一人で頑張りすぎないで

山本くんに背を向ける

















「誰が半端野郎だ!」


夕焼けに染まる海岸で山本くんが怒鳴った。


「半端野郎だろうが!お前、○○が泣いてたこと知ってんのかよ!?」


(どうしよう‥、この二人、本気で喧嘩する気だよ‥)


「あの日、病院の屋上で○○は一人泣いてたんだぞ!」


「‥!」


「てめえの大切なモンは、てめえで守れっつってんだよ!!」


「やめて!」


それから男達の青春です‥w

どうやら山本くんは昔からやっちゃんが欲しがるものをやっちゃんに譲っていたそうです。

だから主人公までオレまで譲るのか!と殴り合いの喧嘩に‥

最初は一方的に殴られてた山元くんも、渾身の一撃をおみまい。


「○○だけは‥譲らねー」


(‥‥山本くん‥)


静かだけど、力強いその言葉に胸が熱くなった‥


「気づくのが遅ぇんだよ‥この大バカ野郎!」


やっちゃんがもう一撃しようとしたら、山本くんがそれをかわそうとして二人してその場に転倒。


「‥颯太がオレに譲らなかったの、初めてだな」


「絶対に譲れねーもんがあるってこと、初めて知った‥」


二人はただ空を見て言った。

主人公、空気!!


「あーあ、お前とのタイマン、これで18戦9勝8敗1引き分けだな!」


やっちゃんが立ち上がりながら言った。


「違う。俺が9勝だ。俺の方が勝ってる」


「うるせ!どっちでもいいだろ!!」


よくないww

山本くんに手を貸し、起き上がらせたらもう用は済んだとばかりにやっちゃんは去っていった。


「一本だけじゃうまく立てねーっつーの‥」


「‥私につかまって?」


やっちゃんの代わりに、山本くんの隣に寄り添い立つ手助けをする。


「お、おう‥」


少し遠慮がちにそっと主人公の肩に手を回す山本くん。


「いい人だね、やっちゃん‥」


「‥ああ。あいつがいたから、俺は大切なもんを失わずに済んだ」


そう言って主人公を見つめてくる。

だんだん遠くなっていくやっちゃんの背中にお礼を言いながら、もうすっかり日が落ちてしまった海岸の石段に座る。

そこで素直になれなくてごめんって謝られた。


「オレはやっぱり、○○がいてくれないとダメみたいだ」


「山本くん‥」


「リハビリも頑張る。あきらめないって誓う。だから‥‥だから、もう一度、オレと付き合ってもらえませんか‥?」


・・・・:*:・( ̄∀ ̄)・:*:←

もちろん答えはOK。

でもひとつ約束して欲しいことが。


「‥もう、一人で頑張りすぎないで」


「‥‥」


「これから山本くんに辛いことがあったら、私も一緒に支えていきたい‥」


「○○‥。わかった、約束する」


「本当?」


「ああ。そのかわり、○○に辛いことがあったら、俺が支えていく」


だぁああぁあ!!!!!!!言われてみてぇええぇえ!!!!!!!!←


「それなら‥、もう一度‥よろしくお願いします」


「○○!」


「あっ‥」


ガッと抱き寄せられ、ぎゅーーーっと強く抱きしめられた。

苦しいというと、どれくらいの加減がいいのかってことで抱き比べ‥的なものにw


「あったかい‥」


山本くんの腕の中で心地よく思ってたら、名前を呼ばれちゅーw

だんだんキスが激しくなってきたと思えば、雨が‥‥雨が二人の邪魔を!!!(・ε・)

あまりにもひどい雨なので近くにあった海の家で雨宿り。

中はかび臭く、古びた毛布が数枚あるだけ。

今は‥‥春か?


「ビショビショになっちゃったね‥」


そう言って自分の姿を見た私は、下着が透けていることに気づいた。

なんかキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!!!

え、まさか雨、乙!?

薄暗い中でも見えるくらい下着がくっきりww

山本くんに見られる!と思ったら、山本くんはもうその部分に釘付けww


「‥‥」


とりあえず背中を向けてみたら、山本くんが毛布をかけてくれた。


「風邪‥ひくぞ‥」


「‥あ、ありがと‥‥」


「‥オレも、そっちに入っていいか?」


どうぞどうぞ~w

ってここでスチル発★動!!!


