選択肢


ヤキモチ?

あまり気乗りがしない













レストランから連れ出された主人公は、遼一さんに手を引かれるまま夜の六本木を歩いていた。


「あの‥どうしてあそこにいるってわかったんですか?」


「うるせーな。雄大に、前もってデートプランを報告させてたんだよ」


ここに来て照れ顔キタキタキター Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!!!!


Kaleidoscope-101012_1502~01.jpg

なんてこった!めちゃくちゃかわいいじゃねえか!!←

今までそんなことしてなかったのに‥と思う主人公&俺。


「それに、4時間制限ってなんですか?そんなの、ありましたっけ?」


「俺が作った」


「え?」


「このままだと、朝まで帰ってこなさそうだったしな」


ありえねえよ‥!というか初デートでいきなりお泊り~なんてこと、あの雄大くんがするか?w


「まさか!そんなことないですよ」


「そうか?ずいぶんと良い雰囲気だったじゃないか」


「いい雰囲気って‥学生時代の延長って感じでしたけど」


「その割りに、告白されていたようだったけどな?」


ど こ か ら 聞 い て た ん で す か ? w


「嬉しいか?」


「え?」


「雄大に好かれてるって聞いて」


「それは‥嬉しいですけど」


「ふーん?」


「あの‥廣瀬さん、もしかして‥‥ヤキモチ、妬いてくれてたりします?」


「!」


「なんちゃってー‥」


「‥‥‥」(照れ顔)


ああぁああぁあ!!!!!!あの、あの遼一さんが!!!なんてこったぁああぁあー!!!!!!!!(落ち着け自分!)


(え!なに、その反応‥!)


「あの、じゃあ、本当に‥」


バチン!


「痛っ!なんでまた、デコピンするんですか!?」


「うるせー。お前の顔が気持ち悪かったんだよ」


はっ!(顔ぺたぺた)サーセンしたっ!!

それにこれまでのことを考えても、ちゃんとしたネタ持ってくるか心配だっただけだって誤魔化そうとするけど、私は絶対騙されない‥っ!


「まあ、でも予想以上に雄大が頑張ってたけどな」


「そうですか?」


そうだよ!


「そうだろうが。アイツ、ちゃんとデートにしようとしてたぜ?お前が好きそうな映画を観て、お前が楽しめそうな場所に連れて行って‥‥あのレストランも、だいぶいろいろ調べたんだろ」


「‥‥」


「アイツ、本当にお前のことが好きなんだな‥」


「‥廣瀬さんも」


「ん?」


「廣瀬さんも、好きな人に‥そんな風にするんですか?」


「俺?」


「はい。その人の好きそうな映画を観たり、レストランを調べたり‥」


雄大、完璧当て馬になっとる‥!


「俺が?まさか。俺なら、そんなまわりくどいことはしないぜ?好きな女がいたら、こうやって‥」


(え?)


ふいに廣瀬さんに抱き寄せられて、吐息がかかるほどの距離で見つめられる。

そのまま頬を撫でられて‥


「‥っ」


「‥‥お前ね。ぎゅっと目をつぶりすぎ」


ちゅっと音を立てるような軽いキスが、主人公の眉間に落ちてくる。

いいなー、いいなー!!←


「な‥っ」


「気をつけないと、そこ、皺になるぞ」


「‥‥」


(また、キス‥された‥)


「ほら、タクシー拾うぞ。早く来い」


(‥普通なら、少しは期待できるはずだよね。期待できるはず‥なんだけど‥‥)


「早く来ないと、今晩寝かせないぜ?」


(‥‥相手‥廣瀬さんだし‥‥)


それは言っちゃイヤぁあぁあ!!!!!!!・°・(ノД`)・°・


「分かんない‥いまいち分かんない、廣瀬さんって‥」


一人でぶつぶつ昼間のどこかのレストランで呟いてると、名前を呼ぶ声が。


「雄大くん!」


「やっぱりそうだ。偶然だね、誰かと待ち合わせ?」


「うん。その‥これから廣瀬さんと打ち合わせがあって‥」


昨日のこともあり、どこか気まずい。

改めて勝手に帰っちゃったこと謝ると、デート企画はあくまで廣瀬さんものだし‥って。


「それに‥俺にも、少し下心があったわけだから」


「雄大くん‥」


「俺の方こそ、昨日はゴメン。いきなりで驚いただろ?」


いや、公式で設定見たときからなんとなーくそうなんじゃないかって思ってたから!←


「付き合って欲しい、とかそういうわけじゃないんだ。あ、もちろん、○○が俺のことその‥好きでなってくれたら、付き合って欲しいけど。そうじゃないって、分かってるから」


雄大くん‥


「とりあえず、俺の気持ち、覚えておいてくれるかな」


「‥分かった」


「よかった」


いつもどおりの笑顔にほっとする主人公、ちょびっときゅんとなる私。←

それから主人公の出版社でやるJノベル賞の話になった。

メールかホームページ上での応募形式で、一般の人がそれを見て審査、グランプリになると書籍化っていうやつらしい。


「で、この400字詰めで200枚以内ってさ。原稿用紙の体裁で200枚なのかな。それとも単純に400字×200枚以内ってことなのかな」


応募するのか?そういえば小説化希望だったよねw


「あ‥そっか。どうなんだろう‥」


「へえ‥浮気中?」


その時突然遼一さんが登場して、耳元で囁かれた!

