風もなく、微かな空気のこすれ合う音すら聞こえない闇の中。

 小さな石、大きな岩がゴツゴツと敷き詰められ、草木一本生えていない何処までも続く荒れ果てたそんな場所に、真弓はただ一人、呆然と立ち尽くしていた。

 まるで自分の存在すらわからないような雰囲気で、辺りをキョロキョロと見回している。


 「ここは一体何処なの?なんでわたし……こんな所にいるの?」


 以前どこかで見たような景色に、何かを思い出そうとすると、頭が割れるように痛くなる。

 真弓は、両手で頭を押さえて跪いた。ゴツゴツとした石ころが、膝に食い込む。それでも真弓は、動かなかった。


 目をそっと瞑ると、顔も体も傷だらけの男の子の姿が浮かび上がってくる。

 (ラウラだ!)真弓は、急いで立ち上がった。


 「わたしは、ラウラが起こしたつむじ風に巻かれて、そして……、息が出来なくなった!」


 (まさか『闇鬼』がいるの!?)真弓の体が一瞬固くなったが、周りには誰もいない。暗く淋しい荒野が広がっているだけだ。


 (もしかすると、竜巻に巻き込まれて、どこか遠くの町へ吹き飛ばされたのかもしれない)


 真弓は、小学生の時に家族で見に行ったミュージカル・「オズの魔法使い」の少女ドロシーを思い出していた。


 (きっと、脳なし案山子やブリキの木こり、臆病なライオンに巡り会えるのかもしれないわ!)と、頭の中に童話の世界を広げていった。

 少しでも楽しいことを想像しないと、こんな場所に一人ぼっちでいる自分が、淋しくて、怖くて、可哀想で、仕方がなかったのだ。


 でも、いくら希望を膨らませてみても、誰一人として目の前に現れない。たまに生暖かい風が「ヒュ~ッ」と、髪を梳かすだけだ。


 こうしていてもしょうがない!真弓は、気合いを入れて歩くことにした。

 何処へ行けば良いのかわからない。とにかく、一本の木すら生えていない闇の世界なのだ。もちろん、月など出ていなかった。


 しかし、目が暗さに慣れてくると、遥か遠くの地平線が見えてくる。グルリと三百六十度の地平線が広がっていた。

 これはスゴイ!と、正直思った。

 宇宙の中に唯一人で立っているような気分になった。

 

 気持ちが落ち着くと、五感が冴えてくる。今まで聞こえなかった音が耳に入ってきた。

 どうやら、近くで川が流れているようだ。


 (飲めるくらい綺麗な川の水だったらいいけど……

 真弓は、音のする方向へ足早になった。すごく喉が渇いていることに気がついたのだ。


 上り坂も下り坂もこの世界では、歩くことが苦にならない。

 気をつけるとすれば、大小のゴロゴロとした石に躓かないこと位だろう。

 川までは難なく着いた。

 そして、唖然とした。


 ナント巨大な川なのだろう。向こう岸が見えない。まるで海のようだ。

 流れる早さも違う。目の前はゆっくりとした流れかと思えば、その一㍍先は急な流れになっている。


 真弓は川の色にも驚いた。水色に輝く場所もあれば、夕焼けのようにオレンジ色の箇所もある。真っ黒なブラックホールを思わせる流れの隣は、燃えるような赤だった。


 川全体が虹のように色とりどりだった。

これでは、水を飲むどころではないな、とあきらめかけた途端、忘れていた記憶の切れ端が甦った。


 「すまない……死んでくれ!」と言ったラウラの言葉だ。


 真弓はゾッとして、自分の体に両腕を回し「一人抱きかかえ」る格好をした。


 その途端、不意に誰かに背中を叩かれた。飛び上がるくらい驚き、恐る恐る振り返ると、そこに立っているのはラウラだった。

 ラウラは、腹全体に包帯を巻いている、といっても、普通では考えられないほど薄汚れた包帯だった。


 「ねぇ、ここ何処?」真弓は、自分の考えが間違っていることを願いつつ、ラウラに訊いてみた。

 「ここは、俺の住んでいる世界だ」ラウラは無表情で答えた。

 「何処にあるの?」

 「人間たちが『賽の河原』と呼んでいるところだ」

 「『賽の河原』?地獄……なの!」真弓の顔が引き攣っている。

 「違う。ここは、霊界へ行く入り口だ」ラウラはそう言って、川を指差した。


 「たくさんの死者が船に乗ったり、橋を歩いたり、川を泳いだりして向こう岸へ渡っている」

 ラウラはそう説明するのだが、真弓には何も見えない。

 それよりも、ここが霊界の入り口というのはどういうことなのか?


 「まさか!……まさか、わたし死んじゃったの?」真弓の問い掛けに、ラウラは首を振った。

 「だったら、早く元の世界に戻してよ!何でわたしをこんな所に連れて来たの?」

 真弓は我を忘れて、ヒートアップしていった。


 「ラウラは、あの時わたしに『死んでくれ』って言ったでしょ!こういうことだったのね!わたしをあなたの住む世界に連れて来たかったのね!どうしてよ!どうしてわたしを殺したの!?わたしを、早く家に帰して!帰しなさいよ!」