「身体をくっつけたほうが、あったまる‥」


それは言い訳にしか過ぎないよ、山本颯太くん!!!(・ω・)bビシッ

二人の濡れた体がくっついて、だんだんあったまってくる。

なんか‥エロイw

最初は目を合わさないように縮こまっていたが、山本くんのギブスの音がして思わず山本くんを見ると‥‥そのまま目を外せなくなってしまった。


(あ‥‥)


静かに近づいてきた山本くんの唇が、そっと優しく主人公の唇に重なった。

雨で中断されたキスの続きは、甘くて少し激しい‥

濡れた主人公の髪を撫でながら、強く唇を押し当てる山本くん。

熱く柔らかな舌で、そっと唇をこじ開けてくる。


(んん‥、山本くん‥‥)


どんどん激しくなっていってうわーおww(うp主の規制が入りました)


(‥‥ちょっと待って‥、そ、そこまでは‥!)


毛布の中で山本くんの手が主人公の身体に伸びてきた。

びくっとした主人公に一時はちょっとひるんだものの、意を決したようにまたもやw


「ダ、ダメだよ‥、怪我‥してるのに‥」


それは言い訳に過ぎないぜ、主人公!!!w←


「大丈夫‥」


そのまま行くかー!?ってなったけど、主人公を押し倒そうとしたら足に痛みがww

で、大会で優勝したら捧げることにww

あれ、これ健人くんのときと同じようなことになったないか?w(修学の)

選択肢

自分のため
行かない












「フラれたって、どういうこと!?」

学校での昼休み、昨日のことをみんなに報告‥というか。隠してるつもりだったのに、バレちゃったみたい。

「毎日顔見せろって言ってたのはあっちでしょ!?」

「‥ごめん‥‥それ、ウソ‥」

「はあ!?」

「前にも帰れって言われたし、ほっといてくれとも言われてた‥」

「‥そうなの?」

「うん‥。実は怪我の具合もあんまりよくなくて‥山本くん、自暴自棄になってて、モトクロスやめるって言ってる」

「でも、だからって〇〇と別れなくても‥」

「そんな姿をこれ以上見せたくないって‥‥」

「‥かっこつけちゃって」

それまで黙っていた沙織ちゃんが失笑まじりでそう言った。

「で、〇〇はそれを素直に受け入れたんだ?」

「受け入れたくないけど、でも‥山本くんが別れたいって言うなら仕方ないかなって思ったり‥。それに‥」


「それに‥なに?」

「‥山本くんの親友に告白されたりして、混乱してるっていうか‥」

「し、親友にコクられたの!?」

「なんかもう、どうしていいかわからなくなっちゃって‥」

「わからなくなったって、なにが?〇〇が本当に好きなのは誰?」

シンプルなんだけど、いざなってみるといろんな気持ちがどわってなって混乱しちゃうんだよね‥‥でも沙織ちゃんの言うことは正しい。

「答えは出てるんでしょ?だったらその人のために何ができるかを考えればいいじゃん」

「‥そうだよね。ウジウジしてる場合じゃないよね‥!」

ということで、山本くんの怪我の状態を知ってリハビリの勉強をすることに決定。
病院で理学療法士に話を聞く。
ヒールスライドとかクォータースクワットととか、リハビリの訓練のメモ。
主人公みたいに山本くんもそれくらい熱心になってくれればいいんだけど‥と理学療法士がぽつり。
どうやら山本くんは無理と決め付けて、リハビリを拒否してるみたい。
そのとき、リハビリ室の窓の向こうに山本くんの姿が‥

