大正12年9月1日午前11時58分、関東地方をマグニチュード7.9という烈震が襲った。関東大震災だ。


   死者十万人、損害百億円といわれるこの地震は、昼食時で炊事中だったことも重なり、火の手があちこちから上がった。


   水道管が破裂し消火活動も麻痺。完全に火災が鎮火したのは、9月3日の朝10時ごろ。東京ドーム約二千七百個分が焼き尽くされた。

   日本橋区(現・中央区)は百%燃え尽きている。一秒間に228平方㍍が灰になった計算だ。


(日比谷方面の火災)…共同通信社提供、お借りしました


   木造住宅と狭い路地が災いした。人々は、四方八方から襲う炎に逃げ場を失い、折り重なって死んでいった。

   震源は、東京の南東約百㌔の相模灘海底。


   震源に近い神奈川県は東京よりも揺れによる被害が大きく、特に横浜市内は火災による被害件数が東京を上回っていた。


    根拠のないデマにより、朝鮮人や社会主義者、無政府主義者が虐殺され、東京・神奈川に戒厳令が引かれる事態へと発展した。




    ……きっと、辰五郎さんはあの時の修羅場を思い出したんだろう。あたしも今朝は思い出したよ。あの流れ星を見てね……





    そうか、それでお婆さんは、手を合わせてたのか。とよねは思った。だけどその大地震と流れ星とどんな関係が……?


    よねのその疑問に答えるように、おキク婆さんの話は続いた。 


   「その後さ、品川神社の蔵の中で流れ星の話が載っている古くさい巻き物が見つかったのは。そこには、こう書かれていたんだよ」


   「『1つの流れ星が西から東の空に飛んだ時、飢饉がこの地を襲い、2つの流れ星が西から東の空に飛んだ時、広く大地は割れ、3つの流れ星が西から東の空に飛んだ時、この国は焼き尽くされる』って……」


   「確かそんなことが書いてあった筈さ。確認のためにもう一度巻き物を見たくても、河童祭りの日まで見れないからねぇ」


    おキク婆さんの話を聞きながら、よねは明け方の空を思い出していた。ということは……。

 「えぇ!また大きな地震が来るの?」よねは武者震いをしながら、叫んだ。


    健司は、冗談じゃないという顔をして「俺は、あの時の地震のことを今、少しづつ思い出していたんだ。お父さんが凄い勢いで、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりしていた気がする」


   「俺は、揺れの納まった部屋の隅で、小さくなって震えていたっけ。……あんな恐ろしい思いは二度としたくない!」そう言ってよねを自分の方へ引き寄せた。


    すると、拓也が「安心しろよ、地震はすぐには来ないさ」と健司の肩をポンと叩いた。

    何でそんなことが断言できる!と睨む健司に、「だって、見てみろよ」と言いながら、拓也はよねを指差した。


   「なっ、およね坊の髭!あるだろ!ってことは、みんなまだまだ元気でいられるってことじゃないか」


    そう言われて、健司は慌ててよねのあごを腰をかがめてジッと見た。よねも髭を触ってみた。

 「ホントだ、ある!」よねと健司は同時に叫びながら、微笑んだ。


    よねの髭が抜けていないということは、親戚や知り合いの中から死者が出ないと言うことだ。

   拓也に言わせれば、この髭は『幸せを教えてくれる髭』なのだ。


    「なーんだ、そうだよ。忘れてた。何で髭のことに気がつかなかったんだろ。大丈夫だよ。俺達!」健司は突然元気になり、笑いながら言った。

   「これから、初詣でに行けるじゃないか。」


    そんな健司に向かいおキク婆さんは、「なに能天気なこと言ってるんだい。言い伝えが正しければ、何かが起きることに間違いはない!今日はおとなしく辰五郎さんの言いつけを守ってなさいよ」と諭しながら話を続けた。


   「ここ品川は大火は間逃れたけど、中心地はすべて焼け野原になっちまって、何とか助かった人たちは煤だらけの体なのに、お風呂にも入れなかったそうだからねぇ」


(銀座の焼け跡にできた水たまりで身体を洗う女性)



    おキク婆さんの話を聞きながら拓也は一人首を捻りながら「それにしても何だろうな?3つの流れ星が飛んだらこの国が焼き尽くされるって。それってすごい予言だよな。それに流れ星が1つ飛んだ時に、飢饉はあったのかなあ。それともこれからかなあ」と呟いた。




(凶作に見舞われた北海道・東北は、飯米にも窮する惨状で欠食児童や娘の身売りが続出。写真は岩手県の子供たち…昭和初期の頃)



   ここでひと言付け加えると……テレビもインターネットも無かった時代。東北など至る所で飢饉に苦しんでいる農民が大勢いたことを彼らは知らなかった。



    よねはというと、怖さが半分、でも興味も半分といった気持ちで何だかワクワクしていた。

 「やっぱりさあ、河童祭りの日に神主さんの話を聞くのがいいのかも」と目を輝かせて言った。


    その後も3人は、ああでもないこうでもないと色々と議論を闘わせ始めたので、とうとうおキク婆さんは根を上げて「ほれほれ、いい加減にしてもうこの婆さんを開放しておくれ。もうそろそろ、爺さんも酔いが覚めて起きてくる頃じゃろ。このあたりで井戸端会議はお開きだよ!」


