【中野物産の都こんぶ】
赤いパッケージに梅のイラストの下に「都こんぶ」と書かれた小さな昆布のお菓子は、誰もが一度は、食べた事がある、国民的な駄菓子として、子供からお年寄りまでなじみのお菓子です。
発売当初から、今も変わることのない味と品質を守り続けるお菓子、そんな『都こんぶ』は
昆布問屋へ丁稚として奉公していた、創業者が日々の厳しい生活の中で倉庫の中にある売り物にならない昆布の切れ端をおやつの代わりとして食べながら「こんぶに味付けしてお菓子として、売り出したら売れるかもしれない?」という発想から生まれました。
大阪堺で誕生した『都こんぶ』は、黒蜜の入った酢漬けの昆布を製造し、販売するに当たり、駄菓子の販路に目をつけました。
当時は子供相手の駄菓子屋が中心であった事から、菓子問屋の立ち並ぶ天王寺や松屋町へ売り込みを開始し、子供達の娯楽の中心であった人気の紙芝居屋にも目をつけ強力に売り込みを行ったことで、徐々に『都こんぶ』の名前は全国に知れて行きました。
販売範囲を広げる為に思いついた場所は、映画館や演芸場の人が大勢集まる場所で販売した所、大人にも充分受け入れられる菓子であることを確信し、次に思いついた販売場所は鉄道でした。
「日本全国に広がる国鉄の駅には売店があり、パッケージを小さくすることで、サラリーマンのポケットにも女性のハンドバックにも入り、しかも手のひらにすっぽりおさまるサイズを基本に、現在の原型となる、小さな縦型の紙箱に目立つ赤い色に桜の花びらと都の文字の『都こんぶ』が誕生しました。
どこにでも置いてあるお菓子にしたい。その思いを強固に後押しするために、当時では珍しかったテレビCM やラジオ放送を積極的に活用し、大阪市内の南北の交通手段の要である大阪地下鉄御堂筋線の各駅(新大阪~西田辺)の改札口への広告を行い、大阪万国博覧会前後という当時最大のイベントと絡み合ったことで『都こんぶ』は知名度を高めてゆきました。
『都こんぶ』は、現在でも約100 人のスタッフによって、昔ながらの製法で手作りを基本に丁寧に製造されており、今の変わらぬおいしさを守っています。
ゲームやアニメばかり見ている、子供や孫と一緒に変わらぬおいしさの「都こんぶ」を食べながら、昔話などして、一家だんらんのひと時を楽しんでみては、如何でしょうか?

