選択肢

そんなことしていません
昴さんこそ‥











公安の人達に囲まれて、パトカーに。
なんで!?
着いた先はホテルの一室。
今回連れて来たのは総理狙撃の件で、今回の事件は警察内の人間の犯行である可能性が高いらしい。
狙われた原因がお父さんが極秘に進めている警察組織改革に関する政策。
現段階の調べでは、政府内の極秘情報が警察内の人間に漏れた可能性が高いと見ていて、その極秘情報を知ることができる人間と、その人物に接触できる警察の人間、自然と範囲は絞られて、主人公たちが疑われているみたい。

「総理の娘とそのSPがプライベートな関係にあるとなれば、そう思われても仕方ないだろう」

「そんな‥」

「事実はどうなんですか?〇〇さん。あなたは一柳に政府内の情報を漏らしているのですか?」

主人公、政府内のことにノータッチなんだけどw

「そんなことしていません」

でもそれを証明することができない。
石神さんの立場もあるから事情聴取しなければならないけど、石神本人は主人公たちがそんなことしないって分かってくれてるみたい。

「だったらもう少し言葉か手段を選べ」

「これでも気をつかったつもりだが?一柳、お前も自分の立場をもう少し理解するんだな」

「どういう意味だ?」

「お前の昇進話が出ていることは私も知っている。それをよく思わない者もいる。それを忘れるな」

「俺を蹴落とそうと思ってるやつがいるってことか?」

「警察内も上は足の引っ張り合いだ。総理の娘と婚約して、安泰かと思ったが裏目に出たか?」

「俺は〇〇を昇進の道具だと思ったことはない」

「一柳らしくない台詞だな。出世のために政治家の娘と婚約してたのは誰だ?」

「あ‥」

「その頃の俺と今の俺を一緒にするな」

「フン、確かにお前は変わったな‥一柳」

「それはお前も同じじゃないのか?昔のお前なら‥‥喜んで俺を蹴落としただろう?」

「フフ、今でもそうしたいと思っている。ただ、卑怯なことは嫌いなものでな」

石神さんと昴さんが笑い合った。

「まったく‥〇〇さんが与える影響というのは絶大ですね」

「え?」

「いえ、何でもありません。それより、〇〇さんにお伝えすることがあります」

一旦言葉を切って、改めて主人公たちを見た。

「〇〇さんの身柄の安全を考え、〇〇さんを総理の別邸にご案内することになりました」

2時間後に迎えが来るって。
そして昴さんは主人公の専属警護を外されることに;;
犯人とその情報ルートがはっきりするまで。
そればっかりは石神さんの一存じゃ決められない。
班長はもう了承済みで、代わりに海司が主人公の警護を‥‥なんとなくそうだろうとは思ったけど‥海司よかそらさんの方がよかったなー‥
だって海司、また変な雰囲気出してくるんじゃないかって‥←
そらさんはからかいだけど、海司のは本気だからなあ。
聴取が終わり、ため息をつく昴さんに私のせいで疑われちゃって‥と謝るとそのことじゃないって。

「しばらく、お前のこと守ってやれねーだろ。それが悔しい」

そっか‥‥イコールしばらく会えなくなっちゃうのかorz
でも主人公に何かあったらどんなところに居ても俺はすぐにお前のところにとんでいくってw

「昴さんこそ、いろいろ気をつけて」

「ああ。けど、俺の心配はいらない。〇〇は自分のことだけ考えてろ。お前のSP外されるのが、こんなに悔しいことだとは思わなかったな」

最初の頃はすごいめんどくさげだったのにねw
それから本編の最初の方の話に。

「たかが女ってずっと思ってたのにな‥。なんでお前のこと、こんなに大事なんだろ」

昴さんの抱きしめる力が強くなる。
警察内部の事件となるとどこに敵が潜んでるかわからない。
移動先でも周囲には十分気をつけろ、信用できるのは海司だけだって。

「すぐに行くから。少しの我慢だと思っててくれ」

ラジャーッ!!!(`・ω・´)ゞ
昴さんの唇がゆっくりと降りてきて、いちゃいちゃおっぱじめやがったw
あと2時間しかないからってそのままベットイン☆はしちゃだめだぞ?
海司が迎えに来たら卒倒するww

選択肢


好きだ

本気で言ってるの?












その日の夜、主人公は雄大くんを呼び出した。

どうしても、雄大くんに聞きたいことがあったからだ。


「ごめん、遅くなって。急に残業が入っちゃって‥」


「‥‥」


「○○?」


「‥雄大くん。読んだよ、作品」


「え?‥あ、もしかしてJノベル賞の?」


「うん。雄大くん、今得票数一位なんだってね」


「え?そうなんだ?そっか‥」


「聞いてもいい?」


「なにが?」


「作品の中で、主人公‥和広と千代美がイギリスで出会うでしょ?どうしてその場所がシェイクスピアの眠る教会だったの?」


・・・うわ、マジで盗作したって感じなの?

