、内容も統一することでいつも同じ雰囲気の中、均一された味・価格で
食べることができ、安心感・信頼感がある。

一方、デメリットとしては、均一のサービスを提供するためにマニュアルが必要でその結果マニュアル的な接客になったり、効率を重視するために味が落ちる可能性がある点である。

これらのジレンマ解消するためには、徹底して「効率化する・そうでない所を見定めて、効率化する所は徹底に行う」と決めることである。

具体的には、280円均一で美味しい焼き鳥を食べていただくことが大切なので、
各店舗ごとで国産新鮮鶏肉を串打ちする一方で、タレは自社工場で一括製造を行っている。


◆所感
正直、鳥貴族にはあまり食べた経験がなく(近くに店舗がなかった)先入観がなかったが、大倉社長が有名なためよく名前だけは耳にした。

そんな中、鳥貴族の哲学でありモットーがとてもよく理解することができた。同じ大衆向けの商売を行っているが、ここまでTOPの理念が明確で拘りがあるのはさすが千店舗を経営しているだけあると感動した。

特に、人材最適化で店長に対して自店だけではなく、会社全体の人経費を意識させるのは、とても新しい視点であり、人間が出来ていないスタッフは店長にさせない点も鳥貴族が人を大切にしている所が垣間見えた。
幸せの心理学(下)/致知出版社

¥1,680
Amazon.co.jp


 ストロークは心の栄養源で、精神分析上では、自己及び他者の存在を認める働きかけとある。ストロークは人の心を開かせやる気にし、動機付けを行う物である。そしてストロークは基本として3つ存在する。①支え愛②許し愛③認め愛である。

ストロークはする人の人生観や人間観をベースにする必要があり、それを通してこそ幸せな人生に結びつく人間関係を構築する事ができる。

ストローク4つに構造化して捉える事が出来る。
横軸として肉体的or心理的ストローク、縦軸として肯定的or否定的ストロークがある。

①肉体的x肯定的…子供に頭を撫でたり抱っこしたり、大人に対して握手をする。
②肉体的x否定的…子供に躾けの意味で叩く。
③心理的x肯定的…褒める励ます手を振るなど。
④心理的x否定的…叱る注意忠告反対するなど。

大切なのは否定的ストロークとディスカウントの区別である。叩くを例にあげると相手に良かれと思って叩いても、叩かれる側が存在や価値を軽視する意味で叩かれたと誤認するとディスカウントとなってしまう。ストロークは受ける側によって捉え方が大きく変わってしまう事に注意しなければならない。

 幼児期においてストロークが不足すると病気や知恵遅れの症状が出るほど重要な意味を持っており、幼児だけでなく人間が生きていくためにストロークは貰いたい・与えたいという欲求がある。

複数人が集まる場では人は無意識にストロークを交換し合っているが、どんなストロークを相手に与えているか、相手がどのように受けとっているかは無意識である。また人間関係が悪化した場合それまで交わしたストロークを解きほぐしてく必要がありそれを防ぐためにも自分が与えたり受けたりストロークが否定的になっていないか意識的に分析する必要がある。

ストロークが欠乏すると問題行動も引き起こす。軽度であれば職場で遅刻や欠勤、夫婦間では会話が少ないという状況になる。しかし重度になると最悪のケースとして自殺や殺人まで発展してしまう。一方、業績の良い企業は必ずストロークが多い企業でもある。企業内でストロークがあると人間関係が上手くいき活気に満ち結果として業績も良くなる

プラスのストロークを与えるとそれ以上のプラスのストロークが返ってくる。これはストロークのメカニズムである。プラスのストロークを受け取る事で、マイナスのストロークが減り、よりプラスのストロークを返す事が出来る。家庭でプラスのストロークを与え続けるとマイナスが減り、明るい家庭になっていく。この様な環境を整える必要がある。

ストロークを与える時に大切なのは、まず相手のどの自我状態にストロークを送るか意識を配り、自我状態に対し均等にストロークを与える事である。また、複数人にストロークを与える際も特定の人に偏るのではなく、平等に与える必要がある。

人の心の核心にピッタリ合いその人が本当に欲しいストロークをターゲット・ストロークと呼ぶ。ターゲット・ストロークは人生に絶大な威力を持っており、会社を再建したり、人生を変えたりもする。人との出会いはある意味ストロークと出会う事と同義なため、人との出会いは大切な物となる。

