前回は、偏差値58が示す「断絶した道」の厳しさについてお伝えしました。


では、具体的にどうすれば、偏差値55の地点から「絶壁」を登り、志望校の合格圏にたどり着けるのでしょうか?我が家で実践し、効果があった対策を交えながら、具体的な方法を3つの観点から考察していきます。


​1. 学習方法を変える:「量」から「質」への転換 💡


​偏差値55までは、真面目に宿題をこなせば成績が伸びやすいです。しかし、その先は「どれだけたくさん問題を解いたか」ではなく、「どのように問題を解いたか」が重要になります。



  • 「なぜ間違えたか」の徹底分析: 🔍
    ケアレスミスなのか、知識不足なのか、それとも解法を理解していないのか。我が家では、テスト前にはテキストの例題を完璧にすることを重視していましたが、さらに確認テストに穴がないかを徹底的に確認しました。

  • 考え方を言語化する訓練: 🗣️
    模範解答をただ写すのではなく、なぜその解法になるのかを自分の言葉で説明できるようにします。我が家では、塾の帰り道でその日に授業でやったことを話してもらうようにしていました。人に話すことで頭の中が整理され、記憶の定着が図られるからです。


​2. 親の関わり方を変える:「管理」から「伴走」へ 🤝


​この時期は、お子さんのメンタルが不安定になりやすいです。親が単に「勉強しなさい」と管理するだけでは、かえって反発を招くことがあります。



  • 頑張りを具体的に認める:
    「また間違えてる!」ではなく、「この問題、ここまで考えたね。すごいね」と、結果だけでなくプロセスを褒めるようにしましょう。

  • 学習環境を「一緒に」整える: 🏠
    お子さんだけに任せるのではなく、保護者が一緒に学習計画を立てます。塾の先生とも密に連携を取り、お子さんの弱点や進捗状況を共有しましょう。


​3. 戦術を見直す:「全て」を目指さず「得意」を伸ばす 🎯


​この時期に全てを完璧にしようとすると、非効率になりがちです。志望校合格に向けて、戦略的に学習を進めることが重要です。



  • 得意科目を『圧倒的な武器』にする: 🛡️
    苦手な算数を少しでも上げるより、得意な国語を圧倒的な得点源にする方が、全体偏差値は上がりやすいです。特に配点が高い科目や、得点しやすい科目を見極めましょう。

  • 地道な積み重ねを徹底する: 📝
    我が家では、計算と漢字は完璧にすることを常に意識しました。毎日の積み重ねが重要となる部分なので、ここを落とさないように注意しました。また、小5後半から小6にかけては、算数の標準問題を見た瞬間に解法がわかるレベルまで定着させると、点数に直結しました。


​偏差値55から58の「絶壁」は、確かに険しい道です。しかし、それは決して登れない崖ではありません。学習の「質」、親の「伴走」、そして「戦略」を正しく見直すことで、その道は必ず開かれます。この壁を乗り越えた先には、お子さんの可能性を大きく広げる志望校が待っています。🌸