みんなと約束をしてから、三週間が過ぎていった。その間には終業式があり、胸がドッキドキの通信簿ももらった。
この当時は、みんなの学力を表すのに「甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)」という記号が使われていた。
「甲」が一番良くて、「乙」が次に良く、「丙」が普通、「丁」が一番ダメな単位として表される。
よねの成績はというと……。やはり歌には自信があるせいか、唱歌は「甲」。他に習字、読み方、そして得意の体操が「甲」だった。
他の科目は全部「乙」と「丙」が半々くらい。「丁」は一つもなかったので、ホッとした学期末だった。
友達のサチは、さすがに体操の「丁」以外はすべて「甲」。
聡はサチとは正反対。体操だけは「甲」だったが、それだけでみんなに自慢をしていた。
ふみも闘馬も「甲」と「乙」と「丙」の数はよねと似たり寄ったり。何とか乗り切った四年生最後の学期が終わっていった。
終業式、みんなに通信簿を渡し終わった花門前先生がこんなことを話した。
「みんなと一緒に過ごしたこの一年、先生は本当に楽しかったわ。いろいろなことを学びたくさんの思い出を作っていけたと思います。そして四月からは五年生。みなさんは、今まで以上にいろいろな体験をしていくことでしょう。
『アルドボール』も始まるわ。そして『演劇学』も『霊媒学または霊魂学』の必修科目も……。これらの授業はこの品川区だけのものです。
何でこんな勉強をしなくちゃいけないんだろう?などともし思ったらこう考えてみて下さい。
誰も知らなかった世界を体験、体感できるんだと。先生はそれらの授業のすべてを……なんてそんな欲張ったことは言いません。
毎回の授業で一つでも、いえほんの一瞬でもいいから自分たちに吸収できる事柄を探してつかんでいって下さい。
この他にも『古代日本史』『近代日本史』や『古代世界史』『近代世界史』も始まります。これらの科目はきっとみんなに新しいきらめきを与えてくれるはずです。
どんなに難しくて、わからなくても絶対にあきらめないで!
あきらめたら終わりよ。すべてそこで止まってしまうわ。前に進めなくなってしまうわ。だから何事も絶対あきらめないこと!このことをみんなと約束して、三学期を終わりたいと思います。
あっ、それから……一月にはとても悲しい事件が起きてしまったけど、どうかこの春休み、どこかへ出掛けるときは友達同士で行かないこと。お父さん、お母さんのおっしゃることをよく聞いて、新学期には、また元気で会いましょう!」
よねは、花門前先生の話を聞き、ああそうなんだ、もう五年生になるんだという実感が少しづつ湧いてきた。
よねの学校では、三年生から四年生になるときに一回だけクラス編成があるくらいで、ほとんど友達が代わらなかった。
また担任の先生も四年生を受け持った先生が卒業するまで代わらないことが多かった。だから五年生になってもきっと担任の先生は、花門前先生だと思っていた。
それよりもよねは、先生が最後に言った言葉「絶対あきらめない!」と言う言葉が深く胸に刻まれていた。そして何よりも「友達同士でどこかへ行かないこと!」の一言も……。
みんなでお荒神様に行こうと思っていたのだが、保護者同伴ということになりそうだ。そりゃそうだ!とよねは思った。
あんな事件があって二ヶ月以上経ったといっても、お荒神様のような人混みの中に子供だけで行っていいなどと親が許す筈がない。
そこで他の四人にも聞いてみたが、みんな異口同音で子供だけでは無理!という結論となった。
しかし、全員の親について来られたんでは、ちょっと窮屈すぎる。誰か一人だけ代表でついて来てもらおう、という事となる。
それじゃあ誰に一緒に行ってもらうか、となって決まったのが……、よねの父親・辰五郎だ。
辰五郎は風紀委員もやっているし、うってつけだとサチが言い出し、賛成多数でそう決まってしまった。
そして喜んだのは辰五郎だ。辰五郎は賑やかなことが大好きなので、子供たち以上にその日が来るのを張り切って待っていた。
ワカバのよもやま話コーナー
(72)
先日、おじいちゃん、おばあちゃんと3人でスシローに行って来たよ〜
もちろん、ワカバの奢りだよ
なんて優しいワカバ〜…実はこれが目的
平野紫耀くんが所属するTOBE のみんなが意見を出し合って選んだ「とべばん三貫盛り」
お寿司を注文するタブレットには、TOBEのメンバーが選んだ時の映像が、流れるよ〜
もう、3人で40皿はいったね
お腹いっぱい食べたぁ
ここで、おじいちゃんがタブレットを抱え込んで何やら見てる (ᯣ-ᯣ)
暫くしたら「ご注文のお品が到着しましたぁ」とかアナウンスが流れて、頼んでもいない茶碗蒸しが来たよ〜 Σ(゚д゚;)
ワカバ「誰が頼んだの?」
おじい「知らない…」
おばあ「アタシじゃないよ」
ワ「ちょっと、注文履歴見てみよ」
……それまでは、ずっとワカバがおじいちゃんおばあちゃんの分も頼んでいたんだよねぇ
ワ「注文されてる…おじいちゃんね」
爺「茶碗蒸しもあるのか…と見たけど」
ワ「それだわちょっと指に触れたのかも」
爺「次の画面をタップした時に…」
婆「注文に触れたのね…」
ワカバはお腹いっぱいだけど、食べました。
温かくて美味しい(*´~`*)ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"
すると「ご注文のお品が到着しましたぁ」とまたアナウンスが…
一同「えっ…Σ(゚д゚;)」
なんと来たのは巨大海老の乗った「デカえび天うどん◥█̆̈◤࿉∥…
![煽り](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/623.png)
すると間髪入れずに「ご注文のお品が到着しましたぁ」とアナウンスがぁ
ワ「今度はナニ」
…なんか茶色の塊 🟤🟤🟤
爺「お前は誰だ⁉️」
…赤いかの唐揚げ…
ワ「もうワタシ食べれないからね」
デカえび天うどんはワカバが必死で食べて、おじいちゃんとおばあちゃんは唐揚げ地獄
唐揚げ、あと3個
うどんには、なかなか箸が進まぬ画像
みなさんはこういう事、ありませんか
先週、60.000文字問題で載せられなかったワカバの部屋にある龍の置き物〜
この龍の持つドラゴンボール(如意宝珠)は龍や※摩伽羅魚の脳、鳳凰の肝から採れると言われるそうです✨ 🌕
どうかこの如意宝珠が、平和を祈る心を1つにして、戦禍災厄を無にする力となるよう願いを込めて…
※ 摩伽羅、摩竭魚とも漢訳され、体が極めて大きく、海底に穴居してよく船をのみこむという大魚。
※ 一部 SNS よりお借りした画像があります。
「およねさん」
今回の主な登場人物…
土志田(どしだ)よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台(あさみだい)尋常小学校4年生。まだ自分にもわからない未知の能力を秘めている切れ長の目を持つ10歳の女の子。
花門前(はなもんぜん)麗香(れいか)…よねの学級担任。24歳。容姿端麗でスポーツ、ピアノが得意。アルドボールの顧問となり、朝美台小を勝利へと導いていく。