だから耳はやめろっつってんだろー!!((((((ノ゚⊿゚)ノ


「俺との打ち合わせすっぽかして、雄大とデートか」


その不機嫌そうな顔がやけにかわいらしく思ってしまうww


「違います!」


「すみません、俺が偶然彼女を見かけて、声かけただけなんです」


「ふーん‥そのわりに、ずいぶん額をつき合わせて話してるみたいだったけどな?」


「それは‥っ、今、二人で雑誌を見てたから‥」


なんか本当に浮気現場を押さえられたような台詞だなw

主人公とこの出版社は主催のコンクールのことについて話してたというと、公募かあ‥俺もそんな時期があったなって。

昔はいろいろやってて、シナリオとか戯曲とかもやってたらしい。

そんなことしてるうちに、食えるまでになったんだって。

懐かしいなあって言ってる遼一さんに、じゃあ久しぶりに投稿してみませんか?って。

このコンクールはプロアマ不問だし‥という雄大くんに、賞金100万なら普通にCMコピー一本書けば貰えるし、メリットがないって‥何その市場ww


「じゃあこういうのはどうです?俺と廣瀬さんで、賭けをするんです。」


「‥賭け?」


「そうです。俺は普通に投稿します。廣瀬さんは仮名で投稿するんです」


「‥‥」


「もし、廣瀬さんがグランプリを取ったら、僕は廣瀬さんの言うことを何でも聞きます。でも、もし僕が受賞できたら‥‥○○と、デートさせてください」


「!」


「雄大くん!?」


そんなにデート邪魔されたのが悔しかったのかー!?


「今度は制限ナシで。どうですか?」


「どうって‥俺に許可取ることじゃないだろ。な、○○?」


「え?」


「お前の意見はどうだ?」


「あまり、気乗りがしないです‥」


雄大くんのことが嫌いとかじゃなくて、それ以外の人とも今はあまりデートしたい気分じゃないって言う主人公。


「と、○○は言っているが‥俺としてはこの勝負、受けてやってもいいぜ」


!?


「ほんとですか?」


「ああ。かわいい後輩からの勝負、断る理由なんてないだろ?そのかわり、俺がグランプリ取っても恨みっこなしだぜ?」


「もちろんです」


主人公の意見全く無視w

ついでに、遼一さんたち以外がグランプリを取っちゃった場合も雄大くんの勝ちってことに。

雄大くん、今キリッとした立ち絵になってるんだけど‥‥真剣な表情が一番いけめそに見える罠w


「ま、俺にとっては負けたところで痛くも痒くもないから申し訳ないくらいだけどな」


「‥‥本当にそうですか?」


「ん?」


「俺が○○とデートするのは‥本当に痛くも痒くもありませんか?」


「‥何が言いたいのかわかんねーけど、こういうときは『ありがとうございます。でも俺、絶対にグランプリ取ってみせます』って言っておいたほうがいいぜ?」


「‥それもそうですね。○○‥急にこんなことに巻き込んでゴメン」


今の今まで主人公完璧無視状態だったなw


「‥‥」


Kaleidoscope-101012_1506~01.jpg

ドアップになっても真剣顔はいけめそだった‥w


「‥うん」


「じゃあ、俺はこれで。お邪魔しました」


「ああ。お互い、ベストを尽くしましょ~っということで」


雄大くんが去って、ようやく打ち合わせ‥。

なんで賭けにのったのか聞いてみると、面白そうだし、それに何でも言うこと聞いてくれるみたいだし‥って。

遼一さん、いい加減素直にならないか?w


「さて、何にするかな。そうだな‥俺もお前とデートってことにするかな」


「え!?」


「おはようからおやすみまで、丸一日お前を俺のものにする権利。でも寝かせないから、半永久的に俺のものってことだ」


何その権利ー!!!w


「‥‥」


「雄大のやつ、悔しがるだろうなあ‥」


「‥そういう理由ならお断りです」


「ん?だったら、どういう理由ならいいわけ?」


「え?」


「俺がお前を好きだから‥って理由ならOKなわけ?」


「そ、それは‥」


「好きだぜ、○○」


ヒィッヒャァアアァーーッ━━━━(#゚ロ゚#)━━━━!!!!!!!!!!!!


「!」


「だから、俺が賭けに勝ったら、お前のこと、俺の好きにさせろよ?」


ちょ‥ちょっ‥ちょちょ‥ヾ(;´Д`*)ノ酸欠になるわアホゥ!!!


「‥‥はい」


主人公はあえて不満そうな態度を見せつつも頷いた。

おめーも素直じゃねえなw



次回予告。

すっげーテンション上がったのに、果てしなく次回予告が不吉過ぎてあうあう状態になってしまった‥

遼一さん、なんか悲しそうにしてるし、原稿がキーみたいだけど‥‥これって‥

選択肢


楽しかった

いる











突然のイギリス旅行から帰国後、主人公を待ち受けてたのは仕事の山。

二日酔い、時差ボケの中仕事を片付けてると、編集長が来て先生の修正校の原稿どうなった?って。

あー‥取りに行ってそのままイギリスに行っちゃったからなあ‥w

原稿をもらいに遼一さんの家に行くと、理香子さんが出迎えてくれた。

うわー‥気まずい;;

ついでに雄大くんもいて、ちょっとほっとする主人公。

遼一さんは今仕事中で部屋にひっきー。


「あ、そうだ。これ、一応お土産ね」


「‥もしかして、この間の?」


主人公‥‥主人公にその気はないんだろうけど、ちょっと嫌味に聞こえるよ‥それ。

とりあえず謝っといた方がいいんじゃ‥←


「うん。時間なかったから、あまり選んで買えなかったけど」


「へえ、紅茶か。ありがとう」


「あと‥」


理香子さんの方を見ると、すごい睨まれてた。

この怒ってる立ち絵、前のときも撮ろうとしたんだけど、そのまま通信入っちゃって‥ずるずる‥‥遼一さん終わるまでには撮るつもりですが、次いつ出てくるかなー‥。


「あの、理香子さんにも‥」


「結構よ」


ですよねーw(*・∀・)σ


「そう、ですか‥」


(やっぱり怒ってる‥すっごい怒ってる‥)


そりゃ、仕事すっぽかして旅行行きやがって‥って思うだろうねw

バタン!