ストロークの与え方、受け取り方、求め方も大切である。これら打破しなければいけないストロークの課題をストローク経済の五原則と呼び、原則は5点ある。その1つとして自分自身にストロークを与えないとある。まずは自分自身を認めて大切にし価値ある人間と自分自身にストロークを与える必要がある。


ディスカウントはストロークの対極にある行為や言葉である。苦痛を伴い意欲を削ぐ物のためディスカウント自体止めなければならない。ディスカウントを行う領域は3つある。①自分②他人③現実の状況である。各々の領域には段階があり、一番軽度な場合だと自分や他人の能力に否定的になる程度だが、重度になると深刻な問題をも軽視し、企業の場合倒産にまで繋がる。これらを回避するためにはAの自我状態を働かせ現実に直視をする事と、ストロークを与えていく必要がある。

ディスカウントは各自我状態でも反応が違ってくる。例えばRCからくるディスカウントは、自分の間違えを認めず他責にし自己正当化する。またストロークをAC・CP・RCが高い人はディスカウントしがちなため、ストロークを受け取る際はFCA、NPで受け取るのが良い。
次に、自我状態がまだ確立していない時期にディスカウントを受けると刺激に反応しながら自我状態を確立してしまうため、物の見方や考え方にゆがみを発生させてしまう。これは程度の差はあっても誰しもゆがんだ反応パターン・癖を持っている。刺激の反応としては4つある。
①萎縮
②抑圧
③逃避
④対抗

また、各反応に度数が存在しており、例えば萎縮、抑圧、逃避が重度になると自殺に行き着く。反応の特徴は全てCをベースにしている点である。萎縮、抑圧、逃避はAC、対抗はRCである。特に幼少期に強くディスカウントされた人間はCが強くなり過ぎ、物の見方考え方をCで行ってしまう。そしてAを使う時もCを通してしか働かず大人になりきれない状態になり、問題行動をとってしまう。

心理的ゲームとは裏面交流をベースに、意識下に否定的な動機を持ちながら、繰り返し行われるトリックを伴った人とのやりとりで、自分も相手も後味が悪い結果しか残らないのに繰り返してしまう。これは幼い頃に構築されたゆがんだ反応パターンでやりとりする事がこのゲームの土台となっているからである。

心理的ゲームのメカニズムはAでコントロールできない所で起こるため無意識のうちにゲームの仕掛け人になったり、引っかかる人になったりする。心理的ポジションでは私OKあなたOKの人は心理的ゲームなる事はなく、その逆の3つのポジションで心理的ゲームは発生する。すなわち各ポジションNOTOKである事を証明し強化するためにゲームを行う。

心理的ゲームを各プレイヤーに特化して分かりやすくしたのが、カープマンの法則である。迫害者、犠牲者、救援者の3つ役割がある。相手を痛め付ける事で、犠牲者が生まれ、自身が迫害者になる。その状況を救援しようとする人間が現れ救援者となる。嫁姑そして夫の三角関係が分かりやすい例である。心理的ゲームは家庭だけでなく職場や学校でも日常的に行われている。またこの心理的ゲームには各役割毎にゲームの種類が存在している。例えば犠牲者のゲームの1つとして猛烈ゲームがある。これはNOTOKのCPが高すぎるため、自身を認めるこができず自分を責め、さらに高い目標を持ち過ぎてやり過ぎてしまうケースである。心理的ゲームにも度合いがあり、過度になると猛烈ゲームの例だと病気になってしまう。

心理的ゲームを繰り返してしまう理由が9点ある。
①存在感の確認
②時間つぶし
③ストロークが欲しい
④心理的ポジションを維持
⑤ストレスを吐き出す
⑥いい人に見られたい
⑦マイナスのストロークを貯蓄している
⑧ラケット感情を味わう
⑨人生を予測する

 次にゲームを止める方法は
①自分からゲームを止める
②相手にゲームを止めさせるかの2パターンがある。前提として、ゲームを止めるためにはまずゲームに気付く事、何故止めるか考える必要がある。