 真弓は叫びたいだけ叫ぶと、何かを思い出したように顔を強ばらせた。

 「あの時『闇鬼』は、ラウラのことを仲間だって言ってた。まさか本当にそうなの?わたしを騙してここへ連れてくるのが目的だったの?」


 「違う!あの時は、こうするしか手はなかったんだ!さもないと、『闇鬼』は真弓に憑依していたんだぞ!」

 ラウラが珍しく大きな声を上げた。その途端、腹の傷が割けたのだろうか。包帯が赤く染まってきた。


 「いいか、真弓はまだ完全に死んでいない。その証拠に、あの葬頭河〈そうずか〉を渡っている死者の姿が見えないだろう?今は、『半死人』のようなものだ」

 涙をいっぱい溜めた真弓は、ラウラの言葉を黙って聞いていた。


 「俺は、真弓が憑依される瞬間に『闇イタチ』という風を起こして、防いだ。あの風には、俺流の結界も張ったから、奴の『闇細胞』の一つ一つに小さな結界がこびり付いている。これが取れない限り、奴は次の人間に憑依することは出来ないんだ。でも、それは真弓をここへ連れて来るという結果になってしまった。悪いと思っている」

 ラウラは、高さの違う細い目を瞑って、ペコリと頭を下げた。


 そういうことだったのか……。真弓はとりあえず納得したが、この世界に長居はしたくない。

 その事を告げると「もちろんだ!とにかく俺たちは、真弓の住む世界に戻って『闇鬼』をやっつけなくてはいけない。でも、それには少し時間が欲しい。もっともっと『闇の力』をつけないと、あの野郎に勝つことは出来ない」

 ラウラはひん曲がった唇を悔しそうに噛んだ。


 「取り合えず、オババの所へ行こう。腹が減っているだろう?何か食わないと……。『腹が減っては戦は出来ぬ』って、ことわざ事典にも書いてあったからな」

 ラウラはそう言って歩き出した。

 真弓も石に躓きながら、置いて行かれないように、ラウラのうしろ姿を追った。



闇鬼・第11話「賽の河原の奪衣婆」②

             へ つづく




 ワカバ寄り道コーナー


 なにわ男子がついに11月12日にCDデビューしましたねぇラブ


 なにわ男子を知ったのはまだ「闇鬼」を投稿する前だったのかなぁ。


 気になっていましたぁ爆笑


 そうしたら今月の初め、ローソンでなにわ男子のクリアファイルが…という情報がぁビックリマーク

 これはゲットしなくちゃ、と思い配布当日ローソンへ…。

 10時半に行ったら、もう無かったわぁえーん


 お店の方に聞いたら、7時の配布とほぼ同時に完売しましたぁ…ってガーン


 まさかこんなに凄かったとは…笑い泣き


 上矢印 こういうことなのよ〜!!


 私の考えが甘かったわチュー

こうなったら何が何でもゲットしたくなる私の性分ビックリマーク

 いつもトラックの運転手さんしか行かないローソンが畑の真ん中にあったわニヤリ


 猛ダッシュで行ってみると…


 ゲット出来ましたぁドキドキドキドキドキドキ



 このごろなにわ男子を見ない日が無いくらいメディアへの露出度が半端ない!

 でもここまで来るのに、みんな苦労してる〜汗

 それも初めて知りました。


 番組で櫻井翔さんにデビューまでの下積み年数を聞かれた藤原丈一郎くん…




 一番早くデビューしたメンバーでも…

(挙手しているメンバーのみ左から道枝駿佑くん、高橋恭平くん、長尾謙杜くん)




 そんな彼らがデビュー前の横浜アリーナ・コンサートで…




 2021.7.28…なにわの日にサプライズびっくり




 なにふぁむのみんな(なにわ男子のファン)へ感謝を伝えるリーダーの大橋和也くんも感極まって何を喋ってるかわからん…笑い泣き





 みんな、いつデビュー出来るかもわからないけど下積みを頑張ってたんだねぇ爆笑



 そんな、なにわ男子…ここからは、なにわちゃん…を私は昨年、偶然にもテレビで見ていましたぁびっくり


 2020.10.18 放送の「池の水ぜんぶ抜く大作戦」に丈一郎くんと謙杜くんが出演 !!





 この時はデビュー1年前だから、番組の紹介もこんな感じ…





 2人とも奮闘してたわぁ…

 2人して金の錦鯉をゲットして縁起いいねキラキラキラキラキラキラ




 池の底の泥を太いホースで吸い取る2人…

 丈一郎くんが「バキューム男子!」と叫んでましたよ〜チュー





 泥だらけになったけど爽やかな笑顔でしたウインク






 そんな彼らをデビュー当日、このお2人がMステで祝福 クラッカー





 おぉ、確かに〜びっくり

 KinKi Kids は関西(近畿地方)出身の男子デュオなのよ〜カラオケ





 兎にも角にも…なにわちゃん !!

体に気をつけて、このコロナ禍の世界を元気にしてね〜ラブラブ






 たまにはこんな番組で怖がります ドクロドクロドクロ

(左から西畑大吾くん、大西流星くん、高橋恭平くん)



 出たぁオバケオバケオバケ

(左から高橋恭平くん、大西流星くん、西畑大吾くん)


 闇鬼が出てきたら力を合わせてやっつけてねドキドキ





 ちなみに私が気になっているのは…


西畑大吾くんラブラブラブラブラブラブ





 NHKの朝ドラ「あさが来た」では宮崎あおいさんの息子役を熱演 ビックリマーク


 「ごちそうさん」にも出ているんです音譜





 そして2022新春の「必殺仕事人」には絵師として出演。キンプリの岸くんと兄弟役ですぅ。


 この他にも紹介したい「なにわちゃん」(例えばお料理が得意なリーダーの大橋和也くんのこととか)だらけなんですが、今日はこの辺でぇウインク





 キラキラキラキラキラキラキラキラだねぇキラキラキラキラキラキラ


※ 画像はネットからお借りしました。





(闇鬼は毎週火曜日0時2分に更新予定です)