「よし、やっとで残すところ男子、女子一人づつになったね。それでは、女子のラスト、山村サチ君!」


 「はい……」

 サチの声は聞こえたが、その後の言葉が聞こえてこない。よねは、廊下側のサチの後姿を見た。サチは立ったままじっと時次郎を見つめているようだ。


「・・・・・・・・・・・・」


(あらっ、さっちゃん、まさかこの期に及んでまた気絶しちゃったんじゃないでしょうね)

   よねがそう思うのも無理はない。10秒経っても20秒経ってもいっこうにサチの口が開かないのだ。その内、周りのみんなもざわめき出した。


 サチに見つめられるまま、時次郎もその視線をはずすことなく、そのまま静かな時間が経過していった。結局、サチは一言も喋らず無言で座った。


   時次郎は「OK、OK」と笑っている。

「では、最後は武藤誠君!」


「さっちゃん、どうしたんだろうね?  まさか気絶した?」

「まさか!  あまりの緊張に声が出なくなったりなんかして………」

   よねとふみは顔を見合わせて苦笑した。

 

「よし、これで一通りみんなのアピールは終わったね。では、いよいよ『演劇学』という学問について話を進めよう。教科書は、担任の先生から貰っているね」

   時次郎は、そう言って3冊の本をかざした。


「今日は、この中から一番薄い本『難攻不落の演劇学』を勉強します。ちょっと大変かもしれないけど、今日一日でこの教科書は終わらせるからね」


 たった一日で教科書を終わらせるなんて、そんなこと聞いたこともやったこともない。当然「えぇ~っ!」と言う声が沸き起こった。


「大丈夫、大丈夫!  この本は、演劇についての大まかな全体像が述べてあるだけだから、僕が掻い摘んでそれを説明するだけにとどめよう。


   そして、次の授業では3冊の中で一番厚い本。この『演劇的生命体がいく』という教科書もやはり一日で勉強します。そして、最後に残ったこの教科書!」と言って、茶色の袋に包まれた本を高々と掲げた。


 この教科書は……よねも気になっていたのだが、ピッタリとした茶色の袋に、しっかりとテープで巻かれ包まれていた。 こんな厳重に梱包をしてある教科書ははじめてだ。


   花門前先生から「この教科書は、使う当日まで開けてはいけないと言われていますから、それを守るように!」とのお達しがあった教科書だ。


   何だかどれも難しそうなタイトルなので、そう言われなくても最初から開ける気はしなかった。


「この教科書を約1年にわたって勉強していきます。……それでは、今日は『難攻不落の演劇学』について話を進めていこう。


   時間もあまりないから、大分はしょっていくよ。何かわからないことがあったら、あとで教科書を読んでおいてくれたまえ」


(今までの音羽先生の話には、それといって大事な言葉が入っているとは思えなかったし……。ということは、いよいよこれからがお爺さんの言っていた内容の本番のようね)そう思いつつ、よねは鉛筆を握りしめた。


「演劇を演出するには、オペラのような歌劇もあれば、日本のように歌舞伎などといった舞台で観客に演技を観てもらうものがあります。


   近代になって機械の発達により、活動写真、いわゆるシネマができました。これによって人々は僕たちのような俳優の演技を、どこででも……というか、映画館がある場所ならばどこででも鑑賞することが可能になりました。


   舞台ではできなかったこと。つまり、1人の演技を同時刻でありながら複数の場所で観ることが可能になったわけだ。観客にとっては、こんな手っ取り早いことはないし、興行主にとってもこれほど便利なものはない。


   なぜなら、舞台という空間を作る必要がなくなる。垂れ幕一枚あれば、商売になるわけだ。


   しかし、映画の俳優は観客の批評をじかに得られなくなった。

   目の前にあるのは、大きなカメラとメガホンを持った監督、そのほか大勢のスタッフだ。


   だが、演劇はこれらと一線を画する!同じ演技という技術を要求されるものであっても舞台と映画ではぜんぜん違うものがあるのだ!」


(おーっ、何だか音羽先生、熱が入ってきたわ)そう感じつつ、よねは時次郎の話に遅れまいと、必死で鉛筆を動かした。




ワカバよもやまコーナー 

(106)


   先週の「魔人ブウ編」は、ブウが「オレがオレじゃなくなる〜」で終わったんだよねぇ🐷
   では、パワー全開で続きを書いていくよ〜

    ベジータは、ブウの体内で内臓の一部になっている初代ブウを引きちぎったぁ💥  ⬇️


   そうしたら、ブウが突然苦しみ始めたよ〜⬇️

その隙にブウの体内にいた悟空たちは外界へ脱出‼️

  

    ⬆️  ゴリラみたいにムキムキになったと思ったら……最終的に小さくなっちゃったけど…⬇️


   ⬆️  いきなり、地球を粉々にするエネルギー波を頭上に掲げたぁ🌍💥


   ⬇️ これには、悟空も大焦り〜💦  違う世界へ瞬間移動する時間もない〜 ((゚д゚)マジカ

   そこへ、界王神界から界王神が救出に来てくれたぁ


   悟空はミスターサタンを救えたけど…息子の悟天たちは、地球もろとも粉々🌎💥に〜😭


   だから、ドラゴンボール🌟も消えちゃったぁー

   でも、ピッコロの生まれ故郷のナメック星に行けば、ドラゴンボールがある〜ことに気がつく、凄い展開😁 これで、地球を元に戻せる〜👏


   でも界王神のジッちゃんは、ドラゴンボールは大自然の混乱を招くものじゃ❗️使ってはイカーンと大反対‼️


   そこで悟空が界王神のジッちゃんを説得〜⬇️




 

   ⬆️  こんな漫才やってたら、突然、界王神界にブウが出現〜Σ(゚д゚;)⬇️



「ハハア〜〜〜〜ッ(見つけたぁー)」って言ってるよ…わからんけど…笑 ⬇️


   ブウは、地球を粉々にした後、自分もバラバラになったけど、すぐに再生❗️悟空たちを追って来たよ〜( ゚д゚)ゲッ!


   どっちが先に戦うか、悟空とベジータがジャンケンしてたら、ブウは寝ちゃったぁ💤

   ジャンケンに勝ったのは悟空❗️スーパーサイヤ人3になると…ブウも雄叫びを上げていよいよ戦いの火蓋が切って落とされたよ〜



   長い戦いの歴史に悟空は有終の美を飾れるのかぁ…❓

  (DRAGONBALL 大全集より鳥山明先生直筆コピー)


つづく〜


第21章「難攻不落の演劇学」②  へつづく

※ 一部 SNS よりお借りした画像があります。

「およねさん」


 今回の主な登場人物…


土志田(どしだ)よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台(あさみだい)尋常小学校5年生。まだ自分にもわからない未知の能力を秘めている切れ長の目を持つ10歳の女の子。


音羽 時次郎 …23歳の時代劇若手スター。朝美台小の「演劇学」講師となる。秘密の過去を持つ。


山村 サチ …よねの同級生。インテリ眼鏡で冷静沈着。いつも低音で論理的に喋る。


(ブログは毎週火曜日0時2分に更新予定です