昨年2月に投稿した記事ですが、再投稿させていただきます。

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過去記事『お年寄りにはガンがあるのが ”正常”? 老衰で大往生の老人8割にガンがあった』で、老衰で大往生したお年寄りを解剖した報告では、その8割にチラホラ、ガンがあったことについて触れましたが…

 

 

『近藤誠の「女性の医学」』という本を読んでいたら、がんで自然に迎える死は、案外、苦しくないことを知りました。

 

もう、だまされない! 近藤誠の「女性の医学」

 

 

昔、家庭で亡くなっていた”自然死”の大部分は、ご著者の故・近藤誠医師によると、恐らくガンなのだそうです。

 

診断をしたら、胃や子宮のがんがゴロゴロ見つかったことでしょう。

病院に行かずに枯れるように死んでいったお年寄りたちの”老衰死”の中にも、がん死がいっぱいあったと思います。

 

現代でも、たとえば、作家の森瑤子さんは、胃がんの治療をせず、ホスピスに入りましたが、ひどい苦痛もなく、最期まで執筆を続けました。

死の直前には、「もう少ししたら意識がなくなるから、みんなしっかりしなさい」と家族を励まし、穏やかに旅立ちました。

 

俳優の緒方拳さんは、「仕事ができなくなるから」と手術も抗がん剤も拒否。

肝臓がんであることは身内以外には内緒にして、普段通りに仕事を続け、遺作となったドラマの制作発表に出た数日後に亡くなりました。

肝臓が破裂しても、意識を失う直前まで会話をしていて、見舞いに訪れた親友の津川雅彦さんに「治ったらうなぎを食べに行こうな」と声をかけた数時間後、苦しむ様子もなく、実に安らかに命を閉じたそうです。

 

がんで死ぬのは、悪くない死に方です。

日本人の死因で多い脳卒中と心筋梗塞は、ぽっくり逝けると思われているけど、なかなかそううまくはいかない。

何度も激しい発作を繰り返したり、ろれつがまわらなくなったり、半身不随になったり。

リハビリは長引き、介護する側も先が見えず疲れ果てる。

 

その点、がんならば、死ぬ少し前まで普段通りの生活を過ごせることが多いですし、死の直前まで意識は清明です。

終末期になったら、緩和ケア病棟やホスピスに入って、手厚いケアを受けることもできる。

先が見えているので、亡くなるまで家族も気持ちを切らさず、やさしくしてくれることでしょう。

 

近藤医師にとっては、がんで死ぬのは理想の死に方なのだそうです。

 

『どうせ死ぬなら「がん」がいい』という本を出したくらいです。

共著者で、長年老人医療に取り組んでる中村仁一医師は、老人ホームで末期のがんが見つかり、結果的に放置することになった患者さんを70人以上診ていますが、誰も痛みを訴えず、眠るように死を迎えたそうです。

中村さんいわく、

『がん死』のお迎えは最高ですよ。ゆっくり身辺整理ができるし、親しい人にお礼とお別れもいえる。人生の幕引きを、思い通りにできるかもしれないんですから」

 

僕自身も、150人以上のがん放置患者を、25年間にわたり定期的に診てきましたが、がんを放置した場合、原則として痛みが生じないことを確認しています。

とくに、胃がん、肝臓がん、子宮がん、食道がんは、放置すれば痛みません。

痛みがでる例外的なケースも、鎮痛剤や放射線治療など、やわらげる方法が確立しているので恐れることはありません。

 

(現在問題になっている「ターボ癌」は当てはまりませんが、)がん放置の経過がおだやかである理由は、大人のがんは基本的に老化現象だからなのだそうです。

 

太古より、人はがんとつきあってきたため、がんと共生する術を、体はちゃんと心得ている、と書かれていました。

 

一方、手術や抗がん剤、放射線などは、体にとっては不自然で、慣れることができない。

だから、副作用に苦しむことになるのです。

 

がん治療に関して、どうするかを最終的に決めるのは患者さん本人だと思いますが、長年ガン患者さんを診てこられた医師の方々からの情報として心に留めておきたいと思いました。

 

 

もう、だまされない! 近藤誠の「女性の医学」

 

 

新版 どうせ死ぬなら「がん」がいい (宝島社新書)

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

 


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