「おお、辰五郎さん……! ちょっと余計なことはしないでくれ! 俺はこいつに話があるんだ!」
惣八は、辰五郎が米寿(よねじゅ)と呼んだ男の胸ぐらを離そうとしない。何の抵抗もしない米寿の両手は、惣八につかまれ揺さぶられる度に、右へ左へブラブラと揺れた。
辰五郎は「とにかくこんな通りの真ん中では何だから……」と言って、二人の両肩に手を回し、通りの隅へと押しやった。
それを眺めていたふみがよねに聞いた。
「惣八おじさんと一緒にいる人、誰? あの人?」
「知らない……」
よねは首を振った。冗談じゃない、こっちが教えてもらいたい位だ。
辰五郎は周囲の野次馬に「何でもありませんから……」「もう落ち着きましたので……」と言いながら、お辞儀を繰り返した。
野次馬は一人二人と散って行き、しばらくしてほとんどいなくなった。やっとでその場がさっきの慌しい、いうなれば自分のことだけで精一杯といった人通りに戻っていった。
と、突然よねの顎に生えている髭が重力に逆らいだした。
「えっ? また……?」
よねが思う間もなく、グイグイとよねを辰五郎たちがいる場へと引っ張って行く。
「イタタタタタ……ッ!」
よねは自分の意に反して、みんなと並んでいる列から二歩、三歩と引きずり出された。
驚いたのは、ふみやサチ、闘馬や聡たちだ。
「ちょ、ちょっとよねちゃんどこへ行くのよ!」
「そ、そんなのわからないわよ!イタタタ……、痛いってば! わかったわよ、行くわよ、行くから……」
よねはもうどうにでもなれ、と半ば観念したように髭に引っ張られて辰五郎のいる方角へ歩き出した。しかし、よねの不可解な行動に納得がいかないのはふみたちだ。
「ねぇ、よねちゃん! どうするのよ? 戻ってくるの!」
「う、うん。も、戻れると思うから、場所取っといて~!」
よねはみんなの方を振り返りもしないでそう叫んだ。
それにしても奇妙な歩き方をしている。
よねはどちらかというと首が長いほうだったが、歩く方向へ顎を突き出して、体が後からついて行くへっぴり腰だ……。
「何だ、あいつの歩き方?」聡がつぶやいた。
「でも、『わかったから……』とか言って、誰かと話してるような感じだったよね」
闘馬が首を傾げた。
「………………」サチだけが、何も言わず眼鏡のふちを上に押し上げていた。
よねは髭に引っ張られるまま、辰五郎の後ろへと到着した。すると、髭はパタッと引っ張ることをやめ、いつもの普通の髭に戻っていた。
「何なのよ、まったく!」
よねはいまいましそうに呟きながら、先日、老婆から言われたことを思い出していた。
「そうね、アンテーナさんだもんね。……わかったわ、何か私に伝えたいことがあったのね」
よねがひとり言のように言うと、髭の生えている部分が一瞬カッと熱くなった。
野次馬がいなくなった後も、惣八は米寿の胸ぐらを掴んで離さなかった。惣八の目は瞬きもせず、米寿を睨みつけたままだった。
やはり昔、任侠の世界で親分をしていたというだけあって、小柄だが相手を威圧するのに十分な迫力があった。言葉も今までの話し方とは違う。
よねはいつも商売用の材木の上に登っても怒らない惣八の温和な面しか知らなかっただけに、ただただびっくりしてしまい、体が硬くなり辰五郎の後ろでじっと動かないでいた。
少しの間、四人に沈黙が流れたが、やっと惣八が口を開いた。
「おい米寿! ハルをどこへやった! えっ、おい! どこへ連れてった!」
すごくドスの効いた声だ。それを聞いた辰五郎が驚きのあまり、惣八に聞き返した。
「えっ? 何だって? 惣八さん! ハルって……この間、人さらいにあった姪っ子の……ハルちゃんかい?」
「おお、そうよ。この野郎がさらったにちげぇねぇんだ! この野郎、名前の通り鬼のような野郎だ!」と叫ぶなり「さっさと白状しやがれ!」と米寿の首を絞め始めた。
ワカバのよもやま話コーナー
(76)
TOBEに移籍して第1弾となる新曲「GOAT」をNumber_i が2024年元旦に発表したよね〜
「 GOAT」は、ヤギの意味だからとNumber_i のメンバーが、ヤギ画像を載せたり〜笑
だからワカバも一生懸命に「たべっ子どうぶつ」を買ったんだよねぇ
でも「ヤギ」の出る確率は、なかなか無い〜 やっと2匹、ゲットだぜ〜
えっGOATの意味はヤギやないの〜
ほ
おぉ〜 「GOAT」の真の意味はそういうことかぁ
Number_i のメンバー、平野紫耀くんが「ルイ・ヴィトン」とパートナーシップ契約したり…
「イヴ・サンローラン・ボーテ アジア アンバサダー」に就任したり…
高価なものばかりで、手が届かないやないの〜 って、嘆いていたら…
サントリーさんが、やってくれはったぁ〜
新聞にもテレビCM開始の2日前に、一面広告〜
早速「翠」を買ってきたら、大切なお友達から「みたま石」が、届きましたぁ
何かにワカバは、引き寄せられているの〜
「いと清々し…」
そして、大切なお友達から「翠」を買うとグラスが付いてくる…という情報をいただき…早速スーパーへ 。・*・:≡( 「ε:)ノ イキマス!
え〜Σ(゚д゚;) 何十店舗、探してもグラス付きは売り切れてます…だって…
(ちょっと、待てまだ2店舗しか探してないやろ )
こうなったら、お酒の業務スーパーに行くわ絶対にあきらめないワカバは、業務スーパーへ
=͟͟͞͞ (ง -͈᷅ ₃ -͈᷄ )𑁥行キマス
(仕事もそんくらい頑張り〜)
ついに、手にしましたぁ
そしたら、その業務スーパーに「翠」に「たち吉謹製オリジナル豆皿」プレゼントと書いてある〜 ゲットせなあかんわ
初めて知ったのですが「たち吉」さんは創業270余年の老舗だそうです
そして、その他にも…「翠」を購入したら、こちらがぁ
「翠・オリジナル扇子」もゲットだぜ〜
しかし…欲張ったから、重いわぁ〜
※ 一部 SNS よりお借りした画像があります。
「およねさん」
今回の主な登場人物…
土志田(どしだ)よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台(あさみだい)尋常小学校4年生。まだ自分にもわからない未知の能力を秘めている切れ長の目を持つ10歳の女の子。
土志田 辰五郎 (たつごろう)… よねの父親。下駄屋を営む。よねの小学校に風紀委員。
手嶋(てじま)惣八(そうはち)…よねの家の裏手で材木屋を営む元やくざの親分。昔、手嶋七人衆を抱えていた。この物語の鍵を握る。
(ブログは毎週火曜日0時2分に更新予定です)