「じゃあ、親分……あっ、すいやせん、つい口癖で……」


   米寿は頭を掻きながら、言葉を続けた。

「……親方!  ではあっしは今日はこの辺で……失礼しやす」


「いつもすまなんなぁ。せっかく来てくれても、毎日何の収穫もなしじゃやりきれん」

   惣八は天を仰ぎながら、言葉少なにそう語った。


   その通り、惣八は米寿とお荒神様の海雲寺境内で出会って以来、ここ一週間、二人でハルの捜索を続けていたが、これといった手掛かりは何一つつかめないでいた。


   しかし唯一、惣八の心に一筋の光明を与えてくれたのは米寿の存在だった。一人で捜していたときよりも、惣八の顔色が良くなっていたことでそれははっきりとわかる。


(米寿さんが来てくれて良かったんだなあ)

   よねは、通りで会釈をしながら去って行く米寿と、それを見送る惣八を麻美と一緒に店先を掃きながら横目で見て、ふとそんなことを考えた。


   よねは自分と同じ「よね」と言う字が名前につく、米寿に少なからず親近感を覚えていたのだ。それに米寿も最初出会った時のあの汚い格好とは大違いだった。


 あの日、惣八の家に呼ばれた米寿は、風呂に入り、惣八から洋服を貰い、散髪もしてきた。

   ざんばら髪がきれいなオールバックとなり、この一週間いいものもご馳走になっていたのだろう。土色だった顔色は、健康に赤味がかり肌の色艶も良くなっていた。


「おや、およね坊も麻美ちゃんもお店のお手伝いかい?  えらいねぇ」

   米寿と別れた惣八がこちらにやってきた。


「こんにちは!」よねと麻美は丁度掃除が終わるところだったので、箒とちり取りをしまいながら惣八に挨拶をした。


「いやあ、もう明日から新学期が始まりますからね。いつまでも遊び気分じゃいかんぞ、と言ったら自主的に掃除をやり出したんですよ」


   店先で下駄の整理をしていた辰五郎が微笑んだ。しかし、惣八の顔を見るやその笑顔は影を潜めていった。 


「辰五郎さん、わしを見てそんなに顔を曇らせんで下さい。と言ってもわしの顔が人をそうさせるのかもしれんが……」


「いえ……、うちの娘たちはハルちゃんと同じ年頃ですからね。……惣八さんがハルちゃんを思い出すのも無理はないと思いまして……」


「そうだねぇ……。ハルも今年で3年生。いなくなってから、あっという間に3ヶ月になるが、あの子の両親のやつれた姿を見るといてもたってもいられないんだよ。不憫でなぁ。……昨日もハルの家に行って来たんだが、あの子がいつ帰って来てもいいようにとランドセルや新しいノートが机の上に置いてあった。そんなのを見ると、何とかしてやりたい!  と思うんだが……。さすがに、疲れた……」

   惣八は小さく肩を落とした。


「いえ、親方は良く頑張ってらっしゃると思いますよ。ただ、如何せん体の方が心配だ。……でも、親方がここまでハルちゃんの消息を捜し続けるからには、何か当てがあってのことだと思うんですが、違いますか?」

   辰五郎が下駄にはたきをかける手を止めて尋ねた。


「うむ、実はそうなんだよ。あの日……、ハルがいなくなった日に、わしは米寿を見かけた。ハルを捜すのと同時にわしはあいつも捜していたんだよ……。あいつが何か知っていると思ってねぇ。しかし、とんだ見当はずれだった。あいつは何も知っちゃあいない。……ふふふっ、知るわけもないか……」

   惣八はまるで自分自身を納得させるようにつぶやいた。


「でも、どういうことなんです?  米寿さんを見つければ、何かわかったかもしれないなんて……。そう言えば、海雲寺で会った時、米寿さんが変なことを言ってましたよね。『手嶋組を解散に追い込んでしまった』とか……」


   辰五郎がそこまで言うと「いや、辰五郎さん、仕事中、手を止めさせてしまって悪かった。老いぼれはちょっと家で休んどるよ。ハッハハハ……」

   惣八は笑いながら、背中を見せてさっさと行ってしまった。




ワカバよもやまコーナー 

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   ここからは、辰年になって観た映画〜🎬


   トットちゃんの映画は、お母様と観に行ったの〜

   案の定、いきなり寝てしまったわ😪

   トットちゃんがお友達に「どうしてそういう歩き方するの」「ボク、小児麻痺なんだ」のシーンだけ、観てない💦

   でも、とっても仲良しになるトットちゃん❣️

愛がいっぱいの、いい映画だったわぁ💓

お母様、グショグショに泣いてたしね😭


  丁度「 およねさん」の時代の電車が出たぁ🚃


   見て見て下矢印 よねちゃんの舞台の一部になってる、大井町行きの電車 🚃💨

  

   この映画は、ワカバのお友達の同級生が出演してるし(この8人の中にいるよ)下矢印西野七瀬ちゃん好きだから観に行った〜


   驚愕のラストと、あるけど…感動のラストだったわぁ👏



   「鬼滅の刃」 絆の奇跡、そして柱稽古へ…もちろん、観に行きましたよ〜

    ついに、柱が8人全員出てくるー


…の前に、禰豆子ちゃんが鬼から人へと戻っていくシーンは、スクリーン & 音響効果で臨場感あり過ぎて、泣ける〜💦


   村人を助けるべきか、妹を陽の光から守るべきか、踏ん切りが付かない炭治郎を(私はいいから、早く村人を助けに行け!)と蹴飛ばす禰豆子


  妹・禰豆子との 今までの思い出が、炭治郎の脳裏に甦ってきて…



   ↑↑↑ 陽の光に体が焼けただれて朽ちていく禰豆子


   アレ? 禰豆子が立っている~

   ワカバの右隣のおばちゃま、身を乗り出して観てたけど…映画始まって7分位でオイオイ泣いてたぁえーん


   思わず絵葉書買ったわ💖



   ワカバの好きな、胡蝶しのぶのアクスタと甘露寺蜜璃のお人形さん💚💙


   ホントは、ワカバの好きな山﨑賢人くんの映画を観るハズだったのに、友達の帰宅時間の関係で見れなくて…どんだけ、箱入りなんや 🫠


   代わりに観た映画 下矢印

   それが、面白くて寝ないで観れたぁ👌


   まだ、何の能力も持たない3人の女の子を予知能力しか持たないマダム・ウェブ(左から2人目)が悪人から守る~✌️


   まるで、大きなよねちゃんが4人出てきた感じだわ 笑


   今度は何の映画を観ようかなぁ…



第17章「ちょっと不安なそれぞれの新学期」②  へつづく

※ 一部 SNS よりお借りした画像があります。