「○○、来たか?」


「ここにいるわよ」


「‥お疲れ様です」


修正校が出来たって渡してくれる。


「ふああああ‥‥それにしても、眠いな」


「あら、時差ぼけ?急に海外なんかに行くからでしょ」


(う‥また睨まれたような‥)


はいはい、妬かない妬かないw


「さあな?時差ボケだけが眠い原因とは限らないぜ?な、○○?」


「え?」


「楽しかったよなあ、ロンドンの夜は」


「はい、楽しかったです」


「そりゃ、そうよね。仕事もしないで旅行に行けたんだもの。楽しいに決まってるわよね?」


「う‥」


最っ高に楽しかったです♪理香子さんの一睨みが痛くないくらい!!!(仕事しろ)


「なんだよ、理香子。お前も連れて行って欲しかったのか?」


「おあいにくさま。私、これでも忙しい身ですから」


「ははっ。まあ、そう怒るなって。こうやって俺に連れ回されるのも、こいつの仕事のうちなんだから」


理香子さんって仕事にプライド持ってそうなイメージがあるから、余計にこういうの許せない性質に思えるけど‥‥実際どうなんだろ。


「仕事?‥どういうことですか?」


「こいつの体験したことが、俺の小説のネタになってるってこと」


「え?」


「やだ。じゃあ、『シンデレラ』で連載中の主人公って‥」


「そう、コイツ。表向きは、雑誌の読者が体験したことを、俺が小説にしてるってことになってるだろ?でも、実際は全部こいつの体験ってわけ」


「そうだったの‥」


「まあ、今のところ、コイツの体験はヒントくらいにしかなってないけどな」


9割9分創作ですもんねw


「あの‥」


「なんだ」


「その作品、第一話は俺も読んだんですが‥主人公のモデルは○○として、相手役は誰なんですか?」


「毎回変えてるよ。そういう話だからな。俺が選んできて、こいつとデートさせる」


理香子さんが相手役を当てる辺り、ほんと仕事上の付き合い長いんだなって思うわー。


「‥‥‥そのお相手、俺じゃダメですか?」


雄大くんが顔を赤くして、突然言った。


「え?雄大くんが?」


「やだ、やめなさいよ。小泉くん、好きでもない人とデートするような人じゃないでしょ?」


だから好きなんだろ、主人公がw


「‥‥お前は、ダメ」


遼一さんがむっすーとした顔で拒絶したー!!!(/ω\)w

え、嫌なの?嫌なの??(`∀´)←


「え~っ」


「っていうかさー。一応これ、企画が『平凡なOLとセレブとの恋』だからなあ。お前、どちらかというとその平凡なOLの幼馴染とか同僚みたいなポジションだろ?」


あー、確かにw


「でも!そういう人間が一人入ったら、物語に深みが出ると思うんです」


いや、ありきたりにならね?←


「せっかく面白そうな企画だし‥‥どう?○○」


ここで、主人公に振ってきたー!


「どうなんだ?担当さん?」


男二人に挟まれてちょっとした優越感にww

正直にそれはそれで面白いと思うというと、遼一さんふっきげん☆

まあ担当がそういうならってことで、次のデートの相手は雄大くんになった。

というか、遼一さんと並んで雄大くんの立ち絵を見ると、手抜いたな~って思うのは私だけかなw

髪とかすごい適当な感じするw



場面変わってデート当日。

主人公が見たかった映画に連れて行ってくれ、昔よく行った本屋さんに行き(スーツでw)昔話に花が咲く。

強制的に本買わす教授がいたのかw

その時から雄大くんは一人暮らししていたので、金銭面が痛かったってw


「そういえばさ。彼は元気?」


「え?えっと‥その‥分かんない」


「え?」


「私たち、結構前に別れたんだ」


「え?ホントに?」


「うん。卒業間際くらいかな」


「‥‥そうだったんだ」


その間はなにかなー?

それから食事に行くんだけど、高そうなお店に‥

一応コンセプトがセレブとのデートだから奮発したんだって。

無理しなくてもよかったのにというと、もうお互い貧乏ってわけじゃないから大丈夫だって‥‥雄大くん‥あーた‥


「そういえば雄大くんと二人で食事するの初めてだね。」


「そうだね」


「みんなで居酒屋いったりして‥」


「最初はフツーに飲んでるんだけど、だんだん酔いがまわってくると、誰かのジョッキにいたずらしたりね」


「大変だったよね。うっかりトイレにも行けなくて‥」


あー‥テンションが高いといたずら心に火がつくよねーw


「俺なんて、ちょっと席外して戻ってきたら、タバスコ入れられてたことあるよ」


ちょっ!それ痛い!喉に来るよ!!

