その日、よねは朝から激しい睡魔と戦い続けていた。それもその筈、結局よねは午前2時に目が覚めてしまってから一睡もしていなかったのだ。


   老人に言われたことすべてが頭の中を行ったり来たりしてしまい、とても寝られる状態ではなかった。


(暮れは2日間も寝てなかったんだもん。これくらいどうってことないわ)と高をくくっていたものの、やはり冬休みの時と授業ではその眠さは比べものにならない。


   今日の4時間目に音羽時次郎の授業があるというので、教室中がウキウキしているようだった。


   昨日の「霊媒学または霊魂学」の授業を受ける前とは全然違う雰囲気を教室中がかもし出している。みんな、4時間目が来るのを今か今かと待ち遠しく思っているという中、よね一人だけが浮いている存在だったかもしれない。


 1時間目の読み方(国語)では、ついウトウトとしてしまい、机から危うく教科書を落としそうになった。


   2時間目の算術(算数)では、何とか上瞼と下瞼がくっつくのは我慢していたものの、先生が黒板に書いた数字がいくつもダブッて見えてしまい、ノートには同じ数ばかりが並んでいた。


(あ~ぁ、こんな時、おじいさんが言ってた時風波が使えたら、あっという間に4時間目の世界へ行けるのに……)


 そして今は3時間目の書き方(書道)の時間だ。今日、勉強する字は「春の坂道」だ。しかしここにきて、すでによねの我慢も限界に達していた。


   筆はしっかりと握ってはいるものの、半紙に書いている字といったら誰の目から見ても到底日本の字には見えなかった。


「春」という字などは「三」と「人」と「日」が取り合えず折り重なってるといった具合で、そこにはたくさんの真っ黒なミミズが、まるでダンスをしているかのようなものが描かれていた。


 昨日のクラス会で席替えが行われ、くじ引きで偶然隣の席になったふみが、よねの脇腹を指で軽くつついた。


   くすぐったがり屋のよねは、体をブルブルッと震わせ、そのまま筆は勢い余って半紙を横切った。


「ちょっと、ふみちゃん!  何するのよ!」

「しーっ!  なぁにが何するのよ、もないものだわ。さっきからこっくりこっくりと舟を漕いでたくせにさ。よく見て御覧なさいよ、自分の書いた字を!」


 よねは、目の前の半紙をジッと見ながら「プッ」と軽く吹き出した。

「あら、私こんな字を書いてたの?」


「何言ってるの!  他人事みたいに……。今日のよねちゃん、朝から変よ。ずっと居眠りばかりして。そのうち先生に注意されちゃうからね、気をつけないと」


 ふみがそう言った矢先だった。教卓で、筆を動かしていた花門前先生がよねの方に向かい歩いてきたのは。


   ふみは、ほら御覧なさい、とでも言うようによねに目配せしている。

 よねは、今まで眠かったのが嘘のように一瞬にして頭がしっかりとしてしまった。


 怒られると覚悟したよねだったが、花門前先生はやさしく声を掛けてきた。

「土志田さん、1時間目からとても眠そうだけれど、大丈夫?  体の調子が悪いんじゃないの?  また目眩がしてるんじゃない?」


 よねは、怒られると思ったのに、逆に労わりの言葉をかけてもらい恐縮した。

 「先生、ご心配をお掛けしてすみませんでした。……大丈夫です」

   よねは花門前先生の優しさを知るだけに、心配をかけてしまったことを悔やんだ。


「そう、それなら安心だけど。とても辛そうよ。4時間目は、はじめての授業『演劇学』ですからね。なるべく出席して欲しいけど、気分が悪いようだったら無理をしないで医務室に行くんですよ」


 よねはハッとした。ここまで眠いのを辛抱してきたのに、肝心の音羽時次郎の授業に出られなければ、何のために学校へ来たのかわからなくなってしまう。それはまずい。

(もちろん勉強をやりに学校へ来ているのだが、今のよねは完全に物事をはきちがえていた)


「……はい!」よねはなるべく元気だと思ってもらえるようにしっかりと返事をした。




ワカバよもやまコーナー 

(99)


   1週間ぶりの魔人ブウだよ〜🐷
地球人を殺しまくるブウに人々は恐れおののいてる〜😱

   ⬆️ キスしようとするブウは何処かの国の血が混じってるねぇ(*´³`*) ㄘゅ💕

   キスさせてくれないと、その子をキャラメルにして食べちゃうよ🍪


   自分を見てビビる地球人をブウは面白がっていたけど〜


   目の見えない子と仲良くなったり、穏やかな心が潜んでるんだよねぇ💗


   それでも殺戮をやめないブウ退治に、ミスターサタンが向かうことに…💦

   サタンは、弱虫だからこんな大役やりたくなかったぁ 笑


   でも、ブウと仲良くなっちゃうんだよ〜


   さすが地球の救世主❓…ミスターサタン❣️


   サタンはブウに眠っていた良い心を引き出したぁヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪

   そんなミスターサタンが、途中省略するけど、悪党に撃たれてしまう〜Σ(゚д゚;)


   ブウは怒り爆発💥💥💥

すると、頭から煙が吹き出して、悪い心の痩せたブウが登場‼️

⬇️ 良い心になったブウをチョコにして、食べちゃうε🍫)))彡


   チョコにされてしまったブウ・クッション❣️

ワカバの椅子の背もたれにしてるよ〜⬇️



   その頃、天界に避難していた悟空親子たち…でも、そろそろあの世に戻る時間が悟空に来てしまう〜💦

   ⬆️ 悟空父さんとの別れを悲しむ悟天を高い高いしてあげるよ〜⬇️



   そして、悟空は悟天とトランクスにブウを倒す秘策を伝授してあの世へ…


   善を取り込んだ邪悪なブウは…こんな姿に…

    …つづく



第20章「音羽時次郎のオーディション」②  へつづく

※ 一部 SNS よりお借りした画像があります。

「およねさん」


 今回の主な登場人物…


土志田(どしだ)よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台(あさみだい)尋常小学校4年生。まだ自分にもわからない未知の能力を秘めている切れ長の目を持つ10歳の女の子。


花門前(はなもんぜん)麗香(れいか)…よねの学級担任。24歳。容姿端麗でスポーツ、ピアノが得意。アルドボールの顧問となり、朝美台小を勝利へと導いていく。


平山 ふみ …よねの同級生。鼻ぺちゃのお喋りで明るい性格。


(ブログは毎週火曜日0時2分に更新予定です)