こないだ、おじさんは足らない部品が有ったので秋月電子にちょっと発注した。ここは四国なので、当然通販なのだが、配送料がかかるので要りそうな部品もまとめて発注しておくようにしている。
その時に、気になったFET(2SK212D)を発注しておいたので、試してみたいと思う。
それと、以前にAmazonで2SK241GRを購入したものも、まだ試していないので試す。
まぁ、試すといっても簡単なAMラジオなのだが。
一応、簡単に比較して一覧にしたので参考までに。
使用したFETは
・2SK241Y MOSFET IDSS=3~7mA
・2SK212D ジャンクション型 IDSS=1.2~3mA
・BF256B ジャンクション型 IDSS=6~13mA
・2SK241GR MOSFET IDSS=6~14mA
・2SK439F MOSFET IDSS=8~12mA
の5つ。サンプル数は各1個。
まずはインダクタ負荷で。
回路は簡単に以下のように。ソース抵抗は適当に49Ωとした。
インダクタ負荷での結果
◎:良く聞こえる 〇:音が小さいが聞こえる
△:鳴っていることが確認できる ×:聞こえない
おじさんの感想としては
・インダクタ負荷だと、なぜか選択度が落ちて混信する。
FETによって程度の差はあるが、抵抗負荷より明らかに差が有る。
・感度は2SK439F > 2SK241Y > 2SK212D の順なのだが、差はあまり無い。
・2SK212Dが電流が少ない割に感度が良くて、とても素敵。
しかも、秋月電子で現在10個150円と格安で購入可能。
(2SK439も2SK241も購入困難なので今後活躍しそう)
・2SK241GRが思いのほか良くない。使い方の問題だろうか?、よくわからない。
で、いろいろネットで調べてみたら、こちらのページを見つけた。
ソース抵抗値を上げて感度調整を行うと同時に、電流を減らし、電池の消耗を防ぐ。
そのページの中で、「2SK241Y、2SK241GR、2SK439EいずれのFETを使ってもラジオ感度は同じであることを確認しました。また、回路電流についてもいずれのFETを使っても0.7mA前後になることも確認しました。 」と、書いてある。
ということで、いろいろ試してみた。
●インダクタ負荷、ソース抵抗470Ωでの結果
(ドレイン電流はソース電位と抵抗からの逆算値)
◎:良く聞こえる 〇:音が小さいが聞こえる
△:鳴っていることが確認できる ×:聞こえない
電流は確実に減っているが、各FETの感度に大きな変化なし。
選択度が低い傾向は変わらず。
●インダクタ負荷、ソース抵抗1KΩでの結果
(ドレイン電流はソース電位と抵抗からの逆算値)
電流はさらに確実に減っているが、各FETの感度に大きな変化なし。
選択度が低い傾向は変わらず。
●インダクタ負荷、ソース抵抗2.2KΩでの結果
(ドレイン電流はソース電位と抵抗からの逆算値)
電流はさらに確実に減っているが、各FETの感度に大きな変化なし。
選択度が低い傾向は変わらず。
●インダクタ負荷、ソース抵抗4.7KΩでの結果
(ドレイン電流はソース電位と抵抗からの逆算値)
電流はさらに確実に減っているが、感度に大きな変化なし。
選択度が低い傾向は変わらず。ただし電流が少ない方が選択度がましになる感じ。
2SK241GRは全く振るわない。やはり偽物か?
おじさんの感想は
・インダクタ負荷の場合、ソース抵抗値を上げて電流を下げるのは大いに「有り」
ただし、インダクタ負荷の場合、選択度は低下傾向。
・2SK241GRは、どうやっても感度は上がらない。
BF256Bと大差ない。
Amazonで買った中華半導体なので、偽物かもしれない。
・2SK212Dは感度はそこそこ良く、電流が小さいので、電池駆動のラジオには最適
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次に抵抗負荷
放送を受信しながら、1KのVRを回して一番よく聞こえるように調整
抵抗負荷、ソース抵抗49Ωでの結果
(ドレイン電流はソース電位からの逆算値)
◎:良く聞こえる 〇:音が小さいが聞こえる
△:鳴っていることが確認できる ×:聞こえない
おじさんの感想としては
・インダクタ負荷より抵抗負荷は音量は減る傾向だが、選択度は良い。
・同じく感度は2SK439F > 2SK241Y > 2SK212D の順なのだが、差はほとんど無い。
2SK212Dが電流も少なくて素敵。
・以前試した通り、BF256Bは抵抗負荷だと聞こえない。
・2SK241GRが良くない。
入手困難だが2SK241を使うならOかYランクが良いと思う。
同じく入手困難だが2SK439もEランクがきっと良いと思う。
同じようにソース抵抗を上げて試してみた。
ドレイン側のVRも5KΩに変更してある。
●抵抗負荷、ソース抵抗470Ωでの結果
(ドレイン電流はソース電位と抵抗からの逆算値)
◎:良く聞こえる 〇:音が小さいが聞こえる
△:鳴っていることが確認できる ×:聞こえない
感度はあまり変化しない。
ソース電位が上がることで、ドレインに電流が流れなくなるピンチオフ電位に近くなるため、FET検波状態になると思い、ダイオードを外してイヤホンをドレインのコンデンサに繋いで聞いてみると、音が小さいが、ラジオ放送が聞こえる。
●抵抗負荷、ソース抵抗1KΩでの結果
◎:良く聞こえる 〇:音が小さいが聞こえる
△:鳴っていることが確認できる ×:聞こえない
感度はあまり変化しない。
同じくダイオードを外してイヤホンをドレインのコンデンサに繋いで聞いてみると、音が小さいが、ラジオ放送が聞こえる。
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おじさんの感想のまとめ
・感度が良い順に2SK439F、2SK241Y、2SK212D。ただし、大きな差は無い。
・インダクタ負荷の場合、ソース抵抗値を上げて電流を下げるのは大いに「有り」
ただし、インダクタ負荷の場合、選択度は低下傾向なので、おじさんは嫌い。
・抵抗負荷の場合、ソース抵抗値を上げるのは、用途次第。
そこそこにしておく。
・2SK241GRは、どうやっても感度の良いAMラジオにできない。
Amazonで買った中華半導体なので、やはり偽物なのだろうか?
おじさんに使いこなす能力がないだけか?
・2SK212Dは感度も良く、電流が少ないので、電池駆動のラジオには最適
秋月電子で格安で買える2SK212Dが、思いのほか良かったのが大きな収穫。
これからは、2SK212Dを中心に使っていこうと思う。
「ふ~ん、それはよかったんじゃないのかニャ~」