割とみんなにからかわれてたみたい。


(なんか‥雄大くんとのデートって楽しいな。やっぱり、よく知ってる人だからなのかな)


いやー‥今までが今までだったんじゃないでしょうかw


「ところでさ。○○って‥その‥‥」


「ん?」


Kaleidoscope-101011_1849~04.jpg

頬染めて聞いてきたー‥

付き合ってる人はいないけど、好きな人はいて、それも最近好きだってことに気づいたばかりなんだって話してると、雄大くんの様子がちょっと‥。


「ね、雄大くんは?今、付き合ってる人、いるの?」


「いないよ」


「じゃあ、好きな人は?」


「‥いるよ」


「え?そうなの?もしかして同じ職場の人?」


「ううん」


「じゃあ、誰?」


主人公‥お前なぁあぁあ‥っ!!!


「‥○○も、よく知ってる人」


「うそ?じゃあ、同じ大学の人?誰だろ‥あ、ユキちゃんとか?」


誰やねん!!!w


「‥違うよ」


「そうなんだ。‥誰だろ」


「俺さ。大学に居た頃から、その人のこと、ずっと好きだったんだ。でも、その人にはずっと付き合ってる人が居て‥‥だから俺、ずっと自分の気持ちは伝えない方がいいって思ってた。」


「へぇ」


それだけ!?感想もう終わり!?


「でも‥別れて、今はフリーだっていうなら‥話は違うよな?」


「‥‥え?」


(それって、まさか‥)


「○○‥俺、ずっと君の事‥」


「ハイハイハイ、時間切れ~」


遼一さん、キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!!


「廣瀬さん!?」


「悪いな、雄大。このデート企画、最長4時間までなんだ」


「えっ?」


(そんなの、初めて聞いたけど‥)


私もだw


「ってことで、帰るぞ。○○」


ラジャーッ☆(`・ω・´)ゞ

遼一さんが主人公の手をぐいっと引く。


「え?廣瀬さん!?」


「うるさい。いいから来い」


Kaleidoscope-101011_1851~01.jpg


不 機 嫌 度 M A X !!!!!! o(゜∇゜*o)(o*゜∇゜)o~♪←←


「待ってください、廣瀬さん!俺は彼女に‥」


「悪いな、雄大。今日のデート代は、あとで全額支払うから、請求書切って持ってきてくれ。じゃーな」


わけがわからないまま、主人公は遼一さんと一緒にレストランを後にした。

次回予告がもう本気でドッキドキわっくわく~♪なんですけどww

ここで来てようやく恋愛ものしてるっていう実感が沸いてきた!←

選択肢


相手によります

お断りします










突然イギリスに来て、二日目。


「どこに行くんですか?」


「ヒミツ。キスしていいなら、教えてやってもいいけど?」


「じゃあ教えてくれなくて結構です」


「はははっ」


そして着いた場所はシェイクスピアの聖地。


「‥‥」


「俺とじゃなくて元彼と来たかった?」


「‥嫌味ですか?」


「ははっ、そう怒るなって」


「お前の過去に、そのシェイクスピアの彼が居なかったら、今の俺とお前の関係もなかったわけだからな」


今の俺とお前の関係‥だ、と‥?

ていうか、なんで元彼とは何が原因で別れたの?主人公。


「シャクだけど、今となっちゃ、その元彼さんとやらに感謝しなきゃな」


(え、それってどういう意味?)


ねーw(*^o^)乂(^-^*)

生家を見ると、庭があった。

日本人は住んでる家が狭くても高級品を買うけど、ヨーロッパの人たちは買い物を我慢してでもデカイ家に住むものらしい。


「でも、広い家って掃除とか大変そうです」


「誰か雇えばいいだろ?」


「その発想が庶民の私とは違うんですってば。誰かと一緒に暮らせるなら、多少広くてもいいかもしれないですけど」


「じゃあ、俺と一緒に暮らすか?」


住む住む住むーっ!!!!!ヘ(゚∀゚*)ノ←

ていうか、なんかいきなり糖度増してません?w


「‥‥遠慮します」


「またまた~。今、ちょっと想像しただろ?」


「廣瀬さんの言葉を信じるほど、私、単純じゃありません」


「お?ちょっとは生意気になってきたな。しかし、すごいよなあ。シェイクスピアがアン・ハサウェイと結婚したとき、アンは26歳だったけど、シェイクスピアなんて18歳だぜ?遊びたい盛りじゃないか。」


なにその年の差婚w

そういう廣瀬さんが18歳の時は遊んでばっかだったんですか?と聞いてみると、本気で知りたいんならうまく誘導してみろよって。

でも誘導してみようとしたら、逆に主人公が誘導される始末ww


「もう‥。私が廣瀬さんのこと、いろいろ知りたかったのに」


「いいだろ、別に。俺だってお前に興味があるんだ」


「‥‥え‥?」


「なーんて言うと、ペラペラ喋りそうだよな、お前」


wwなんかもう主人公に惚れられてることばれてなーい?w

そして次に入ったのは教会。


「ホーリー・トリニティ教会。シェイクスピアが眠る場所だ」


「すごい‥これ、全部ステンドグラスなんですね‥」


「そうだな」


「あ!あの壁の‥もしかして、シェイクスピアですか?」


「そうみたいだな」


シェイクスピアは四大悲劇の方が有名だけど、遼一さんは喜劇の方が好きだって。

シェイクスピアって‥喜劇のお話もあったんだ‥←

全体を通してつじつまが合ってなかったりするけど、それを超える登場人物の魅力や心理描写があるみたい。

そんなストーリーを書けるシェイクスピアは自分よりもペテン師だったかもなという遼一さん。


「‥‥」


「あ、今怒っただろ」


「‥別に、そんなことは。ただ、わざわざ自分のことをそんな卑下するように言わなくてもいいのに‥って思っただけで‥」


(なんて言ったら、またムッとされるのかな)