わざわざ出会う場所をイギリスにしたこと、話の半ばで千代美の親友、香子が男装して和広に近づこうとしたのはなぜとか‥とか問い詰めていく。


「え?いや、それは‥そのほうが面白いかなって」


(面白い?‥違うよ。そんな理由じゃない。私の推測が正しければ、”この小説を書いた人”はそんな理由で香子に男装させたんじゃない‥)


「雄大くん‥この小説、もともとは和広と香子の物語だったでしょ?」


「!!」


「それを雄大くんが変えたんでしょ?和広と千代美の物語に‥」


「そんなことは‥」


「この物語を最初に書いた人はね‥‥シェイクスピアの『お気の召すまま』の現代版をイメージして書いていたはずだよ」


「‥え‥?」


「だから、『お気に召すまま』の主人公・ロザリンドと同じように、香子にも男装させたんだと思う。最後の台詞もそう、和広の『その証拠に、僕は一目会ったときから君が好きだったんだから』‥たぶん、『お気に召すまま』の有名な台詞をアレンジしたものなんだよ」


「‥‥」


「それに、何より‥」


(小説の最後の、ホーリー・トリニティ教会でのキスシーン‥あのシーンは、雄大くんに書けるわけないよ‥‥だってあのキス‥あれは”私たち”にしか‥)


これもう決定打じゃん‥;;


「‥知らない。俺は知らない。俺は関係ない!」


「雄大くん‥」


「投稿したのは俺の作品だ。廣瀬さんは関係ない!絶対に、俺はアレの‥っ」


「どうして『廣瀬さんは関係ない』なの?」


「‥え?」


「私、今日一度も廣瀬さんの名前出してないよ?それなのに、どうして?」


主人公、あーたも頭の回転が利くようになったなあw


「‥‥」


「分かった。直接、廣瀬さんに確かめる」


「!」


「廣瀬さんに聞くよ。‥それでいいんだよね?」


「‥‥」


うつむいてしまった雄大くんを置いて、主人公は店を後にした。

なんか、雄大くんには今まで清潔なイメージを勝手に持ってて、今までそんな汚いことするような場面もなかったし‥ちょっとショックかも。

とりあえず、遼一さんに電話してみると‥‥なぜか未来くんが出た。

どうやら今カジノにいるみたい。

用があるなら伝えておこうか?といわれるも、絶対に会わなくちゃ‥と思ってカジノに直行。


「廣瀬さん、どこにいるんだろう‥」


「○○ちゃーん!」


「未来くん」


「うわ、ホントに来たんだね」


うわとはなんだ、うわ、とはw


「どうしたの?遼くんに急ぎの用でもあるの?」


「急ぎの用っていうか‥」


「そうよ!だから何なのよ!」


(え?今の声って‥)


理香子、キター‥

声のする方へ行って見ると、遼一さんと理香子さんがいた。


「だいたい、あなたが悪いんでしょう?あんなくだらない賭けにのって。そんなに、あの子とデートしたかったわけ?」


「そんなの、お前に関係ないだろうが」


「あるわよ。大ありよ!だから私は、小泉くんに原稿を‥


・・・・・

・・・・・・・・・ぁん?

・・原稿を、なに?


(‥え?原稿って‥)


雄大くん惑わしたの‥、お ま え か 。

受け取る方も受け取る方だけど、仕事にはちゃんとしたプライド持ってる人だって思ってたのに‥‥理ー香ー子ーッッ!!!!!゚・゚*・(゚O゚(☆○=(`◇´*)o


「おい」


ふいに主人公たちに気づいた遼一さんが理香子さんを止める。


「あなた‥いつから‥」


「‥‥」


「‥最低ね、立ち聞きするなんて」


はあ!?もっとも最低で最悪なことしてんのお前だろうが!

つか、あんなでかい声出してたら、聞こうとしなくても聞こえてくるわ!立ち聞き呼ばわりすんな!!ヾ(。`Д´。)ノ


「ハハッ。サイテーでごめんなさーい」


・・・未来くん、こんな状況下であえて明るい声出せるあなたの精神に感服致しますww


「理香子、よせ」


「なによ、離してよ!」


遼一さんの手を振り払い、カジノを出て行こうとする理香子。

主人公は名前を呼びながら慌てて追いかけた。

外に出て、ようやく立ち止まってくれるものの、立ち聞きの次は私に付きまとうつもり?ってこの‥‥逃がさないんだからねっ!←


「話を聞かせてください」


「‥あなたに話すことなんてないわ」


「私にはあります!雄大くんの盗作に‥理香子さんも関係してるんですか?」


「‥盗作?なんのこと?」


ここまで来て、まだシラを切るつもりかよ‥‥


「とぼけないでください。さっき、廣瀬さんに言いかけたじゃないですか。『小泉くんい原稿を‥』って」


「ええ、言ったわ。でも、それと盗作がどう関係あるのかしら?」


はあ!?もろ盗作させたっていう台詞だろ!


