以下は私が個人的に感じていることで、思い込みも多分にあると思いますのでご了承ください。数字などはネット上で調べたことですが間違っていたら申し訳ございません。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回は以下の記事に関する続きです。

 

関連記事の最初はこちらから。

 

中堅校の難化傾向ですが、全ての中堅校で受験者数が増えているかといえばそんなことはなく選別は行われているようです。所在地や進学実績、校長の交代、プログラムの変更、大学の付属化や高大連携その他いろいろな背景が絡み合っているのでしょう。

 

都心から西の区部に関しては私立の数も多く鉄道網も細やかで、どこに住んでいても私立校を選び放題な感があります。これが東部になると若干不便になります。志望校を1校、2校選ぶならいいのですが、4校、5校となると、時間にして10分~30分通学時間が増えかねません。首都圏の私立中学一覧マップを見ると一目瞭然なのですが、東部は学校の数が少な目です。

 

「東京周辺」としてみたときに、神奈川の場合都内へのアクセスが比較的容易です。それに加えて横浜や湘南地区などの人気エリアがあり所得が高い層がいること、歴史的背景もあり有名私立が昔から点在すること、中学の内申制度が厳しいことなどから県内での私立中受験も盛んです。これが、埼玉・千葉になると事情が違います。その広さから東京へのアクセスの悪い地域も多く公立王国の為、中学受験率は全国平均を下回ります。ただ、それだけに東京東部、千葉、埼玉の場合、周りに流されるというよりは明確な意思をもって中学受験に臨む家庭の割合が高い印象があります。

 

私のブログといえば千葉が話題に上ることが多いので、この地域の人気が上昇している中堅校について触れてみようと思います。コロナ禍の間は、通学中の感染リスクの恐れなどから都民の千葉受験数は落ち込みましたが、昨年から元に戻りつつあります。

千葉といっても私立中学に関しては北西部に集中しています。やはりこれは東京の存在が大きく、東京のベッドタウンとして人口が多くアクセスがいい事や、地価が高めで世帯収入の高い層が一定数いる事、東京在住で千葉も通学圏に入っている層がいる事等が理由だと思われます。具体的には、最近人気の柏から松戸、市川にかけてと東は浦安、船橋、幕張辺りまでが中心になるでしょうか。ちなみにサピックスは都内で見ると東京校より東は空白地帯になりますが、柏・松戸・浦安・西船・海浜幕張には校舎があります。この地域の中学受験が盛んな事がわかる例だと思います。(高校受験にかんしても有力校揃いです。)

 

東東京・千葉エリアで、2024年度受験者数が大幅に上昇した学校の例として国府台女子と江戸川女子があります。国府台は千葉でただ2校残る女子校の一つです。都内女子校の併願校としても人気があり、国府台女子を受ける人は共立女子、大妻女子、江戸川女子、品川女子等を併せて受ける人も多いようです。昔から地元のお嬢様も多く通う伝統校で小学部もあり、大学の推薦枠も多く持っている学校の為人気を保ち続けています。2023年度に昭和女子大・東京女子大・日本女子大との高大連携協定を締結。更に2024年5月には神田外語大学、順天堂大学、東邦大学(理学部)との高大連携協定も締結しました。これは大学推薦枠の更なる確保も示唆するため人気が急上昇し、受験者数の大幅アップに繋がりました。2024年の三大学連携は2025年度の更なる人気につながるかもしれません。千葉県という事で敷地も確保され、校舎も奇麗で図書館は大きく、2023年度から制服も変わり、パンツスタイルも選べるようになりました。

 

千葉県もう一つの女子校で大学まである和洋国府台も人気が高まってきています。中堅校の人気の高まりと安定志向がそのもう少し下の層まで波及している例だと思います。

 

江戸川女子は多数の受験形態があり、4科入試に加え、適正型入試、英語特化型入試、基礎学力型入試と門戸が広いです。都市型で校庭などは江戸川の河川敷にあります。入口の偏差値が中堅レベルに位置するのに対し出口が非常にいいです。高入組の実績が良いからだと誤解されがちですが、中学から鍛え上げられて大学合格を勝ち取る人も多いそうです。その為管理型の教育を望む家庭に人気があり、今年は受験者数を伸ばしています。