「あきらめ切れてないんだろう‥。時々ああやって見に来るんだ」

「そうなんですか‥。あ‥!」

山本くんは主人公と目が合うとリハビリ室から逃げるように去って行く。
慌てて山本くんを追いかけ、さっそくリハビリをしてみるように説得開始。
でも‥

「‥余計なことすんな」

って突き放されてしまう。

「勝手なことしてごめん。でも、きちんと勉強するって決めたから」

「‥‥なんで〇〇がそこまでするんだよ?」

「それは‥、たぶん自分のため‥」

「‥自分って、〇〇のか‥?」

「うん。私、何もできない自分が嫌だから。山本くんの力になれる自分になりたいから‥」

「‥‥○○」

山本くんの目が、少しだけ和らいだ気がする。

「リハビリ、やってみない?」

「‥‥」

「一緒に、頑張ってみない?」

「簡単に言うな‥」

「簡単なんて言ってない。‥それなりの覚悟で、言ってるつもり」

「‥‥」

「自分から可能性を消すようなことしないで」

「たった20%だぞ‥?」

「”たった”じゃない。20%”も”だよ。0と20の差はすごく大きいよ!」

主人公、すごいいいこと言った!(*´Д`)=з

「○○‥」

「‥私は、あきらめてないよ」

「‥‥」

返事はなかったけど、突き放されることもなかった。
それだけで、主人公は嬉しかった。

「‥ヤス、来てたのか」

病室に戻るとやっちゃんの姿があった。

「おう、どこ行ってたんだよ‥」

「‥‥」

昨日のことがあって、き、きまず‥っ
でもやっちゃんは何事もなかったかのように山本くんに話しかけた。

「颯太、お前モトクロスやめんのか?」

「‥‥」

「こいつ‥○○と別れるって、本気か‥?」

あえて名前呼びに直したな‥

「‥‥」

「黙ってねーでなんとか言えよ!この中途半端野郎!!」

ちょっ‥ここ他の患者さんもいるんだけど‥;;

「やっちゃん、他の患者さんもいるし、大きな声は‥」

「‥そうだな。どんだけでけー声張り上げても、このバカ野郎の耳には届かねーみてーだ」

「‥‥」

「‥行こうぜ、○○」

え、え?

「七里ガ浜でも行こうぜ」

なんにも言ってくれない山本くん。
でもやっちゃんの誘いを断ろうとするも、無理やり病室から連れ出されてしまった。
浜辺について、何かされるのかと思ったらやっちゃんは無邪気に遊んでるww
主人公は追いかけてくれなかったことにショック受けちゃって‥
というか、落ち込んでる主人公を励ますみたいにやけにテンションあげちゃって‥‥涙出てくるわ‥

「ごめん、やっちゃん‥、やっぱり私‥」

そこまで言いかけて、山本くんの姿を遠目に発見!!
松葉杖でここまで!?

「‥‥」

私とやっちゃんの前まで来ると、山本くんは主人公を見ずにやっちゃんをにらみつけた。

(山本くん‥、すごい怖い目をしてる‥)

「‥やっぱり来たか」

やっちゃん‥‥まさかあんた‥‥

「オレと○○の浜辺デートを邪魔しに来たのか?」

(‥‥もしかしてやっちゃん、わざと場所を指定した‥?)

やっちゃぁあぁあん‥‥(ノ△T)アンタほんといいやつ‥
というか、今まで疑問だったんだけど、やっちゃんは学生さんですか??
なんかいつも私服のような気がするんだけど。

「今頃になってノコノコ現れてんじゃねーよ!この半端野郎がっ!!」

さっきまでにやっと顔してたのに、いきなり語尾を荒げた。

「‥誰が半端野郎だ」

それまでずっと黙っていた山本くんがやっと口を開いた。
お互い、今にも飛び掛りそうな目でにらみ合っている。

(‥ちょ、ちょっと、まさか本当に喧嘩が始まっちゃうんじゃ‥)

まさに一色触発という空気の中、主人公はただ二人を見守ることしかできなかった‥

選択肢


未来くんは信じる

何か出来ることはない?












白を基調とした、清掃の行き届いたロビー。

ガラス張りのビルは美しく、太陽の光を反射して青く輝いている。


(すごい‥‥やっぱりお金のある会社は違うな‥)


「○○さん、受付へ。私の名前で13時半にアポイントを取っていますから。ああ、覚えてますか?株式会社フトゥールムですよ。私たちの会社名」


「取材しましたから覚えていますよ。フトゥールムって、『未来』のラテン語ですよね」


「ふふっ調べてくれたんですね」


たわいない話を交わしてる間も、これからのことを考えて心臓がどきどきしている。


(ここまで来ちゃったから引き返せないよね‥‥頑張らないと)


「‥‥○○ちゃん、緊張してる?」


未来くんが耳打ちしてくる。


「緊張してるけど、大丈夫。未来くんがいるしね」


未来くんは一瞬、はっとしたような表情で私を見つめて、くすっと笑った。


「‥○○ちゃん」


「なに?」


「大好きだよ」


ちょっっちょ、不意打ちーッ!!!!!!!!!!w(/ω\)

主人公にだけ聞こえるくらいの小さい声でそう囁かれ、思わず赤くなってしまった。

ならない人は居ないだろうww

照れながら受付へ行き、応接室へ通された。


「初めまして。どうも、城ノ内です」


「影山です。本日は、ご無理を申し上げまして‥」


「いえいえ。北大路さんのお知り合いとあれば、こちらこそお話をお伺いしたいところですから」


ああ、なんかいとも簡単にアポ取れたなって思ったら、皐月さんのコネねw

城ノ内社長は主人公をちらっと見た。


「こちらは私の秘書をしております。○○です」


「○○○○と申します」


なんか城ノ内社長の表情見えにくいな‥アップじゃないからか?それとも、前髪のと目が同化してるせいか?


