

カピ子流、自分を楽しませるプラン
①古都奈良へ向かう電車内で、安いレンタル着物のお店に電話をし、「高校生ひとりでも、着物をレンタルする事はできますか?」と問う
ついでにレンタル価格も聞いておいたらしい
②レンタル着物を選ぶ
女性の着物はヘアメイク付きで価格が高いため、メンズ着物をチョイス
ひとり旅なので全身写真が撮れないため、店員さんに頼んで着物姿の写真を撮ってもらう
③古都奈良散策
ねこまたと一緒にバイトをしていた茶屋でだんごを食べ、行ってみたかったオシャレカフェでポテトを食べ、その後なんと救急車騒動で退職した、例のパート先でランチを食べたらしい
辞めて以来顔を出す事もなかった元バイト先なので、入るかどうか躊躇ったけれど、勇気を出して入ってみたらしい。
自分をいびっていたと思っていたパートのおばちゃんズも、大喜びで迎え入れてくれたそうで、最近入ったばかりのバイトさんの話などを聞いたらしい。
らしいらしい。
、、、、すごいヒトだなカピ子は。
と思った。
「またおいでね。次はお母さんとおいでね」
と、温かく見送ってもらえたカピ子は、
あの時は仲間はずれにされてると思ったけど、どうやらそうではなかったようだ。
と、認識を改められた。
いじめているわけではない。
嫌っているわけでもない。
ただ単に、誰に対しても言葉使いや態度がキツいヒトというものが、この世には存在するようだ。
④着物姿で人力車に乗る。しかも、45分コース!!
前回、普段着で20分コースのひとり人力車を楽しんだカピ子さんは、次は絶対に着物姿で45分コースを楽しむ!と決めておられたそうな。
⑤レンタル着物を返す
お母さん、レンタル着物は夕方5時までに返さないとあかんねんで?
⑥晩御飯は、前から行ってみたかったオシャレな韓国居酒屋に入ってみた。
美味しかった。
19:30過ぎに、ねこまたお母さんが車でカピ子を迎えに行く。
カピ子の瞳は明るい。
「今日何してたん??」
と尋ねたねこまたに、上記の一連の事を教えてくれたのだった。
なに??レンタル着物??
(無駄遣いして)
じ、人力車45分コース???
(それだけでバイト代1週間分やん!あほちゃうか!)
と、内心ものすごく腹がたった。
コヤツ、お金の価値をわかってないな!!くそったれが〜!!
と思った。
、、、でも。
、、、、、でもね。
最後まで話を聞くうちに、あれ?もしかしたらカピ子の今日の1日は、とてもとても大切な1日なんじゃないのかな?
と思い始めた。
ねこまたは人生45年間で、たったの一度たりとも自分のためだけに人力車に乗った事はない。
本当はねこまただって乗ってみたい。
古都奈良を人力車で走ってみたい。
レンタル着物だってしてみたいし、気になるお店でちょっとづつ休憩してお茶やお菓子を楽しみたい。
だけど、それはしてはいけない事だ
と、ねこまたは思い込んでいる。
自分のためだけに、大金を使ってはならないのだ。
子どもの学費や、交通費や、習い事にお金は残しておかねばならない。
いや、結婚する前だって、ねこまたにとってお金は「使う物」ではなく、「貯めるもの」だったのだ。
自分へのご褒美は、ネットカフェ3時間パックの約1000円。時には大奮発して、6時間パック!
それでも十分楽しんでいたのだけれど、、、けれど、、、!!
カピ子の素敵な1日を聞いているうちに、とっても羨ましくなってしまった。
17歳のカピ子は、一緒に遊べる友達はいない。
だけど、ひとりでも楽しめる術をもう持っている。
見る人によったら、彼女のこの素敵な1日、ただ散財しただけのお金の無駄遣いな1日なのかもしれない。
でもきっと、カピ子にとったら、、、
人生の最後に見る走馬灯劇場の中に、素敵な1日として組み込まれるかもしれない。
自分の人生の物語を、自分の手でカラフルにする。
自分の機嫌を自分でとる。
自分のストレスを自分で癒す。
簡単そうで難しく
難しそうで簡単なのだ。
ねこまたお母さんも、いや、ただのヒトねこまたも、
カピ子に教えてもらったこの素敵な1日のプランを、味わってみたい。
自分のためだけに、時間とお金を使ってみたい。
自分をもてなしてみたい。
めっちゃ楽しかった!!
やりたい事全部したからスッキリした!
使ったお金の分、また明日から頑張って働くわ
と、カピ子は言う、
ちょっと怖い指導係の社員さんからは、極力全力で離れる事を心に秘めて、バイトに行くという。
カピ子のIQは71だ。
経験値は積み重なるけれど、脳みそ回路は一生7歳くらいの回転数のカピ子だ。
どこで働いたって、誰と働いたって、どの学校に所属したって、ある一定数からは嫌がられて煙たがられるだろう。
「もっとかっこいいヒトになりたい。もっと賢いヒトになりたい。わたし、わたしがイヤ」
と、言っていたカピ子、
もっと頑張れ、もっと頑張れと、今のカピ子よりももう一つ上のレベルを目指し続けさせた、過干渉ポイズンマザーねこまたが言わせていた言葉だ。
今カピ子は、とんちんかんな自分を受け入れ始めている。私あほやけど結構できるヤツや。
と思い始めている。
カピ子はすごいヒトだ。
カピ子は、すごいヒトなのだ。
カピ子が、コマネズミのように働くねこまたお母さんの背中を見て、お母さんってすごいなぁと言ってくれるように、
ねこまたも、自由に社会の中を泳ぐカピ子の背中を見て学ぼう。
カピ子のバイト先の指導担当の女性社員さんは、本当にキツいヒトなのか問題
たぶん、ただの普通のヒトだと思う。
特別に意地悪なわけでもないと思う。
働き者で責任感の強い女性なのだと思う。
ねこまたは、カピ子のおかげで発達障害についてたくさんの事を学べたけれど、我が子が定型発達タイプの子だけだったら、ねこまただってきっとアルバイトカピ子ちゃんに腹が立って怒っている。
この件に関しては、焦らず急がず、すぐに結果を出そうとせず、気を長くもって観察をしようと思ふ。
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