(お母さんが花屋っていったって、坂口君とは直接関係ないからわかるわけないわよ)

   よねはそう思いつつ、先生が何で坂口君のお母さんの職業までわかるのかしら?  と不思議に感じていた。



    闘馬は先生から「何でもええがら、思ったごとを言っでみろ!」と言われ、ポツリポツリと喋り始めた。


「えーと……、孔雀が羽を広げた時に似た花……?  蔓(つる)という字が入っているから、藤の花かと思ったけど、それじゃあ一片一片の花びらの形が可憐過ぎるから違うし……。


   紅の色が狂ったように燃え盛っているとすれば、牡丹?  椿?  でも、両方とも蔓がないし……。うーん、わかりません!」


   ありったけの独り言を口から吐き出し、闘馬も降参した。


「おーっ、惜しいどごだなあ。……んだ!  霊力を磨くには、想像力も重要だぞ!  人間はな、考えで考えで考え抜げば、自然と不思議な力さ湧いでぐる!  ちょっと、その勉強ばしたんだよ。……悪がったな、まんだ習ってね字があったべ」


   腰を曲げながらまるで物語を話すような先生の口調に、みんなはいつしかジッと聞き入っていた。すると、授業の終わりを報(しら)せる鐘の音が「カランカランカラン……!」とけたたましく鳴り響いた。


「あんれま、もう終わりがや。じゃあ、答えを言うべ。これはな、江戸の変化朝顔だ。読み方はな『くじゃくへんかりんぷうごくべにくるまくるいおいかかえばなしんつるはかずつぼみはえ』って読むんだぞ。


   それにしてもホンットに岩田が言ったみてぇにこりゃ呪文だなぁ」

   他人事のように言う先生の言葉にみんなの顔に笑みが漏れていた。


「じゃあ、今日はこれで終わりにするべ。来週は、早速実践をやってみるがらなぁ。……おっ、それがらこの木箱ば、職員室まで持って来てくれっが?  あどな、今度の授業の前にこの木箱ば、職員室に取りに来てけろな。おらはちっちゃいがら、この上に立たねぇとみんなの顔が見えねぇんだよ」


「きりーつ!」聡の号令でみんな一斉にガタガタッと立ち上がった。


   すると先生は「礼っ!」と言われる前にピョコンと自分からお辞儀をして、右手を振りながら、左手の杖に自分の全体重をかけて教壇を降りはじめた。首から提げた美しく光る大きな数珠の玉がブランブランと左右に揺れている。


   突然柿内が大声を出した。

「先生っ!  まだ僕たち、先生のお名前を伺っておりません!」


   すると先生は、柿内を一瞬睨むようにジッと見ながら「そうじゃったな。まだ名前をしゃべってねがったのォ」とニターッと黒い歯を見せて振り返り、何かを考え込むようにハタと立ち止まってしまった。


(よく柿内君、気がついたわ。そうよ、私たちの名前ばかり知ってて、自分の名前を言わないなんて、不公平よ。)


   よねはそう思いながら、先生を見つめた。しかし、先生はその場に立ったまま、教室の後ろの上の壁をジッと見つめている。


   よねもつられて先生の視線の先を振り返った。そこには、一枚の油絵が飾ってある。


   朝美台小の各教室には、誰が描いたのかはわからないが、いろいろな種類の稲穂の油絵が飾ってある。


   朝美台小の校章が稲穂だからだ。因みによねが4年の時の教室には、青く繁った田圃の稲の絵。そしてこの5年の教室には、陽の光をいっぱいに浴びてたわわに実った収穫寸前の稲穂の絵が飾られていた。