「そうですか。城ノ内と申します。本日はよろしくお願いします」


じっと人を観察するような目つきで主人公を見てくる。


(なんかこの感じ‥‥ちょっと苦手かも‥)


「ええ。私の秘書でもありますが、婚約者でもあるので」


(‥‥は?)


なにがどうしてそうなったーー!!!!!!!!(//・_・//)


「そうだったんですか。いや、私もお相手したいくらい美しい方だ」


断る。←


「では、今度そちらの秘書さんも交えて一献。いかがです?」


「ふふ、影山社長も場慣れしてらっしゃるようだ」


(ええと‥これってもう探りあいが始まってるのかな‥)


そのようですねw

しばらく未来くんの会社との共同事業について話が盛り上がった。

話が途切れてから、未来くんはおもむろに本題を切り出した。


「そういえば噂に聞いたのですが、御社は電子書籍にも着手されるそうですね」


「驚いたな。まだ公にはしてないんですがね。さすが影山さんだ」


「いえいえ。知り合いから聞いた話ですよ」


「様々なコネクションをお持ちなんですね。私も勉強させていただきたいな」


「とんでもない、まだまだ若輩ですので。かなりの資金を投入されるとか」


そういや、未来くんって一応社長だけど、何歳設定なの?


「そうですね。電子書籍はこれから間違いなく注目される事業の一つですので、わが社も積極的に進出しようかとは考えています」


そのためにリストラされる人がいっぱいいるのか‥‥社会の闇だな。


(やっぱり買収されちゃうんだ‥‥)


テーブルの下で、未来くんが主人公の手をぎゅっと握り締めてくれた。


「影山社長、私にも様々なコネクションがありましてね」


「‥はい?」


「あなたは裏世界ではかなり幅を利かせているとか。あくまで噂の範囲ではありますけどね」


未来くんは黙ってじっと城ノ内社長を見据える。


「いかがです?そういった意味でも、私と手を組んでみませんか」


残念ながら、そういうのは皐月さん一人で間に合ってると思うのですがw

別に未来くんは会社を大きくしたいわけじゃないし。


「‥‥城ノ内さん。勘違いされていらっしゃいますよ。どうも、私の名を騙って活躍されていらっしゃる方がいるようなのですが、私とはかかわりがありません。私としてもそのことについては困っている状態です」


「‥なるほど」


城ノ内さんは笑みを浮かべると、主人公に眼を向ける。

こっち見んなw←


「○○さんとおっしゃいましたね」


そうですが、なにか?


「秘書としてではなく、婚約者としてのあなたにお伺いしたい。影山社長の名前を騙る男は、詐欺師として有名なんですよ。ご存知です?」


「いえ、存じ上げませんが‥」


「そうですか。これは、ただの冗談なのですが、もし影山社長が詐欺師だったら、あなたはどうします?」


「私は、影山のことを信じています。もしそういったことをしていたとしても、彼なりの信念があってのことでしょう」


城ノ内社長は主人公の答えに笑みを浮かべた。


「ふふ、そうですか。素晴らしい答えだ。影山社長、どこでこんな素晴らしい女性を?」


「彼女と出会えたのは、私にとって何より幸福でした」


「今日はお話できてよかったですよ」


「こちらこそ」


二人はしっかりと握手を交わした。

イット本社を出てから、緊張がほどけて一気に肩が凝った。

お疲れ~!!


「つ、疲れた‥」


「あー、もう我慢できないっ!」


未来くんが主人公をぎゅっと抱きしめる。


「ちょ、ちょっと!こんなとこでなにを‥」


「さっきの。超うれしかった」


「さっき?」


「僕のこと、信じてくれるって」


「だって、ホントのことだし‥」


「どうしよう。これ以上好きになれないってくらい○○ちゃんが好きなのに、毎日○○ちゃんのこと、好きになってくんだけど」


でへへw(〃∇〃)←


「そ、それは嬉しいんだけど、ここは人目が多いからあとでね」


未来くんはため息をつくと、ぽつりと耳元で言った。


「‥‥理性保つの、いっぱいいっぱいだ‥」


男の子は大変だw

あまりにも切実な声色に、つい笑ってしまう主人公だった。



未来くんはカジノに着くなり、皐月さんを呼んで別室にこもってしまった。

作戦会議か?w

こもってから結構時間が経つ。

結局未来くんに頼りきりになって、少し後悔。


(なるべく未来くんは巻き込みたくなかったんだけど‥)