遼一さんが露骨にため息をつく。


「お前‥本当に勉強しない奴だな。」


「‥すみません」


主人公たちはしばらく、黙ってステンドグラスを見つめていた。


「‥‥俺はな、○○‥作家なんてペテン師でいいと思ってんのよ」


「‥え?」


「だってそうだろ。誰かが俺の小説を読むとき、俺はそいつの時間を奪ってるわけよ。だとしたらさ。せめて、そいつが泣いたり、笑ったり、幸せな気持ちになったり‥そんな時間を提供してやりたいわけよ」


「‥‥」


「俺がどんな人間なのか、読者に伝わる必要なんてないし、俺の作家性とかどうでもいい。大事なのは、俺の作品を読んだやつの心が動くかどうかなんだ。だから、作家なんてペテン師で結構、読者が楽しめるなら、いくらでも純愛小説を書いてやるよ。たとえ俺自身が、そんなもんに全然縁がなくてもな」


「‥本当ですか?」


「ん?」

「本当に廣瀬さんは純愛に縁がないんですか?」


「ないねー。あいにく」
(本当にそうなのかな‥でも、違う気がする。きっと廣瀬さんは、本当の自分を偽ってるだけな気がする‥)

「廣瀬さん‥‥私、仕事もっと頑張ります」


「は?なんだよ、突然」


「頑張っていい担当者になって‥‥廣瀬さんと、今よりも親しくなってみせます!」

主人公‥‥何の座を狙いに行ってる?w


「へぇ?お前、今日はずいぶん積極的なん‥」

「そしたら『本当の廣瀬さん』がどんな人なのか、分かりますよね?」


「!」

「きっと、分かりますよね?」


「‥‥いや、『ホント』のって‥だからさ。今、お前と話してるのが、ホントの俺だって」

「私はそうは思いません。だって廣瀬さん、本当は‥」


「おいおい、よせって。俺と親しい連中に聞いてみろよ。‥みんな、昨日の理香子と似たようなこと言うと思うぜ?」

いやいや、少なくともノエルさんは純粋なものだって言ってましたよ?


「そんなことありません!」

「ありません、って‥そんなこと言うやつ、お前くらいだぞ?‥‥ついでに、あの勝ち気な理香子相手に、タンカきってたやつ見たのも、初めて」


「う‥」

「ほんっとお前は、感情に任せて突っ走るからな。単純なやつ」


「‥‥‥どうせ、私は馬鹿で単純で庶民くさい、ただのOLですよ」

「いや、そこまで言ってないだろ‥」


「‥‥」

「はははっ。まあ、そう落ち込むなって」


「‥‥」

遼一さんがふっと笑った。


「本当はさ。これでも、お前のこと‥‥結構嫌いじゃないんだぜ?」

「‥え?」


ふいにぐいっと手を引かれて‥‥‥ぎゃー!!キススチルキター Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!!!!

(え‥?)


唇に触れるか触れないかの、優しいキス。
目の前には、睫毛が長い廣瀬さんの顔。
何が起こったのか、頭では理解することが出来ず‥主人公はただぼうっと廣瀬さんの顔を見つめた。

「‥‥」


「‥ふーん。お前、そういう顔すんのな?」

「な‥な‥‥」


「おいおい‥ファーストキスは高校時代なんだろ?この程度で、なんで今更赤くなるんだよ?」

何けろっとしとるんじゃお前ーっ!!!w
でもおかげで主人公が遼一さんのこと好きなの認めました、心の中で、だけど。
遼一さんはそれからもあっけらかんとしていて、ホテルでルームサービスを頼み、お酒を飲む。
もっと飲めって言われるけど、あなた達みたいにお酒強くないんで(笑)


「心配いらないぜ?酔い潰れても、ちゃーんとお前の寝室に運んでやるから」

「‥‥」


「なんなら、俺の寝室でもいいけどな」

「お断りします」


「素直になれって。こういうときはぜひって言うべきだろ?」

「‥本当にそう言ったら‥」


(そうしてくれるのかな‥)

揺 れ て る ‥ ! ?


(あ‥どうしよう‥‥なんか、ホントに眠たくなってきた。浸かれてるから、酔いが回るのも早いのかな)

「‥〇〇?」


(もっと廣瀬さんとお喋りがしたいのに‥)

「おいおい。もうおねむの時間かよ?」


「‥‥」

「ったく。本当に食っちまうぞ?」


大きな手が頭に触れてくる。
優しい手つき‥もしかして、頭撫でられてる‥?

「‥お前が、もっとずる賢い女だったらな。そうしたら‥」


(ずる賢い女だったら‥なに‥?)

そんかことを考えているうちに、意識が遠くなってきて‥


「‥おやすみ、〇〇」

頭に柔らかいものが触れる感覚がした。


次回予告。
なぜか雄大とデートすることに?
しかもいきなり告られてるー!!!

今日中にシンデレラ、出来れば3日間分程上げたいと思います‥!



選択肢


本当にそうでしょうか?

遼一で十分










あれから三日。

特に用事がないのをいいことに、遼一さんとは全然連絡を取っていない。


(っていうか、できればもう会いたくない‥)


な ん て こ っ た !Σ(゚д゚;)

でも編集長と話してて、まだ掲載誌遼一さんに送ってないことに気づく。

今すぐ郵送して‥と思うが、ちゃんと謝って持っていって来い!と怒られ、仕事なんだからちゃんとしなくちゃと思い直す主人公。


「とりあえず、電話しよ‥」


電話してみると、理香子さんが出た。


『遼一は、今執筆中で部屋にこもってるんだけど‥‥どうかしたのかしら』


「いえ、あの‥先生に渡したいものがあって‥今日、お時間いただけませんか?」


『ちょっと待ってて』


(理香子さん、今、先生の家にいるんだ‥。しかも、先生の携帯にも出ちゃうんだ‥)


いや、執筆中だから邪魔されたくないんでしょ?

