前回、『ズッコケ三人組』シリーズが、息子にとって読書習慣のきっかけとなり、楽しみながら語彙力や想像力を育んでくれたお話をしました。




 

 



 

 


 

 


かいけつゾロリの次の一冊で出会ったズッコケ3人組シリーズですが、

今回は、このシリーズがなぜ中学受験の「国語力」につながるのか、もう少し具体的に掘り下げてみたいと思います。


​1. 多様なジャンルが「読解力」を鍛える 🧠


​『ズッコケ三人組』の特筆すべき点は、その驚くほど多様なテーマです。



  • ミステリー🕵️:『ズッコケ三人組の死神人形』など、謎解きを通じて論理的思考力が養われます。物語の伏線を追いかけ、登場人物の行動から真相を推理する過程は、国語の論理的な文章読解に似ています。

  • SF・ファンタジー🚀:『

    ズッコケ三人組のバック・トゥ・ザ・フューチャー』のように、現実離れした設定を読み解くことで、状況を把握し、設定のルールを理解する力が鍛えられます。これは、説明文や科学的な文章を読む際の、情報整理能力につながります。


  • 社会派テーマ🏫:『ズッコケ三人組の学校大運動会』では、学校の在り方や仲間との関係など、社会的なテーマが扱われます。登場人物の葛藤や意見の対立を描いた話を読むことで、物事を多角的に捉える力が育ちます。これは、意見文や随筆の読解に不可欠な能力です。


​このように、様々なジャンルの物語を読むことで、お子さんは知らず知らずのうちに、どのようなタイプの文章にも対応できる柔軟な「読解力」を身につけていくのです。


​2. ユーモアとリアリティが「心情読解力」を育む 😉


​中学受験の国語で、多くの受験生が苦戦するのが「心情読解」です。『ズッコケ三人組』は、この力を育むのに最適な教材と言えるかもしれません。


​ハチベエ、ハカセ、モーちゃんの三人は、それぞれ個性的な性格をしています。



  • ハチベエ:トラブルを起こしがちですが、根は優しく正義感が強い。

  • ハカセ:知識が豊富で理論派ですが、時に自分の考えに固執してしまう。

  • モーちゃん:のんびり屋で温厚ですが、いざという時には強い信念を示す。


​作者の那須正幹さんは、彼らの行動やセリフを通して、「なぜそのように考え、行動したのか?」という心の動きを丁寧に描いています。友情の葛藤、失敗した時の悔しさ、他者への共感など、子どもたちが共感できる等身大の感情が詰まっているため、読者は登場人物の気持ちを自然に想像し、深く読み取ることができます。


​物語を読み進める中で、「この時、ハチベエはどんな気持ちだったんだろう?」「ハカセがそう言ったのは、なぜだろう?」と、自然に考える習慣が身につきます。これは、国語の設問にある「登場人物の気持ちを説明しなさい」といった問題へのアプローチ力を高める土台となります。


​3. 楽しみながら身につく「語彙力」と「表現力」 🗣️


​『ズッコケ三人組』シリーズは、1978年から2004年にかけて出版された本編だけでも50巻あります。その膨大な物語の中で、子どもたちは驚くほど多くの言葉や表現に出会います。


​例えば、



  • 擬音語・擬態語:「ドタバタ」「モジモジ」といった表現が、状況を生き生きと伝えます。

  • 慣用句・ことわざ:物語の随所に自然な形で登場し、その意味を文脈から理解することができます。

  • 心情を表す言葉:「安堵」「落胆」「不満」「好奇心」など、様々な感情を表す語彙が、物語を通じて定着していきます。


​これらは単に言葉を覚えるだけでなく、「この場面ではこの表現を使うのか」という実践的な学びになります。楽しみながら身につけた語彙力と表現力は、作文や記述問題で自分の考えを的確に伝える力につながります。


​単に「本を読みなさい」と促すだけでなく、お子さんが心から夢中になれる一冊に出会うことが、国語力を伸ばす一番の近道だと感じています。もし、次に読む本を探しているなら、ぜひ『ズッコケ三人組』を親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。👦👧