ため息とつくと、千早さんとノエルさんが話しかけてきた。


「○○さん、どうしたの?」


「いえ‥」


「未来のこと?」


「‥‥うん。私、頼ってばっかで何の役にも立ててないなあと思って‥」


そういうと、千早さんが笑った。


「わかってないね、○○さん。未来は○○さんから頼られるのが嬉しいんだよ」


「むしろ、頼らなかったら怒るんじゃない?」


ノエルさんが主人公の背後に視線を合わせる。

振り返ると、皐月さんと未来くんが戻ってきていた。


「その通り!僕は○○ちゃんに頼られることが嬉しいんだから、もっと頼ってくれていいんだよ」


「あ、ありがとう。それで話し合いは終わったの?」


「まあね。城ノ内さんのやり方をいろいろ調べたけど、結構きついことをやってるみたいだね。買収の仕方や買収企業の社員への対応はかなり強引なところがあるみたい」


うわー‥かなり恨みかってそう。

落ち目になると、危ないぞこりゃ。


「僕、城ノ内さんのやり方はあまり好きじゃないな」


強い意志を持った目。

心臓が、とくんと跳ねた。


「どうするかはまかせて?○○ちゃんも、○○ちゃんの会社の人たちも絶対助けるからさ」


何か出来ることはない?と聞くと、気持ちだけで充分だって。


「なんだか、ただ見てるだけになっちゃったから申し訳なくって‥」


「じゃあ、終わったら、ご褒美に思いっきりイチャイチャさせて?」


「イチャイチャって普段未来くんがしているようなこと?」


そ れ を 聞 く の か w


「そんなわけないじゃん。いつものを100倍くらいすごくしたやつ


うわぉw次の朝起きられなくなるよかーんww←


(いつもの100倍って‥‥どんなことをするつもりなの‥)


「なーんか、やる気でてきちゃった」


「○○さんと未来は本当に仲がいいんですね」


「見ているこっちが恥ずかしくなりそうだよ」


カップルなんてそんなもんだよww

主人公は恥ずかしくなって顔を覆った。

そして一週間後。

シンデレラの編集部がはてしなーく荒んでる;;

この先どうなるのかな‥ってみんな不安がってるし。

まあ‥せっかく就職したのに、この不景気にリストラされて転職‥じゃ不安がるのは当たり前か。


「きっと、大丈夫です」


「どうしてそういいきれるの?」


「それは‥」


そのとき、編集長が部屋に入ってきた。


「おはよう!みんなちょっといいか?」


編集長が皆を集めた。


「えー、俺の口から伝えるのは何とも忍びないんだが‥‥」


(編集長があんな真面目な顔するなんて‥‥もしかして‥)


「みんなが心配している買収の件だが‥‥買収の可能性はなくなったそうだ!」


水を打ったように場が静まり返る。

その後に大きな歓声が上がった。


「ほ、本当ですか!?どうして急に!?」


「いや、俺も詳細はよくわからないんだが、先方が急に手を引いたらしくてな」


(未来くんだ‥!)


「というわけで、今日からまた忙しくなるぞ!」


携帯を手にして、歓声が上がる編集部からこっそり抜け出した。

未来くんに電話して御礼をいうと、種明かしは後でってことで、今夜はどんなに遅くなってもいいからカジノに着て欲しいとのこと。


(本当にありがとう。未来くん‥)


「○○!ミーティングするぞ!どこ行った!?」


「あっ、はーい!すぐ戻ります!」


駆け足で編集部に戻ると、いつものように編集長や編集者、チーフデザイナー達が笑顔で席に着いていた。


(いつもの、編集部だ‥)


当たり前に仕事ができることが嬉しくて、泣きたいくらい嬉しい気持ちになった。

明日で最終~!!

やっぱシンデレラのシナリオ好きだわーw

こう、二枚煎じじゃないというか、シナリオが深い気がするww

選択肢

気にしてないと微笑む
フラれたと報告する













学校帰り、結局山本くんのことが気になって病院へ。
というか、いつも最初に前日に何かあったかっていう軽い説明がいつも入るんだけど、そんなんやってたら分かるからいちいち入れなくていいと思うのは私だけか。
そのままさら~っと進んで欲しい。
山本くんの病室に入ると、山本くんはベッドに座って窓の外を眺めていた。
名前を呼ぶと、悲しげな目でこちらを見た。
そっち行ってもいい?と聞くと了承してくれる。
また帰ってくれと言われるんじゃないかって内心ビクビクしてたけど、そう言ってくれてほっとする主人公。
でもやはり無言で、重い雰囲気。
先に口を開いたのは山本くんだった。

「‥昨日は、怒鳴ったりしてごめん」

いや、完璧に山本くんに配慮できなった私が悪いのです‥;;

「ちょっとびっくりしたけど、気にしてないから」

軽い感じで流そうと思い、そう言って微笑んだ。

「‥でも、ごめんな」

「いいよ。私も弟と喧嘩したときなんかは、つい怒鳴っちゃうことあるし!」

主人公、弟いたの!?

