(↑のつづき)



12月のバイト先のシフトが出た。



11月末でバイトくんが1人辞めたので、人手不足は否めない。


クリスマスや年末年始、バイトママさんチームは子どもの冬休みもかかってくる。



シフト表をどこからどう眺めても、12月の半ばあたりからカピ子はキッチンに入る事になるだろう。


それどころか、ホールにも入る可能性が大なシフトだ。


ねこまたお母さんと揃ってバイトに入れる日は、5日しかない。



その5回で、とりあえずそこそこキッチン業務もできるところまで持って行きたい。


タコ「よし、次のバイトからキッチンの仕事もしてもらうから、洗い場でもじもじせずにさっとキッチンに入ってな。」


カピ子と話し合った際に、ねこまたはそんな風に伝えた。



キッチンでの作業も、ホールの業務も(レジ以外)、

繰り返すルーティーンはシンプルなのだ。


できる。家事労働を身につけた今のカピ子ならできる。


怒涛の11月の洗い場業務をやり遂げて、良い感じに体力と筋力のついた今のカピ子ならできる!


ねこまたお母さんはそう確信していた。



カピ子もやる気がみなぎっている。

やる気がみなぎっているカピ子に、オーダー用紙の記号(メニューを短縮した形で記すタイプ)を紙に書いて渡した。



バイト先のメニューと同じ材料を揃えて、自宅でもドリンクや喫茶メニューを作る練習をした。


、、、、、、。

、、、、、、、、。


、、、、、、、、、、涙。



はいすみません。

過干渉ポイズン出ちゃいましたにゃん。(かわいらしく記録)


子ども本人よりも頑張ってしまいましたにゃん。


先走ってレールを敷こうとしてしまいましたにゃん。



だってだって!!

ささっと動けて、オーダー用紙も読めちゃって、すごいよカピ子ちゃん、やる気満々で頑張ってる拍手拍手拍手



って、みんなに褒めて欲しかったから



ねこまたが。

はいこれ、これが駄作で蛇足。


本日、パートに入ったねこまたは初っ端から張り切っていた。


声を出せとせっついた。


洗い場にちょっこりと居座るカピ子に声をかけて、キッチンに入ってもらい、器具の場所を教えた。


喫茶メニューも教えて実際に作ってもらった。



12月になって、客足が落ち着いた今ならそれが出来るから。

エンドレスに追われ続ける洗い場業務がない時間帯に、カピ子に教えてしまいたかったから。



仏頂面でスイーツを用意するカピ子が雰囲気を悪くしたわけではない。


彼女はイライラしていたわけでなない、ただ緊張していただけに過ぎないのだから。



イライラした雰囲気を醸し出していたのはねこまたなのだ。

カピ子を焦らせて、カピ子を無表情にさせ、カピ子に涙を流させたのもねこまた。



12月のシフトを見て勝手に焦り、バイト先のみなさまにご迷惑をかけないように早くカピ子を仕込まねば。


と思ってしまった。


高校一年生で、初めてのバイトの少年少女が即戦力にならない事など、ただの当たり前のことなのに、


我が子でなければ、

「焦らなくていいよ〜。ゆっくりでいいよ〜。上手上手!!えらい!」

と、笑顔で接する事ができるのに、



周りの目を気にしすぎるあまり、わたしがなんとかせねばと出しゃばってしまった。


もうね、もう、、、えーん



(↑画像はネットより拝借)



