石橋貴明の始球式にみる「謙虚さ」と「リスペクト」 | 2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

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2022中学受験を終了した男子を持つ父のブログ
淡々と息子の学習(主にテスト)の記録をつけていたブログです。
息子は開成・筑駒をはじめ受験校全てに合格しました。
現在は2027年組の姪っこの中学受験アドバイザーです。

以下のような記事があった。

 

 

プロ野球に興味のない方はご存じないと思うが、昨日佐々木朗希というロッテ(というより球界)期待の若手投手の一軍デビュー戦があり、とんねるずの石橋貴明が始球式を務めたのだ。

 

そしてその始球式での石橋貴明の所作がかなりの反響を呼んでいる。

 

①インフィールド(内野)に入る際に一礼

②ボールを持った審判に一礼

③マウンドのかなり前から投球

④若林ではなく山川を指名し打席に立たせる

⑤かなり外角に投球

⑥投球後は一塁側・三塁側ベンチに深々と一礼

⑦投球後はマイクで一言だけ手短に佐々木を応援する

⑧移動は常に小走り

 

以下これだけだと何がいいのかわからない方もいると思うので、簡単に解説。

 

①インフィールド(内野)に入る際に脱帽し一礼

 

→元野球部なら当たり前の光景だが、グラウンドに入る時への一礼は「神聖なグラウンド」への敬意と説明されることもある。しかし、「グラウンドを整備してくれた方」への敬意も同時に表明されている。

 

②ボールを持った審判に脱帽し一礼

 

→試合ができるのは審判の存在が必要であり、当然ながら敬意を表している。

 

③マウンドのかなり前から投球

 

→球界の宝ともいえる佐々木投手の一軍デビュー戦のマウンドを、自分の始球式で汚したくなかったということだ。一軍デビューをまっさらなマウンドで迎えさせてあげたいという配慮。しかも、もう年だからマウンドからだと投球が届かない、という体裁を取るところも心憎い。

 

④若林ではなく山川を指名し打席に立たせる

 

→始球式は一番バッターが打席に立つことが多いが、西武の一番バッターはルーキーの若林。佐々木投手のデビュー戦で、マスコミの注目度もかなり高い中、始球式後はすぐに打席に立って佐々木と対戦しなければならない。つまりルーキーである若林は集中力を高めなければならない状況である。これに配慮し、石橋はあえて経験豊富な山川を指名し打席に立たせたと思われる(もちろん山川の方が盛り上がるという演出上の理由もあるだろうが)。

 

⑤かなり外角に投球

 

→硬球は打ち所が悪いと緩い球でもケガをしかねない。間違っても山川にボールが当たらないよう、石橋はかなり外角寄りに投球している。

 

⑥投球後は一塁側・三塁側ベンチに深々と一礼

 

→一塁側・三塁側ベンチへの敬意を表する。

 

⑦投球後はマイクで一言だけ手短に佐々木を応援する

 

→佐々木への期待を端的に述べるとともに、一言だけとして始球式を早めに終わらせようという意図。

 

⑧移動は常に小走り

 

→⑦もそうだが、佐々木の一軍デビュー戦がメインであり、自分の始球式はあくまでその前座であり脇役であるという意識。従って、無駄に長引かせるようなことはなく、盛り上げつつも短時間で終わらせることが、選手・審判・観客等その場にいる全ての人のためになるという考え方。実際に石橋登場から退場までは2分あまりである。なおその後も観戦しているので、時間がないから短くしたわけではない。

 

以上には憶測もあるが、2分という短い時間にも関わらず配慮に溢れた始球式であった。

 

私などモロにとんねるず世代で、子供の頃は「みなさんのおかげです」などよく見ていた。石橋は自身が帝京高校野球部出身ということもあり、野球やアスリートへのリスペクトが素晴らしい。短い時間での盛り上げ方もさすがだし、完璧な始球式と言っていいと思う。

 

石橋は傍若無人な振る舞いをするイメージがついているが、それはあくまで「タレント」としての石橋貴明で、裏では周囲への配慮を物凄くしているという話もある。

 

やはり重要なのは「謙虚さ」と「周囲へのリスペクト」である。芸能界という流行り廃りの激しい世界において、20代半ばで超売れっ子となり、還暦近くになるまで第一線で活躍し続けられる理由はそこにあるのではないかと思う。

 

このことは人生のあらゆる側面、もちろん中学受験でも同様のことが言えると思う。例えばテストの成績がよく、調子に乗って謙虚さを失ってしまったらその成績は維持できない。また塾の先生や、周りの仲間たちへのリスペクトをなくしてしまうと、独りよがりになり、いざ苦しい時に助けを求めても親身になってくれる者がいなくなってしまう。

 

息子には、どんなに成績が良くても謙虚さを常に持っていて欲しいし、サピの先生やスタッフの方、一緒に切磋琢磨する友人たち、そして家族へのリスペクトを常に持っていて欲しい。

 

このことは、勉強面に限らず、人間として基本的なものとして、息子が幼い頃から事あるごとに言い聞かせてきている。幸い、息子は今のところは自己中心的になったり傲慢になるようなこともなく成長しているように見えるが、今後は思春期になり親には見えないところが増えてくるし、素直に親の言うことなど聞かなくなってくる時期になる。もちろんそれは極めて正常な成長なのだが、人間として心に留めておくべき基本的なことは、大人になる過程でも失わないで欲しいと思う。

 

石橋貴明の始球式を息子にも見せてみたいと思う。それで「謙虚さ」「周囲へのリスペクト」というものを再認識できるかはわからないが、息子は野球好きだし、正月特番の「リアル野球盤」は毎年欠かさず見ているので、石橋貴明のこともよく知っている。そんな息子なので、多少響くところもあると期待したい。少なくとも親が正面切って説教くさいことを言うよりも、説得力があるような気がする。

 

 

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