オリンピック野球の試合方式と中学受験算数 | 2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

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2022中学受験を終了した男子を持つ父のブログ
淡々と息子の学習(主にテスト)の記録をつけていたブログです。
息子は開成・筑駒をはじめ受験校全てに合格しました。
現在は2027年組の姪っこの中学受験アドバイザーです。

まもなく東京オリンピックが開会する。
 
コロナ禍での大会というだけではなく、各所で色々とミソをつけている大会だが、始まったら始まったでテレビ観戦を楽しんでしまう気がする。
 
まあ息子はあまり楽しんでいる余裕はないだろうが、息子が好きな野球くらいは観戦させてやりたい。
 
さてそのオリンピックの野球だが、メダル決定方式がなかなか複雑なのである。そして、これは中学受験算数の題材にもなりそうな予感がする。
 
出場国
 
出場国は以下の6か国。
 
グループA
日本、メキシコ、ドミニカ
 
グループB
韓国、アメリカ、イスラエル
 
メダル決定方式
 
まず「オープニングラウンド」と称して、各グループ総当たりで試合を行う。
 
ここで最下位が脱落かと思いきや、脱落しない。単にトーナメントの組み合わせのために順位を決めるものなのだ。
 
そして、トーナメントも「ノックアウトステージ」となる。
説明しにくいので以下をご覧頂きたい。いわゆる「ダブルエリミネーション方式」である。
 
 
トーナメントというと、夏の甲子園などでもそうだが普通は1回負けたらそれで終わりである(シングルエリミネーション方式)。しかしオリンピックの野球の方式は、敗者復活があるのである。
 
1回負けても敗者復活側に回り、そこで勝ち上がれば決勝に進めることになる。表を見て頂ければお分かりになる通り、かなり複雑だ。
 
ちなみにダブルエリミネーション方式トーナメントでは、要するに2回負けたら敗退、となるのが原則形態である。しかし、上記のオリンピック野球のトーナメントは、一つ変則があって、グループA3位とグループB3位の試合(上記①)の敗者は1発敗退である。そんなわけで、グループリーグの順位にも多少は意味が出てくる。
 
このダブルエリミネーション方式は、トーナメントの「ドロー運」による不公平を軽減する意味あいがある。つまり強豪に早期に当たると早期に敗退してしまうという不運の影響を軽くできる。
 
他方で、何回も同じカードになる点や、決勝ではかならずどちらかは1敗していることになるので、1敗している方が勝った場合には、そのチームを優勝者としていいのか、という点などがデメリットとして挙げられる。
 
中学受験算数の題材として
 
トーナメントや総当たり戦などは中学受験算数の論理問題や場合の数の題材になる。この総当たり+ダブルエリミネーション方式トーナメントを使うと、面白そうな問題ができそうだ。
 
例えば、
 
「この方式で優勝するために必要な最小勝利数は」
「この方式で優勝することができる最多敗戦数は」
「同一国同士の対戦が最も多く発生するのはどのような場合で、何試合か」
 
など。
 
あとは、各国の状況について情報が出され、どのチームがどこに入るのかを特定する論理問題なども考えられる。
 
オリンピック観戦しながら、そんなことを親子で話したり、考えたりすると面白く思考力アップできるのではないだろうか。
 
中学受験の入試問題は、各中学の先生が夏頃から準備を始めると聞く。そうすると、オリンピックネタは丁度いいタイミングだし、当然来年の入試の社会では数多く出題されることだろう。算数での時事問題というのはあまりないが、野球ファンの算数の先生がいる学校であれば、上記のような問題を出題する学校があってもおかしくない。
 
なお、いざこのダブルエリミネーション方式のトーナメントが出題されたとして、この表だけをみて「ああ要するに2回負けるまで敗退確定しないんだね」とすぐに読み解くのはなかなか難しいので、「ダブルエリミネーション方式=原則2回敗戦で敗退確定(例外に注意)」、という知識だけでも持っておくと、いざという時に役に立つかもしれない。
 
ちなみにサピでは「論理」だけの回というのはなかった気がする。思考力問題にたまに出てくるようなイメージである。
 
中数だと「論理」の特集は2月号なので、もう入試直前になってしまう。もし論理の問題を演習したいのであれば、今年の2月号がお勧めである。

 

 
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