「‥そっか」

山本くんの調子は相変わらず。
それほどモトクロスが思い入れがあるんだよね‥きっと。

「ヤスにも‥‥謝らないとな」

「あ‥、うん‥」

またここで前回のやっちゃんの行動が主人公の思い出し形式で出るんだけど‥‥いらんて‥知ってるから。

「ヤスも、心配してくれてんだよな‥」

「うん‥そうだね‥」

気分転換に、それから屋上に行くことに。
少し山本くんに笑顔が見えたものの、ベッドから起き上がるときにバランスを崩しちゃって‥
うわぁあ‥‥
主人公が支えて、そのまま抱き合う形になるんだけど‥‥なんだか想いが通じ合ってない抱擁は切ない‥センチメンタルになるよ‥;;←
屋上に着くけど、さっきのことで余計ぎこちなくなった二人。

(そんなことない‥‥。きっと気のせいだ‥)

自分に言い聞かせるように心の中で呟いた。
自分が暗くなってどーする!と自分に喝を入れ、明るく振る舞って話題を変えようと山本くんの方を振り返ると、山本くんはただじっと主人公を見つめていた。

「ほら、山本くんも外の空気をいっぱい吸おうよ!」

山本くんの悲しい目に引きずられないように、主人公は必死で元気なフリをする。
目を合わせるのが怖くて、笑顔のまま背を向け、また言葉を発しようとした時。
カラン!!
松葉杖が倒れる音がして振り返ろうとしたら、背中から抱きしめられた。

「‥山本くん‥?」

山本くんは主人公の髪に顔を埋めるようにして、ただ、ぎゅっと強く抱きしめてくる。
主人公を抱くその腕が‥、わずかに震えているように感じた‥。

「山本くん‥、どうしたの‥?」

再び呼びかけてみるも、無言。

(どうしちゃったの‥?山本くん‥)

しばらく身を任せるも、胸を締め付けられるような切なさが主人公を包んでいた。

「‥‥別れよう」

わぁああぁ‥‥‥;;
絞り出すような、弱々しい声でそう言われた。

「‥な、なんでそんなこと言うの‥?」

背中から抱きしめられたまま、主人公は震える声で聞き返す。

「これ以上、こんな情けない姿‥‥〇〇に見せたくない‥」

「そんな‥、私は山本くんのこと情けないなんて思っ‥」

「ゴメン」

山本くんは主人公の言葉を遮り、身体を離してそのまま屋上を出て行ってしまった‥。
主人公は追い掛けることも出来ず、屋上でただ一人取り残された。
気が付けばもう夕方。
てか主人公が‥‥主人公がもうなんか諦めモードなんですけど!?
山本くんとのことを振り返って感傷に浸ってる場合じゃないだろっ!!!
その時、聞き覚えのある声が主人公を呼んだ。

「〇〇!」

やっちゃあぁあぁん‥‥

「一人か?あのバカ野郎が気になって来てやったのに、颯太のやつ、病室にいなくてさ」

泣き顔を見られなくなくて、主人公は振り返らなかった。
でも‥

「‥お前‥また泣いてんのか‥?」

「‥‥」

顔を覗き込まれ、すぐにばれてしまう。

「‥‥なんだよ、〇〇はホント泣き虫だな!」

泣きたくもなるよ~‥
前回は主人公に対してボロクソだったけど、今回のはさすがに何も言えん‥
茶化すように言い、何があったのか聞いてくる。
山本くんにフラれちゃったことを報告すると、やっちゃんは驚いた顔をしたけど何も言わなかった。

「情けない姿を見せたくないから‥、別れたいって‥」

「‥‥」

やっちゃんは何も言わず、黙って主人公の話を聞いていた。
それからしばらく、主人公たちはお互い無言のままで‥その沈黙を破ったのはやっちゃんだった。

「なあ‥?」

今まで見たことのない、真剣な眼差しで主人公を見つめるやっちゃん。

「‥‥俺じゃ、ダメか?」

キター‥‥
やっちゃん、狙いどころが的確だよ‥‥落ち込んでるときに告白されると、ましてや高校生なら絶対少しはぐらっとくるよー‥

「‥え?」

一瞬、何を言われたのか分からなかった。

「俺にしとけよ‥!」

(あっ‥)

