先生は私に何をやらせる気なんだろう？と病気の話よりもそっちが気になってきた。
これに関する予知夢は見てないし……。よねは目を閉じたまま、しばらく考え込んでいた。
よねが帰宅したのは、昼前だ。
今日は始業式だし授業はない。授業は明日から本格的に始まる。
あの後、よねはすぐに養護室から開放され、結局教室に戻ってもみんなと大した話もできず、先生から５年生で使う新しい教科書を手渡されたくらいで下校となってしまったのだ。ただ、帰り道にふみとサチからいろいろと情報を収集する事はできた。
まず時間割だ。早速「霊媒学または霊魂学」の授業が明日「修身」の後の２時間目に入っている。
「やだね～」「どんなことするんだろう？」「どんな先生なんだろう？」「まだ一度も私たちに顔を見せていないところを見ると、きっとすごい顔なのかも！」「ひぇ～っ！」
この教科については、そんな話題ばかりが飛び交った。そして、よねが密かに楽しみにしているアルドボールは、３日目の５時間目。
このアルドボールについては、校長先生より新しい顧問の先生の発表があったという。
「新しい顧問の先生は、もちろん私たちの担任、花門前先生だったわ」とサチが言った。
よねやふみ、サチ、そして聡はこの件に関しては、別段驚きもしなかった。
なぜならいつだったか、闘馬から花門前先生がアルドボールの経験者であり、もしかしたらすごい選手だったのではないか、と聞かされていたからだ。
もしかしたら、花門前先生はアルドボールの顧問になりたいのかもしれない、とあの時闘馬は言っていた。だから、この５人にはある程度の予備知識があったのだ。だから、驚く筈がなかった。
しかし、いきなり運動が得意な槙田先生から、花門前先生に顧問が代わると聞けば、他の生徒が驚くのも無理はない。
結構過激なスポーツであるアルドボールの顧問に、女の、それも華麗な雰囲気を醸し出している「花門前麗香先生」がなるなんて、と子供心にもみんなは信じられなかったようだ。
「それで、花門前先生の挨拶がここで入る筈だったんだけど、誰かさんが具合悪くなっちゃったおかげで、先生、養護室に行ってしまわれたのよ」
サチが低い声でいつものように眼鏡の真ん中を押し上げて言うと、ふみが「サッちゃんはまたそんな憎まれ口を言って！」とサチの方を睨んだ。しかし、サチは別に悪びれもせず、平然と歩いていた。
よねはそんなことを思い出し、クスクスと笑った。サチは別に悪気があって言っているのではないことを、よねは百も承知していたからだ。
逆によねは「ところで、サッちゃんが楽しみにしている演劇学はいつあるの？」とサチをからかった。
サチは突然「ゲホッゲホッ」とむせ返りながら「あさっての４時間目！」とつっけんどんに言い放った。
２階で着替えをしながら、そんなことをよねは思い出していた。
そろそろ昼ご飯なので居間に下りて行くと、辰五郎が座布団に座ってお茶を飲みながら、先生からの連絡帳を読んでいる。
「先生からの連絡帳には、目眩みたいなものがあったと書いてあるがもう大丈夫なのか？」
「はい、もう大丈夫」
よねは先生たちが話していたメニエール病のことを言って、親に余計な心配を掛けてはいけないと思い、軽く返事をした。
「そうか、それならいいが……。もしも、また目眩が起こるようだったら、耳鼻科に行った方がいい、と書いてあるからその時は我慢をしないでちゃんと言いなさい」
「はい！」よねは辰五郎を少しでも安心させようと思い、大きな声で返事をした。
こんなことで遊びを制限されてしまってはかなわない、と思ったのは言うまでもない。
ワカバのよもやま話コーナー
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お友達と世田谷の桜新町にある「桜神宮」へお参りに行って来ました🌸⛩
良縁にめぐり逢えますように🙏
手作りのレースのお守りも戴きました🌸
帰りは「サザエさん通り」を散歩しましたよ〜
（カツオくんとワカメちゃんがお出迎え〜…これは合成ですよ〜）
サザエさんとタラちゃんもいたけど…
長谷川町子美術館を案内するサザエさんの前にガードレール…これ、何とかならないの〜💦
「長谷川町子美術館」は、改装のため残念ながら休館でしたが、館長さん❓のご厚意で美術館の敷地内で写真を撮らせて戴きました（お優しい✨💖）
(右から、サザエさん、長谷川町子さん、意地悪ばあさん)
枝垂れ桜がとても綺麗 🌸🌸🌸🌸🌸🌸
こちらの「シダレモモ」は、長谷川町子さんのお宅から植樹したそうです ⬇️
波平お父さんの髪の毛は、1本、ちゃんとありました 笑
お友達とちょっと休憩 ☕️
ダイエット中のワカバは、ホットケーキで我慢〜😖💭
改装は4/5 までなので、また機会を見つけて行こう🙆🏻♀️
という訳で、赤い箱はまだ出せず〜💦
楽しみにされている方がいらしたら、ごめんなさい🙏
来週は、何が出てきたか発表しますねぇ💓
※ 一部 SNS よりお借りした画像があります。
「およねさん」
今回の主な登場人物…
土志田（どしだ）よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台（あさみだい）尋常小学校5年生。まだ自分にもわからない未知の能力を秘めている切れ長の目を持つ10歳の女の子。
平山 ふみ …よねの同級生。鼻ぺちゃのお喋りで明るい性格。
山村 サチ …よねの同級生。インテリ眼鏡で冷静沈着。いつも低音で論理的に喋る。
（ブログは毎週火曜日0時2分に更新予定です）