まず①自分からゲームを止めるためには、7つの観点がある。
①Aを働かせる
②プラスのストロークを溜める
③生産的時間管理を行う
④カープマンの法則にある役割を必要以上に演じない
⑤必要以上にラケット感情を集めない
⑥心理的ポジションをOKにする
⑦自分の人生を意味付ける。

 相手に心理的ゲームを止めさせるためには、6つの観点がある。
①Aを働かせる
②ストロークを与える
③ユーモアや冗談を言う
④ゲームと対決する
⑤ラケット感情をストロークしない
⑥ゲームの相手から遠ざかる。

 ラケット感情とは、本当は感じたくないのに必要以上に孤独になったり心配になったりする事である。ラケットの言葉の意味はゆすりや支配だが、人間の基本であるFCを無理やり抑圧し過敏なACを発達させた感情である。人間は大きくなるにつれ基本感情をそのまま表現する事が難しくなり自身の感情を呑み込んでしまい(抑止・禁止)基本感情の代わりに別な感情(代用感情)を持ってしまう。

悲しみ、怒り、恐れの3つの基本感情には各々代用感情が存在している。悲しみ…罪悪感、寂しさ等。怒り…イライラ、諦め。恐れ…不安、心配、妄想、混乱、から威張り等である。
 ラケット感情を克服するには3つのポイントがある。
①Aを働かせ自分を支配しているラケット感情に気付く
②FCを高める訓練をする
③今感じているいやな感情を続ける事で人生がどうなるか冷静に考え・分析する。

 次に子供はAがまったく形成されていない時期から母親の顔色をうかがって気に入られようとする知恵を持っている。Aでは感知できない物を感じ見分ける事ができ、それを小教授・リトルプロフェッサーと呼ぶ。これの特徴はCの中にA'を持っている点である。

PやAが確立する前にCの中にはA'以外にもP'やC'を持っている。P'は親の影響を受けているので、ACとRCの2面を持っており、逆にC'は親の影響は受けないためFCとなる。

A'の小教授はACを使って人にどう気に入られるか手段を考えたり、RCを使っていかに自己正当化するか考える。FCを使って前向きな創造性も発揮できるが、多くはAC、RCを使って人を操作したり自己正当化する事を本能的に行う。すなわち心理的ゲームを行う時はこの小教授が働いている。

例えばあえて否定的な感情になる事で、ストロークを得る事がでできる。この様にならないためにも小教授はなるべくFCと一緒に使う必要がある。FCと結びつけたA'を活用しその上にさらにAを重ねる事で創造性が豊かになったりと、小教授はプラスな面も持ち合わせている。

人生脚本とは人間が無意識のうちに生きようとする人生プランである。まだAが十分に形成される幼少期から作られていくめ、不完全な部分が多い。ある意味親から強制された人生プランとも言える。しかし自分の自我状態の気付きや取りがちな心理的ポジションなど自分の問題点を知ることで、人生脚本を分析し、書き直す事が出来る。

0~3歳の間から一次決断を行い人生脚本を書きだす、4~6歳には親の指示や禁止により人生脚本の基本テーマを作り、7~12歳までにAの発達と共に二次決断をし脚本を完成させていく。その後二十歳までリハーサルを重ね実践に移されていく。大切なのは人生脚本自体は自分で作成するが、両親の影響(環境)は人生脚本に大きな作用を及ぼす。

4~6歳の親からの指示・禁止令は、ある意味親の呪いである。指示はどうしてもそうせざるはいられないものであり、親が努力家であればその言葉と態度が子供に影響し、過剰に努力してしまうといった影響を与える。禁止令は親の態度によって形成され本当はしたい事があるのに親の態度を見てFCを縛りつけてしまう事である。

強い指示をドライバーと呼び5つに分類する事が出来る。
①急げ急げ
②努力せよ
③強くあれ
④完全であれ
⑤私(他人を)喜ばせよ。

また各々に禁止令であるストッパーが存在する。例えばドライバーが急げ急げの場合、指示として気持ちや行動がセカセカしてしまい、ゆっくりしてはいけないという禁止令を持ってしまう。また、指示は禁止令を強化する関係にある。まずは禁止令が先に作られるが、指示を身に付けると、自身の指示でCが身に付けた禁止令をより強化してしまう。

