選択肢
オトナの男
はい
一週間後、連載の初稿があがってきた。
「『脱ぎ捨てたブラウスには、まだほのかに月村の香りが残っている。花奈は今自分が一人でいることに、寂しさを感じずにはいられなかった』‥」
(なにこれ!?うそばっかり!)
「おいおい。すごいな、○○。」
「‥編集長」
「先生の初稿、早速読ませてもらったが‥‥疑似恋愛の割には、ずいぶんお楽しみだったようじゃないか?ん?」
「あいにくですけど、これ、ほとんど嘘です」
「へ?そうなのか?」
「当たり前じゃないですか。私はお相手の人と少しお酒を飲んで、ダーツゲームして帰ってきただけです」
「‥じゃあ、これほとんど先生の創作か?」
「9割9分、創作です」
てかそういう雰囲気すらなってなかったしなw
「はは。道理でな。」
「どうりでって‥」
「だってそうだろ。本当にお前をモデルにしてるなら、もっとガキくさい話になりそうじゃないか」
(*ノ∀`)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \!!!!!!!!!←
それにしてもこんなんで疑似する必要あるのか?って話にw
主人公、次はやる気ですw
でもその次の相手が‥‥ノエルさんだったw
張り切ってお化粧したのに~っ!!!!w
話が続かない、明日には名前覚えてないだろうから名乗らなくていい、暇だからとりあえずしりとり‥って、遼一さんチョイス間違えてます‥←
案外一目ぼれしちゃってな?ってからかってたくせに、もう初対面じゃないのに一目惚れするかもってどういうことだーっ!!!
六本木を見下ろせる夜景が見えるところに連れて行ってくれるんだけど‥
「‥‥眠い」
「え?もうですか?」
「‥眠れるところに行こう」
「はあ‥眠れるところ‥って、ええ!?」
(待って!そんないきなり!)
「早く」
「え?でも心の準備が‥」
ZzzZzz‥
車の中だった。
「そういうことですか」
遼一さんじゃないんだから、連れ込まれそうになることはないと思ってたぜ‥でも、車の中ってw
(確か、これってデートのはずなんだけど‥)
「でも、デートっていっても、嘘のデートか‥」
(ノエルさん風に言うと、「ニセモノのデート」ってことになるのかな‥なんか、うまくいかないな‥)
「‥これじゃ、廣瀬さんの書くのだって、ニセモノになっちゃうよね」
「‥本当にそう思ってるの?」
「ノ、ノエルさん、起きてたんですか?」
「‥帰ろっか」
もう!?
たぶんこれ‥車の走行距離をひいたら1時間もないんじゃ‥w
(びっくりした‥ノエルさんって本当によく分からない人だな‥)
「あんたの家は?」
「あ‥ウチじゃなくて、廣瀬さんのところにお願いします」
「遼一の家?」
「はい。今日のこと報告しないといけなくて」
「遼一の家‥遼一の家‥どこだったっけ」
「もしかして知らないんですか?」
「知らないっていうか‥‥でも、なんとかなると思う。前に未来を送っていったことあるし」
「未来くん‥廣瀬さんと仲いいんですか?」
「わかんない。普通じゃない?」
「普通‥」
「アンタは?仲良いの?」
「私は、別に‥ただの担当ですから」
「ふーん‥遼一と付き合ってるわけじゃないんだ」
「ええっ!?ありえないですよ!だいたい、付き合ってたら、こんなことさせられてません」
「こんなこと?」
「他の男の人と、デートなんて」
「‥‥‥たぶん」
おいっw
(間違ってないよね?いくら廣瀬さんでも、自分の恋人にはそんなことさせないよね?)
いやー‥今時点の遼一さんからすると‥‥微妙だね。
「‥‥」
(無言‥か)
「‥やっぱり廣瀬さんならやりかねないのかな‥よく分からないけど」
「‥‥さっきのこと」
「はい?」
「‥遼一の小説は、ニセモノっぽくない」
「え‥?」
「‥‥純粋」
(純粋?廣瀬さんが?)