「あいにくだけど、さっき私が言いたかったのは『来月号の原稿があがったら、小泉くんに渡してちょうだい』ってことよ。今、小泉くんには私のアシスタントをしてもらっているから」


「‥嘘です。それじゃあ、前後の会話が噛み合いません」


そんな穏やかなこと言ってる様子じゃなかったしね。


「男の女の会話なんて、常に噛み合わないものよ?あなたには分からないでしょうけどね」


「そうやって誤魔化さないでください」


「‥‥」


「本当のことを教えてください」


「‥‥ずいぶん必死なのね。あなた、本気で遼一が好きなの?」


「‥好きです。好きで、何が悪いんですか?」


「さぁ?でも、あなたみたいな人に遼一の相手がつとまるのかしら?」


このさぁ?って言い方になぜかすっげーむかついた。


「あなたの恋愛なんてね、どうせおままごとの延長でしょう?こっちは必死なの。あなたみたいに、憧れの延長で恋なんかしていないのよ」


なるほど。確かにめっちゃ口が悪いな。

恋するのに、憧れも普通も関係あるの?

いつ誰かを好きになるかなんて、自分にさえ分からないってのに。


「私だって、そんな‥」


「そんなことないって言える?だって、昔から遼一のファンなんでしょう?あなた」


「‥‥」


「いくら遼一に気に入られたいからって、私たちの間に首を突っ込むのはやめてちょうだい。いいわね?」


お前が私たちの間につっこんでんだろうが!!!(ぇ

しかも、盗作にあんたたちの間も関係ないでしょ。

てか、これって遼一さんへの裏切り行為なんじゃないの?

それなのに私たちの間に首を突っ込むな、なんて‥‥よく言えるね。


(じょ‥冗談じゃないんですけど‥)


「こっちだって、本気で恋してるに決まってるじゃん!」


全くだよ!



場面変わり、VIPルーム。

果てしなくやけ食いしてる主人公がいるw


「おい、○○‥お前、いくら何でも食いすぎだろう」


「放っておいてください!未来くん、ロコモコ丼とレアチーズケーキも追加して!」


「う‥うん‥‥分かった」


あ の 未 来 く ん が 、 大 人 し く 従 っ て い る ! ?


「あーあ‥女って怖い生き物だよなあ」


ねーwほんとねー‥理香子って本当に怖いよねー‥←

それからまた食べ始める主人公だったけど、何か用だったんじゃないのか?って言葉に、少し間を置いて尋ねてみる。


「‥Jノベル賞の」


「ハイハイ」


「雄大くんの作品‥読みましたか?」


「‥‥ああ、アレね。読んだよ。サイトにアップされていたからな。なかなか、面白かったんじゃないの?」


遼一さんは結局投稿しなかったらしい。

ていうか、なんで遼一さん普通でいられるわけ?

盗作のことについて追及していくんだけど、最初は誤魔化そうとした遼一さんも、降参って手を上げた。


「実はさ、俺、喋っちゃったんだよね、雄大に。お前にキスしたこと」


「‥‥」


「あ、ほら、睨んだ!‥そうやって怒るだろうなーって思ったから、今までヒミツにしてたんだよ。でもあいつもなあ、まさか自分の作品に使っちまうなんてなぁ」


(‥嘘だ。私には、雄大くんを庇ってるようにしか聞こえないよ‥でも、どうして‥)


まだ、何かあるってこと?


「なんだよ。だからそう怒るなって」


「あ、それともアレか?俺が結局Jノベル賞に応募しなかったことに怒ってるのか?でもさー。よくよく考えたら、やっぱりメリットがないんだよなぁ。賞も大した額じゃないし、書籍化だって俺には今更だし‥グランプリって称号も、別に興味ないし。ほら、シェイクスピアも言ってるだろ。『名誉なんて葬式の紋章に過ぎない』って」


じゃあ、どうしてあの日主人公を呼び出したの?


「どうしてって‥」


「あの時の廣瀬さん‥いつもと違ったから‥」


(たぶん、本気で傷ついた顔してた‥)


「‥‥‥なあ。見逃してくれない?」


「え?」


「今回の件は、俺の中でもう解決してんの。だから、部外者に首をつっこまれると、いろいろむかつくわけだ」


「‥‥」


「あんまり‥怒らせるなよ」


私の怒りのボルテージも、果てしなく限界に近いのですが?(#^ω^)ピキピキ


「怒ったら、なにするか分からないぜ?」


「‥‥」


「‥ってことで。口止め料にコーヒー一杯。それでいいだろ?」


「遼くん、僕もー」


いたのかよ!?


「いたよ!ずっと○○ちゃんの隣にいたよ!」


ごめん‥完璧二人の世界に入ってました。(甘くないけど)


「ハハハ。悪い悪い」


「そう思ってるなら、早くコーヒー頼んでよ!」


「ハイハイ」


遼一さんが去っていって、未来くんが盗作がどうのこうのって話、ホントなの?って聞いてきた。

たぶん本当だと思うというと、ふーん‥って少し考える素振りを見せた。


「で?○○ちゃんとしてはどうしたい?」


「え?」


「遼くんは『こっちに来るなー』って○○ちゃんの間に見えない壁を作っちゃったみたいだけど、よい子の○○ちゃんは大人しくそれに従う?それとも‥見えない壁、壊しちゃう?」


「‥‥」


「壊したいなら手を貸すよ?僕、その手のことは得意だから」


そう言って、未来くんは意味ありげな笑みを浮かべた。

本当にどういう人生を歩んできたんですか、未来くん‥

というか、元々主人公のこと知ってたのかな?

