【柔道部物語:かわいい後輩を育てる代償

 東京都知事選も始まり、色々な所で選挙演説が行われている光景を目にした時、以前よく繁華街などで、反社会的政治団体の方が、街頭演説や軍歌を大音響で街中を走る姿を見かけなくなった様に感じだ時に、学生時代に起きた事を思い出しましたので、お届けしたいと思います。


 毎年、全国大会が終了数する9月頃になると、4年生が引退し、近隣の者は実家に戻り、地方出身者は、仲の良い者同士で、大学近くにアパートなどを借りて体育寮を出て生活を致します。引退し稽古参加は自由となっていますが、参加する者は、ほとんどおらず、3年生を中心とした新体制となります。


 自分が4年生の時は、次期キャプテン候補が2名おりまして、キャプテンが決まるまでの約1か月間の間、キャプテン代理として、朝トレや稽古に参加し、開始と終了時に全員整列しての礼や稽古の号令などをして、怪獣の様な荒くれ者どもを率いておりました。(補欠の補欠でマネージャーしていたいきなりキャプテン代行とは、ビックリです😱


 当然、他の4年生より1か月以上体育寮を出るのが遅れましたが、都内に実家がありましたので、さほど不便は感じ通いられず、次のキャプテンが決まるまで、道着を脱ぐことは、できませんでした。


 時期キャプテンも決まり、自由の身になれましたので、近所でルームシェアしている、同級生のアパートに良く遊びにいき、残された学生時代を楽しんでおりました。


 あるの夕方、いつもの様に同級生のアパートに遊びに行った折、銭湯の帰りに居酒屋で飲もうという事となりましたので、銭湯へ繰り出し、サッパリしとしたところで、いかにも反社会的政治団体(右翼)の方々に呼び止められました。

 

 引退しておりましたが、街ゆく人もよけて通るような鬼の柔道部に喧嘩を売って来るバカもそういませんので、何かあったら全員ひねりつぶしてやろうと思い、振り返り近くに行ってみると、特攻服を着たいかにもガラの悪そうな、お兄さんが数名立っておりました。


 「何か御用でもございますか?と返答いたしますと、リーダーらしき人が、お主らは、○○大学の柔道部の者か?とたずねて来まきました。どうやらこの方々は、我々の大学OBの方だった様で、銭湯帰りで大学のマーク入った柔道部のジャージを着ていたのを見かけて、声を掛けてきた様でした。


 少し立ち話をした後、ここであったのも何かの縁という事で、そのまま居酒屋へ同行しご馳走して頂く事となりました。


 当時の我々は、ご飯を食べさせてくれる人は、神様でしたので、強面の大きな身体をした後輩から押忍、先輩!」と店中響き渡る大きな声でおだてられ、料理やお酒をテーブルに乗りきらない程、注文し大変楽しい時間を過ごすことが出来ました。


 会計時にOBの先輩方は、少しひきつっていたような感じもしましたが、まあこれも可愛い後輩を育てるという意味のある行為をさせてあげた代償として、ありがたくご馳走になり、お店を出た所で、元気よく『押忍‼️ご馳走に様でした‼️』とお礼を言って別れた後の帰り道、火照った身体に夜風が大変心地よく、アパートに戻り、明け方まで、語り明かしました。


 昭和の終わり頃に起きた、心温まる思い出アルバムの1ページとなりました。


 先輩達にとっては、悪夢の様な出来事だった事でしょう。押忍‼️



学生時代の夏の思い出

 

 

 

 

 

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