かわいいかわいい(←思い込むことで思春期厨二シーズンを乗り切る作戦)猿くんも中学2年生。


すっかり反抗期の抜けた姉、カピ子との仲も良好である。


クラブ活動に勤しみ、

外部のクラブチームでも同じスポーツを習い始め、

部活メンバーとも良好な関係を築いておられる猿氏。


そんな猿氏のクラス担任の先生から、2日連続で保護者ねこまたに電話があった。


どうやら、担任の女先生に呼ばれた放課後の話し合いの時に、彼の目からぽろりと涙が流れたのだそうな。



ねこまたお母さんは、彼の目から涙が流れた理由を知っている。


本日は、さるくんが涙した理由を記録しようと思う。



  偶然は受け入れるが、必然は受け入れられない。の話


同じクラスに、手のかかるタイプの少年Mくんがいる。

猿氏いわく、


少年Mくんは、そりゃあもうクラスの男子から嫌われておる。

皆が平等に厨二闇期で、皆が平等に思春期反抗期なクラスメイト男子たちは口を揃えて、此度の席替え班長会議で「あいつと同じ班だけは絶対嫌!」と、声高らかに叫び、その声を廊下で耳にしてしまった少年Mくんは、泣きながら担任の新米女先生に話をしに行ったらしい。



猿くんが病院の通院のために早退し、猿くん不在の間に話し合われた班長会の結果、


少年Mくんの隣の席は、猿くんの席となった。



わりかし我慢強い性質を持つ猿くんは、大抵の人間の相手をする事ができるし、その時々で、それなりに楽しむことだってできる。


その性格が仇となってしまった。


どうやら少年Mくんは猿くんの事が好きらしい。

なぜって??

他の男子とはすぐ喧嘩になるのに、猿くんとは喧嘩にならないから。


彼は泣きながら、

「猿くんが隣の席なら、学校に来る」

と、新米担任の女先生に言った。

(↑女先生からの電話と、猿くんからの話により情報が合致)


「不登校の子も、学校に来たくなるようなクラスにする」


をクラスのスローガンに掲げた、今年初めて担任を持つ年若い女先生は、これ以上不登校の児童を増やさないように、クラスの男子に嫌われてしまいがちなその少年を助けるために、引き続き猿くんを隣の席に指定したのだ。

(出席番号の都合により、新学期以降少年Mくんはずーっと猿くんの隣の席だ。)



猿「、、、、あー俺、たぶん中学の間ずっとあいつの近くやわ。なんか、学校に来にくい子が来やすくなる席順にするって言ってるから。」


苦虫を噛み潰したような顔で、猿くんはねこまたお母さんにそう言った。



今回、「悩みがあったら何でも先生に言って!!」と言われたらしい。

猿くんははやく部活に行きたかったから、「特にないです」と断ったそうなのだが、「5分だけでいいから話をしよう!」と熱望してくださったらしい。


猿君目線からすれば、一方的に女先生の話が続き、5分を超えても女先生の話が続き、何が何でも悩みを聞き出すまでは、俺を離してくれそうにないと感じた猿くんは、


正直に

「少年Mくんとずっと隣の席なので離れたいです。」


と答えてみた。

したらば、何が嫌?どこが嫌?たとえ嫌な相手だとしても、楽しくなれるように考えていこう!


のような提案をされ、引き続き女先生の理想論と今後のアドバイスが続いた、、、、。



あ、、、

俺、、、

ちょっともう無理かも。



声をあげて泣くわけでもなく、しくしく泣くわけでもなく、無表情のままに頬を涙が伝った。


驚いた女先生は猿くんの言葉に耳を貸し、


「今日はもう、先生に自分の気持ちを上手く伝えられそうにないので、話し合いは終わりにしていいですか?俺は部活に行きます。」


の言葉を最後に解放してくれたようだった。



その日の夕方に、担任の女先生は猿くんが泣いてしまった件を伝えるために、2回目の電話を保護者ねこまたにくれた。


うさぎうさぎうさぎうさぎうさぎ


新米女先生は、優しい良い先生である。


不登校のカピ子に優しく寄り添い、稀に登校した時はカピ子の居場所になってくださった先生だ。


カピ子からの信頼は厚い。


カピ子は、猿くんの担任が新米女先生だと知って、


「良かったなぁ!めっちゃ優しい先生やでおねがい


と、にこにこして猿くんと話していた。

猿くんも大層喜んでいたのだ。怖い体育の男先生が担任じゃなくて良かった!!と。


うさぎうさぎうさぎうさぎうさぎ


電話をくださった女先生は、ねこまたに事の経緯を話す。


どれくらい話すかって??


