10分間という短い休み時間が終われば、みんなが一番気にしている「霊媒学または霊魂学」の授業が始まる。ふみとサチがよねの所にやってきた。


「ねえ、『霊媒学または霊魂学』の先生のことを花門前先生はやさしそうな先生っておっしゃってたけど、どう思う?」小鼻をヒクヒクさせながら、ふみが聞いてきた。


「ううん……、わからないわ。だって先生、口ごもるんだもん」よねは首を傾げた。


   3人が話していると、曇り空の見える窓側の席から聡の大きな声が響いてくる。


「まったくなぁ、今日の1時間目は席替えかと思ったのによぉ。……だってまだ4年生の時と同じ席順で座ってるだろ。……それにしてもまさか指されるとは思わなかった」


「席替えはやるとしても、4時間目のクラス会(学級会)だよ」闘馬の声も聞こえている。


   闘馬たちの話とは関係なく、こっちはこっちでサチの話は続いていた。


「あれは、先生が自分の意見を私たちに押しつけてはいけないと思って、ああおっしゃたのだと感じるわ。大人の目から見た捉え方と私たち子供の眼から見た捉え方では違うでしょう?」


   サチは相変わらず、低音に磨きが掛かったような……特に5年生になったらそれが余計、強く感じられる喋り方だ。


「それじゃあさ、その件は置いといて……。この『霊媒学または霊魂学』には教科書がないでしょ。どうやって勉強するんだろう?  それにさあ、『霊媒学または霊魂学』って言いにくくない?  長ったらしいし!  それに何で、またはがつくのよ、またはが!」

    ふみは明らかにイライラしているようだ。


「だって、霊媒や霊魂の勉強をするのに本なんて必要ないでしょ。要するに幽霊や人魂の勉強なんでしょ」

   サチがそう言った途端、ふみは両方の耳を塞いでヒステリックに叫んだ。


「ちょっと、やめてよ!  ゆ、幽霊とか人魂とか言うの!  私、そういう類いの物だめなんだからぁ。よくサッちゃんは平気な顔してそんなこと言えるわね!」


「だって、それらを学問として科学的に解明しようっていう授業なんじゃないの?  きっと」サチは眼鏡のふちに手をあててサラッと言い放った。


   一瞬、大きな灰色の雲がガラス窓を霞めた。

「早く席に着いて下さい!」聡の大きな声が教室中に響く。2時間目が始まる1分前を報せる鐘が鳴っていたのだ。


   ガタガタッという椅子が鳴る音もけたたましく、よねもふみもサチもみんな慌てて着席した。一瞬、教室中がシーンとなった。何ともいえない緊張感が走る。


   いくら花門前先生の言葉を信じるとしても、やはり今まで体験したことのない授業には違和感がある。といって、クラスの全員がこの授業を完全に否定しているわけではないようだ。


   なぜなら、よねの耳にはクラスの何人かが「幽霊って本当にいるのかな?」とか「お化けのことを授業で勉強するなんてすげぇな」などという興味本位の発言が聞こえていたからだ。


   彼らは、この授業を少なくとも嫌ってはいないだろう。そういうよねもほんのちょっとだけこの授業には関心があった。


   人魂なら昨年の夏に見たことがあったし、死んだ人の霊魂なら怖いなどと思ってはそれこそ失礼だと感じている。


(人魂って何で飛んでるんだろう?  身体のどこから出てきたんだろう?)

   そんな疑問が解決されるのなら、むしろ楽しい授業になるかもしれない!  と密かに思っていた。


   しかし、ふみのあの怖がりようを目の当たりにしては、自分のそんな考えを言って説得する気にはなれなかった。


   下手にそんなことを言っては、ふみからどんな言葉が返ってくるかわからない。


「よねちゃんは無神経だとか、男勝りだから平気なんだとか……」

   よねがそんなことを考えていると「コツッコツッ」という廊下を何かの棒で叩くような音が聞こえてきた。


   それがだんだんと近づいてくる。よねは何だかこの音をどこかで聞いたような気がしていた。すると、その音は教室の前で止まり、静かに扉が開いた。




ワカバよもやまコーナー 

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   2週間おきの「追悼・鳥山明先生、ドラゴンボールシリーズ」だよ〜🌟


   今回は、子供の悟空が少年期に入ってからのシリーズ〜歩く


    ⬇️ まさに「 気功砲」の体勢の天津飯


   「魔光砲」など多彩な技を持つ、ピッコロ大魔王が出てきたねぇ⬇️


   自分の尻尾で魚を釣るような子供だった悟空がぁ…⬇️


   ピッコロ大魔王の息子「マジュニア」と戦う青年になっていったね〜💓


   子供の頃(コミック第2巻)にチチと交した約束を少年になった悟空は守ったもんねぇ(コミック第15巻)⬇️



    そして、御飯が生まれたよ〜歩く


   ベジータというサイヤ人も加わって、悟空の仲間が増えていく〜⬇️


  そこに立ちはだかるフリーザ❗️フリーザのフィギュアは3/12更新のブログを見てね〜


   フリーザをスーパーサイヤ人になって倒した悟空にまた新しい仲間がぁ⬇️


    ベジータはブルマと結ばれたねぇ✨💖


   フリーザはメカ・フリーザになって復讐に来たけど〜⬇️


   トランクスに簡単にやられたね💥💥💥


    悟空にまた新しい仲間がぁ〜💞

 

   ⬆️この大きなプラポスターは右下のコミックスと比較するとその大きさが分かるよ〜⬇️



    トランクスは未来から来たんだけど、それはこの最強の敵・人造人間セルの誕生を阻止するため〜⬇️




   新しい仲間と敵を描くことでドラゴンボールワールドが広がって行ったねぇ✨💖✨💖




   … つづく〜


第18章「霊媒学または霊魂学」②  へつづく

※ 一部 SNS よりお借りした画像があります。





「およねさん」


 今回の主な登場人物…


土志田(どしだ)よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台(あさみだい)尋常小学校5年生。まだ自分にもわからない未知の能力を秘めている切れ長の目を持つ10歳の女の子。


坂口 闘馬(とうま)…横浜から転校して来たよねの同級生。今後の物語の鍵を握る。


平山 ふみ …よねの同級生。鼻ぺちゃのお喋りで明るい性格。


山村 サチ …よねの同級生。インテリ眼鏡で冷静沈着。いつも低音で論理的に喋る。


岩田 聡(そう)…よねの同級生。図体がでかく勉強は大の苦手だが、人情に厚い魚屋の息子。


(ブログは毎週火曜日0時2分に更新予定です)