SeeeduinoでDSPラジオ(1) | お父にゃんの電子工作

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暇なおじさんが、電子工作(主にラジオ製作)をして勝手な感想を書く

前回、Seeeduino XIAOをちょっと触ってみたら、小さい割には機能も充実、お値段もお安くて、とても気に入ってしまった。今後はSeeeduino XIAO中心に使っていこうと思うのである。

 

さて、こないだ作ったATS-25もどきでは、何ていうか特に中波の感度が悪いような気がしているのと、中波・短波ではややノイジーなのである。あと、0.5秒おきくらいのカツカツという感じのノイズが入る。FMの時には気にならないが、中波短波ではこのノイズが邪魔になる。

 

ノイズと感度について、何が原因なのか分からないので、SeeeduinoとSi4732を使った簡易版ラジオを作って差を見れば原因が何か解るかもしれない。

 

でも動かすソフトをどうしようかと思って、「PU2CLR SI4735」ライブラリを覗いていたら、exsampleの下の「SI47XX_15_SEEEDUINO」フォルダに3つほどサンプルプログラムを発見。

その中の「OLED_ALL_IN_ONE」を試してみることにする。

 

回路図は無いが、以下のようにサンプルプログラム内に何を何処に繋ぐかが書いてあるので、その通りに回路図にしてみる。

  | Device name   | Device Pin / Description |  Seeeduino |
  | --------------| -------------------------| --------|
  |    OLED       |                          |         |
  |               | SDA/SDIO                 |  A4     |
  |               | SCL/SCLK                 |  A5     |
  |    Encoder    |                          |         |
  |               | A                        |   1     |
  |               | B                        |   2     |
  |               | PUSH BUTTON (encoder)    |   0     |
 
  Seeeduino 3.1 and SI4735-D60 or SI4732-A10 wire up
 
  | Si4735  | SI4732   | DESC.  | Seeeduino |
  |---------| -------- |--------|-----------|
  | pin 15  |  pin 9   | RESET  |    3      |
  | pin 18  |  pin 12  | SDIO   |   A4      |
  | pin 17  |  pin 11  | SCLK   |   A5      |

 

暫定回路図↓

電源はLi-ionで、5V昇圧してSeeeduinoへ。

3.3VはSeeeduino内蔵の3端子レギュレーターを使う。

アンテナは、前回効果が確認出来た広帯域アンプを介して接続。

音はとりあえずアンプ無しでイヤホンで聞いてみることにする。

 

 

いつものようにブレッドボードで組んでみる。

 

サンプルスケッチをコンパイルすると”USB”という定数が2重に定義されているというワーニングが出る。ライブラリの中にも同じ名前の定数が使われているようだ。

スケッチの定数”USB”を"USB_"に全部書き替えてコンパイルすると、ワーニングも出なくなった。さっそくSeeeduino XIAOに書き込むと、何の問題も無く動き始めた。

 

FM受信時

 

中波

 

短波


操作方法は、エンコーダーのセンタースイッチを押し込むとBand切替になり、もう一回押し込むとMenu表示となり、ここでエンコーダーを回すとVolume、Step、Mode、BFO,BW、AGC/ATT、Seek UP、Seek Downが選択、実行できる。一通りの機能は入っているのである。

 

 

色々受信してみて、以下の事が分かった。
 
・バーアンテナは不要
 バーアンテナだけでは中波の感度は不足する。また、外付けアンテナを付けるなら、
 バーアンテナが無い方がノイズが少なくて良い結果が得られる。
 ATS-25等が金属ケースに入っていて外付けアンテナだけにしてあるのは、このせい?
 
・前回作ったATS-25もどきよりも、ノイズが少なく、短波の感度が上がっている。
 唯一、このラジオだけが室内アンテナだけでラジオ日経が聞こえた(夜間のみ)。
 今まで試したM6955のラジオATS-25もどきでは聞こえなかった。
 ただし、前回作ったATS-25もどきでもバーアンテナを取り外すと、ややノイズが抑えられて
 近い感度になった。
 
・広帯域アンプ(BGA2800)の効果は高い
 このIC無しではラジオ日経を聞くことはできなかった。
 AMやFMでも受信強度Sの値が大きくなるので、確実な効果を実感。
 
・中波、短波では約1秒おきに、「ジッ、ジッ・・」とノイズが入る。
 このラジオでも1秒おきにノイズが入ってしまう。
 あと、受信強度Sの表示を更新するのだが、このタイミングとノイズが同じタイミング
 であり、表示書き換え時のノイズの可能性が大。
 信号強度が同じだった場合には画面書き換えが行われないのか、ノイズが入らない。
 ATS-25もどきでも確認したのだが、こちらは約0.5秒おきに表示の更新が有り、ノイズ
 と書き換えのタイミングが同じである。やはり画面書き換え時のデジタル系のノイズが
 回り込んでいるのだろう。
 
5V昇圧レギュレーター(XC9306)のスイッチングノイズはほぼ影響なし。
 (レギュレーターを外してNiMH電池4本に置き換えても差が無い)
 
で、今はこのような回路になっている。
配線も見直してみて、ブレッドボードでこんな感じ
でもノイズレベルは変わらず。
 
 
う~ん、短波ではこれまで作った中では最高感度なだけに、なかなかに惜しい。
これで、定期的なノイズが無ければ、保存版にしても良かったのだが・・・
表示を16X2の液晶に替えれば、書き換えのデータが少ないのでノイズが抑えられるかもしれない。また、何か考えてみる。
 
 
 
「もうちょっと、頑張るのニャ」