ねこまたのおじさんな弟は、来週から新居となる日当たりの良い賃貸住宅で暮らす予定であった。



のだが!!!



まさかのまさかで、賃貸住宅の契約をやめてしまわれた。



、、、、、、、おーまいがー。




その理由のひとつになったのが、初期費用。である。




これまでの彼は、祖父母宅へ居候→学生寮→ねこまたお姉さんとルームシェア→社員寮→実家暮らし→昔話ハウス→社員寮、と、


なんだかんだと言いつつご自身で賃貸契約を結んだ事がなかったのではないだろうかたぶん?(定かでは無い)


どうやら弟おじさんの脳みそ回路の中では、賃貸住宅に家賃を支払うという事が無駄な出費の枠内に入っているようだ。



敷金礼金家賃に共益費



他者の持ち物である住宅を借りて住ませていただくからには、当然発生するゼニなのだが、

家賃を支払う事に対して、どうしようもない憤りを感じてしまうのだろう。


今回は、家賃に関しては何ら問題はなかった。

なかったのだけれど、入居前に支払う初期費用が、彼の最後の一歩を止めた。



不動産会社に支払う料金

1ヶ月分の家賃

敷金(ホームクリーニング代と記載)

もろもろの住宅に関する保険料(火災保険など)


それらを総合して約20万円ほどだったらしい。

賃貸契約をするための手続きも、彼にとったら複雑で手間がかかってしまったようだ。



めんどうくさいな



と彼は感じた。(本人談)



社員寮は雇ってもらえたらすぐに入居する事ができた。

昔話ハウスだって、家賃も共益費も火災保険料もなかった。

実家の子供部屋は、居心地は悪かったけれど水道光熱費すら支払う必要はなかった。



数回に分けて不動産会社に足を運び、姉ねこまたに保証人の欄を記入してもらい、あれやこれやとしているうちに疲れてしまったのかもしれない。


いかんせん、弟は病めるお年頃なおっさんなのだ。

「やっぱりやめよかな、、、、」

という思いに傾き始めた自分の心を持ち直す術はない。


「今回はキャンセルしようと思います。」



ねこまたのスマホのラインの着信音が鳴った。



  はいここからがねこまたの心の声



え???

まじか??

本気で言ってるんか??


賃貸住宅で初期費用を支払うのはあたり前田のクラッカーやぞ??


しかも、それなりに良心的なお値段や。


どうすんの?

住む場所決めんでどうすんの?



また実家の子供部屋に問答無用で済むんか??

ポイズン教祖婆様のアジトやぞ??

心粉々に粉砕されるぞ??相変わらずポイズン教祖ぶりは絶好調やぞ????



君が綺麗に整備した昔話ハウスに戻るんか??

「もう田舎はやめとくわ」

と言って、挨拶もせずに旅立った場所やぞ??


それかあれか??

そもそもの就職先を寮付きのどこかにする事にしたんか??


いやでも、新居に引っ越してから何かの講習を受けて資格を取ってから就職活動するって言ってたはず。


やばいやばいやばい

こわいこわいこわい


おっさんボーイな弟が起こす次の行動がこわい


  はいさらにここからが、一歩先ゆく星人に進化したねこまたの考え



はいストップねこまっさん。



でたよ出た出た過干渉。

先読みの心配おばはん。

勝手手前に人様の人生を悪い方に想像してあれやこれや手と口を出そうとしてしまう症候群。

(さすが、ポイズン教祖婆様の娘や)



ねこまたは、


弟おじさんのこれからの生活を想像するのをやめた。


弟おじさんが何を思っているのかを想像するのをやめた。


弟おじさんが困って苦しんでいるのではないかな?と心配するのをやめた。


うんうん。

弟が自分で考えてキャンセルすると決めたのだから、返事はひとつでいい。


ねこまたお姉さんは、弟がなぜそう決めたのかを問いただしたり、じゃあどこに住むの??と聞いたりせずに、


タコ「そうなんや!!オッケーオッケー!」

タコ「必要な時があったらまた連絡してな〜」



とだけ返す事にした。


ねこまたお姉さんなど、彼の人生劇場においては、舞台背景の下書きにペンキを塗る人くらいの役割でしかない。


自ら手を挙げて、彼の相談を受ける事もないし、彼の悩みを聞き出す事もない。



常日頃、カピ子への対応で鍛え磨き上げた秘技


はひふへほを使うのだ。

(全ての返事をはひふへほで受けながし、全力で肯定する必殺技)



「ごめんね(←保証人になってくれたのにやめてごめんね。だと思われる)、ありがとう」



ねこまたのスマホが、またポロンと鳴った。




さて。

さーてさて。



社員寮から出る事になる弟おじさんは、はたしてどう動くのか。


ポイズン教祖婆様とドンパチやらかすのか、

それなりにしなやかに次の道を見つけるのか、


週刊少年ジャンプで連載中の呪術廻戦の続編のように先が見えない。


ドキドキ感とワクワク感とヒヤヒヤした気持ちがミルフィーユする。



よし。

心配する事をやめよう。



だってねこまたは、呪術廻戦の続きがどうなるのかについて不安になったり心配したり後悔したりすることはないもの。


ちゃんと、偉大なる漫画家が描く世界を楽しめている。ハラハラドキドキしながら待っている。


「かー!!良いとこで終わるなぁ!続きが気になるるるるるるっ!!」

「はやく来週のジャンプ発売せーへんかなお願い


と思えている。



弟おじさんの人生についても、そのくらいの感覚で待とう。待つべき。待てるかな?


弟おじさんが描き出す人生劇場を、スクリーンの外から見ても良い。

悲しむおじさんを見て悲しみ

喜ぶおじさんを見て喜んで良い



けれども、弟人生劇場の中に入って、ともにてんやわんやしてはいけない。


助演女優賞なんかとっちゃダメダメ。いやほんまに。


ポイズン教祖婆様はなんだかんだ言って、悲劇のヒロイン(弟)を攻撃する悪役ポジションになるだろう。


がっつりと配役を手に入れてしまうに違いない。

そして、弟とおなじくらい深く悩み、打ちひしがれ、怒りがっかりするだろう。



ねこまたお姉さんは脚本から脱出する。



もう、弟おじさんの人生劇場の演者にはならない。

(ポイズン教祖婆様劇場の演者にもならないし、もちろんカピ子劇場の演者にもならない)


だって、ねこまたにはねこまたの人生劇場があるから!!!

今これからが面白いところだから!


約25年間を恋と生物の本能と育児で過ごした。

ここからは、生物の本能でもなんでもない人間ねこまたが、一回ポッキリの人生を楽しんで最後に笑って燃やされるまでのストーリーになるから。



毎日忙しいのよねこまた。

やるべき事とやりたい事でいっぱいなの。


寝ている時間以外は、目一杯自分を使っているの。



弟おじさんの事を考える時間と脳みそは、ちょびびっとしかないんだ。



さあ、弟おじさん。

次に君から導き出される一手はどんなものになるんだろう??


来週の少年ジャンプの発売日までに続きが見れるかな??



ねこまたお姉さんは、君の人生劇場の続きを楽しみに待とう。




 TODAY'S
 
幸せ


カピ子が、自分でネットからエントリーしたバイトの面接に行った。


で、落ちた。


「うわー最悪や。落ちたわ。」

と言って笑っている。


どうやら彼女は、またひとつスキルを得たようだ。


カピ子の新スキル

失敗は笑って次へと受け流す


控えめに言って最高だ


マキアレイベル 薬用クリアエステヴェール


色々便利





秘密基地店の店番をする時は、作務衣を着ている。

気分が良いぜ。