人生脚本を書き直すためには、各理論を通し問題点に意識的になる事である程度書き直す事が出来るが、人生脚本を書き直すために禁止令を解く具体的な手法もある。
 TAの最終目的は自己の能力に気付きそれの妨げになっている要因を取り除き自らの可能性に向けて自律的に生きていく事である。

幸福に生きていく最大のポイントは自ら生きる価値をどれだけ強く認識しているかである。自律的人間は幼い時に作った否定的な脚本の言いなりにならず、自己の存在価値を100%認める事で、強い信念や動機付けを行っているのである。

 所感
 二歳の子供がいるので、Cの中にA'が存在する所はとても共感ができる。また自分の保育園時代の記憶を辿るとA'を使いいかに親や保育園の先生に気に入られようとしていたか思いだせる。
 一方、父親の病気によって自分自身や家族全体に大きく影響を与えた事を具体的に理解する事ができた。当時から父の病気を外で話すのはタブーとされていたので、父の病気(いつ亡くなってもおかしくない)について悲しい・怖い感情を抑止され事により寂しさであったり妄想が強くなった事が分かった。特に妄想については、小4の頃から今現在も脳内に顔も声も明確になった複数の人物と共生している。これの誕生要因がハッキリとしたので、とても自分自身安心する事が出来た。最後の点が幸せの心理学を通して一番の気付きである。
幸せの心理学(上)/致知出版社

¥1,680
Amazon.co.jp


TAとは交流分析または対話分析と訳されている。TAを通して自分の持っている能力と価値に気付くことで、主体的に行き方を選択し、自律的に生きる事が出来る。

自律的に生きるためには3つのスキルがある。
①親密性②自発性③気付きのスキルである。

①親密性のスキルが高い人は、相手に対し肯定的でその人と関わる事で幸せな感じになる。
②自発性のスキルが高い人は、目標を持ち自ら意志決定を行い、責任を持ちながら活動的、積極的、計画的に行動する人である。
③気付きのスキルは3つの中で一番重要なスキルである、なぜなら気付く事がなければ自発性も親密性も生まれないからである。このスキルの高い人は自分の役割を通して今ここで何をしなければならないか気付いている人である。気付く事で自分を分かっている状態になり自律的で幸せな生き方を得る事が出来る。

 気付くためには自己分析を行う必要があるが、その大きな柱として4つある。
①行動の仕方
②物の見方・考え
③感情の持ち方・反応の仕方
④取組姿勢・態度である。

特に感情の持ち方については以下4つの心理的ポジションがある。
a人にも自分にも肯定的(私OKあなたOK)、
b人には肯定的だが自分には否定的(私NOTOKあなたOK)、
c人には否定的だが、自分には肯定的(私OKあなたNOTOK)、
d人にも自分にも否定的(私NOTOKあなたNOTOK)。

これら4つ中で自分のポジションは何処なのか気付かなければならない。

 良い・悪い性格という概念は前述の4つの柱が作用しているが、大切なのはこれら4つは全て変える事が出来る点である。すなわち、人間の性格は変える事が出来るのである。

 人間はプレッシャーなど刺激に対して、エゴグラムで一番高い自我状態で反応する。その自我状態で物事を受け止め判断・意識決定・行動しがちになる。幸福な人生を生きるためには、この無意識な受け止め方から、正確に自分の傾向を把握しそれを元に状況判断を行い、行動する習慣が必要である。また、エゴグラムの自我状態の強弱を通していくつかの傾向を見ることができる。

A他人との関係を見る…
①CPが高くNPが低い場合は他人の短所を見がちで、自分の思うどおりにしたがる傾向がある。
②NPが高くCPが低い場合は、相手を受け入れおおらかな態度で、相手から親しまれる。

B自分をどう見ているかが分かる…FCとACの両面を見る事で自分をどう評価しているか分かる。
①FCが高くACが低い場合、自分の存在を認めている。
②ACが高くFCが低い場合は、自分を認めたがらず人生を楽しめない。

C心理的ポジション…
①私OK,あなたOK…ACよりもFCが高く、CPよりもNPが高い。あらゆる事を人と共に発展的に行い理想的な心理的ポジション。
②私NOTOK,あなたOK…FCよりもACが高くCPよりもNPが高い。自分はダメだと劣等感にとらわれがち。
③私OK、あなたNOTOK…ACよりもFCが高くNPよりもCPが高く、他人への信頼感に欠け相手を排除する傾向がある。
④私NOTOK、あなたNOTOK…FCよりもACが高く、NPよりもCPが高い。どうしようもない気持ちに支配されている

