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中田敦彦YouTube大学【世界史】 
イギリスの歴史1/2
イギリスの知られざる成り立ちと侵略の歴史。
    
百“文”は一見に如かず!
詳しくは動画をご覧下さい。



【参考資料】
『一冊でわかるイギリス史』
河山書房新社 刊 小林明夫 著
 
【エクストリーム授業とは ?】
なるべく分かりやすく「面白いんだよ」という事を全面にお伝えする授業!

【分かる豆知識】
イギリスの中にある国、全部言えますか?
イギリスの旗の由来知ってますか?
チョコレートのゴディバの元ネタ分かりますか?
海賊=ヴァイキング?
シェークスピア?名前は知ってるけど…?

【結論】
もうこの島、休む暇無い。
侵略され、手放され、国内で争って、侵略され、追い返して、侵略された。
封建制がフランスより持ち込まれ、我々が想像する、今のイギリスの姿に変えていく…。

【説明】
イギリスと言えば、世界史上で
「あらゆる事はイギリスがやってきた事の名残りなんじゃないかな?」
と言う位
これもイギリスのせいですね。
あれもイギリスのお陰ですね。
という事が多い。

イギリスは2000年以上の凄い血みどろの歴史がある。
イギリス史は民族も入れ替わるし
イギリスの中でも色々領土があるし
それがずっと支配したりされたり
入れ替わったり侵略したりし
そうした事を繰り返しながら、落ち着いたかと思ったらその王家の中で政略争いが続く。

〇世〇世とか続く。
〇〇王の〇世が実権を握ったと思ったらそいつがすぐ殺されてあ〜だこ〜だ、もぅお家騒動に次ぐお家騒動の2000年。
血みどろ。

今回は何を教えたいかというと、イギリスと言えば産業革命以降世界で名をはせたという事は歴史で繰り返しやってきた。

それ以降は分かるけど、それ以前のイギリスって元々どういう成り立ちなの?
イギリスの国の個性とは何なの?
という、イギリスのざっくりとした成り立ちをお伝えします。

現代のイギリスの領地の位置関係把握。
我々はイギリスイギリスと呼んでますけどイギリスと呼ぶのは日本くらい。
イギリスと呼ぶのは、ある時の名残りからそう呼んでいる。
イギリスと呼んでいる限りイギリスは理解出来ない。

正式名称
[United Kingdom of Great Britain and Ireland]
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
からの[UK]
4つの国から成る。


・[イングランド]
「サッカーとかで聞いたことあるよ〜。」

・[スコットランド]
「スコッチ、お酒かな〜。」

・[ウェールズ]
「これ嫌。目白くなっちゃう。」

・[北アイルランド]
「え?別の国じゃ無いんですか?」

皆さんの理解はこんな感じだと思います。
「え?じゃ、アイルランドの北だけはイギリスなの?」
ここなんです。

アイルランドは何度もイギリスに統治されていた時代がある。
現時点で言うとアイルランドの北部だけはイギリス。
それ以外の部分はある時、独立した。
ここがわかり辛い。
じゃあ、それを踏まえてイギリスとはどういう状態だったか?

【ローマ帝国(イタリア)支配時代】
古代はどういうところに影響を受けていたかというと、ヨーロッパの南の方に地中海があり古代[ギリシャ]

そのギリシャの時代が終わるとローマが全てを作る。
[全ての道はローマに通ず]
という位、ある時のヨーロッパというのはローマ帝国が全ての時代だった。

島には元々は[ケルト人]とか[ブリトン人]とか色んな民族が居た。
そこに[カサエル](ブルータスに刺される奴)率いるローマ帝国がいきなりこの名もなき島々(後のイギリス)に攻めてくる。

カサエルが攻めてきた時は、まだイギリスのエリアが島かどうかもあやふやだった。
何となくブリトン人がいるという事で[ブリタニア]と呼んでいたらしい。

カサエルが攻めに来るが、国内で色々あったから攻めるの止めて帰る。
でもローマ帝国は諦めた訳ではなく、その後の皇帝[クラウディウス]が来て南半分位は攻めちゃう。

その上でブリタニア(現在のイングランド辺り)もガッチリ押さえてローマの属州とした。
その時に[ロンディニウム]という土地をローマ支配下の中で主要な都市としてやってきた。
そこが後の[ロンドン]になる。
この頃から既にロンドンは良い土地とされていた。

イギリスは元々はイタリアに支配されてたという事。

そんな中、ローマ帝国は東と西に分かれたりした。
ローマ帝国が弱体化してきて、イギリスに対する西ローマの手綱が弱くなった時にローマはイギリスから手を引く。
その上で[ゲルマン民族大移動]があった。

ローマ帝国の弱体化とゲルマン民族大移動によってイギリスからローマ帝国の支配が無くなった。
「あ〜、良かったね。」
と思ってた。


【ゲルマン民族支配時代】
思ってた矢先、ゲルマン民族達が海を超えてイギリスまでやってくる。
ゲルマン民族大移動って本当に凄い。

ここがポイント。
「イギリスって島国だから日本と似てるよね。」
とよく言われる。

確かにユーラシア大陸の端の島国と言えば、イギリスと日本です。
日本には現在も天皇陛下がいて、イギリスにはイギリス王室がある。
共通点が多いんですが、日本とイギリスの大きな違いとは?