店長に奥で休むよう促してもらって、

他の店員くん達は、声をかけずにそうっとほってほいてくれて、



カピ子は奥で泣いた。



追いかけていってあれやこれや言いたかったけれど、

やめた。



カピ子をどうするかは、店長が決める事でねこまたがどうこうする事ではないのだ。


店長がやはり高校生は雇えないと思ったら、店長から言うであろうし、カピ子の態度に目の余るところがあれば、店長や社員の青年から指導が入るだろう。


母親だからって、ねこまたが出しゃばってはいけないのだ。


厳しくなってしまった自分の言動を恥じたねこまたは、気持ちを切り替えて他人の高校生の女の子と仕事をするおばさんモードになった。


カピ子の表情や行動を見ない。気にしない。

粛々といつも通りに業務に勤しもう。



10分ほどが経過した。



仕事が終わるまで、奥で固まって泣き続けるかもしれないな、、、、と想定していたカピ子が、



なんと戻ってきた。



それと同時に、ゆるやかであったお客さんの波がどっと押し寄せたから、そこら先は各自無我夢中で業務に勤しむ事になった。


カピ子をキッチンに呼んで、教える事はもうない。



復活したカピ子は、「ありがとうございます」と大きな声で言い始めていた。

そうっと無言でペットボトルの水を洗い場に置いたねこまたに、笑顔をむけてくれた。



そうしていつも通りの時間まで働き終えたカピ子は、店長に呼ばれて奥へと消える。



どうやらお給料の説明を受けているようだ。

カピ子はニコニコしている。

爽やかな表情で帰る身支度をしている。



ねこまたは、、、、


疲れたわ。


なんかちょっと喉痛いし、頭痛するし、寒いし。


猿の人のインフルエンザもらったんちゃうやろか。

いやむしろインフルエンザになりたい。


誰にも文句を言われる事なく、5日間惰眠を貪りたい。


いつも通りにバイクに二人乗りをして、冷たい風が吹く山道を走った。



もうダメだ。タヒぬ。

寒い寒い寒い寒い寒い〜ゲホゲホ




帰宅したねこまたは冷えたコタツにホールインワンし、何も言わずに静かに目を瞑った。



お給料をもらって嬉しいカピ子が、寒がるねこまたに布団をかけてくれて、冷凍のチキンナゲットをチンして持ってきてくれて、暖かいミルクティーを入れてくれた。


オヤツに買っておいたスーパーの焼き菓子は、半分こだ。




ぐったりとするねこまたお母さんの代わりに、2階の猿部屋でケケケケケケケケと笑いながらゲームをしておる猿の人の晩御飯を用意してくれた。

(生協の冷凍チキンライスに、スクランブルにして卵をのっけてケチャップをかける作戦)



お風呂に湯船もはってくれた。


優しい。


ごめんなカピ子。

お母さん、焦ってしまった。


というねこまたに、


宇宙人「べつにいいよ」



と返してくれた。



カピ子は改めてお給料の入った袋をあけた。



たくさんのお札が、給料明細と一緒に入っている。

試用期間である1ヶ月は時給950円のはずなのに、大入り満員で大忙しすぎたからか、時給を1000円でつけてくれている日もたくさんあるのが見て取れる。



53500円。



カピ子が自分の力で、一生懸命に頑張って稼いだお金だ。



宇宙人「もう辞めたいな。しんどいなと思った日もいっぱいあったけど、もうちょっと続けてみるわ。」



カピ子はニコニコしている。

嬉しくってニコニコしている。


タコ「年末年始は、みんな時給1200円になるらしいで。」



と伝えると、わーいわーいと喜んでいる。



冬休みに入れば、カピ子は毎日働く事になっている。


クリスマスも年末もお正月も、予定がある日以外は働きたいらしい。



彼氏と別れたから、デート代にお金を使うこともないし、暇やからいっぱい働いてお金を貯めるそうだ。



そうしてお金を貯めたら、ハイブランドの服を1着、自分のために買うそうだ。








よし。ねこまたよ。



カピ子のバイトが続くのか、

洗い場以外の仕事を覚えるのか、

いらっしゃいませが言えるようになるのか、



それら全てを、全てをカピ子に託せ。



バイトを辞める事も、

バイトをクビになる事も含めて、



それはそうなったその瞬間に考えるようにしろ。



未来を焦るな。

未来の悪い想像に囚われるな。


悪い未来を回避しようと今頑張ろうとするな。




悪い未来になるのか

良い未来になるのかは


今すぐに決まることではない。

今出来ない🟰悪い未来。ではない。


今の失敗はただの経験に変化して、毎日の経験はただ積み重なっていくだけなのだ。



未来が良いのか悪いのかは、現在の人間が決めることではない。


未来まで人生を積み重ねた本人が、ただ実感する事なのだ。



それにさ、将来将来ってよく聞くけどさ、


明日空からカラスが落ちてきてカラスの嘴が脳天につきささってポックリいくかもしれんやん。


そうしたらさ、その瞬間が未来の最後になるわけやん?

カラスの嘴が脳みそに突き刺さったその瞬間に見る走馬灯が、我が人生になるわけ。



その日1日が、今のこの瞬間が幸せで楽しい方が良い。


オッケーオッケー。

今日の1日を「なんかどっと疲れた日」から、「てんやわんやあったけど、吉本新喜劇みたいやった1日」に書き換えよう。



ねこまたは失敗したけれど、勉強になった。良い経験になった。




良き1日であった。


喉と頭痛いけどな笑い泣き





さて、さてさて、



明日のバイトに母はいない。

カピ子が単身でゆく。



なんとなくだけれど、母ねこまたが不在の方が、良い感じに働けるんじゃね??



と思いつつ寝よう。



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リビングの出窓にかけていたロールスクリーンが壊れて落下した。


マルチカバーのホワイトを購入してかける事にする。

洗えて安上がりでなんなら他の事にも使える。しかもカーテンよりも安い。


インド綿マルチカバー、オススメです!



これ飲んだ人いる??美味しそうでそそられている。