 その他のエゴグラムの曲線から見れる特徴として5点ある。
①NPもFCも低い場合…思いやりに溢れた人間関係が持てず寂しい想いをして悩みがち。
②Aが低い…見方がミクロ的で全体でとらえる事ができない。Aが低い人は社長やリーダーに不向きである。
③ACやRCが極端に高い…愛情不足が顕著で、ACが高い場合は同情を引くことで愛情を求め、RCの場合は、すねる事で愛情を求める。また、親が既成の体制や秩序に子供をはめ込む事が子供のためと錯覚しめ愛情不足に陥るケースもある。
④FC、RCが低く、ACだけが高い…全て人まかせで何事にも受け身なタイプ。
⑤RCが高い…効果的に使えば逆境時に強いエネルギーを発するが、表情や行動にRCが強く出るタイプとその逆が存在する。」なにかの弾みで急にRCむき出しになる面もある。

 言葉、ジェスチャー、態度、声によって各自我状態のやりとりには違いがある。

①CP…命令口調になり相手に対して決めつけの態度を取ったり、威圧的で相手を見下げたもの言い方になる。しかめっ面の表情や相手を指さすジェスチャーを行う。
②NP…肯定的、同情的な発言の声で相手と同じ高さの目線を保とうする態度。
③A…落ち着きがあり、柔軟で確信に満ちた態度や声がある。
④FC…楽しい、愉快という気分の時はFCが出ている。
⑤AC…すぐにごめんなさいった言葉が出る。うなだれるといった操作的なジェスチャーを行い承認を得たがる。
⑥RC…言葉に裏の意味がある事がはっきり伝わるような口調で話す。しかし会社の創業時など逆境を乗り越えるエネルギーが必要な時はRCは必須条件と言える。

大切なのは各自我状態を強化したい時は言葉やジェスチャーを意識的に真似る事である。その結果、自我状態を調整出来対人関係がうまくなるのである。

 FC、ACの感情部分にはプラスな側面すなわちOK感情がある半面、自分勝手やクヨクヨするといっNOTOK感情も同時に持ち合わせている。その人・組織において楽観的なOK感情か悲観的なNOTOK感情のどちらが働くかによって対人関係や会社の業績に大きな影響を与える。また子供は当初FCで100%OK感情で生まれてくるが、成長につれて親の指示や制限によりRCを、抑圧されることでACを生み出していく。大切なのは6つの自我状態をバランスよく育ていく事である。

所感

幸せの心理学上巻を読んで、過去の就職活動を通して、学生時代の重要な意思決定は全て「父に対する勝りたいという欲求を一貫性を持って決断してきた」と気付いた事について、それが自己への気付きだったと明確になった。
 

また6つの自我状態をより詳しく知ることで、自身の強みや弱みをや克服した経緯を思い出す事ができた。幼少の頃から自分はAが強くFCが弱いため打算的で1対1の会話では、会話を終始リードし自分が話したいように操作できたが、一方で複数とコミュニケ―所のんするのは苦手でAを働かせようにもCPが低くすぎ人をまとめるのが弱い人間だった。

このパターンではCPの弱さを感じた瞬間にACに陥り自己嫌悪していた。それが大学生になると、自己改革しようとRCが全開になりCPを一気に強くしたが、NPとのギャップが広がりすぎとても人に手厳しい大学生生活を過ごした。その後の紆余曲折も全て6つの自我状態で説明できるのが大変興味深く感じた。


また自社において社長のエゴグラムが会社の自我状態とほぼ同期している点に驚いた。社長のエゴグラムを正確に取ってはいないが、明らかにCPよりNPが高いのが想像でき、自社の良い面として、従業員が一度定着すると長期間働いてくれる事が取り上げれるが、同時にお互いに甘えがありなぁなぁになっている課題を見ても社長のNPが色濃く影響しているのがとても納得できた。
 
あらゆる領収書は経費で落とせる (中公新書ラクレ)/中央公論新社

¥777
Amazon.co.jp


◆会計の最も大切な役割は利益調整

利益調整という言葉だけだと、脱税の意味で使われる場合があるが、本来の意味では『計画したとおりの利益を出す』事。それを実現するためには「経費を増減すること」が大切になる。具体的には企業が利益を調整するには方法は2つ。