日本は大陸との距離が海で50kmある。
しかしイギリス↔フランス
ドーバー海峡と大陸との距離が30kmしかない。

「なんだ、20kmだけの違いか〜。」
と思うかも知れないけと、この20kmは大きい。

日本は[元寇]モンゴル帝国が攻めてきた時以外は、そこまで外国の侵略危機に無かった。

だけと、イギリスには何度も来る。
ローマがまず来た。
で、ローマが居なくなったと思ったらゲルマン民族来ましたよ〜と。

ゲルマン系の人達を[アングロサクソン人]
[アングロ人]と[サクソン人]とある。

ゲルマン民族がイギリスに来て、そいつらがイングランド辺りに7つの王国をバーッと作った。
この後もイギリスはずーっと基本イングランドを中心に回っていく。

それによって元々いたブリトン人は、現在のウェールズの方に追いやられた。
だからウェールズの人達っていうのは、結構昔から追いやられてるという恨みがずっとある。

ゲルマン民族とブリトン人、全然別々の文化が出来た。

スコットランドはずーっとイングランドに反発する。
ライバルスコットランド。

UKの国旗。
イングランドの白と赤の十字
スコットランドの青と白のバッテン
アイルランドの白と赤のバッテン
その3つを合体したのがあの国旗。


そこにウェールズは無い。
なぜか?
ずーっと昔に早いうちに追いやられて支配されてたから、合体っていう感じでも無い。
ずっとイングランドにくっついてた感じだから。

ゲルマン民族アングロサクソン人の作った7王国あたりから大変。
7つの王国でずーっと攻防してる。

この7王国辺りの話で出てくるのが
「ゴディバ夫人」
チョコレートメーカーでも有名。
ゴディバ夫人というのは、7王国の内の1王国の王の奥さん。

その王は税金を非常に厳しく国民に課していた。
「税金もっとよこせよ。」
「あの王様厳しいな〜。」

その王様の奥さんゴディバ夫人が
「あなた、そんなに税金上げるの止めなさいよ!」
と国民の声を代弁して言ってくれた。いい奥さん。

「あんたそんなに税金取っちゃ駄目じゃないの。税金下げてよ」
「お前そんな事言うんだったらよ〜。お前が本気かどうかだわ。お前いい格好したいだけじゃないのか?本気で国民の事思ってますってそういう事?」
「もちろんよ」
「わかった。じゃお前が素っ裸で馬に乗って町を一周してきたら言う事聞いてやる」
「わかりました」


本当に素っ裸で馬に乗って町を一周したという。

その時に
「全裸でゴディバ夫人が通るぞ!」
となった時に国民達は
「いや、そんなん見たらあかん!俺達の為に周ってくれるのなんて感動やん。そんな奥さんの身体なんて見たらあきませんよ!」
皆、目を伏せていた。

でもその中でも一人だけトムと言う奴は見たらしい。
そういう[ピーピングトム]っていう話も残っているらしい。

GODIVAのマーク、馬に女性が乗ってる。
自分の羞恥心すらもかなぐり捨てて、国民を守ったという英雄的な女性をマークと社名にしているのがあのゴディバ。

こういった話は7王国の頃の話。


7王国に追いやられたウェールズの人達、この人達にも物語が残っている。

その人達がコンプレックスを晴らしたくて作った作品が
[アーサー王物語]ランスロットルとか円卓の騎士とか。
これはウェールズに追いやられたブリトン人達の物語らしい。

そういった出来事から、アングロサクソン人が作った国
[アングロランド]と呼ばれる。
後のイングランドの語源。

[イングランド]とか[イギリス]とか[イングリッシュ]とかは、アングロサクソン人である民族の名前を語源にしている。

だからその民族とは違うスコットランドやウェールズからしたら
「イギリス全体をそういう風な呼び方されるの嫌だな〜」
という感情。

「アングロランドからのイングランドからのイングリッシュからのイギリスはちょっと勘弁してよ。」
っていうのがここから来ている国民感情。
そこら辺のイギリスの成り立ちや微妙な国との関係性というものを理解するのが非常に大事になる。

ところがこの後も大変な事になる。

7王国が段々一つになっていく。
政略争いの中で強い国があって
「ヤッター!統一だー!」
と言ってる時に来るのが[ヴァイキング]


【北欧勢ヴァイキング支配時代】
ヴァイキングここで出てくる。
イングランドを統一したと思ったらすぐに来る。
こいつらどこから来たかというと北欧から。

海賊と言えばヴァイキング。
ヴァイキング=海賊と我々は思っている。

実は北欧から船で出て海賊行為も行っていたのだが、主には北欧で農民や漁師とかやってて、専業海賊という事ではない。
侵略・略奪しに来る時にヴァイキングと呼ばれていた。