力強く抱き寄せられた。

「や、やだな、やっちゃん、ふざけないで」

「ふざけてねー!!」

慌てて離れようとしたけど、更にぐっと抱き寄せられる。

「‥ごめん、やっちゃん。でも私、山本くんが好きだか‥‥」

「知ってる!」

主人公の言葉を遮り、強く抱きしめてくるやっちゃん。

「そんなこと知ってるけど‥、でも、好きなんだ‥」

振り絞るような声で言われ、主人公はそれ以上抵抗できなくなってしまう。

「‥‥やっちゃん‥」

(‥私‥、どうすればいいんだろう‥‥)

やっちゃんの優しさにすがりつきたくなってる自分に気付き、どうしていいかわからなくなってしまった‥

選択肢


足、痛む?

関係ある!と反論する












(山本くん、少しは元気出たかな‥)


モトクロスの試合で転倒してしまった山本くんは、右足を骨折して入院した。

やっぱり怪我に‥;;

学校帰りにお見舞いに来た主人公は、病室に向かう途中看護師さんたちの立ち話しを耳にした。


「モトクロスやってた子らしいよ」


(‥山本くんのこと?)


「可哀想にね。リハビリしても競技に復活できる可能性は20%だって‥」


同情に満ちた声で話しながら、看護師さんたちは行ってしまった。

というか、実際ではこんな話をこんな時間にはしないはずだ‥

誰が聞いてるかわかんないじゃん。

主人公は不安な気持ちをかかえながら病室へ。

でもそこには山本くんの姿はなくて‥


(‥どこに行ったんだろう?)


「そこの兄ちゃんなら、さって出て行ったよ?」


同じ病室の患者さんがそう言ってくれた。

どうやらちょくちょく屋上に行ってるらしいってことを聞いて屋上に行ってみると、果てしなく負のアーラ漂わせてる山本くんが‥(-。-;)


「‥‥」


「‥足、痛む?」


励ましたら余計つらいだけかもと思い怪我の状態を聞いてみた。


「‥いや」


ギブスに包まれた足を見下ろし、山本くんは一言だけど答えてくれた。


「ここ、気持ちいいね」


山本くんの気を紛らわせたくてそう言ってみたけど、山本くんは会話に乗ってこない。

そこまで気を遣える状態じゃないだろ‥;;

しばらく黙ったまま海を見つめてると、山本くんが呟いた。


「‥聞いたんだろ?」


「え?」


「もう俺、モトクロスできないって‥」


目を伏せて消え入りそうな声で言う。


「で、でも、骨折が治ってリハビリすれば‥」


「じん帯がやられてる‥」


・・・うわー‥‥それは‥


「右膝のじん帯損傷‥、致命的だ」


「‥‥」


(骨折だけじゃ‥なかったんだ‥)


再び重い沈黙が流れ、洗濯物のシーツが風になびく音がやけに響く‥

その音に紛れるようにして、山本くんが小さく言った。


「帰れよ‥」


「え‥?」


「‥帰ってくれ」


主人公を見ず、海を見つめたまま言った。

何か言いたいけど、言葉が見つからない。

悲しそうな山本くんの横顔を見つめ、主人公は何もいえないままその場を後にした。



‥翌日。

昼休み、マキちゃんたちとおしゃべり。

主人公はずっと朝からぼーっとしてるらしく、みんな心配そうな顔を向ける。


「どうなの?彼氏の怪我の具合」


「うん‥‥、ちょっと時間がかかりそう」


詳しいことは言わず、そう言っておいた。

致命的なんて、そんなこと口に出したくはなかった。


「今日も病院行くの?」


「当ったり前でしょ!愛するダーリンのために毎日通うんだよね~」


「は、はは、そうでーす!毎日顔見せろって言われてるし!」


そんな嘘をおどけて言ってしまった。

嘘でもテンション上げたくなるよね‥こういう時。

どうしても気になって、結局今日も病院へ。

でも山本くんの姿は見当たらず、看護士さんに聞くと外出届を出して出て行ったって。

外に出て、山本くんに電話をかけるけど応答なし。

まさか自暴自棄になって変なこと考えたりしてないよね‥?って不安に思いながら、やっちゃんのとこに行ってるのかもと電話をかけてみる。


「‥もしもし?○○から電話なんて珍しいな!」


「やっちゃん、山本くんと一緒じゃない?」


「は?颯太なら病院だろ?」


やっちゃんは何も知らない様子。


「病院に外出届を出して出かけてるらしいんだけど、連絡が取れなくて‥」


「そうなんだ‥。アイツのことだからモトクロス場じゃねーの?」


(今の山本くんがモトクロスを見に行くだろうか‥?)