「だから、そんなことさせないと思う‥‥たぶん」
あ、これで恋人に他の男とデートって話に繋がるわけですねw
なんかそう考えるとチョイス間違ってないのかも。
襲われる確率とか考えたらw
「‥で。今日はノエルとしりとりをして、夜景を見ておしまい‥っと」
「すみません」
「まあ‥仕方ないか。ノエルはあの調子だし‥」
「お前はお前で、恋愛偏差値が低そうだからな」
「‥低いどうかなんて、廣瀬さんには分からないと思いますけど」
「ほぉ?そうか?」
次の瞬間、遼一さんは主人公の方から向かってふっとタバコの煙を吐き出した。
「ケホッ‥な‥なにするんですかっ!」
「ほら、それだ」
「はい?」
「偏愛偏差値の低い女は、こういうときすぐ怒る」
こういうときっていうか‥‥タバコの煙を誰かに吹き出すのはさすがにNGなんじゃ‥;;
遼一さん曰く、偏愛経験の少ない女は、男にこんなことされるとすぐに馬鹿にされたって怒る。
だけど、ある程度大人な女はまずなぜこんなことされたのかを考えるんだって。
からかわれているのか見下されているのかそれとも、もっと他に意味があるのかって考えてリアクションするのはその後らしい。
「お前みたいにすぐに感情的になったりしないんだよ」
「‥でも、やっぱり人の顔にタバコの煙をかけるなんて‥失礼だと思います」
「ハハハッ。じゃあ、そういうことにしておいてやるよ」
そう言って、遼一さんはタバコの火を灰皿に押し付ける。
「‥で?結局、ノエルはどうだったわけ?」
「‥ちょっと、コミュニケーションが難しい人なので‥」
「ふーん」
「悠月もダメ。ノエルもいまいち。じゃあお前はどういう奴が好みなわけ?」
「オトナの男の人がいいです」
一応言っとくが、悠月さんもノエルさんもオトナの男だと‥(ry
「ふーん‥。つまり、千早さんや皐月さんみたいな人ってわけだ?」
「いえ。別に、あの二人がいって言ってるわけじゃ‥」
「そのわりに、顔が赤いけどな?」
「えっ‥!」
「ハハハッ。うっそー」
(また、からかわれた‥)
「まあ、でも次はどうするかなあ。皐月さんは忙しいだろうし‥千早さんや未来だと、なんとなく想像つくんだよな」
「そうですか?」
「ああ。まず未来とデートした場合、思い切り甘えられて、たかられて‥気がついたら、財布の中の万札が数枚消えてるだろうな」
未来くん‥あなた今までどんな生活を‥
(未来くんって、そんなに甘え上手なんだ‥)
いや、つっこむところはそうじゃなくてね!?
「その点、千早さんは‥そうだな。千早さんとならお前も熱~い夜が過ごせるかもな?」
「え?」
「あの先生すごいぜ?なんたって相当なテクニシャンだからな」
前からそれは聞いてたんですが‥‥残念ながら、テクニシャンなところは見られず、不思議系のままで終わっちゃった‥←
「テクニシャン!?なんかよく分からないけど、怖いので嫌です!」
「ワガママなやつだな。じゃあ、やっぱり俺ってことか」
「はい!」
「そうか。じゃあ、さっそく寝室に移動して‥」
「ごめんなさい!嘘です!今、嘘をつきました!」
「ダメ、もう遅い」
「やっ‥!」
「なんて、嘘に決まってんだろ」
(‥び、びっくりした‥廣瀬さんが言うと、冗談に聞こえないよ‥)
「まあ、俺として、べつにどんなデートでもいいんだけどな」
どんなって‥‥その内訳をちょっと細かく‥←
「ネタになりそうな話さえ、聞かせてもらえれば」
「う‥」
「よし、予定変更だ。次回は俺がお前の相手だ。お前のこと、満足させてやるよ」
意味ありげな笑みを浮かべて顔を近づけてくる。
「きゃっ‥顔、近づけないでください!」
「ただの予行練習だよ。この先必要だろ?」
「ちょ‥」
ドンッ!!
「痛ぇっ!」
「失礼します!」
「おい!待て、〇〇!」
やーだよーだっ!!w
主人公は顔を真っ赤にしながら一目散に部屋を後にした。
次回は遼一さんとデートw