いい加減ナーバスに考えるのやめようよー‥なんかこっちまで落ち込んでくる;;

千早さんの時の主人公があまりにも大人で前向きな感じだったから、まだ変な違和感が‥


『そうなの?じゃあ、彼女にそう伝えるわよ?‥もしもし。時間だけど、2時以降なら何時でも大丈夫だそうよ。ついでに、著者校持っていって欲しいんですって』


著者校=修正原稿って意味らしい。

返事をして、電話を切る。

遼一さんと会わなくちゃいけないのか‥とため息をついた。


(嬉しいような、逃げ出したいような‥なんか、自分でも自分が分からないよ)


「あら、時間通りね」


家に行くと、理香子さんが迎えてくれた。


「あの‥先生は‥」


「それが、もう少し執筆に時間がかかりそうなの。あがってもらえる?」


「お邪魔します」


「今、お茶でも入れるわ。その辺に座っていてちょうだい」


「はい‥」


(ん?他に誰か居る‥誰だろう)


「あの‥すみません」


「え?」


Kaleidoscope-101010_0215~01.jpg

雄大キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!

どちらかといえばさわやか系?


「あ!うそっ雄大くん!?」


主人公の目の前に現れたのは、大学でゼミが一緒だった小泉雄大くんだった。


「○○?なんでここに‥」


「私、今、『シンデレラ』編集部にいるんだよ。廣瀬先生の担当なんだ。」


「そっか。俺は今、秀談社にいるんだ。契約社員だけど、近いうちに誰かの担当につくかもしれなくて‥それで、今、黒神のもとで勉強中なんだ」


「そうだったんだ‥あ、でも小説は?」


「もちろん、書き続けているよ。小説家になるのは俺の夢だからね」


「そっか。よかった‥。そういうところ、学生時代と全然変わってないね」


「小泉くん?彼女と知り合いなの?」


理香子さんが話に入ってきた。


「はい。大学時代、ゼミが一緒だったんです」


「そう」


「ホント、久しぶりだよね。卒業以来?」


てか主人公、何歳だ?


「ああ。でも○○はエライなあ‥ずっと出版業界で働きたいって言ってたもんな。着実に夢を叶えてるんだな」


「そんなことないよ‥私だって今の編集部に異動できたの、つい最近だもん」


バタンッ!


「理香子!あがった!」


「ハイハイ。お疲れ様」


ひゃー‥めちゃくちゃいい笑顔ですね‥理香子さんw

そして遼一さん、著者校持っていって欲しいとかいいながら、まだ出来上がってないとか‥‥あれー?w

理香子さんがコーヒーを入れて、遼一さんに渡す。


「おいしい?」


「苦い」


自分が濃いコーヒー頼んだんだろうかwなんかもう屈折してるなあww


「ホント、憎まれ口ばかりね。あなたは」


(この二人‥やっぱり、すごく親しげに見えるんだけど‥)


でもなんか恋愛的な雰囲気じゃなくね?


「なあ、○○‥。お前も、廣瀬先生とこんな親しげな感じなのか?」


「まさか。全然違うよ」


「ん?なんだ、○○?お前、雄大と知り合いなのか?」


「はい」


「学生時代の友人なんですって」


「学生時代?まさか、シェイクスピアの‥」


「違います!彼じゃありませんっ!」


「なんだ。つまんねーな」


ほぅ?ほんとにそうでもよかったのかなー?(´0ノ`*)←


(なんか‥いつもどおりだ‥私なんて、先日のことが気になって、ずっと悶々としていたのに。気にしてるの、私だけだったのかな)


いや、気にしてないふりしてるんじゃない?w

出来上がった原稿を理香子さんはざっと斜め読みするように目を通し、これなら読者も最後に号泣するわって。


「当たり前だろ。そうなるように書いてるんだから」


「ふふっ」


「あの‥俺も、後で読ませていただいてもいいですか?」


「どーぞどーぞ」


「ありがとうございます。参考にします」


「参考って‥ダメよ、小泉くん。こんな人の作品を参考にしたら‥」


「え?でも、廣瀬さんは何作もベストセラーを出していて‥」


「ハハハッ人として参考にするなってことだろ、理香子?」


「そうよ。作品を書くテクニックなら、いくらでも参考になると思うけど‥」


「人としてはダメな男ですからね、俺は」


どうして自分のことそんな言い方‥って主人公まともに受け取っちゃってる。

あぁ‥ここはただの軽口だから、そんな真剣に考えなくても‥;;


「それにしても、ホントいつも驚かせるわ。今、世の中の女性を一番泣かせる作家があなたみたいな人だなんて」


「ハハハッどうせ泣かせるなら、ベッドの中で泣かせてやりたいけどな?」


「‥もう。品がないんだから」


「そうか?でも、男なら誰だってそうだろ。な、雄大?」


「いえ。俺は別に‥」


「遼一。うちの新人からかうの、やめてくれる?彼はあなたとは違うんだから」


・・・なんか、やけに雄大のこと庇うんだね、理香子さん。


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「これじゃあ、あなたの作品を読んで純粋に感動してる読者が可哀想だわ」


遼一さんの場合、ペテン師に振舞ってるペテン師なんだけどなー。

その理香子の露悪的な言い方に主人公は思わず、遼一さんの作品のファンであることを暴露し、泣いて何が悪いんですか!可哀想だなんて余計なお世話です!と怒鳴ってしまう。

理香子さんは明らかに気分を害した様子で、雄大くんは気まずそうに様子を伺っていた。

うーん‥ファンに対して配慮のなかった理香子さんもあれだけど、主人公もなんか敏感になりすぎてるよね;;


「ふあああああっ」


その中で、あくびをしてやってのける遼一さんがいたw


「なあ、理香子」


「なによ」


「今月も無事に原稿落とさず頑張りました、俺!ってことで、ご褒美がいると思わないか?」


「‥遼一?」


「決めた!出かけるぞ、ついてこい」


そう言って、遼一さんは主人公に手を差し出した。


「え?私?」


通信入って、空港!?