そんな疑問がって‥普通に考えてそこしかないだろ。

競技が出来る確率20%ーって言われても、そんな諦められるもんじゃないじゃん。

主人公はやっちゃんにお礼をいい、モトクロス場へ。

するとコーチが声をかけてきてくれて、山本くんはここにいるみたい。


「あいつ、モトクロスやめるって言ってきたよ‥」


ほっとしたのも束の間、コーチの言葉に再び不安が広がった。

ここ、不安っていう言い回しおかしくない?

複雑、とかならまだ分かるけど。

そもそも一番辛いのは山本くんでしょ。


(それを伝えるためにここに来たの‥?)


そんなのまだ早すぎる。

少しでも、可能性はあるんだから‥


「すっかり自暴自棄になっちまってる」


「‥‥山本くんのところに行ってきます」


「ああ。そうしてやってくれ‥」


コーチに頭を下げ、主人公はコースの方へ。


(‥‥山本くん‥)


土煙が舞うコースの脇に、山本くんの姿があった。

松葉杖に身体を預けるようにして、じっと練習風景を見つめている。


「山本くん‥」


主人公は寄り添うように山本くんの隣に立った。


「○○‥」


少し驚いたような顔をしたけど、すぐに思いつめた表情に戻ってしまった。


「何度も電話したんだよ?メールもしたし‥」


今の山本くんに対してそんな責めるみたいな言い方やめてくれないか。


「‥‥」


「心配したんだから‥」


あー‥もうなんかひっじょーにイライラするのですが、この主人公((o(-゛-;)

自分がどうのこうのよりも、山本くんに対してもっとあるでしょ、なんか!

シンデレラの方の主人公こっち来てくれないかなぁ‥←

何を言っても黙っている山本くん。


「‥モトクロス、本当にやめちゃうの?」


「‥お前には関係ない」


主人公には目を向けず、ぼんやりと練習を見ながら言う山本くん。

自分の想いが山本くんには全然通じてない。

そんな簡単に通じるもんか?人の想いって。

関係なんて言わないで‥というも、山本くんは何も答えない。


「‥そろそろ病院に戻ろう?」


「‥‥」


「ここでこうしてても‥」


「ほっといてくれ!」


うん、私も山本くんの立場だったらそう言う。

ここでこうしていても仕方ないとかじゃないでしょ?

自分の想いを相手にわかって欲しいなら、あんたも山本くんの気持ちを汲んでやれよ。


「‥ほっとけないよ。こんな状態の山本くん、ほっとくことなんてできないよ!」


「‥こんな状態の俺ってなんだよ?」


「え‥」


「お前に俺の何がわかるんだよっ!!」


何も言い返せなかった。

わかってるつもりだった。

山本くんがどれだけ辛くて、どれだけ悔しいか、わかってるつもりだった。

わかってるような感じが微塵もなかったけど?


「‥頼むから、ほっておいてくれ‥」


山本くんは不自由な身体を動かして主人公に背中を向けた。

支えたいのに、支えるすべがない‥

悔しくて思わず涙が出てきてしまった。


「‥おい!」


やっちゃぁあぁあん‥‥

主人公は慌てて涙を拭った。


「‥ヤス、なんでお前が‥」


「なんでじゃねーよ。‥こいつから変な電話が来たから、気になって様子見に来たんだよ」


「‥電話?」


居場所が分からなくてやっちゃんに電話したーのくだりを話してたら、やっちゃんがふと何かに気づき、眉をひそめた。


「‥お前、泣いてんのか?」


「‥な、泣いてないよ」


無理に笑おうとするも、顔が引きつってうまく笑えない‥


「‥‥」


ちょっやっちゃんが怒った!!

やっちゃんは、視線をゆっくりと主人公から山本くんへ移した。

その顔には、みるみる怒りの色が浮かんでいる。


「‥‥」


それを黙って見返している山本くん。


「おい、なんで黙ってんだよ。‥てめぇ!なに自分の女泣かせてんだよ!」


怒りをぶちまけるようにやっちゃんが怒鳴った。


「‥‥」


山本くんはスッと視線を逸らすと、無言のまま主人公たちの前から立ち去っていった。

いやぁ‥なんか山本くんが悪いみたいな感じになってますけど、あの~‥?