最初は「はい、はい」と返事をしていたねこまたが、とうとう返事をする隙すら見つけられなくなって、ちょっぴり受話器から耳を話して無言で聞いていても、気づかないくらいダヨ。


保護者ねこまたは、猿くんの気持ちが少しわかった。



この先生は優しい。

特に、何らかの問題を抱えたカピ子のような生徒に寄り添ってくださる優しい先生だ。


そして、こんなクラスにしたいという理想を持っておられる。

皆がお互いに受け入れあって、足りないところを補い合って、笑って過ごせるようクラスになるように努力をするべき。と思っておられる。


だから、少年Mくんが学校に来やすくなるよう真剣に考えておられる。


その結果が、


少年Mくんが唯一好きだと言っている猿くんと、ペアにしよう大作戦


なのだ。


猿くんもそれは重々承知していた。



でも!


猿くんもただの14歳の少年で、

皆と同じようにモヤモヤを抱える、


思春期厨二シーズンを必死こいて生きている男の子なのだ。


言うてみれば、自分の闇を消化するので精一杯。


自分の変化に戸惑い、自分を受け入れることで精一杯な多感な中学生にすぎない。


少年Mくんの問題(自分勝手に振る舞いすぎてしまうがために、クラスメイトに嫌われがち)は、Mくんが悩むべき問題であって、猿氏や他のしっかりとした生徒が責任を負うべき問題ではない。


この感じ。

一生懸命な女先生の話から受けるこの感じ。



これは、、、、あれだ!!


一生懸命にカピ子に向き合い、カピ子のために必死に時間とエネルギーを使い、

わたしがなんとかせねばとカピ子にクソバイスを話し続けた、新米思春期キッズお母さんねこまたとかぶる。



あかん、

あかんねん。

必死こいてこうすれば?こうすべきなアドバイスを話し続けてもあかんねん。

厨二なキッズには響かへんねん。


それは会話のキャッチボールちゃうねん。

会話の魚群(秋刀魚やニシンなど)や。


返事しようにも、会話がハイスピードかつ大量の魚群すぎてできへんねん。



その結果、



目の前にいる猿くんの顔が死んだ魚の目のような無表情になって、


ひと言も発さなくなり、


しまいには頬を涙が伝う現象がおこるねん。


約20分。

ねこまたは新米女先生の魚群な会話を清聴した。



タコ「あ、先生。今の先生の話を聞いて、息子の猿氏がなぜ涙したかが判明しました。」


ふいにねこまたは言葉を発した。

たっぷりと思いの丈を話した女先生は、ねこまたの話を聞こうと話をとめてくれる。


「新学期だから、最初の席順は選べません。だから、猿はどの子とも楽しく過ごせるよう努力した。なぜなら、次の席替えで離れる事ができるからです。」


「けれど今回の席替えは違います。少年Mくんが希望したから彼は猿の隣の席になった。偶然ではなく、必然的にそうされたわけです。」


「猿くんやったら大丈夫、うまいことできるできる〜」


「そんな風に先生を含む皆が言った。それは、言葉を変えれば、猿に押し付けとこうとも取れると思います。」


「猿くんだけでなく、猿くんのクラスにいるしっかりした男の子も女の子も、少年Mくんと同じ14歳で、思春期で悩みがちな中学生です。」


「学校に来にくい生徒への配慮と同じくらい、いつも楽しそうに笑っているしっかりした生徒もまた、悩めるお年頃なのだと思ってもらえるとありがたいです。」



そもそも優しい心を持つ女先生だ。

その言葉を聞いて、はっ!と思ってくれたのだろう。



「猿くんは私の話を長いな〜めんどうやな〜早く終わらんかな〜と思っていそうでした」

「解決策は学校休むこと。と言うし、、、」

「私もついつい自分の考えを伝えるだけになってしまって、、、」


とつらつらつらつらとおっしゃっていた言葉はひっこみ、



うさぎ「ああ、そうですよね。いつも猿くんは楽しそうにしていたので、仲がいいから大丈夫と思ってしまっていました。」


と、何かを考えているようだった。



タコ「先生は、猿の本当の気持ちや悩みを聞こうとして声をかけてくださっていますが、なにぶん彼も人生で1番真っ盛りな思春期です。上手く言葉にできない事の方が多いはず。」

