スカイリム(SkyrimSE) VIGILANT 編 第1章 その4 狂気へと堕ちる... | TES&fallout forever

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 ステンダールの灯に戻ると、そこにはステンダールの番人の死体で溢れかえっていた。その首謀者は黒檀の剣士だった。以前ヤコブさんの話に上がっていた剣士だろうか?どうやら男性らしい。

 その黒檀の剣士は俺達にこれ以上進むなと警告した。そうでないとここで殺された番人たちと同じ運命を辿るだろうと言った。

 次に黒檀の剣士が言ったのは意外な一言だった。お前にも帰りを待つ者がいるだろうと。その発言はどことなく寂しげでもあった気がする。

 ここを攻撃した理由に関しては仕事だからという理由だった。追撃隊の行方について問い質すと、彼等は返り討ちにして殺したと言った。そこまで強いのか。ならば彼等の無念を晴らすために戦わせてもらうぞ!

 

 黒檀の剣士「...警告はした。いくら人数がいようと関係ない、死んでもらうぞ!」

 パーマー「それはこっちのセリフだ、いくぞ!」

 

 

黒檀の剣士を討伐せよ!

 黒檀の剣士の実力はかなりのものだった。ミラークやアルタノ、俺やセラーナの剣捌きよりも格段に磨きがかかっていた。歴戦の傭兵としての経験を遺憾なく発揮したのだ。もしくはその手に握る剣の恩恵もあるかもしれない。モラグ・バルのメイスに似た物だったので、もしかしたらそれに連なるアーティファクトかもしれない。

 ここで負けるわけにはいかないのだ。俺は吸血鬼だが一応ステンダールの番人に属している。吸血鬼であれ定命の者であれ、仲間を守るのが信条だ。その敵討ちを果たさねばなるまい! 

 ここで決着を付ける!セラーナによるアイススパイクと吸血鬼の吸収は確実に黒檀の剣士にダメージを与えた。アルタノの慈悲の刃は容赦なく斬りつけ、最期は俺とミラークが斬り殺した。

 そして、ティラヌスはどうかと思って周りを見ると彼も殺された事を知るのだった。遅れて申し訳ない。これで無念を晴らせたらいいのだが...。

 

 パーマー「...済まないティラヌス。これで無念を晴らせたかは分からないが安らかに眠ってほしい」

 

 何か情報は無いかと思い黒檀の剣士の遺体を失敬して調べると、結婚指輪や家族の物と思われる手紙を2通見つけた。1つはカレンという名前の妻からの手紙、もう1つはリリアンという名前の娘からの手紙だった。黒檀の剣士はタラニスという名前らしい。

 カレンの手紙には、タラニスが呪いにかけられており、それを解呪する人を見つけたという話に疑問を抱いているといった内容だった。召喚者の女性のことだろうか?リリアンは花の冠を作ったので早く帰ってきてほしいと願っている様子だった。それは叶う前に俺が殺してしまったということになるのか...。

 リリアンの手紙には、お花の冠を作ったので早く病気を治して帰ってきてねと書かれていた。何だか胸が苦しくなった。

 敵とはいえ、悪い事をしてしまったと思いながらもタラニスから取った地下室への鍵を使って降りるのだった。

 

 地下室に降りると、ヤコブさんがしゃがみ込んでいた。負傷しているらしい。どうやら召喚者の女性に襲われたらしい。彼以外は皆殺しにされてしまったようだ。この時「また」と言っていた。以前にも似たような出来事があったのか?

 そして、その召喚者の女性はバルと名乗っていたらしい。バルか...、嫌な名前だな。モラグ・バルみたいじゃないか。まぁ一連の黒幕は奴の可能性はあるけどさ。吸血鬼の強化形態も出てきたしさ。

 それとステンダールの灯の地下にはモラグ・バルの祭壇があるとヤコブさんは言った。だいぶ昔の物らしいが、なんとまあ物騒な物を残したもんだと俺は内心非難していた。何でこんな事を思ったのだろう?彼の責任ではないのに、最近どうも変だ。ハルコン卿に近づいてしまったのだろうか...。

 俺達はモラグ・バルの祭壇に向かう事にした。すると、ヤコブさんは何も見えない所に向かって話し出した。幻覚でも見えているのか?これは彼にしか見えないものらしく、知人や友人、敵の幻覚が見えるらしかった。

 セラーナは恐らくモラグ・バルの力だろうと言った。支配の王と称されるだけに心の隙を突いてくる恐ろしい戦法を好むと推測した。ティラヌスの時とは比べようもない力というわけか...。用心しなければ。

 

バルを討伐せよ!