「おらの名前は、秋野めぐみ……だ!」

   ボソッとそう言いながら、先生は教室から出て行った。

   監護当番の聡と秋山は顔を見合わせて、慌てて木箱を抱え先生の後を追った。


   3人が教室から出て行き、秋野先生のカツンカツンという杖の音が廊下の向こうへと遠のいたのを確認したかのように、教室が急にざわめき始めた。

「秋野めぐみだってさ!」


「あんな皺くちゃで、とてもめぐみって顔には見えないよな!」


「あら、先生に向かってそんな失礼なことを言うものじゃないわ」


   教室のあちこちでそんな声が聞こえている。

よねやふみ、サチも負けじと同じようなことを話し始めた。


「秋野めぐみだって!」とふみが言えば「めぐみって雰囲気はないわ」とサチ。

「でもめぐみなんて可愛らしい名前つけてもらえていいなあ」そう言うよねをふみとサチが見つめた。


「だって、私はよねって言う名前でしょ。めぐみなんていう名前をつけて欲しかったなぁ」と言って舌をペロッと出した。


「そうねぇ、よねちゃんの妹は麻美(まみ)なんていう可愛らしい名前だもんね」

「でも、よかったんじゃない。ふみちゃんが期待していたお化けの話は今のところ授業では無さそうよ」


「ほんと!よかったわぁ。でもさ、何で私が『または』がつくことを、気にしていたって先生は知っていたのかしら?  もしかしたら、誰かが言いつけたとか……?」


「そんな暇、みんなにあるわけないわ。先生は私たちが考えていることがわかるんじゃないの?」よねは、ふみやサチに笑われるのを覚悟で言ってみた。すると……


「そうかもしれないわね。秋野先生は、私たちが考えていることがわかる!  そしてそれが先生がおっしゃる霊力なのかもしれないわ。……もしかすると私たち、すごい力を手に入れることになるかもしれないわよ」


   サチにしては珍しく少し興奮気味に鼻で息をしながら、眼鏡の真ん中を指で押し上げた。




ワカバよもやまコーナー 

(92)


  お仕事で上司と横浜の青葉台っていう所に行ったよ〜(((╭( ・ㅂ・)╯テクテク

   昼食は何処かないかなぁ…と歩いていたら、何だかスゴくレトロな雰囲気のラーメン屋さん発見(☆∀☆)



   ⬆️ 看板に創業昭和八十八年って書いてあるけど、昭和って何年まであったのか、知らない2人👭🏻

   とりあえず入ろう‼️と中へ入ってビックリ〜…ラーメン屋じゃないやろ (; `•ω•´)< ナヌ?!


   レトロ感満載📺📻🎙🕰🎥🎞


    何百年も前のテレビ📺   およねさんの時代が舞台のドラマやってる〜💦

   店内に流れている曲は、すべて1960年代の曲ばかり(*´・д・)θ~♪ だそうです


   レトロなのに、これ下矢印で買う🎫


   2人で同じものを頼んでしまた、金曜日限定の「比内地鶏のラーメン定食」ラーメン

   テーブルも年代ものだわぁ✨

箸とレンゲがグリコと森永の缶に入っている⬆️


   因みに、レトロなのにFree-WiFi やスマホ撮影用ライトが置いてあります💡☆。.:*

(スマホ撮影自由みたい)


    えっ(;゚Д゚)! 加山雄三さんのサインが…❣️


  「ぴったんこカンカン」で放送されたんだぁ

   因みに、元ジャニーズの方や阿部寛さんもいらしたとか…サインはNGだったそうです💦

   この他にも沢山、サインされた色紙が飾ってありましたぁ💙💚💛💜❤💗💖  何で撮り忘れた…バカバ…いえ、ワカバ ガーン



   それから1週間後、仕事でまた同じ街へ👭🏻

今回は、こちらの喫茶店へ…⬇️



   ご夫婦で経営してらして、アイスコーヒーがとても美味しい〜✨💖✨💖

   焙煎仕立ての熱々な珈琲を氷がいっぱい入ったグラスに目の前で注いでくれるの〜🧊🧊🧊☕️

   そしてBLTベーグルサンド〜🥯



   街の名前は青葉区…仙台にもあるよね

信号に桜台の標識が…🌸🌟🌸🌟🌸🌟

   春は桜並木になるのかなぁ🌸🌸🌸🌸

   ここの仕事は2回で終わり〜(ノω・`。)ァレマッ...

個人的に来るには遠いし…("¯̆‎ᵔ¯̆)ꢖ" ザンネーン


   これから仕事、忙しくなりそう d(º∀º。)ダヨ!!


第19章「存在理由なんていらない!」①  へつづく



「およねさん」


 今回の主な登場人物…


土志田(どしだ)よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台(あさみだい)尋常小学校5年生。

秋野 めぐみ「霊媒学または霊魂学」の先生。謎の能力があるようだが…。


(ブログは毎週火曜日0時2分に更新予定です)