1)売上を増減する
2)経費を増減する

ただ売上は自社だけで自由に増やすわけにはいかない一方で、経費は自社努力で増減することができる。そのため、会計にとって大切なのは「経費をいくら使うか(使わないか)」になる。


◆経費をうまく活用するこが新世代の企業戦略

社員の生活費の一部を経費にすることで、社会保険料・消費税の節約になる。例えば社員に100万円の給与を支払うより、同じその分を経費(福利厚生)で落とした場合、社会保険などが考慮されないのでトータル10%ともカットになる。

給料で100万円+社会保険等10万円=110万円
福利厚生で100万円のみ
→10万円のギャップ

また、社員が給与をもらう時、所得税や住民税が掛るが、給料が低い人でも10%ぐらいはかかってしまう、しかし、従業員の生活費を経費で落とせば社員は税金を払う必要がなくなってくる。

不況下では給料を上げることはなかなかできないが、社員の給与を抑えたままではモチベーションもあがらない。その時に経費をフル活用することによって、人件費を掛けることなく社員の経済的利益だけ増やすことができる。

福利厚生を充実させることで、総合的な待遇をよくすることができる。この手法は外資系企業ではよく採られている。給与をあげては社員は税金をより多く払わなければいけないじ、企業もより多く社会保険を支払う必要がある。そんな中、日々の食事からレジャー費まで会社で、家も車も会社で買うことになると社員の給料は非常に安くすむので、結果的に社会保険、所得税、住民税の節約となる。もちろん会社、社員にとっても損をするこは何もない。


◆間違いだらけの会計知識

本当は領収書は必要ではない
「領収書の宛名は必ず、会社名ではなくてはならいない」と言われることがあるが、会計の規則では決まっているわけではない。また税法でも決まっていはない。あくまでも都市伝説でしかない。

会社で経理を担当する人間は、「領収書はを必要不可欠」と思っているが、実は絶対に必要なものではない。税法では「取引に使った帳票類は残さなければならない」となっているが、「領収書を必ず残しなさい」とは書いていない。

つまり領収書というのは絶対になくてはならないものではなく、「もしあるなら残しておきなさい、でもないからといった経費として認めないわけではない」という事になる。

領収書がなくても経費に計上する方法
領収書とうのは「取引の記録」にしか過ぎないので、取引の記録を自分で作ることによって代替するこが可能である。具体的には以下の事項を記した書類を自分で作成すれば良い。

・支払った日
・支払った金額
・支払先
・支払った内容

この4点を記録しておけば、その支払いが事実であれば立派に経費として計上ができる。ただし、領収書が要らないからといってあえて貰わないケースが多いと「経理があまりにもずさんすぎる」ということで、税務署から調査される可能性はある。

領収書の形態
領収書とうのは「発行先の印鑑が押してなければならない」とか「2枚複写になっていなければならない」と思いがちだが、実は領収書の形態自体は特に決まっているものは無い。極端な話、新聞の折り込みチラシの裏に表記する物も領収書にはなりえる。
また、宛名についても「上様」でも「個人名」でもかまわない。税法上では宛名が「必ず上様ではないといけな」とは決められていない。

レシートでも立派な領収書
「レシートは領収書ではない」ということが言われるケースもあるが、レシートそれだけで立派な領収書の役割を果たしている。領収書自体は取引を証明する証拠にしか過ぎない、日時、価格、取引内容、取引場所が記載されていれば十分。そうなるとレシートもその要件を全て揃えており問題ない。逆に考えるとレシートの場合は、すべての記録が残っているので、申告をごまかす事ができない。

---
自社でよく領収書必須と言っていたが、まったくそうではない事に驚かされた。また、昨今社会保険の負担が大きくなっているので、経費(福利厚生)を使うことで支給額を抑えることで、結果的に社会保険保険費用が下がる事が大変魅力的だと思う。ただ、年収自体は小さく抑えたままなので、今後大きな買い物をする従業員がいる場合の対処は必要になると思う。人間のイメージとして年収があがりにくい事で、社内の反対もあるかと思う。ただ、根本として利益操作が大事なこと、また利益を生むのも結局は売上なので、結果としてそのバランスが大切だと思う。
『社長の仕事』―税理士が書いた中小企業の経営革新バイブル 「バランス・スコアカード経営」で目指.../TKC出版