 俺はヤコブさんを元気づけるために別の話題を振ることにした。モラグ・バルについて尋ねると、何人ものステンダールの番人が堕落させられた強敵だと言った。彼もその1人だと告白した。命が付きかけた時、奴はある提案をしたのだという。彼の妻を差し出すという恐ろしい提案だったのだ。そうすれば助けてやるのだと...。

 あろうことかヤコブさんはその提案に乗ってしまい、妻を差し出したのだった。連れ去られる妻の目を今でも忘れる事がないという。何てことをしたんだ、生涯の伴侶相手に!

 

 ヤコブ「私はその提案を受け入れてしまった。後に残ったのは後悔だけだ。連れて行かれる妻の目を忘れた事はない」

  パーマー(何てことを...。それでステンダールの番人を名乗る資格があるのか?とてもそうには思えないがな...)

 

 俺は内心毒づいてしまった。ヤコブさんに対して侮辱めいたものを感じてしまっているのは分かる。どうして敬意を払わずにそう思ってしまったのだろう...。

  俺は自分を恥じつつも話の続きを聞いた。バルと呼ばれる女性はマジカが強大で限りがないという。モラグ・バルに力を与えられており、ヤコブさんの妻に外見がそっくりなのだという。これもモラグ・バルの罠の可能性があると彼は推測した。彼の闘志も戻り、これで幾分か持ち直したようで良かった。

 だがヤコブさんの苦しみは続いた。色々な人に責められている様子だった。無実だったのにステンダールの名の下に殺された者、非難する者、吸血鬼、見殺しにされた者等だ。アルタノは彼を勇気付けるので必死だ。

 そんなヤコブさんを俺は冷ややかに見つめているとミラークが忠告した。セラーナもそれを咎めた。知らず知らずの内に何をやってたんだ俺は!?いよいよ危ないのか?

 

 ヤコブ「止めてくれ!そんな目で見ないでくれ!!頼むから!」

  アルタノ「師よ、落ち着いて下さい!」

  パーマー「.........」

  ミラーク「ドラゴンボーンよ、何故にヤコブに対して冷ややかな視線を送るのだ?」

  パーマー「え、ちょっと待て。俺は今そんな風に見ていたのか?」

  セラーナ「ええ。かなり悪意のある眼差しでしたわ。彼にそんなに恨みでもあるのかしら?」

 

 しかし、仲の良かった同僚のヨシュアという名前の人物や彼のお師匠さんと思われる幻覚も現れ逆に元気付けていた。これも策略なのか?それもあるがここは不気味だ。心臓の鼓動のような音が轟き、彫刻や祈りを捧げる白骨遺体等が沢山あった。狂気を感じた。

 

 モラグ・バルの祭壇に到着すると、バルと思われる女性がドレモラを2体召喚して待ち構えていた。彼女はヤコブさんをわざと殺さなかったのにと言った。それを受けて彼は彼女の事を「ラヘル」と呼んだ。今目の前にいるのは姿を模した別人ではなく、彼の妻本人だという事になる。罪を償い、彼女を救いに来たのだと。

 バルはそれを聞いて一旦躊躇した後、もう遅いと断罪した。もうすぐモラグ・バルが召喚されて赤い霧が全てを飲み込むと言った。

 

 ヤコブ「私は...私の犯した罪を償いに来た。いや...ラヘル、君を助けに来た」

 バル「そう...でももう遅いわ。もうすぐモラグ・バルが召喚される。それで何もかもが終わり、赤い霧が全てを飲み込むわ」

 

 そうバルは宣言した後、2体のドレモラであるラニューとオルセを差し向けつつ、モラグ・バルのメイスを振りかざして攻撃してきた。もう戦うしか道は残されていなかったのだ。

 アルタノはラニューに対して慈悲の刃を振りかざしてその首を刎ねて殺した。オルセは俺とミラークがドラゴンベインと専用の剣で斬り殺した。

 バルはヤコブさんとセラーナが相手をした。ちょっと危ないかもしれないなと思ったが杞憂だった。

 セラーナの介入にバルは驚きつつも反撃した。純血の吸血鬼、コールドハーバーの娘が敵対するとは思ってもみなかったのだろう。だがそれを言わせる余裕をセラーナは与えなかった。

 

 バル「どうしてこんな!敵と味方の区別がつかないの!貴女は...」

 セラーナ「あら?そんな事を気にする余裕はございまして?」

 

 セラーナはアイススパイクを連打して致命傷を与え、ヤコブさんが慈悲の剣と呼ばれる片手剣でとどめを刺した。しかし、力尽きて倒れ込んでしまった。その直後にバル、いや、ラヘルの霊体が現れたのだ。彼はとても驚いていた。これは奇跡なのだろうか?