ただ単に無茶設定しただけなのかもしれないけど、プロローグで主人公の未来の鍵を握ってる発言だって、霊能師でもないのになんでわざわざ主人公を選んだんだろ?

いちいち気にしすぎなだけかな。


次回予告‥‥これで理香子の心情がなんとなく分かったんだけど‥‥いろいろ言いたいことはあるけども!明日に持ち越しで!!

選択肢


傍にいて欲しい

昴さんに任せます












今日は昴さんのお父さんとホテルのレストランで会食することになっていた。


「○○、緊張しているのか?」


「だって、昴さんのお父さんで、しかも警視総監だし‥」


「総理大臣の娘がよく言うよ」


「それとこれとは話が別だよ。あの‥私の格好、おかしくない?」


「何度言わせるんだよ。今日の○○はとっても綺麗だ」


「昴さん‥」


「親父に見せるのがもったいないくらいだ」


いたずらっぽく笑う昴さんに緊張が解けていく。


「そう固くなるなよ。親父とは長い付き合いになるんだからさ」


「え?」


「俺と結婚したら、義理の父親だろ。今からそんなんじゃ大変だぞ?」


そうかー‥本編のエピローグで婚約って感じで終わったんだもんね‥‥そうかー(しみじみ)←

レストランに入ると、昴さんのお父さんはもう来ていて、さっそく食事をすることに。

でも昴父、刑事服なんだよねー‥‥やっぱちょっとしか出てこないから、スーツ着用とかしないのか。

昴父は昴さんみたいにキリッとした顔立ちじゃなくて、温和な顔立ち。

ってことは、昴さんはお母さん似なのかな?出てきてないけど。

仕事や大学の話しをしながら、食事は和やかに進んでいった。


「ところで昴‥」


食後に運ばれてきたコーヒーを一口飲んで、昴父が小さく咳払いをする。


「そろそろ警備部を出たらどうだ?」


「‥‥なんだ?突然。なにも○○の前でそんな話をしなくても‥」


「○○さんの前だからちょうどいいと思ってな。オマエもそろそろ将来を固めていい頃だろう?」


「俺はまだ‥」


「お前が承諾すれば、昇進の話はすぐに進む。○○さんとのことを考えるなら‥」


「分かってるよ、父さん」


昴父の言葉を遮るように手を振った。


「俺だって将来のことは考えてる。父さんに借りがあることだって忘れてない。俺なりにきちんとするから、心配しないでくれ」


「昴‥」


「俺にも守りたいものはある。ちゃんとわかってるから」


「そうか‥。そうだな」


昴父は昴さんと主人公を見つめて微笑んだ。


「まあ、だが、私だけの話ではない。いろいろなところで動きが出ている。それを忘れないようにな」


「ああ」


え、動き?


「○○さん、昴のこと、よろしくお願いします」


「いえ!私のほうがお世話になりっぱなしで‥」


「そうそう。俺が世話してばっかりなんだから」


「そ、そんなにはっきり言わなくても‥」


事実ですw


「俺に世話を焼かれるのはお前の特権だから、別にいいけどな」


「ふふ‥昴、お前がそんな風に笑うようになるとはな‥」


「父さん‥」


「○○さんがいてくれて、本当に良かった。母さんも喜んでるだろう‥」


・・・・・あれ?お母様、亡くなってた・・?

本編でそんな話出てたっけ!?ずいぶん前になるから覚えてないや‥

通信入り、今日はお父さんの総理就任二周年を祝うパーティに出席するためにホテルで準備をしていた。

この前の昇進の話になって、お前はどうして欲しい?って。


「私は‥昴さんが傍にいてくれれば、それで‥」


「なかなか可愛い答えをするじゃないか。そんなことより、ほら、メイク。マスカラがここについてる」


昴さんがスーツの上着から手鏡を取り出す。


(わ‥可愛いバラの手鏡。いつも手鏡持ってるなんて、さすが昴さんだな‥)


バ ラ の 手 鏡 だ 、 と ‥ ?

ちょっと待って!なんか久しぶりに昴さんプレイしてるからだけなのかもしれないけど‥‥なんかパワーアップしてない!?

バラの手鏡って‥おい!!w

昴さんがてきぱきとメイクを直してくれる。


「ありがとう。おかげで少しは見られるようになったかな?」


「ばーか。すげー綺麗だよ。お前さ、いい加減、自分の魅力自覚しろよ」


「そんなこと言ってくれるの昴さんだけだよ?」


「お前が気づいてないだけだっつの」


久しぶりに昴さんの驚き顔を見た気がするww

相変わらずすごい衝撃w←


「あーもうー」


昴さんが大きくため息をついて、壁際に追い詰める。


「昴さん‥の?」


「‥‥今日のお前、を誰にも見せたくねーな」


「えっ」


「いろんなやつが○○のことを見るに決まってる。総理の娘ってことを抜きにしても注目の的だ」


いっそのこと今日はここから出ないってのはダメか?っておねだりw

パーティが急病ってことにして‥‥そうなると、お父さんが抜け出して病院に‥ってことになりそうなw

ちょっと困った風にしてたら、冗談だって。


「でも、会場で俺以外の男を見るのは禁止な」


それ、お父さんとかSPのみんなも含まれちゃうんじゃ!?