しかも十数時間後ってなにごと!!?

しかもなぜにロンドンー!!!!?

とりあえず泊まるホテルが見つかったから移動するぞって着いた場所はスイートルーム‥

さすがにスイートを二つも取れなかったから、同室‥

当たり前だろってどこか楽しそうな遼一さんに貞操の危機ー!!!!!w

お腹がすいたからイギリス料理を食べに行くことに。

でもなんでイギリスの料理って肉の上にパイナップルの輪切りが乗っかってるんだろうとちょっと不思議がってる。

あとポテトサラダの中のミカンとかわけわかんねーって‥‥そんなの食べたことないんだけど‥(°д°;)

(なんだかこうしていると、この間の浜辺での一件が嘘みたいに思えてくる。それに、前はからかわれてばっかりだったけど、普通におしゃべりできるなんて‥)

今までが普通じゃなかっただけだーっ!!!←

そして主人公の足に靴擦れ発生。

本当はホテルに戻りたいけど、そんなの申し訳ないのでそれからまた歩き回ることに‥

人にぶつかっちゃうので、遼一さんと手を繋ぐww

第4話は海外編にするかって。


「俺よりも、千早さんか皐月さんあたりが相手だと、もっと盛り上がりそうだけどな‥」


果てしなくエスコートうまそうw


「そうですか。私は‥廣瀬さんと一緒でよかったです」


「‥へぇ?」


「あ、慣れてるからってことですよ?國府田先生や皐月さんとは、あまり話したことがないから‥」


「素直に廣瀬さんと二人きりで嬉しいですって言えよ」


ねーw


「絶対、言いません」


あら、強情ww


「ハハッ可愛くないやつ」


(‥ホント、私ってば可愛くない‥だって、廣瀬さんと一緒でこんなに嬉しいのに)


と、その時。


「痛ッ」


「どうした?」


「いえ、なんでも‥」


「なんでもって感じじゃなかっただろ。もしかして、足でもくじいたか?」


靴擦れか‥

足を見てみると‥ギャース‥;;

きっと豆とかつぶれてるんだろうな‥


「あー‥これはひどいな。痛むだろ?」


「‥はい」


「だったら我慢してないで言えよ。そしたらこんなに連れまわしたりしなかったのに」


「‥すみません」


「‥バカ。冗談だよ。俺に気遣って言い出せなかったんだろ?」


「え‥」


(いつもなら、「素直じゃないやつ」って言われるのに‥)


「‥よいしょっと」


いきなり姫抱きー!?


「あー‥思ってたより、重いな。お前」


「おろしてください!こんな‥」


「バカ、暴れるなって。腰にくるだろ‥」


「だったら、おろしてくださいってば」


「そうもいかないだろ。お前、歩けないんだし‥ったく。寝室以外ではこんなことしないんだから、ありがたく思えよ?」


寝室で姫抱きすんの!?それ、なんていうプレイ?(食いつくな)

恥ずかしくて、遼一さんのシャツに顔を隠すようにしがみついた。


(やっぱり、廣瀬さんって‥‥優しいよ、すごく‥)


ここでようやくまっすぐな優しさをもらえたと思ったのは私だけですか?w


「もしかして今、『廣瀬さんって優しい~』‥とか思ってる?」


「‥え?」


(なんでバレたの?)


「‥お前なぁ。何度も言ったけど、単純すぎだって。こういうときは『この人、なにが目的なんだろう』って疑うようにしろよ。そうじゃないと‥‥いい加減、心配になってくるだろ」


「廣瀬さん‥」


(でも大丈夫な気がする‥廣瀬さんは、そんなこと、しないような気がする‥。そう思う私は、やっぱり単純なのかな‥?)



次回予告。

明らかになる遼一さんの本心。


「本当はさ、これでもお前のこと‥結構嫌いじゃないんだぜ?」


スチルキタ!

イギリスの夜でこれまで関係が変わる!?って‥やっとかぁああ!!!

選択肢

こういうことは心を通わせる必要があります
この城の人達は信長様を慕っているようですね













「〇〇はここか!?」

(えっ、信長様……!? どうしてここに……!?)

「の、信長様……どうしてこちらに?」

「我は〇〇が気に入ったと言ったはずだ」

「しかし、すでに夜も更けております。何の御用でしょうか?」

「この時間に男がおなごの部屋に訪れるとすれば、理由は一つしかなかろう」

ええ!?
暗闇の中、はっきりと信長様の顔を見ることはできない。
しかし、獲物を追い詰めた狼のごとく微笑んでいるのが容易に想像できた。

(私達を城の中へと強引に連れてきたのは、体を奪う事が目的だったの……? 私は、国の未来を背負ってやってきたというのに……信じられない)

「どうした? 返事をせぬか」

(とはいえ、無礼な態度を取ってしまったら、私や小次郎、それから国までもが危険にさらされてしまうかもしれない。とにかく、今は慎重に対応しなくては……)

「信長様……こういうことは、互いを知り、心を通わせる必要があるのではないでしょうか?」

「アッハッハ! りおんは純情な乙女だな! 夢見るのはいいことだ。ますますお前を気に入った!」

(信長様、とても楽しそうに笑っているけれど、私はそんなに変な事を言ってしまった……?)