 

共学で言うと昭和学院も人気が出ており偏差値を伸ばしています。小学校から短期大学まで同じ敷地内にあり、2023年には神田外語大学や順天堂大学と高大連携をしました。サイエンスアカデミーコースを新設しこれが人気となっています。

 

東東京ということで注目すれば、グローバル教育に力を入れて飛躍的に受験者数が伸びている男子校の足立学園があります。

埼玉で言えば駅前再開発後の川口、神奈川で言えば武蔵小杉周辺は東京へのアクセスが良く世帯収入も高い人がいるため、県内外の私立に通う人も一定数いる印象です。

 

東京で特筆すべきは豊洲地区でしょうか。友人が豊洲地区に勤めていてよく話を聞くのですが、小学校が足りない状況がずっと続いているそうです。今豊洲に移り住むにはかなりの収入が必要なように思います。ここの住人が受けやすい学校といえば芝浦工大附属とかえつ有明でしょう。

 

芝浦は大学付属で、就職が安定している工学系であり理系が得意な受験生に人気が高いです。外部の大学受験の道も開かれており(芝浦工大推薦は諦めたうえでの受験になります)、その点の学校の拒否感は無いようです。もう中堅校と呼べるレベルには無くなってきており、2025年からは入試日程も2日に減り2026年からは社会が試験科目に追加されます。もともと偏差値以上に算数の問題が難化してきていたという話もある上、問題をヒアリング形式で出す(全教科一定割合)という特殊性もあります。かえつ有明は英語の授業が充実しており、グローバルな雰囲気が人気の学校です。

 

豊洲地区から通える中堅校の場合、実績や伝統や推薦枠などの面から人気が高まっている学校として安田学園があります。大江戸線で18分の距離です。複数回試験を行っているので受けやすいですし、最近は落ち着いた感じの生徒も多くなりめきめきと偏差値も上がっていっています。

 

女子校で言えば清澄白河の中村中学があります。豊洲から11分です。知り合いにここが母校の人がいて話を聞いたことがあります。昔からずっと偏差値は高くなかったのですが、地元のお嬢様も通っていたりして品が良く、なんでこの学校に?っていう位頭の良い人も混ざっている学校だったそうです。清澄庭園の隣にあり駅からも近く環境は抜群です。二十数年前に校舎が新しくなりいまではカフェもあります。首都模試の会場として利用させて頂いたことがありますが、その時の説明会で在校生が頑張っている姿を目にしたことがあります。1家族に1人生徒がつき校内を案内して周り、質問にも丁寧に答えていました。生徒が主体となって学校説明会を行う「中村AMBASSADOR(生徒)による学校説明会」を開催していおり、生徒が司会を務め学校紹介や校内見学などを行っているそうです。近年は進学実績も伸びてきており、地道な活動と立地が相まって受験者数を伸ばしています。東東京の女子校受験者にとっても注目を集めている学校でしょうか。

 

東京都心から西に関しては地区の影響など関係なく、様々な中堅校で受験者数が増加しています。明治大学付属になるという事で人気を集めた日本学園、北里大学の付属校となる順天中学・高等学校、順天堂大学の系属校となる宝仙学園。

 

理由を挙げるときりがないので割愛しますが、中堅校以下で人気が高まっている学校として、

男子校なら日大豊山、京華、聖徳学園、獨協、聖学院、佼成男子など。

女子校なら、普連土、三輪田、京華女子、跡見、大妻中野、佼成女子、東京女学館、麹町学園女子、穎明館、十文字など。

共学なら東洋大京北、日本工業大学駒場、目黒日本大学中学、多摩大学目黒、文化学園杉並、郁文館、立正大学付属立正、目白研心など。

 

あげるときりがありません。去年人気があった学校が今年人気になるかといえばそうも言いきれないところがあります。子の生活の安定を求めて受験する、させる家庭が中堅校志望には多い気がしています。もちろん理由は様々でそれは最初の記事に書いた通りです。ただ安全志向の志望校選びをしたときに、人気校は避けたいという心理も働きます。なので下位校まで受験者数が増え難化が進んいるのでしょう。

 

安全、安定志向が引き起こす不安定な状況です。

 

続きです