パーティ会場に入ると、お父さんはすでに多くの人に囲まれていた。

SPのみんなと目が合うと、笑ってくれる。


(ん?そらさん、どうしたんだろ‥。髪と服を指差して‥?)


そらさんが軽く唇を動かす。


「今日は最高に可愛いね。○○ちゃん‥か」


「えっ!そらさんがなんて言ったかわかるの?」


「まあな。そらのやつ‥」


昴さんがそらさんに向かって唇を動かした。

するとそらさんが目を丸くして海司の背後に隠れちゃったw

今なんていったんですかww


「○○は俺のものだ。勝手に見るな‥ですか?」


瑞貴さんとーじょーw

それだけ伝えるとまた人ごみの中へ‥‥それだけをわざわざ伝えに!?

そこに桂木さんから連絡が来て、お父さんの挨拶が始まるから席に着こうって。

席に着くと、お父さんの挨拶が始まるんだけど‥その途中、突然大きな銃声が響いた。

ぎゃーっそらさんがお父さんを庇って倒れちゃった!!Σ(゚д゚;)

パーティは中止、犯人は確保され、そらさんもちょっとかすり傷を負っただけだって。

そらさんのお見舞いに行くと、思いのほか元気だった。

一応レントゲンを撮って、大丈夫ならすぐに退院できるみたい。


「○○ちゃん、俺のこと心配してくれたの?」


「当たり前です。本当にたいした怪我じゃなくてよかった‥」


「ありがとう!○○ちゃん」


そらさんが腕を広げる。


(え?これって‥)


「調子に乗るな」


昴さんがそらさんの腕をぺしっと叩いた。


「いたっ!俺はけが人なんですよ!?もっと優しく‥」


「けが人ならけが人らしく大人しくしてるんだな。それだけ元気があれば心配ないだろう」


「でも、無理はしないでくださいね、そらさん」


笑顔のそらさんに安心して、病室を後にすると、石神さんとスーツ姿の男たちが目の前に立っていた。

お見舞いの様子じゃなくて、一緒に来て欲しいって。

なんぞね!?


「いいだろう。ただし、行くからにはそっちの事情とやらも全部聞かせてもらうからな」


「‥‥。二人をこちらへ」


公安の人たちが主人公と昴さんの肩を押さえようと、その手を伸ばしてくる。


「○○には触るな」


昴さんに抱き寄せられた。

昴さんの鋭い声に、公安の人たちが動きを止めた。


「‥‥○○さんは一柳に任せておけ。一応、まだSPだからな」


まだってどういうこと?

なんで公安に任意同行を‥?って主人公の頭は混乱していた。

選択肢


はい

担当なのに










遼一さんが雄大くんの挑戦を受けてから一ヶ月が経った。

Jノベル賞の締め切りは再来週。

本当に投稿するつもりなのかな‥と思ってると、編集長がやってきて、今回の連載は参ったと。


「これまでの一話や二話も面白かったけど、今回の三話!これ、すごいね」


どうすごかったの?w


「‥そうでしょうか」


「なんだよ。お前、担当のくせにちゃんと読んでないの?明らかに力の入れようが違うだろーが。なんていうか、こう‥生々しいんだよな、この第三話って。読んでる俺のほうが、切ない気分になっちゃったもん」


(なっちゃったもんって‥そんな女子っぽく言われても‥)


オカマになってきたな、編集長w


「ってことで、これ先生に渡してこい。ついでに4話の進行状況も聞いて来い、な?」


「‥はい」


~♪

そこに誰かから電話。

またもやタイミングよく遼一さんかー?と思ったら、知らない番号‥


「もしもし」


『○○さん?私です、黒神です』


ぎゃぁあぁあ!!!なんで私の番号知ってんのじゃーっ!!!!!(((( ;°Д°))))


『あなたにお話したいことがあるの。今日、時間あるかしら』


(今日?ずいぶんと急だな)


締め上げる気か!?


「そうですね‥2時4時の間でしたら空いてますけど」


『じゃあ、3時に神保町の『すずらんカフェ』に来てちょうだい』


「わかりま‥」


ブチッ


「‥切れた」


(なんかすごく機嫌悪そうだったような‥気のせいかな)


気のせいじゃないと思うよ‥

言われたとおり行ってみると、果てしなく不機嫌な理香子さんがいた。


Kaleidoscope-101013_1124~01.jpg


「あの、お話って‥」


「Jノベル賞のことよ。遼一、あの賞に応募するつもりなんですってね」


「え?」


「あなた、担当として何を考えてるの?彼は今、うちとあなたのところ以外にも、いくつも仕事を抱えているのよ?今度映像化される『おわりの海』の番外編も書かないといけないはずだし‥‥それなのに、Jノベル賞ってどういうつもりなの」


主人公に言うなよw

心配するのは勝手だけど、明らか私情挟んで主人公にやっかんでるだろ‥‥本人がやるって言ってるんだから、担当は口出さない方がいいんじゃありません?プライベートでしょ。

まあ、そのせいで原稿が遅れたりしたら挟むほかないんだろうけど。


「聞いたところによると、彼、うちの小泉くんとグランプリの座を賭けているそうね。」


「‥はい」


「それで、勝ったほうがあなたとデートできる‥と。あなた、何様のつもり?ちやほやされて、そんなに嬉しいの?」


うん、嬉しい。←


「そういうわけじゃ‥」


「それとも、もしかして男に飢えてるのかしら?」


(‥は!?)