「お前は、我をもっと知りたいと思うか?」

「え、ええ……もちろんです」

「そうなると、心を通わせあうのも時間の問題だな」

(これって、一応、この状況を切り抜けられたの……?)

「それにしても、我がやって来たというのに、そのように毅然とした態度を取るとは……ますます気に入らざるを得ないな」

「えっ……? 」

「我もお前の態度に満足したし、今宵はこれで見逃してやろう。では、また明日な」

信長さんは一度だけ、優しく主人公の髪をすき、部屋を出て行った。


(信長様は、どこか有無を言わせないような威圧感がある……今後、似たような事があったら、同じように逃げられるかどうか)

男とおなごの営み。
それを間接的とはいえ、口にされてしまった。
その事を思い出すと、頬が熱くなるのを感じる。
この時代にそんなこと口に出したら破廉恥だって言われそうだもんね。

(まさか、信長様に、あのように迫られるなんて……。でも、貞操を守るためにも、信長様と共にいるときは、常に気を引き締めなければ……)

主人公は頭まで布団を被り、ギュッと目を閉じたけれども、なかなか眠りにつけなかった。
強引過ぎだよね、信長さんはw

翌朝、朝餉(あさげ)をとり終えた主人公は、小次郎の部屋を訪れていた。

「昨晩は、大変だったそうだな」

「ええ……」

なんで知ってんのw

「信長サンに嫌われていないのは良いが、気に入られてしまうのは厄介だ。簡単にこの城から抜け出せなくなり、さらには素性までもがバレてしまうだろうからな……」

でも逆に情報収集には役に立つし、国のために出てきたんだから、多少の危険は覚悟の上ってことでもう少しここにいることになった。
主人公は城内を歩き回り、信長さんや三成さんについて情報収集をしていた。

(何人もの侍女や軍の方に話を聞いてみたけれど、信長様の性格を苦手とする者が多いみたい……)

しかし、いくら信長様の性格が苦手だとしても、全員が信頼をしているようだった。
しばらく物思いに耽っていたら、信長さんが来た。
信長さんは主人公の手首を掴むと、どこかへ向かって歩き出す。
引っ張られてやってきたのは、誰もいない部屋で‥‥‥き、危険!

「我はやる事がなくて暇だ。だから、相手をしろ。これでいいか?」

いや、だからってわざわざ二人きりにならなくてもw

(西軍の総大将というのに、暇だなんて……。でも、亡くなったとされている身なのだから、目立つような行動はできないし、三成様もいるからいいのかしら……?)

「では、面白い話をしろ」

「えっ……!? 面白い話、ですか?」

「そうだ。お前なら、できるだろうからな」

「そ、そんなことを言われても……」

(いきなり、面白い話なんて、無茶すぎる……)

「おい、早くしろ」

(これ以上、待たせては機嫌を損ねてしまうだけですし、とりあえず……)

「この城の者達は、信長様を慕っているのをご存知ですか?」

「ほう……それは興味深いな……」


「西軍の総大将、ということで、近寄りがたいと口にする者もいますが、信用していると全員が口を揃えております」

「〇〇はどうなんだ?」

「私ですか……?」

「そうだ。今は、どんな者よりもお前の気持ちが気になる」

告白とでも間違えそうな言葉に、トクンと胸が一つ大きく鳴った。

(信長様はいつもこうなのかしら……)

「私は、その……まだ、信長様をよく知りませんので……」

「お前は正直者だな。この件は保留にしてやるから、答えが見つかったら、すぐに報告しに来い」

信長さんは大きく笑い、とても嬉しそうにしている。

(これって、満足させられたってことかしら……)

「おい、〇〇、膝を貸せ」

「の、信長様!?」

返事をする間もなく、信長さんは主人公の膝に頭を乗せて横になった。

「柔らかくて、心地良いな」

「そ、そのような感想を、口にしないで下さい……!」

(恥ずかしくて、顔が赤くなってきてしまうではないですか……)

幾重にもなっている着物をつけているというのに、信長さんの熱が伝わってきているような気がした。

「〇〇……我は天下が、何が何でも欲しいのだ。これまで、無数のモノを手に入れてきたが、やはり天下に勝るものはないだろう」

「もし、天下を取ったとしたら、何をしたいのですか?」

「わからぬ。しかし、天下を手にしたら、何か新しい景色が見えるかもしれないな」

「新しい景色……?」

「〇〇は南蛮の文化を見たことがあるか?」

「ありません。しかし、とても奇妙な形をした装飾品や道具があると聞いています」

「初めて見る者にとっては奇妙かもしれないが、慣れてしまえば、それが当たり前になる。それにな、斬新で役に立つものも多いのだ。もし、南蛮の文化を全国に広められれば、我の理想の世界が出来あがるだろうな……」

(信長様がこんなに夢中に話をするなんて意外……。なんだか、子どもみたいで可愛らしい)

思わず、頬が緩んでしまうのが、自分でも分かる。
が、そんなことを思っていると
「今宵は、お前に夜伽(よとぎ)を命ずるぞ」って!!
ええぇえーっ!?Σ( ̄□ ̄;)
主人公の頭は真っ白になってしまった。
私もだよw