¥1,890
Amazon.co.jp

◆社長は社長の仕事をせよ

成長している企業は「経営」をしており、伸びない会社は「内部管理」を行っている。管理とは、計画し実行を促しコントロールするこを指す。さらに内部管理は、社員が能率的に働いているか、設備が効率的に機能しているか点検是正を指す。これらの事ももちろん重要だが、それ自体が経営者の仕事と誤解し、社内の内部管理ばかりに目を向けている経営者が多い。

内部管理は仕組み作りを行って時間を作り、社長が本来総合的な立場から前向きな経営戦略を考え、実施する体制を作っていくことが大事であり、それが経営。

中には内部管理より下の「作業」に忙殺されている社長もいる。この場合社員の何倍も働いてはいるが、それだけでは社長の役割は果たせない。

◆社長の6つの仕事

1)経営理念を決め企業に命を吹き込む
経営理念は社長の志・人生観・経営観が投影されている物であり、それには企業が社会的存在である「社会への貢献」は外せないものになる。

松下幸之助翁は企業経営の成否の50%は経営理念の浸透度で決まり、社員のやる気を出す仕組み作りで残りの30%が決まり、戦略戦術は残りの20%であると言っている。経営理念は抽象的な内容が多いため、これらを中期的に具現化するために「経営ビジョン」を策定すべき。ビジョンは中期的に企業が到達すべきグランドデザインを意味しており、全員が一丸となってそれを達成に向けてい邁進する物となる。

結果、経営理念・ビジョンを決定し浸透させることはまさに「組織に命を吹き込む」こととなる。

2)経営戦略を決め実行せよ

「戦略は過去の延長戦上には生まれず、飛躍から生まれる」とある。すなわち経済社会感虚の変化を踏まえた状況判断と塾考から戦略は生まれる。優れた戦略は経営者自身の自分との対話の中から生まれるものなので、他人から借りてそのまま適用できるものではなく、「限りある経営資源をどう効果的に割り当てるための思考の枠組み」と言える。

自社の基本的な経営戦略を決定したら、それを具体的に「経営計画」に落とし込みを行います、毎月実績を対比させ達成度合いをチェックしながら、軌道修正を掛けていく。すなわち、経営計画とは目標達成のために必要であり、経営戦略を社内に浸透させるためのツールである。

3)適正利益を確保する
適正利益が無い企業では、
・昇給、賞与原資がない
・機械設備の更新ができない
・資金不足が生じる
・倒産の危険性が高まる
上記のような現象が生じる。

TKC経営指標によると飲食業の場合、
黒字企業平均・・・3%
優良企業平均・・・7.8%
一人当たりの経常利益額…6万5千円 となっている。

4)組織を活性化させよ
集団活性化の条件
・目標を設定する
 まず社長がやらなければいけないのは、目標設定。仮に目標を立てても単ならお題目や 願望のレベルにとどまっては意味がない。社長をはじめ全社員が目標に向けて強烈な
 意欲を持つことが大前提。

・会社の情報を公開する
 売上高目標を掲げても実績をタイムリーに公開しなければ社員は会社が現在どこに
 いるのか把握できる、結果として挑戦意欲が湧いてこないた、会社の情報はできるだけ 公開すべき

・経営参画意識を育てる
 社員の働いる現場にいって良いところがあればその場でほめるなどして、社員のやる気 を引き出します。このような個別な対応のほかに社員の参画意識を高める方法を検討  するべきである。例えば、社内の会議などで社長の独演会にならないよう積極的な発言 を促し勇気を持って発言した社員については頭から否定せず認める姿勢が大切である。
・競争原理とインセンティブ策を導入する
 競争原理が働かないと一生懸命やった人とやらなかった人との差がつかず不平等に
 なってしまう。インセンティブというと、金銭がまずイメージできるが以下の4点
 もインセンティブとなる。
 →評価的インセンティブ(上司からのポジティブな評価)
 →人的インセンティブ(職場での良好な人間関係)
 →理念的インセンティブ(経営ビジョンや組織の価値観)
 →自己実現インセンティブ(社員の自己実現を可能とする職務)