「だから、遼一だろうと小泉くんだろうと、デートさえできれば‥」


はあ?遼一さんはいまいち分かんないけど、雄大くんが主人公に気があるのは見て分かるだろ!

主人公が色仕掛け使ったわけでもないし、あの現場にいたわけでもないのに、勝手に主人公のせいにすんなよなーっ!!!( ̄^ ̄)


「バカにしないでください!」


Kaleidoscope-101013_1126~02.jpg


「廣瀬さんを止めなかったのは、確かに私が悪かったかもしれません。でも、廣瀬さんが一度言い出したら聞かない人だってこと、理香子さんだってご存知じゃないですか!」


そうだそうだー!!


「あなたねぇ‥っ」


なんだよ、やるかあ!?ヽ(`Д´)ノ←

過熱するかと思いきや、そこに雄大くん登場。


Kaleidoscope-101013_1126~04.jpg


「!」


「雄大くん‥」


てかさ、主人公を問い詰めるよりも、賭けを提示した雄大を先に問い詰めた方が早くね?

なんで女って、嫉妬する矛先を同じ女に向けるのかなあ‥


「どうしたの、こんなところで」


「なんでもないわ。小泉くんには関係のないことよ」


関係あるだろ!思いっきしw


「○○さん、悪いけど失礼するわ。ここは私が出しますから」


「結構です。自分で払います!」


「いいえ。わざわざ、うちの会社の傍まで来ていただきましたから」


そういうと、理香子さんは伝票をすばやく取って席を立っていってしまった。

な ぜ 逃 げ る w


(理香子さん‥やっぱり、廣瀬さんのことが好きなんだ)


あなたには渡さないわっ!!!←←

雄大くんが心配して何があったのか聞いてくるも、思わずイライラしてなんでもないの!と声を荒げてしまう。


「あ‥ごめん‥ちょっと、イライラして」


「じゃあ、甘いものでも飲んだら?」


「え?」


「糖分がないとイライラするだろ?‥ここだけの話、黒神さんなんて、会社の机の中にチョコレート常備してるんだから」


「‥‥」


「それでもダメなときは、パッキングシートを手にとってぞうきん絞るみたいにプチプチプチ~って」


「‥ハハッ」


「やっと笑った」


「だって!確かに理香子さんって、そういうこと、やっていそうだもん」


いつもストレス溜めてそうな印象を受けるw


「あの人、よくイライラしてるけど‥仕事においてはすごく有能な人なんだ。面倒くさい作家の担当ばかりやらされてるけど、それも黒神さんがどの先生ともうまくやっていけるからだと思う」


あー‥なんか、ズバッと物言うところとか、物怖じしないでいるところとかでなんとなーく分かるかもしれん。


「そうなんだ‥」


(そういえば、廣瀬さんも理香子さんには合い鍵を渡してた‥‥それだけ信頼できる相手だってことだよね)


「でも、理香子さんは廣瀬さんのことを‥」


「え?」


~♪


「あ、ごめん。俺の携帯だ。出てもいい?」


どうぞどうぞーw

って思ったら、なんかすごい動揺してる。

約束したんだ!とかとにかく俺には無理だから!とか‥‥何事?

なにかあったの?と聞いてみると、誤魔化され‥赤入れ原稿を届けに遼一さんの自宅へ。

でもちょうどよかったって留守番を任された。

何かの待ち合わせのようで、30分くらいしたら戻るって慌てて出て行った。

暇なので持ってきた第3話の本を封筒から取り出す。


「編集長、生々しいって言ってたっけ‥」


確かに3話は実際のエピソードがかなり活かされていた、でも‥


「‥廣瀬さん‥どうして今回、相手役の男性をこんなに冷たい人にしたんだろう。モデルは自分のはずなのに」


その時、遼一さんから電話がかかってきて仕事部屋の机の上にメモが置いてあるから、それを読み上げてくれって。

レストラン、パラディソス‥‥仕事の打ち合わせか何かかな?

んで、思ってたよりも時間かかりそうだから、原稿置いて帰ってもいいぞって。

鍵は締めてポストの中に入れておいてくれって言われて、言われたとおりに帰ったんだけど‥‥



数日後。

仕事を会社でしてたら遼一さんから電話が。


「はい、もしもし」


『‥‥』


「‥廣瀬さん?」


『ちょっと、うちまで来てくれないか』


「え?来てくれって‥今ですか?」


『至急だ』


「そんな至急って‥」


ブツッ‥


(‥廣瀬さん、なんかいつもと違ったような‥)


仕事の合間に遼一さんの家に行く。


「おじゃましま‥」


言い終えるより早く、強い力で引き寄せられた。


(え‥?)