北欧とイギリスって関係なさそうに思ってたけどそれは違う。
デンマーク・ノルウェース・ウェーデンとか、その語源となったであろう[デン人]が攻めに来る。
この時代は、とにかくヴァイキングが来て追い払う。

ワーッと戦ってるんだがある時、負けちゃう。
物凄く強い北欧の王に全部乗っ取られてしまう時期があった。
それでデンマーク・ノルウェー・スウェーデンとかと一緒のエリアに組み込まれ、イギリスは一回北欧になる。

ところが、北欧も北欧で後継者争いとかむちゃくちゃあった。
それでイギリスを上手くコントロール出来なくなって、
最後にヴァイキングvsイギリス
[スタンフォード・ブリッジの戦い]
「北欧からイングランドを取り戻せ!」
とやって追い返す。

北欧はこの最終決戦以降、攻めてくる事はない。
「ようやく北欧からイングランドを取り戻したー!」
ってなった瞬間


【フランス支配時代】
[ノルマン・コンクエスト]
ノルマンディーの王によるイングランド征服。
今度はフランスから侵略される。

フランス北部のエリア[ノルマンディー]
[ノルマンディー上陸作戦]
イギリスの方から船で上陸して、ヒトラーに奪われたパリを奪い返すぞという第二次世大戦の最後の戦い。

そのノルマンディーからフランスが攻めてくる。
それで一気に奪われてしまう。


話変わって 
そのちょっと前にスコットランドはどうなってたか?
勿論、ウェールズもスコットランドもヴァイキングとか来た時は一緒にバチバチと戦っていた。

それとは別に、この辺りでスコットランドはスコットランドで王位継承戦の戦いはやっていた。

スコットランドの王位継承でバチバチの中で現れるのが
[マクベス]
20年弱、結構名君としてスコットランドを統治していた。
ところが戻ってきた王子にやられてしまうという話。
 
その辺りのスコットランドのマクベスの王位継承の史実を元に
話を描いたのが[シェークスピア]
後にイギリス・エリザベス女王時代の文化が栄えた頃に描いた。

内容としては
イングランドが北欧に取り込まれてた辺りのスコットランドでの王位継承の争い。
マクベスは王になってすぐに王子に殺されてしまうという、シェークスピアの話。

シェークスピアの演劇の何がウケたか?
セリフ回しやストーリーも非常に面白いけど、イングランドにとっていかにこの王位継承とか、そういった争いが身近でリアルなゴシップだったかという事がこの流れの中では何となくわかる。
物凄く王位継承とか争いをずっとやっている。

しかもイングランドにいるシェークスピアがスコットランドの揉め事を書くってのが、イングランドのいさかいには関係ないから聴きやすい。

で最終的にイングランドに攻められるというところで終わるという話なので聴きやすかったと。

政治的な配慮も上手かった。
時の権力者が喜ぶような話の中で面白いものを作ってた。
だからシェークスピアは天才と言われていた。


話戻って
[ノルマン・コンクエスト]
ノルマンディーに征服される。
完全に征服されてしまった。

その上で、ここで文化の流れが変わる。
北欧の一国っぽい流れから、北欧との交流がバチンと切れてこれ以降ヨーロッパの一国っぽい雰囲気になる。

これが無かったらヨーロッパ&北欧&イギリスみたいな、文化的にそういう雰囲気だったかも知れない。

ノルマンディーの王様が[ギヨーム]という名前だけど、イギリスに来て[ウィリアム1世]と名乗る。
ここでフランスのノルマンディーの王がイングランドの王を兼ねるという時代がやってくる。

イギリスはこんな事の連続ですから、正直忘れて下さい。
兼ねるとか1世とか、どうでもいい。

ここでノルマンディーからイギリスに持ち込まれた大陸の文化が
[土地台帳]
税金を取る為に土地台帳を作るというのをやり始めた。
「土地台帳とって、土地を貸してやるからその代わり税金納めろよ。」

これ、いわゆる日本でもある[封建制]という。
[御恩と奉公]みたいな。

領主に君主が土地を分け与える代わりに税金をしっかり納めろという、その仕組みの基礎がここでイギリスに持ち込まれる。
その後から我々が思うイギリスっぽさが現れてくる。
 
【個人的感想】
動画でも何回か触れてるけど、細かい人の名前や地域の名前を覚えようとすると頭痛くなるから、何となくイギリスって侵略されまくってるんだなぁという事くらいでいいかも? 

日本に生まれて良かったー!
ずっと侵略されっぱなし。
今のイギリスからは想像つかない。
やっぱ日本は特殊な国なんだなぁと他の国の歴史を見ると分かる。

個人的にはやっぱゴディバ夫人の話。
根性の座った強い女の人っていいわ〜。
カッコいい!
 
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