もう40年近く前に私が中学受験した時は、私立でも受験の際には調査票が必須でした。学校の先生に書いてもらうあれです。40人弱のクラスに3,4人受験する人がいたのですが、担任はあからさまに面倒臭そうな態度を見せていました。

当時は教師が力で生徒を押さえつけていた時代なので、学級崩壊とかも少なく、先生に反抗的な態度をとる生徒も稀でした。受験組も真面目に授業を受け、学校の授業を馬鹿にすることもありませんでした(少なくとも私のクラスでは)。それでも、受験組は好かれていなかったように思います。

「おい!塾組!この問題解け!」

みたいな扱いは受けていました。ただ、理不尽が当たり前の環境なので、別段何とも思っていませんでした。

 

昨年の事ですが、4年生の夏休み明けに息子の学校の個人面談がありました。

担任は公立には珍しく、十数年異動してない男性の学年責任者でした。最初ににこやかに

「夏休みの過ごし方はどんな感じでしたか?」

と聞かれたので、何も考えずに

「塾の夏期講習に行ってました。」

と答えたところ、いきなり眉間に皺が寄りました。そして低い声になって

「私、受験の事とかわからないので、ただお聞きしたいだけなんですけど、小学四年生からそんなに根詰めて勉強しないと受からないもんなんですかね?」

と、非難するような口調で聞かれました。夏期講習に行っていたと言っただけで、何日とか一日何時間とかの話は一切していません。(実際は1日約4時間が16日、それに追加講習4日間でした)

 

ああ、余計なこと言わなきゃよかったな、受験生とその親を敵視するタイプの教師だったか、とちょっとだけ後悔しました。

 

ですが、別に悪い事をしているわけでもないし、無理に長時間やらせてるわけでもない。先生の中では受験勉強=教育虐待並みの詰め込み勉強させられてる、という図式が出来上がっているようでした。

 

そこで、私自身中学受験経験者な事、受験は息子が決めたことであること(その経緯は以下の記事で)

いろんなことに興味を持ち、いろんな疑問を次から次へ口に出すこと、講習後も居残り勉強をさせてくれと言い、その時間を出来る限り伸ばそうとすること(長すぎるので何時までと決めて迎えに行っていました)、などを話しました。そして私が、
 
「勉強ができる事は、絵が得意だったり、スポーツが得意だったりする事と同じで、あくまで能力の一つでしかない。お前は人よりは勉強ができるかもしれないけど、得手不得手は人それぞれあるから、その事で人を見下したり自慢してはいけなよとよく話しています。」(あくまで学校の授業のレベルの話です)
 
と言うと、
 
「確かにそういうところは見られないです。勉強に関しては一目置かれている所はあります。そういう態度が見られるようなら、学校でもそれは違うと言うようにします。」

 

と、まだ嫌そうな顔をしながらおっしゃってました。自ら居残り自習をしているのが信じられないらしく。

 

「私だったら絶対考えられないですね。」

 

ともおっしゃってました。結局、小学校の短い面談時間では大して話も出来ず終わってしまいました。学校では大人しく、何の問題も起こさず、仲のいい友達と色々な遊びをしていることだけは聞けましたが、まぁ、普段から息子とよく話すので目新しい事は聞けませんでした。

 

息子は読書が好きです。夏休みの読書カードも書ききれず「裏へ続く」と矢印ひっぱって、びっしり40冊くらい書いたのですが、「なんかいっぱい書いてありましたね。」との感想でした。先生、裏まではは見ていなかったようです。

 

私は家に帰って息子に謝りました。塾の事言ったから、先生からあたりが厳しくなるかもしれない、もしそういう事があったら言って欲しい、と。

 

幸い特にかわりなく過ごし、その先生は5年に進級するときに異動していきました。

今は平和に過ごしています。

 

あ、面談中に私は普通の口調で話していたので決して言い争ってはいませんよ。最後はにこやかに笑って終わりました。