山口県無形民俗文化財、天下の奇祭「数方庭祭」
が8月7日から始まりました。
下関市長府の忌宮神社の境内で、午後7時、神事
からスタートします。
第14代仲哀天皇の御代、ここに豊浦宮(仮の
皇居)が置かれました。
九州の熊襲(くまそ)を煽動して、新羅の塵
輪(じんりん)が攻めてきます。
仲哀天皇は苦戦を強いられますが、最後に
天皇自ら放った矢で敵の大将・塵輪を倒し
ます。
賊軍は敗走し、兵士は矛をかざして旗を振って
歓喜に沸きました。
塵輪の首を埋めた鬼石の周りを踊り廻ったと
言われています。その日数は、なんと一週間。
それで、数方庭祭も毎年8月7日から13日までの
一週間、毎晩続けられます。
こうしてこのお祭りは1800年の歴史を重ねてきました。
驚きの長さです。
数方庭は、男の子が生まれたら幟を、女の子が
生まれたら切籠(きりこ)を出します。
神事の後に、鬼石のところに太鼓と鉦を設置し、
心地よい音の中、切籠、小幟、中幟、大幟の
順に鬼石を廻るのです。
笹竹に、切籠灯籠、短冊などの飾り付けがされた
ものを持って女性や子供たちが、廻りだします。
幟の竹は、孟宗竹と真竹の二本継ぎ。
その先端には鳥毛を付け、ダシとよばれる家紋や
社紋などを染め抜いたものを付けて、白い幟を
取り付けます。
観客から「がんばれ〜〜!」という声援が境内に響きます。
大人の持つ竹の太いこと!
小さい頃から大人になるまで、毎年参加すること
でこんな大きな竹を持って動くことができるよう
です。
飛び入り参加した人の話では、とてもじゃないけ
ど持っているだけで精一杯。鬼石の周りを3周も
するなどは至難の業だと思ったそうです。
夜も更けて、風も少し吹いてきます。
太鼓と鉦の音がなんとも心地よいです。
太鼓、締め太鼓、鉦の練習は、お祭りの20日前
から始まりますが、毎夕境内から聞こえてくる
「数方庭太鼓」の音に、長府の人々はお祭りが
近づいたという夏気分になるそうです。
さて、本殿にお参りしようと移動してみました。
両脇に幟が立っています。
そこには、このような文字が書かれています。
数方庭祭の期間中、拝殿前にそれぞれの家紋を
染め抜いた幟が立てられるのです。
これは、数方庭に対する長府藩主の信仰と、乃木
将軍を生んだ敬神の家(現・乃木神社)を忍ばせ
るものとして、ここに立てられているのです。
乃木希典は長府藩の出身で、地元では今も大変
崇拝されています。
ここに祀られている仲哀天皇と、その父親である
ヤマトタケルが白鳥になったという伝説。
日本人の心に、神や天皇への畏敬の気持ちがある
かぎりこのお祭りはずっとずっと引き継がれてい
くのでしょう。