   ドッコラショと腰を上げた。「あとは自分たちで調べておくれ」

    そう言うおキク婆さんに、 3人はお礼を言いながらそそくさと外へ出ようとすると、背中越しにおキク婆さんの声が飛んできた。


  「いいかい!こんな話をあたしから聞いたなんて、誰にも喋るんじゃないよ。まるで、あたしがおしゃべり婆さんに思われちゃうからね!」


    3人は顔を見合わせ苦笑いをした。そして手を振りながら、オレンジ色からやや白っぽく変わった冬の陽射しを受け、それぞれの家へと足を速めた。




ワカバよもやまコーナー



   今日は小学校の大親友に3年ぶりに会ったお話だよ〜 ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪

   コロナで全然会えなかったからぁ、楽しみにしてたんだぁ✨


   赤羽のお友達行き付けのお店を案内してくれるっていうからぁ、楽しみに行ったらぁ〜 🥶


    ゲッ😱 居酒屋かい‼️ まだ、午前11時ですけど〜💦 Σ(゚д゚;)ビックリ仰天目がてんてん・・・


   「ここのウナギは美味しいっちゃよ〜🌸 ワタシが奢るから…」

   「ハイハイ❗️入ろ入ろ」ε≡≡\( ˙꒳˙)/シュタタタタ




    わぁ〜🌸美味しい💖

(ちょっと小さいけど、目の前で捌いてくれて、焼いてくれるから柔らかいわぁ)

   お酒の弱いワカバはビールで乾杯🍻して、もう酔ってます〜乁〃~∀~〃ゞ


   お昼前からこんなに酔わせてどうするの〜❓と言いながら、芋焼酎と麦焼酎を飲むワカバ🤣

   飲み方、知りませんヤバイヨ((ヽ(; ᐛ )ノ ))ヤバイヨ


   お刺身と何かいろいろ食べた気がするけど、覚えてないわ ≧(´▽`)≦アハハハ

   このあと、真っ赤な顔してスイーツ食べ行こう〜🍰🍡🍦🍩❣️となり、どこをどう歩いたか分からないケーキ屋さんに・:*三( o'ω')o


   和栗モンブランよ〜(🌰•᎑•🌰)

   さっきまでお腹いっぱいだったけど、もちろん別腹〜爆笑


   そのあとはカラオケ✌🎤🎶〜

よし‼️ワカバは、なにわ男子で行くわ🎤と言えば、お友達はアムロちゃん(๑˭̴̵̶́ꄱ˭̴̵̶̀ )🎤

   結局、3時から夜の7時まで4時間もいたのに8曲くらいしか歌わず〜  おしゃべりが止まらない〜 ヾ(・◇・)ノ ピヨピヨピヨピヨ  


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    みなさんは、物置物語で高橋留美子さんの「めぞん一刻・書きおろしポスター集」が出て来たのを覚えてらっしゃいますか❓

   あの時、紹介したポスターに大きなミスをしちゃってました💦  全部で8種類のポスターがあったのに、同じ絵を貼り付けちゃいましたぁ 悲しい

   そんなの別にええよ……って言われたらそれまでなんですが、やっぱり貼り付けますね💕

   これが添付し忘れた1枚です下矢印下矢印下矢印



    このポスター集はワカバが父から譲ってもらったわけですが……やっぱり価値が気になりますぅ知らんぷり

    で、調べたら……メルカリなどで2.500円や高価なものでは60.000円などがありましたびっくり


    色々あるのね〜、と思っていたら、にゃんとAmazonから……

この価格で購しませんか?とメールが来たのです 下矢印下矢印下矢印



   これって、足元を見てるんですかぁ?

何か調べるといろいろしつこく迫ってくるんですねあんぐり

    ビックリですぅ( ؕؔʘ̥̥̥̥ ه ؔؕʘ̥̥̥̥ )




   第5章「予知夢」①      へつづく



※ 画像はネットからお借りしたものと各写真保存誌からお借りしたもの及び所有物をスマホ撮影しました。





「およねさん」


 今回の主な登場人物…


土志田(どしだ)よね…この物語の主人公。土志田家次女。朝美台(あさみだい)尋常小学校4年生。まだ自分にもわからない未知の能力を秘めている切れ長の目を持つ10歳の女の子。


有田 キク … 漬物屋を営んでいるおしゃべりなお婆さん。本人は品川の生き字引きと言っているが…?


土志田 健司(けんじ) …土志田家三男。17歳。お喋りでオッチョコチョイだが憎めない存在。


山崎 拓也 …よねがあんちゃんと慕う手嶋屋材木店で奉公をしている17歳。兄は拓実。




(ブログは毎週火曜日0時2分に更新予定です)