《今日の主な登場人物紹介》


土志田(どしだ)よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台(あさみだい)尋常小学校5年生。まだ自分にもわからない未知の能力を秘めている切れ長の目を持つ10歳の女の子。


坂口 闘馬(とうま)…横浜から転校して来たよねの同級生。今後の物語の鍵を握る。


平山 ふみ …よねの同級生。鼻ぺちゃのお喋りで明るい性格。


山村 サチ …よねの同級生。インテリ眼鏡で冷静沈着。いつも低音で論理的に喋る。


岩田 聡(そう)…よねの同級生。図体がでかく勉強は大の苦手だが、人情に厚い魚屋の息子。


土志田 健司(けんじ) …土志田家三男。17歳。お喋りでオッチョコチョイだが憎めない存在。




   健司たちの担ぐ大人神輿、闘馬たちの担ぐ子供神輿、そして幸司が引く山車には、よねやふみ、サチ、麻美、美千子も加わり、途中他の町内会の様々な神輿とすれ違い、もみ合いながら、一国(いちこく)(第一京浜国道)を渡って荏原神社へと向かって行く。


   最後までくっついていると、係りの人から子供たちは駄菓子がもらえる。これも楽しみの一つだ。


   神輿や山車はいったん神社に安置され、休憩後また元の御仮屋に戻す。しかし、よねたちは荏原神社の出店を見てから、そのまま品川神社の出店にも行くことにしていた。



「屋台がすごいいっぱい並んでいるなぁ。いつだか行ったお荒神様より多いんじゃないかな?」闘馬が美千子の手を引きキョロキョロしている。


「これで驚いてちゃダメよ。品川神社にも、たくさんのお店が出てるんだからね」ふみがペチャンコの鼻をヒクヒクさせて自慢していた。


   もうすぐ夕方になるが、6月ともなれば陽は高い。そして、蒸し暑い。みんな、浴衣の紐に挟んでおいた団扇を扇ぎながら、なるべく風の来る目黒川の土手を神社の参堂に沿って歩いた。


   品川神社は、目黒川に沿って300㍍も流れとは逆に歩いて、一国を渡ればすぐだ。


「お姉ちゃん、喉が渇いた」幸司がよねの袖を引っ張りながら、眉を八の字にしている。

「じゃあ、あそこのアイスキャンデー屋さんに行こうか!」


   8人の子供たちがあれにしようか、これにしようかとキャアキャア言いながらキャンディーを選んでいる所へ、健司と拓也が汗を拭きながらやってきた。


「健司兄さん、あんちゃん、お疲れ様!」そう言ってよねは、2人にあずきのキャンディーを手渡した。

「お父さんから、お小遣いもらったから大丈夫よ。50銭ももらっちゃった」


   当時、よねたちのお小遣いは1日2銭だった。1銭で少し小さめのお煎餅なら2枚買えたし、棒つきの飴玉も1銭で買えた。


   よねが3年生の頃に流行っていたヨーヨーは1個10銭だった。しかし、これも買えない子がいたのでゴム風船に水をいれ、ゴム紐で伸び縮みができるようにしたものをヨーヨーと言って1銭で夜店で売ったりしていた。


「おっ、すげぇな。ごっつあん!」

   2人は祭り用にあつらえた手拭いで額の汗をもう一度拭いて大きな口を開け、キャンディーをほうばりながらまたみんなで歩き出した。

   さすがに10人も揃うと話すのが大変だ。どうやら健司たちも品川神社に行くようだ。


「あっ、いけね!  見世物小屋が出てるのを見るの、忘れた」 聡がミルクキャンディーをしゃぶりながら、つぶやいた。


   見世物小屋は毎年、荏原神社境内の端に建てられる。「建てられる」といっても、ツギハギだらけの板で周りを囲い、屋根はトタンを載せただけという掘っ立て小屋だ。中は10畳ほどの広さがあるが、足元は地面そのままでデコボコ。

   舞台などはなく、芸人がゴザの上で手品や玉乗りなど大道芸のようなことをやって観客を喜ばせた。


   観客は主に子供中心だったらしい。5銭で見れたと言うから、暇つぶしには良かったのだろう。


「へぇ、そんなのがあるの?  見てみたいなぁ」闘馬は興味津々だが、サチは相変わらず、言うことがアイスキャンディーのように冷たい。


「あら、岩田君、あんなのが見たいの?  バカバカしくて、拍手する気にもなれなかったわ。それにあれって詐欺じゃない!」


「バーカ、サチ!  おまえは遊び心ってのがねぇんだよ。ああいうのを見て馬鹿笑いして、日頃の疲れを取るんじゃねえか!」

「でも、あなたにはあんなもの必要じゃないでしょう。いつも馬鹿笑いしてるし…」

「何を……!」またしても、2人の間にいつものように火柱が!


「アッハハハハ……、ホントにこの2人の話を聞いてると笑っちゃうよなあ。まるで夫婦漫才だぜ!」2人の会話を聞きながら、思わず健司が吹き出していた。


   サチは眼鏡の真ん中を指で押し上げて、プイッと先に立って歩いて行ってしまうものだから、ふみが困ったような顔をして慌てて追いかけた。



ワカバよもやま話コーナー

(176)

   夏も真っ盛り…
なので、お化けの漫画などの特集ですよ〜👻

   こちらは、つのだじろう先生の「亡霊学級」!…かなりキモイです😰



   「うしろの百太郎」だって〜! なんで「うしろ」なのか分からない〜!笑



   楳図かずお先生も怖い漫画を描きますが、ワカバ家には「おろち」と「猫目小僧」しかありませんでした…「まことちゃん」って、怪奇漫画にしては変なタイトルだなぁ、と思ったら違う〜!笑




   実は「猫目小僧」は、まだ読んでません🐈‍⬛






   日野日出志さんのこの「泣ける!怪奇漫画集」は、高校生の時に買いましたが、こちらもまだ読んでません…何だか絵がキモくて…笑


   この本は以前も紹介したかなぁ…


   四谷怪談とか牡丹灯籠って、子供向けでこんなにリアルに出していいの〜?



   ここで、お口直し? に…ワカバ家の鬱蒼と生い茂った庭の草むらの中に咲く、可憐なツルバキアです✨  可愛い 🌸🌟🌸🌟🌸🌟



※ SNSからお借りした画像があります。

※ 画集は「朝日ソノラマ」さんの許可を得て掲載しまし

    た。

※ 次の更新は、8月7日(金)を予定しています。