「……だがらぁ『霊媒学または霊魂学』っちゅう『または』がつぐんだ。こんでわかったが、平山!」

   突然、そう言われふみは目を丸くして鼻をヒクヒクさせてこっくりと頷いた。



   そう言えば、さっきふみちゃんは(何で「または」がつくのよ!  「または」が……)ってヒステリックに言ってたっけ。


   よねはそれを思い出した。そして、この先生は人の考えている事がわかる!  という結論に達した。


(でも、この能力は前にもどこかで経験したような……

   そうだ!  夢の中であったお爺さんだわ!)


   そんな想像を巡らしていると、先生はニターッと笑ってよねをチラッと見ながら、すぐにみんなを見回し、次のような説明を始めた。


「だども、霊力を身につけるっつったってそう簡単にはいがねぇぞ!  まんずさっきの『笑い呼吸』で気持ちば静めろよ。


    そして、風が吹いできたら風の気持ちば感じろ!  花を見だら花の気持ちば受げ止めろ!  そして石さ出会ったら、その石の中さ刻み込まれている歴史ば見つめろ!   


   自分の中さ、自然の息吹き、力ば取り込め!  生半可な気持ちじゃでぎねぇぞ。だどもな、素直な気持ちがあればすぐ身につぐ!  ……人ば信じる心!  真(まこと)ば貫く心!  万人に愛ば注ぐ心!  ……そんな勉強ばしていぐがらな」


   先生がそう言うとみんな自然と「はい!」と大きな返事をしていた。いつの間にか、教室が一体となっている雰囲気をよねは感じていた。


「んだ!  いい声が出できたぞ。返事っつうのは、素直な気持ちが湧いてこねえど出ねぇもんだからな。……そして霊力を身につけるのでいっちばん大切なんは、あらゆる自然との調和だ!


     わがるが?  さっき言ったべ。花を見たら花の気持ちば受け止める……これはな、心を静めて花を見て、花が何を言おうとしてるかじっと耳を傾けてみんだ」


「あっ、俺知ってる。それよ、花言葉って言うんだぜ。この前、サチから聞いた」

   聡が突然デカイ声を出した。


   するとサチがいきなり聡の方を睨みながら「何言ってるの!  この間ちゃんと説明したでしょ。花は喋らないんだから、それが花言葉じゃないの!  ……ちょっと、恥かかせないでよ。ほんと、わからない男ね!」とブツブツ言うものだから、みんながゲラゲラと笑い出してしまった。


   聡はピシッとサチに言われ、真っ赤になっている。


「うんにゃ、それはわかんねぇぞ。花の特徴を捉えたのが花言葉になったんだべ。そんだったら、花がなんがを語りかげできたのを聞いだ人が、その花にあう花言葉を作ってやったのがも知れねぇぞ」


   先生の言葉を受けて、聡はどうだ!  という自慢げな顔でサチをニンマリと見るものだから、サチはツンと横を向いてしまった。


「だったらな、岩田!  おめぇに聞くぞ」

   エヘン!と腕を組んでいる聡に先生の質問がいきなり飛んできた。


「きれいな花ば育でで、そんれが売れればもっといっぺ作って……。そんでもってよ、花の特長ば活(い)かせばもっと売れるんじゃねえがって、人間はどんどん欲が出でくる。


   もっときれいな花の色にするべぇとか、もっとおっきな花ばこしらえようとがな。そごでだ。おらがこれがら黒板に花の名前ば一つだけ書くがらな。それが何の花が当ででみろ?」


   先生はそう言うなり、黒板の方を振り向いて小さな身体を目いっぱい伸ばし、右から左にたくさんの漢字を書き始めた。


   因みに当時は横書きの場合、今とは逆に右から左に書くのだ。先生がチョークを黒板に走らせる音と左に移動する度に突く杖の音がカツンカツンと微妙にマッチしてシーンとした教室に響いていた。


   先生は、無事書き終えたらしくみんなの方を振り返った。先生の背が低いため、黒板の下の方に書かれたその文字はとにかく漢字ばかりで、誰も読むことはできないだろうとよねは目を凝らしてジッと見入った。


   誰もが首を傾げている。

   そこには、こんな漢字が羅列されていた。


『孔雀変化林風極紅車狂追抱花真蔓葉数莟生』(この漢字はそのまま左からお読みください)


「どんだ?  これば、江戸じでぇの人がある花を品種改良したもんだ。わがるが、この意味?  花ばもっときれいにするべってよ、いろいろいじくり回したらこんな長ったらしい名前の花になったのよ。ほれ、岩田!  何の花か当ででみろ?」


「えーっ、そんな呪文みたいな花の名前わかんねぇよ」


   聡は頭を抱えながら、周りをキョロキョロし始めた。しかし、誰も聡に正解を教えられる者などいるわけがない。それよりも何て書いてあるかさえわからないのだ。


「そんじゃ、岩田は降参というごとにするが?」先生にそう言われ、聡は「はい」と小さく呟いた。


「んだば、坂口!  おめぇどうだ?  母ちゃんは花屋だべ?  だったらなんだがわがるべよぉ」

   先生の次の矛先は闘馬となった。


   先生に指されて、闘馬は「はい」と言って立ったがやはり首を傾げていた。


(お母さんが花屋っていったって、坂口君とは直接関係ないからわかるわけないわよ)

   よねはそう思いつつ、先生が何で坂口君のお母さんの職業までわかるのかしら?  と不思議に感じていた。



ワカバよもやまコーナー 

(91)


   今日は、ドラゴンボールフィギュアじゃないシリーズ〜❣️
   未使用のシールが、たくさん出てきたんだけど、推しのシールって使えないよねぇ😅
   みなさんは使えますかぁ❓


   ⬆️ のは保存状態悪いけど⬇️ 3枚はとてもいいの〜✨








   ⬇️ これは、この絵柄のジグソーパズルが入っていた箱〜📦   この箱の中にシールなど入っていましたぁ 💚

   肝心のジグソーパズルは、ワカバが作ったよ〜❣️  残念ながら、保存状態悪くて廃棄〜💦



   ⬇️ 父の書棚から、ドラゴンボール大全集が出てきたぁ ✨💖✨💖


   この全集の中から、よもやま話に挿入したイラストもあるよ〜❤️



   よく頑張って買ったねぇ🌟🌟🌟


    鳥山明ワールド炸裂だわぁ💥


   カンフー好きな鳥山明先生の描き方がぁ👏


   補足的なイラストまで〜🌸🌟🌸🌟🌸🌟


   そしてこちらは、ドラゴンボール30周年の記念の記録集 ✨💙💚💛💜❤💗💖✨



   並べてみましょう📓📖📒📕📚

   あれぇ❓大全集の⑤が無い〜💦  父に聞いたら、買い忘れたんですって…(×。×)アチャー


   仕方ないから、カリン様が持っている超神水でも飲みますかぁ🍶

 




   でも、これを飲むと超もがき苦しむんだって💦  


   それを乗り越えれば、未知のパワーが覚醒する〜💪

   勇気ある方は、篠竹村に飲みに来てね〜🙆🏻‍♀️



第18章「霊媒学または霊魂学」⑥  へつづく

※ 一部 SNS よりお借りした画像があります。



「およねさん」


 今回の主な登場人物…


土志田(どしだ)よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台(あさみだい)尋常小学校5年生。まだ自分にもわからない未知の能力を秘めている切れ長の目を持つ10歳の女の子。


老婆…「霊媒学または霊魂学」の先生。謎の能力があるようだが…。


(ブログは毎週火曜日0時2分に更新予定です)