【七転び八起:理系女子の悩み】

 世の中には、食事を提供する施設が沢山あります。

 

 小・中学校の給食・会社の社員食堂・病院や施設など、数えきれないほどの場所が存在します。

 

 特に病院や施設は、朝・昼・夕(3食)365日休むことなく、提供されており、以前は、直営で運営をしておりましたが、大変難しく、費用もかかる為、給食委託会社へ委託し、食事の提供をしている施設が数多く存在いたします。

 

 20年ほど前、私が給食委託会社に勤務している頃、委託先の大学病院の検査課に勤務するお姉さん達と顔見知りになり、社員食堂で顔を合わせると、同席し一緒に食事をする程度に仲良くなった時の出来事をお話ししようと思います。

 

 大学病院は、最寄りの駅からバスで20分程の住宅地の中にあり、当時の病院周辺には、住宅と数件のコンビニくらいしかなく、彼女たちは、病院裏の寮で暮らしており、1日のほとんどの時間を病院の検査室と寮で勉強や睡眠に時間を費やしていたようです。

 

 休日は、疲労している為、買い物や合コンなどには一切行かずに、勉強と睡眠で休日が終わってしまう様で、出会いも無く、ナースなどの恋バナを聞くたびに寂しさを感じていると、よく社員食堂で相席になった時に、愚痴を聞かされておりました。

 

 頭もよく、容姿も悪くないのに彼氏が出来ても長続きしない事が私には、不思議でしたが、縁がないのだろうと、大して気にもせずに、若い女性たちとのランチを楽しんでおりました。

 

 ある日、いつものように職員食堂で彼女たちを見かけ、同じテーブルで食事をしていた所、最近は、検査の数も多くなり残業続きで、疲れて夕食は、コンビニ弁当かカップ麺ばかりだと暗い表情でぼやいておりました。

(少しやつれた感じ)

 

 若い女性が、コンビニ弁当やカップ麺ばかりでは、かわいそうに思い、夕食の予備で廃棄する食事でお弁当を作り病院側には、内緒で差し入れする事にしました。

 

 患者へ提供する夕食も終了し、予備の食事を廃棄する時間になったので、あまり物で適当に人数分の弁当を作り、検査室へもって行きました。

 

 院内の職員通路を通って、検査室へ行くと、案の定、顔見知りの理系女子数名が、検査機械の前で何やら忙しそうに作業を行っておりました。

 

 検査室の入り口から残り物で作った弁当を差し入れすると、作業を一旦中止し、弁当を食べる事となり、お礼にお茶を入れたので、ご馳走になる事となりました。

 

 紙コップに温かいお茶を人数分トレーにのせて、みんなに配ってくれたのっで、一つもらい口元に運んだ所、何となく違和感を覚えながら紙コップを見てみると、なんとそれは、検尿カップでした。

 

 検尿カップから、湯気のたつお茶を見ると、いま採取した検体そのものでした。

 

 目が点になって固まっていると、「カップは、新品だから大丈夫だよ!」と言ってお茶をおいしそうに飲みながら、お弁当を食べている、彼女たちを見ていると「そうゆう所だよ!」と思わず心が叫んだ瞬間、ランチタイムに抱いていた、疑問が解消されました。

 

 病院という特殊な場所で、働いていると、様々な人がいて、楽しかったです。

おつかれさまと言いたい人

 

 

 

 

 

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