#地元では有名なパン【銀座木村屋のあんパン】 | 座って半畳、寝て一畳

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【銀座木村屋のあんパン】

 皆さんは、「あんぱん」と言うと、刑事ドラマなどで張り込みの定番、あんパンと牛乳の最強の組み合わせを想像される方も多くおられると思います。

 

 キムラヤの「あんパン」は、スーパーやコンビニで売られている菓子パンをイメージされますが、『銀座木村屋の酒種あんパン』は、全く別な食べ物です。

 

 今回は、銀座に行った時には、必ず立ち寄る、『銀座木村屋の酒種あんパン』について、お話を致しましょう。

 

 海外からパンがもたらされた時の日本には、イーストがなかった為、当時のパンは、ホップで作られていましたが、食感は固く日本人の口には合わなかった為、日本人に合うパンの研究をした末、酒種酵母を作り出す事に成功し、『酒種あんパン』を開発しました。

 

 酒種とは米と麹と水から作られた発酵種で、正式には酒種酵母菌のことを言い、米食文化である日本独特の酵母で、古来より、日本酒を造る時の発酵源として使われていました。

 

 イーストも酒種も同じ酵母と言う仲間ですが、増殖するために栄養源として、砂糖を製造する過程でできる糖蜜を栄養源として化学的に管理され、機械ラインで大量に製造されます。

 

 米と麹と水から作られた発酵種である酒種は米を栄養源とし、空気と水のきれいな所で自然の中より酵母菌を採取し、麹を手助けとして日数をかけて増殖する為、酒種は簡便性に於いてはイーストには劣りますが、風味の点においては優れた酵母です。

 

 しっとりとした生地にあんこの入った「あんパン」は、瞬く間に大好評となり、新しく出来た銀座煉瓦街であんパン作りに熱中していた木村親子は、以前より親交のある、山岡鉄舟に試食をお願いしたところ、西洋から入ってきたパンとは違う、酒種を使い、その生地であんこを包み焼き上げるという技術が心をとらえ、「木村家」の看板を書き、現在の銀座木村家入口に掲げられていいます。(※残念ながら、本物は関東大震災で焼失したようです)

 

 1875年(明治8年)に明治天皇が水戸藩下屋敷(現在の向島)を行幸される折、巷で評判の酒種「あんパン」を献上してはどうかと、侍従山岡鉄舟より勧められ、四月四日、奈良の吉野山より取り寄せた八重桜の花びらの塩漬けを埋め込み焼き上げた、季節感たっぷりの「あんパン」が明治天皇に献上されました。

 

 皇后陛下は、「あんパン」をことのほか気に入り、両陛下より「引き続きおさめるように」と賜り、天皇家への献上品となりました。

 

 明治7年に開発された酒種「あんパン」の味を受け継いで140年以上、酒種発酵種は代々酒種を守る種師に受け継がれ、もっともおいしい「あんパン」を現在でも提供されています。

 

 銀座木村屋では、あんパンに最適な生地を追求する為、小麦粉は『酒種あんパン』に最適に調合した小麦粉を製粉所に挽いてもらい、挽砕ごとに小麦粉の品質を確認し、あんパンの品質にブレが発生しないように品質管理し、生地の発酵管理があんパンの品質に影響を与える為、職人は生地を触り、生地の状態を見極めて、最高のじょうたい調整しています。

 

 現在、「木村家」は銀座本店の直営店向け製品のブランド名とし、「木村屋總本店」はスーパー・コンビニ向け製品のブランド名としている為、同じあんぱんでも全く別な食べ物と言っても過言では、ありません。

 

 銀座にお越しの際は、明治天皇も愛した、『銀座木村屋の酒種あんパン』を食べながら、文明開化の時代へ、想いを馳せて見ては、如何でしょうか?

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