娘の中学受験は、娘の意思によって行われたものです。友達からの影響が主であり、私が昔した話も関係があったかもしれません。

 

 

 

息子は3年生4月から進研ゼミをやっていました。娘が中学受験の勉強をしているのを見て「もう少し難しいものをやりたい」というので、進研ゼミの考える力プラスを8月から追加しました。そして四谷大塚のはなまるリトルという教材を買ってやってもらいました。勉強している息子を見ていて私は『可能性』を感じました。国語は苦手でしたが、数的理解、ひらめき、楽しんで考える事、空間の把握や理解、全てにおいて娘に勝っていました。しかも私なんかより、おそらくずっと地頭がいい、、、

 

息子は小さいころから折り紙やLaQが大好きで、よくやっていました。普通のゲームも好きでしたが、マインクラフトやスクラッチ、どうぶつの森、はじめてゲームプログラミングなど、創作系のものを好みました。LaQで誰かが作った車の写真一枚を見ると、設計図もないのに作り始めて、見えない部分は自分で想像して作ってしまう子でした。親バカですが、すごいもんだと感心したものです。

 

息子に関しては、コロナも落ち着き新4年から塾に通わせるつもりでいました。ただ、受験塾か補習的な塾かは息子に選んでもらいました。息子は迷いなく「自分も受験する」といい、受験塾を選びました。娘の様子を見ていたので、それがどれだけ大変な事かは感じていたと思います。難しい問題が解けたときの達成感や喜び、親の反応、父親とずっと一緒に勉強している姉へのちょっとした羨ましさ(実際息子のケアは妻にまかせっきりでした)、その他色々な要因があって選んだのだと思います。

 

親としては挑戦するという息子を見て喜ばしくもありましたが、内心迷いもありました。

 

私の頃の中学受験は今ほど過酷ではありませんでした。季節講習は12時間ありましたし、塾の時間は今とさほど変わりませんでしたが、求められる内容は今の方が難しいです。私は第二次ベビーブームの頂点あたりの世代です。私立の数は今よりずっと少なく、人口は多く、各校ごく一部を除いては一発勝負でした。問題自体は今より簡単で、それゆえに合格最低点が高かったです。つまり、いかにミスをしないかに注力する傾向が強かったのです。私の同級生も言っていましたが、問題が簡単すぎて、出来た自覚はあっても合格できたかは全く自信が持てなかったと。私もそうでした。故に、入学すると学力のレベルが今ほどまとまっていなかったように思います。

 

今の中学受験は過酷です。娘の伴走をしてそれは感じました。

 

息子に自分の中学受験の話をしたことがありましたが、再度詳しく話しました。それだけでなくその後の体験も話しました。大学卒業前にバブルがはじけており就職で苦労したこと。その時に学歴は役に立ったが、自分より学歴がよかったり、真面目だったり、努力したり、能力のある人間が次々と目の前で潰れていったこと。運というのは確かにあって、中学受験する事ですべてうまくいくわけではない事。途中道をそれることがあっても、どんな方向でも進む道はあるんだということ。そもそも受かるかどうかも未知数だし、受かっても私立では勉強し続けることが期待されること。ただ、もし落ちても努力したことは絶対に無駄にはならないし、知識は誰にも盗めない財産であること。なにより知ることは楽しみであること。

 

そのほか、ここでは書ききれない沢山の事をいろいろと話しました。息子はそれでも受験する(受験勉強をする)ことを選びました。

 

そこには確かに決意があったと思います。それでも未だに私は迷うのです。親の期待を敏感に感じ取ってそちらを選ばせてしまったのではないか。塾の後疲れてる姿を見ると、何もここまでして、、、と思ってしまったり。そもそも息子が通っている塾は難関校向けの塾ではありません。それでもやはり楽とは程遠い。息子自身頑張っていて、塾をやめたいとは微塵にも思っていないようですが、親が勝手にいきすぎかなと思ってしまうのです。息子の強さを知っていても、やはり迷ったりします。自分の記憶をたどると、私自身塾を楽しんでいたのに。受験はやめたいときにやめていいんだよと、無責任なことを言ってしまうのです。我ながら無責任で身勝手だと思うのですが。

 

息子に話したことがあります。

「君の場合、中学受験をしてもしなくても努力することを続けるならば、おそらく着地点は変わらない。大学を最初の着地点と言っていいならばだけど。公立でしか体験できない事もあるだろうし私立に関しても同じだ。高校受験をするか中学受験をするかの違いなんだと思う。」

 

結局私は弱いので、内心ではブレ続けています。ただ、出来ることは何でもしてあげようとは思います。いや、手を出さない事も出来る事のひとつかもしれません。今できることをしようと思うので、いつもハグするようにしています。今日も頑張ったな、すぎるくらい頑張ってるな、えらいな、お前は宝物だ、そんなことを言いながら頭をなでずっとハグしています。今はまだ手を振り払われることはありません。でも、もうすぐ恥ずかしがってハグもさせてくれなくなるんでしょうね。男の子ですから。

 

いまのうちにベタベタするようにします。