 

 ラヘルはバルであった時とは違い、とても穏やかそうな表情だった。怖い夢でも見たのかと言って慰めた。ヤコブさんは彼女を失う夢を見て苦しかったと告白した。彼女は穏やかに笑い、これからもずっと傍にいる、だからもう大丈夫だと言った。

 

 ラヘル「ヤコブ...私はいつも傍にいるわ。だからもう大丈夫...」

 ヤコブ「ラヘル...」

 

 それを聞いたヤコブさんはラヘルと同じように穏やかな表情になりながら逝った。内心反感を抱いた事もあったが、彼の魂に救いあれと俺は願った。ラヘルと共にどうか安らかにと。

 それを見届けた後、アルタノはラヘルが持っていたモラグ・バルのメイスを渡してほしいと言った。それが必要らしい。俺は彼女に遺体を失敬してそれを取った。

 それと赤い石の欠片を持っていたので併せて取った。最早無意識の領域だった。この石に何の値打ちがあるのだろう?もう俺には分からなかった。

 それとラヘルの日記を見つけたので失敬して読むことにした。ウィンドヘルムの地下に吸血鬼狩りに行ったヤコブさんを心配していたが胸騒ぎを感じていたようだ。次のページではもうバルに変貌させられた後の日記になっていた。かつての家は最早荒れ放題で放棄された後だと知ったとのこと。

 吐き気にも苦しめられるようになったらしい。変貌された際に吸血鬼に近い体になったのだろうか?その後、モラグ・バルの配下が現れ、モラグ・バルのメイスを渡されたらしい。これで不和の種をばら撒くように命令されたとあった。

 その次のページでは病気を持つ父親に人狼化の薬を娘に渡したらしい。その後、家出は悲鳴が聞こえてきてバルは良心の呵責に苦しんだようだ。もしやタラニスとリリアンの事か?彼が受けた呪いはウェアウルフだったという事か...。

 その次のページでは、娘を失った男性が飲んだくれており交霊術と称してデイドラ召喚儀式を教えたそうだ。キャンドルハース・ホールの男性かは分からないが、その人物はとてもいい笑顔をしていたそうだ。今まで騙してきた相手もそんな笑顔だったようだ。それを見る度にヤコブさんを思い出すらしかった。

 最後のページは慌てていたようで日付すら入れていなかった。どうやらヴェルナカスでの一件らしい。モラグ・バルのメイスを器用なウィンチに盗まれたらしくかなり怒っており、生きたままオブリビオン送りにしてやると書き殴っていた。

 だが当のヴェルナカスが家の中で爆発する魔法を使った事に呆れており、衛兵やステンダールの番人に勘づかれる前に逃走する事になった。そのため時間稼ぎでヴェルナカスは置いてけぼりになったらしい。彼が自信満々だったがそういう経緯があるとは知らなかった。如何にも自信満々だったから気付かなかったんだろうなぁ~。

 

狂気へと堕ちる...

 俺はアルタノにモラグ・バルのメイスを渡した。後はこれを持ってステンダール聖堂に戻り、これの扱いの助言を受けるつもりだと言った。その前に俺達に新しい討伐命令を下した。イヴァルステッドの南の小屋に魔女の親子が暮らしているという噂があるようだ。それを殺してこいと言ったのだ。俺は耳を疑った。それは正気なのか?

 魔女という存在はスカイリムやタムリエルにとって脅威でしかない、彼女達にステンダールの慈悲を示せとアルタノは言った。ハグレイヴン化しているなら話は別かもしれないが、やりたくはないな。

 

 アルタノ「いいか、魔女に容赦してはいけない。ステンダールの正義を示すのだ...」

 パーマー「あ~うん。そうだな(どうしたんだアルタノ?アンタらしくもない)」

 

 それとヤコブさんの遺体はどうするのかと尋ねると、アルタノが自分で弔っておくと言った。その間に魔女の親子を始末して、ステンダール聖堂でまた会うと約束した。何だか苛烈さが出たような気がするが気のせいなのか?俺達は不審に思いながらもその場を後にした。