タコ「今後は、彼の方から相談に乗って欲しいと言われた時だけ、放課後に話を聞いてやってください。」


タコ「それ以外は、ああ、何か悩んで葛藤しているねんなぁ、、、青春やなぁ、、、と、生暖かく放置していただければ幸いです。」




そうして、次の日(昨日)猿くんは中学校へ行った。

「リフレッシュ休暇とるか??」


とねこまたお母さんが聞くと、


「いや、今日休んだらなんか逃げたみたいで嫌やから行く」


と言って中学校へ行った。



んで、

本日休んだ。


なんやねん結局リフレッシュ休暇取るんかい。


本日は水曜日、貴重な貴重なねこまたお母さんの仕事休みの日だ。

おのれ、、、、ねこまたの休みにリフレッシュ休暇被せてきたなこんにゃろー


と思った。



お昼前までたっぷりと睡眠をとった猿氏は、ねこまたお母さんと2人で、実に久方ぶりに秘密基地店横の喫茶店へ行った。



その後、ねこまたお母さんと山に登る。



小学一年生の頃に、半年だけ学校に行けなくなったあの頃に、小さな子猿くんが好んだルーティーンだ。


今回はいつもの裏山ではなく、鹿がいっぱいいる芝芝した観光地の山に登った。



古都を見渡せる山頂の、なんと清々しいこと!!



猿「おお〜!!これは夏休みにでもクラブの猿軍団と一緒に来たいな〜」


などと言いつつせんべいを見せびらかし、神の使いを侍らせる猿氏。


鹿と戯れ、自生するワラビを少々摘み取り、桜もちと麦茶で休憩した。



猿「いや〜、リフレッシュ休暇最高!!」


ここ数日の間、死んだ魚の目で大海原(中学校)を漂っていた猿氏の瞳に光が入る。



付き添うねこまたお母さんの腰と、足の筋肉は疲労で泣いている。




、、、帰宅後の夕方に、担任の女先生からの3回目の電話連絡があった。



正直にリフレッシュ休暇である事を伝え、

無事元気になったことを伝えた。



タコ「次からの席替えは、くじ引きなどの偶然ではなく、必然的に少年Mくんの隣の席になる事は、、、、ないですよねウインク



と確認させていただく。




ねこまたお母さんは、変なお母さんでいい。

ねこまたお母さんは、担任の先生に好かれるお母さんでなくてもいい。

中学校に馴染まなくても良い。


カピ子が不登校になって、普通の良いお母さんの皮をを捨てて以降、中学校に寄り添わないと決めたから。



義務教育の中学校側に寄り添わず、


たとえ間違っていたとしても自分の子どもに寄り添うんだ!と決めたから。



クラスから、不登校児童の数を減らすために、猿くんは存在しなくて良い。

みんなが過ごしやすい良いクラスになるよう、猿くんは努力しなくて良い。

内申点を上げるために勉強をしたり、高校に進学しやすいよう皆勤賞を狙ったりしなくて良い。



猿くんは、今現時点で地球に隕石が突っ込んできて人生が終わるとした時に、

「あちゃー。残念や。だがしかし、とりあえず今日この日は楽しかったからいいや。今日この日までの人生も、精一杯楽しんだからいいや。」


と思えるよう精進すればいい。

自分の人生を1番大切に考えて、自分を1番好きになるためにエネルギーを費やし、

それでも余った余力の分だけ他者に使うと良い。



長い人生のほんの数年間さ中学校は。

学校がこの世界の全てではない。

ましてや、小さな田舎の片隅の中学校の世界など、例えれば熱帯魚屋さんに数ある水槽の中のひとつにすぎないのだ。


しにたいほど学校が嫌いなら、そんな学校生活捨ててしまえばいい。

仕事が辛すぎてしを選びたくなったなら、仕事を捨てれば良い。

家族から逃げるためにしを選びたくなったら、そんな家族を捨ててしまえば良い。


何度失敗してもいいし、何度後悔しても良い。


どこかの誰かが逃げることを許さないと言ったとしても、

ねこまたお母さんが許す。



猿くんが猿くんのために人生を生きることをゆるす。

カピ子が、カピ子のために人生を生きることをゆるす。


許すも何も、そもそもがそれでいいのだ。

ボンボンバカボンバカボンボン。



猿くんは自らの意思でリフレッシュ休暇を取得した。

なーーーーんも予定がない1日は、最高に幸せだったらしい。

エネルギーの充電ができたらしい。



ねこまたお母さんは、「こんな大人になって欲しい」という理想を、子どもに重ねなくて良いし、理想に合わせて指導しなくてもいい。



悪いお母さんねこまたは、ただニヤニヤしながら、子どもが四苦八苦喜怒哀楽しつつ人生のコマを進める姿を酒の肴にして、生暖かく眺めながら晩酌するのが仕事だ。



最高にハッピーな仕事だぜ。


にゃは!


 TODAY'S
 
幸せ



猿くんがにゃははと笑っている