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儲かる飲食店になるための必要な数字とは?
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景気が低迷している中、飲食店経営は厳しいと言われて久しいが、著者はそれ景気だけの影響ではないと否定する。極端な例、どれだけ景気が悪くなったとしても、外食に行く回数が減るだけでゼロにはならない。月5回の外食が3回から2回になったとしても、2回の内に該当するお店は売上をあげており、外れたお店はこれまでの顧客との関係性がその程度だった指摘する。
ただ、大切なのは3→2に減らされるのが「中小企業の店舗」が多いため、先の飲食業界で言われている「飲食業界が厳しい」という結論に結びつくと説く。
過去の日経MJにおいて「飲食店の60%が歓送迎対策を何もしていない」「記念撮影等、簡単なサービスですら実施している飲食店は1割強」と取り上げられている。すなわち飲食店の6割は「待ち」の状態になって何もしないことにより、結果的に来店が減り売上が下がるというスパイラル陥る。
そこで著者は開業前の準備段階で確信が持てるほどの数字計画を持つことの重要性説く。具体的には利回り30%(できれば30%以上)を確保できるかどうかが判断基準となる。また、この数値が実現できない場合は、その店舗の経営は難しいと判断できるとも指摘している。
利益を最大化するためには3大コストである原価(FOOD)、人件費(Labour)、家賃(Rental)
アルファベットの頭文字を取ってFLRの値を70%に収めるのを絶対条件と指摘する。30%がその他コストと利益となる。
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儲かる店作りのポイント
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儲かる店作りをするためには著者は3点をあげている。
1)経営者自身が好きな分野の料理か
まだ会社が小さな時は経営者が厨房に立つ機会が多いため、そもそも調理の当事者である経営者がその商品が誰よりも好きかが重要になる。
2)それを調理することが得意か
職人を雇っている場合、その職人がいなくなるとお店の閉店に繋がってしまうため、なおさら提供する商品に愛情をもつ必要があると説いている。
3)お店の商圏にニーズに合っているか
いくらオーナーが好きな商品で調理が上手に出来たとしても、お店自体のニーズがその商圏に無い限り売れることが無い。
結論、3つの要素が全て当てはまるのが理想的ではあるが、その中でも一番大切な要素は、「好きな分野の料理かどうか」。なぜなら、ニーズがない商品は商売にはならないが、圧倒的な商品力があればまだ広い商圏から集客できるため。
逆に商品は好きではない、調理も苦手、でも商圏にニーズがあるという状態だと、そもそも顧客に満足したサービスを提供できない可能性が高いため、ともすればクレームになると指摘している。
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儲けにかかわる数字とは
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売上、利益、経費の捉え方について著者は利益重視の数字の捉え方をすべきと説いている。
通常は、
売上-経費=利益 と計算されるのが普通だが
利益+経費=売上 といったあるべき利益を明確んし、
かつ必要となる経費を明確に把握することによって結果的に
利益が最大化できる、すなわち結果論的な利益の出し方の逆をやるべきと指摘している。
具体的な手法として、下記をあげている。
粗利を上げるため(利益を上げる)
・売価を上げる
・クロスABC分析を行い、粗利に貢献しているメニューの販売数を増やす
原価を下げる(経費を下げる)
・仕入れ価格を下げる
・ロスや廃棄を抑える
・10グラム単位の積み重ねでメニューを考える
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細かく見ていくと、
・仕入れ価格を下げる
・ロスや廃棄を抑える
こちらの中で意外と多いのが従業員の不正。すなわちお店の商品を無断で食べる、材料を持って帰るなど。不正対策については、発生の予防が大切で日々の商品管理をすることが重要と説いている。
・10グラム単位の積み重ねでメニューを考える
こちらは1つの食材に10グラム単位の原価を計算し、それに基づいて原価率を抑えたレシピを考えるということ。さらに人間一人が食べられるグラムも考慮するとより無駄のないレシピが作ることができる。コース料理の設定でイメージすると男性で500グラム、女性400グラムが妥当と述べている。
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売価を上げ方について
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単純に価格を上げてしまうと「値上げした」とマイナスな事を顧客に与えてしまうため、筆者は「記憶に残る価格」には注意が必要と説く。顧客は通常メニューのどのアイテムがいくらかまでは記憶に残っていないが、「そこのお店は大体600円ぐらいの料理が多かったかな」といった何となくのイメージを持っている。
その持っている価格の記憶は具体的には4つ
A)客単価
人あたり大体いくら支払ったのか?の感覚、それが以前よりあまりにも高くなると
「全体的に高くなかった!」と思われる。メニューを変える時でも値段を変えない
お店があるがそれはこの理由のため
・オーダー数上位の商品
オーダーが多い商品というのは、それだけ顧客の注文を受けている商品なので
より記憶に残りやすい=値段を上げにくい商品。逆にオーダー数が下位の物ほど
記憶に残らない商品のため値上げができる可能性がある。
・商品が多い価格帯
極端な例で70アイテムあるお店で90円の焼き鳥がその中で30個あったとすると
多くの顧客の感覚として、その90円の焼き鳥が価格として記憶に残る。
・最低価格、最高価格
メニューにある最低・最高価格はやはり覚えられやすい。そのためそれら上限下限の
価格を変更するには慎重になる必要がある。
これら顧客の価格に対する記憶に対してのアプローチとして、
筆者は「価格のラインと下限・上限」を指摘する。
一番高い商品と安い商品の価格幅を「ゾーン」と呼ぶがゾーンが広いと顧客は戸惑ってしまうし、お店のコンセプトがそもそもほばやけてしまう。一番安い商品と一番高い商品の価格差を『二倍程度』にする事を著者は勧めている。
例えばワインボトルであれば、下が3千円であれば、上は6千円が妥当。逆に上限が9千だと同じ3千円を注文した顧客の満足度は自動的に下がってしまう。
競合との差をつける見せ方としては、「商品の価値をきちんと伝える」必要があると著者は指摘する。典型的なのがコース料理名の付け方。よく松コース5,000円、竹コース3,000円といった名称に価格の価値だけ載せてしまうケースがあるが、その場合ほぼ100%、価格で顧客は選択をしてしまう。著者はここにおいて「季節の野菜の○○のコース」「春の女子化会コース」といったようなそのコースの内容や魅力をアピールすることの重要性を指摘している。
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所感
消費行動において価格の設定は一種の魔法みたいな役割がある事が興味深い。特に最後にコース名を変えるだけで、価値が伝わり購買意欲が高まりそうな感じがあるのはとてもシンプルだが、すぐに実践で使えることだと思う。商売の真髄を感じた。
また、昨今原材料の値上げが進んでいる中、飲食店だけが顧客離反を恐れて値上げできずお店が疲弊してしまう可能性を感じていたが、それこそお店のコンセプトがしっかりしており、価値がキチンと提供していれば仮に値上げをした所であまり揺るがない点を感じると強いお店=スタッフがちゃんとコンセプトどおりに顧客にサービスを提供する 必要があり、ここでもやはり経営理念の浸透がテーマになってくるのではと思った。