「そのまま、聞いて」


は、はい。


「この間‥お前、そこの仕事部屋に入ったよな?」


「はい。あの、レストランのメモを読み上げましたけど」


「‥それだけか?」


「え?」


「それ以外は、何もしなかったか?」


「はい」


「‥それを証明できるか?」


「え?証明?」


あー‥もしかして、原稿がなくなった、とかそういう感じですか‥?

あの時はひとりで留守番だったし、証明なんてできないので、何もしてないのは本当です、としか言いようがない。


「‥悪い、そうだよな」


(廣瀬さん‥?)


「‥‥」


「‥俺‥‥お前を、信じてもいいんだよな?」


「なにが‥ですか?」


主人公からしたら???だよねー

ちゃんと説明してくださいというと、ただ書く気がなくなったとだけ解答。


「書く気がなくなったって‥どの小説ですか?うちの連載ですか?理香子さんのところの作品ですか?それとも小説そのものを‥」


「お前には関係ない」


えー!?


「あります!あるに決まってるじゃないですか!担当なのに‥」


「‥‥」


「廣瀬さんと読者をつなぐのは‥私の仕事なのに」


Kaleidoscope-101013_1129~03.jpg

!?


「‥え?」


Kaleidoscope-101013_1129~04.jpg


なに、なになになにー!!!?ヘ(゚∀゚*)ノ(テンション↑)


「また、そんな冗談‥」


「‥‥」


ぐいっと腕をつかまれた、次の瞬間‥


「‥っ」


強引に唇を重ねられる。

まるで、噛み付くような強引なキス、なのにどこか柔らかでどこかやさし‥‥書いてて恥ずかしくなるわ、バカ!←

そしてそのまま深いキスに変わる。


「ふ‥‥ぅ‥っ」


突然のことに頭がついて行かず、息が出来ない。

やがて唇が離れ、沈黙。

遼一さんがいつもの調子で誤魔化そうとするも、さすがに誤魔化されきれないだろ、これw


「なんで‥なんで、こんなこと‥」


「‥‥」


「なんで‥」


「‥‥悪かった」


(どうして、謝るの‥?いきなりキスしたから?それとも‥本気じゃなかったから‥‥?)


「小説を書く気がなくなったなんて嘘だ。ちゃんと書く」


「!」


「だから‥今日は帰ってくれ」


(わけがわからないよ‥悲しい顔したり、突然抱きしめたり、キスしたり‥‥どうしてちゃんと話してくれないの‥?)


「呼びつけて、悪かった」


それ以上何も聞くことが出来なかった。

廣瀬さんのことだから、きっと本当はこんな姿、見せたくなかったはずだ。

主人公はすぐにきびすを返すと、遼一さんの家から出て行った。

それからしばらくの間、全く会わない日が続いた。

そんなある日、Jノベル賞の応募作品が公開されてるから、編集部としてその作品が本当に面白いのか、それとも組織票で点数を稼いでいるのか見極めて欲しいから、点数の高いものの原稿がまわってくるので各自目を通しとけって。

それでその中から雄大くんの書いたものを編集長のおすすめで、しかもグランプリの最有力候補として見るんだけど‥‥エピソードにどうやら問題が‥‥;;

そして今回次回予告なし!?


選択肢

ただ命令に逆らうだけではダメです
信長様が隣にいるからです













「今宵は、お前に夜伽を命ずるぞ」

「えっ……!?」

信長さんは、とんでもない事を口にした。

(夜伽って……あの夜伽……!?)

驚きのあまり、思わず自問自答してしまう。
夜伽とは、昨晩も信長様が求めてきた行為。
つまりは男とおなごが体を重ねること。
しかし、昨晩と違うのは命じられてしまったことであった。

「楽しみにしている」

何も考えられずにいる私をよそに、信長さんは起き上がって、さっさと部屋を出て行ってしまった。

(私……どうすればいいの……? 宣言されてしまっては、もう逃げ場がないのでは……?)

信長さんがいなくなってしまった以上、もう断りの言葉を伝えられない。

(しかし、変に断ってしまえば、厄介な事になりかねないし、国も関わってくるかもしれない。昨晩は運良く逃れられたものの、どうすれば……)

「……とりあえず、小次郎に相談してみましょう」

「あっ、小次郎……」

部屋を出ると、すぐに歩いている小次郎を見つけた。

「どうした、そんな浮かない顔をして」

「そ、その……信長様について、相談したいのですが、ここでは、ちょっと……」

(誰かに聞かれでもしたら、まずいもの……)

「わかった。とりあえず、オレの部屋へ行くぞ」

「それで、相談とは?」

「実は……先程、信長様に夜伽を命じられてしまって……」

「はぁ……夜伽とは、また面倒な……」

「しかし、無理に断ろうとすれば怒りを買ってしまうかもしれません」

「〇〇は、どうしたい?」

「それは……信長様の命令にただ逆らうだけでは駄目です」

「そうだな。命令されたのがオレだとしても、信長サンから逃れる自信はない」

「そうです。信長様の怒りを買うことなく、夜伽から逃れる方法を考えなければ…。すみませんが知恵を貸してください、小次郎」

「俺はお前が信長サンに気に入られる理由が分かるような気がするよ」

「そうでしょうか。私には迷惑なだけです」

「まあ、落ち着け。信長サンには、様々な噂がある」

「どのようなものですか?」

「噂と言っても、ほとんどが確実な事だが……信長サンは、二晩と同じ女を呼びはしない」

「それは、一晩で充分ということですか?」

「そうだ。これまでにも、気に入った女を城に連れ込み、一晩同じ部屋で過ごしたら、すぐに城外へ放り出している」

(そんな……いくら信長様でも酷い……!)