・社員満足度を高める
 満足度の高い社員でなければ顧客満足の向上を追求することは困難である。つまり
 社員のやりがいを与えるために、時間とお金と心を有効に使うことで、結果的に
 顧客満足度が高まる。

5)顧客を訪問せよ
 社長室に閉じこもり内部管理ばかり行っているのではなく、全ての解答は現場に
 詰まっており、その源泉が顧客である。そのためトップは顧客訪問を行う。トップ
 でないと気付けないことがあるので、社長による顧客訪問は顧客のニーズを直接
 感得することに繋がる。

6)学習と成長の仕組みを作れ
 経営者は多忙だが、伸びている会社傾経営者ほど読書、研修、人脈作りの熱心である。 伸びる経営者の共通点は「好奇心」と「感性」のレベルにある。何にでも興味を
 示す「好奇心」が強ければ一見業務に関係がない情報でも、数年後その情報が
 発酵して役に立つ事がある。

 人を育てるポイントは責任を持たせて任せることである。特に大切なのは「人間教育
 」であり、自己の存在意義や役割について気付くこと。そして経営者視点で物事を
 意思決定できる社員を育てることが最も大切である。

◆バランス・スコアカード
 バランス・スコアカードが誕生した背景には、経営目標やビジョンを明らかにし
 経営戦略を決めても、結局社内には浸透せず実際実行されているのが70~90%と
 高い失敗に終わっている事実がベースとしてある。

 バランス・スコアカードは、立てた計画を社員の日常業務に落とし込んで確実に
 実行することを目指す経営理論である。

 バランス・スコアカードの長所は課題を見える化して、やるべき課題が多すぎて
 優先順位が付けきれないことを整理する目的もある。また、様々な事をとりあえず
 動かすのではなく、財務、顧客、業務プロセス、人材と4つの視点で整理し
 それぞれツボとなる戦略目標をPDCAで回すという考え方。

●作成の手順
1)ビジョンと戦略の策定
企業の具体的な目標と実現する具体策

2)視点の洗い出し
戦略を実現するポイントの抽出(4つの視点)

3)戦略目標の設定
戦略マップでビジョンと戦略を実現するための各視点の
目標を設定する

4)重要成功要因CSFを洗い出す
目標を達成するために必要な業績向上の要員を設定

5)KPIの設定
実際行動をとった時のアクションの成果を測定するための
指標を設定する

6)アクションプランの作成
数値目標を実現するシナリオ、アクションプランを作成

●4つの視点
1)財務の視点
経営活動を財務的な視点から、株主が企業に対してどのような成果を期待しているか検討し、具体的な「財務数値目標」を設定する。利益に代表される財務的成果をあげることは企業にとって最高位の目標となる

2)顧客の視点
顧客が何を望んでいるかを正しく把握することが重要。自社の提供する商品・サービスに対して顧客から支持を受けて、喜んでお金を払っていだけるような評価を得るためどのように行動し、どこまで応えるべきかを検討する。既存顧客だけでは、大きな成長は望めないので、潜在顧客層も含めて考えていく。

3)業務プロセスの視点
ここの改善とは、日常的な意味の改善ではなく、「戦略を実現するため」の改善を指す。財務の視点や顧客の視点において設定された目標が高ければ高いほど、業務プロセスの改善には大きなブレークスルーが必要となる。

4)人材と変革の視点
個人のみではなく、チームの団結力やコミュニケーション能力を高めるこも組織の成長維持に重要なことである。さらに短期的な実現が可能なインフラ整備、技術力の向上などの視点も考慮される。具体的な例としては以下
・人材育成プログラム
・人材採用と教育体制の構築
・スキルアップのためのOJT


---
社長の仕事として、内部管理だけではなくやはり経営戦略の策定、経営理念の浸透など「社長しかできない」仕事に特化することが、会社としてまず成長するのに必要な事だと改めて気付いた。多くの中小企業で社長が作業に追われているが、まずはそこから抜本的に見直す必要がある。

バランス・スコアカードについてはひところで言うと「中小企業で多くの課題検討項目があるが、それの優先順をつけてPDCAサイクルを回す」ツールと受け取ることができた。確かに、社長は全ての項目を把握しているので、容易に混乱に陥ってしまう。その場合バランススコアカードの導入は有効だと考える。