嬉しかった
いえ‥
昴さんと結婚するのか?
‥そう聞いた海司が主人公を抱き上げたまま見つめている。
「どうしたの?」
「いや。何でもねー」
な ん で も な い ん か よ っ !
そこまで言っちゃったら言っちゃいなYO!!!
そう言いながら主人公を下におろす。
「海司?なんか様子が変だよ」
「そんなことねーよ。それよりお前、少し痩せろ。前より重たくなってるぞ」
「ええっ」
「嘘だよ。ほら、行くぞ」
「うん‥」
いつもと様子が違う海司を気にしながらも主人公は演劇部へと向かった‥
そこまで言ってんだから気づけよっ!!!
なんでこんな天然ボケな主人公ばっかなんだ!
大学が終わって主人公は官邸の部屋で、『会うと零時』用の中世の衣装を勉強しようとベットに座って歴史の資料集を読んでいた。
すると、いきなり後ろのベットが沈む。
「ん‥?」
後ろを見ると、海司が背中合わせにベットに腰を下ろしている。
え!?何このシチュエーション!!?
「海司?」
「‥‥そのまま、こっち向かないで聞いてくれ」
「どうかしたの?」
「いいから、頼む‥」
言われたとおり、正面に体を戻す。
「お前がここに来て、もう二年近くになるのか‥」
「突然どうしたの?思い出話?」
「そういうわけじゃねーけど‥‥最初にお前が警護対象になるって聞いたときは驚いたよ」
それからまた昔話になる。
でもまたこうして出会えて嬉しかった的な話をすると、また妙な雰囲気に‥
「あの‥さ。変な話じゃなくて‥なんつーか‥」
「ん?」
「黙ってくれててもいいから‥聞いてくれるか?」
「うん」
(海司がこんなふうに言いよどむなんて珍しいな‥)
「‥‥俺の初恋は、お前だ」
「え‥?」
「その気持ちを引っ張ったまま大人になっちまっててさ‥お前が昴さんと結婚するんだなって思ったら‥‥なんか、妙な気持ちになっちまって」
「海司‥」
「別にお前を困らせるつもりはねーんだ。お前と昴さんとの仲は今までずっと見てきたし‥」
「うん‥」
「お互いがすげー大事にしあってるっていうのも、分かってる」
海司はひとつ息を吐いた。
「俺が、そこには入っていけないっていうのもな‥‥悔しいけど」
「海司‥」
「でもたまに、昴さんより俺のほうがお前のことずっと知ってるのに‥とか、まだガキみたいな対抗心を燃やしちまってることもあるんだ。吹っ切れたつもりでも、結局吹っ切れてねーのかもって時々思うよ。なあ、○○‥‥」
「なに?」
「○○は‥昴さんのことが好きなんだよな?」
「うん‥」
「昴さんとなら‥幸せになれるんだよな?」
「そう‥私は信じてるよ‥」
「そっか。ありがとう」
「え?」
海司は立ち上がり、主人公の頭をぽんぽんっと撫でた。
「お前の口からそれが聞きたかったんだ‥」
「海司‥」
「昴さんは俺が認める数少ない男だ。きっと○○を幸せにしてくれる‥」
海司の声が少しだけかすれていた。
「昴さんと絶対幸せになれよ。そうじゃなかったら‥許さねーからな」
「うん‥」
「変な話につき合わせて悪かったな。これは俺のけじめみたいなもんだ。○○が幸せになるんだって確認したかった」
「ありがとう‥」
そんな小さいころから好きでいてくれたんだと思うと涙腺が壊れる主人公。
俺はお前を抱きしめてやれねーんだから、泣くなと言われておいらもちょっと泣きそうになるわ。
なんていうか‥ちょっと昔傷つけてしまった人に謝りたくなるお話なんでね‥‥あーもー‥あの時は子供過ぎたわ‥(戻って来い)
「俺は‥大人になって‥お前に再会できて、よかった‥」
海司ファン、涙腺崩壊確実だと思うのですが。これ。
その時、昴さんが休憩から戻ってきて海司と交代。
二人はすれ違い様に「後は任せろ」「よろしくお願いします」っていうんだけど‥‥なんかもー‥主人公の頭をぐりぐりにしたくなってくる‥。
海司が出て行って、主人公に言う前に昴さんのとこにきて言っていいかって聞きに来たんだって。
「変なとこで律儀なやつだよな。そういうところがアイツのいいとこなんだろうけど」
昴さんが抱き寄せてくる。
「○○を幸せにしてくれるんですかって聞いてきた」
「昴さんは‥何て答えたの‥?」
「幸せにするって答えたに決まってるだろ?そしたら海司のやつ、俺の両手をぎゅうっと握り締めたんだよ」
昴さんが自分の手を見つめている。
「○○のこと、よろしくお願いします。幸せにしなかったら、許しませんから、ってさ」
さっきと同じようなことを昴さんにも言ったんだ‥‥ここに来て、海司の好感度がぐんぐん上り調子になっていくぜ‥
「○○‥」
「はい」
「絶対に幸せにするから。海司に投げ飛ばされるのは俺もゴメンだし」
「はい‥」
「いい幼馴染を持ったな‥」
「はいっ」
主人公が果てしなく羨ましいぜ‥‥俺にもくれよ、そういう幼馴染。←
「お前のことは俺がずっと守る」
昴さんがきつく主人公を抱きしめて、顔をその胸に伏せさせた。
優しく髪をなでる昴さんの指先を感じながら、主人公は少しの間、泣いてしまった。
場面変わり、お父さん&桂木さん登場。
これからの警護体制についてと、党内での会議を終えて、もう少しで意見調整が終わって来週には正式発表するからこの厳重な態勢も今週いっぱいで終わるって。
でも、来週の正式発表の日までまもっとも危険ということで、今のまま昴さんと海司の二人体制。
公安の方は犯人グループにおかしな動きがあれば、すぐに確保できるような人員は手配してるらしい。
でも誰がどこで繋がってるか分からないから、まだ油断は出来ないって。
しかも、公安の逮捕状は政策の正式発表と同じくらいになりそうながら、先に犯人確保はできなさそうで‥‥‥さて、これからどっかに連れ去られたり危ない目に合ったりしてきますよーっ!
そのままで終わるはずがない、後4日もあるし。