「つまり、今晩、お前が夜伽をしたのであれば、明日の朝には城を追い出されてしまう恐れが充分ある」

「では、今晩、私はどこかに隠れていた方がよいのでは?」

「いや、逃げれば逃げたで、城を追い出される。そして、その場合、生きている保証は無い」

「つまり、夜伽はせずとも、何かしらお相手をしなければならないと?」

「まぁ、それはそうだが……その方法については、悪いが今は思い浮かばない。力になれなくてすまない」

「そうですか……。分かりました、小次郎。夜までは時間がありますし、じっくり考えてみます」

「ああ。オレもいい方法が浮かんだら、すぐに伝える」

「ええ、お願いします」

私は部屋を出て、しばらく城内を歩き回りながら、夜伽を回避する方法を考えることにした。

「どうしましょう……」

すでに日は暮れ、信長さんが部屋を訪れなければならない時間もせまっている。
小次郎と別れてから、ずっと考え続けた。
しかし、信長さんと出会って間もないために好みも分からず、いい案が浮かばない。
小次郎も、報告しに来てくれたけれど、何も思いつかなかったと言っていた。

(逃げるわけにはいかないし……せめて、あと一日でもあれば……)

「しかし、迷っている時間はないわ……」

(とにかく、もし、夜伽を迫られそうになったら、信長様が好きそうな遊びやお話を口にすれば、興味を持って、止めて下さるかもしれない……もう、覚悟を決めて参りましょう)

私は戦場に赴く武者のような気持ちで信長さんの部屋へ向かった。

「信長様、お話をしに参りました!」

「…………っ!」

部屋に入って開口一番、私はそのように言った。
とりあえず、後手に回らないようにすれば、少しは時間をかせげるかもしれないと、ここへ来る途中に思ったから。
しばらく、信長様は驚いた表情をし、それから笑みを浮かべた。

「アッハッハッハ! まさか、そのように来るとはな……さすが〇〇だ。これまでのおなごとは全然違う」

(信長様、とても楽しそうに笑っている……。最初の手応えは悪くないみたいだけれど……)

「とりあえず、座るが良い」

「はい……」

私は、言われた通り、信長様の正面に座ろうとすると、

「そこではない。ここだ」

信長様は自分の隣を指差した。

「わ、わかりました……」

(信長様の、すぐ横だなんて……!)

少し離れて座ると、信長様は少し動けば触れてしまう距離に近寄ってきた。

(の、信長様が近すぎる……! 抱きかかえられたり、膝枕をしたりしたけれど……これはこれで困る……)

さらには空気を伝わって信長様の体温を感じ、吐息までもが聞こえてくる。

「どうした? 〇〇、頬が赤くなっているぞ?」

「そ、それは……信長様が隣にいるからです……」


「そうか……。では、こんなことをすれば、もっと赤くなるのか?」

「きゃっ!」

信長さんは指で私の顎を持ち、クイッと動かした。
すると、目と鼻の先にある信長さんの顔と見つめ合う形になる。

「の、信長様……」

(信長様の吐息がかかって……それに、こんなにも綺麗な瞳をされているなんて……)

心臓がより早く、強く鳴っているのがわかる。

「おっ、今度は耳まで真っ赤になってしまったようだな」

(も、もう……こんなことをするなんて……。これでは、夜伽をしなくても、心臓が持ちそうにないわ…)

それから、私たちは城や戦の話をして過ごした。

「…………」

「…………」

(どうしよう……いきなり話が終わってしまって……。この雰囲気、何か切り出さなければ、夜伽をしないといけなくなってしまう……!)

「あ、あの、信長様は、囲碁はお好きですか?」

「ああ、好きだぞ。〇〇は打てるのか?」

「ええ……以前、父上から教わって、人並み程度には出来ます」

「では、囲碁を打ってから、夜伽にしようではないか」

その言葉に私はハッとした。

(これで、なんとかなるかも……!)

「しかし、信長様。普通に打つだけではおもしろくありませんね」

私の言葉に信長様は予想通り、意地の悪い表情を浮かべ、こう言った。

「そうだ、〇〇。お互い、何か賭けぬか」

「それでは、信長様、こういたしましょう。もし、私が勝ったら、このまま私が部屋に帰って休むことをお許しください」

「では、我が勝ったら?」

信長さんは私がこう切り出すことを予想していたようだった。
獲物を足元に踏み潰しているときの狼のような、残酷な笑みを口元に浮かべている。

「私を好きになさいませ」

冷たい汗が背中を流れ落ちる。
これは賭けだ。

(父上、どうか、私をお守りください)

信長さんは侍女を呼び出し、碁盤の用意をさせた。
それが終わると、私達は碁盤を挟むようにして座った。

「よろしくお願いします」

「ああ、本気で来るが良い」

信長さんが余裕の笑みを浮かべる中、長い夜が始まったのだった。