ただ今ねこまたは、いつもポイズンが溢れがちな実母、ポイズン教祖婆様の生態を記録している。
おばあちゃん神から聞き齧った過去と、ちょんまげ爺からの話、そして、婆様本人からちょびっとだけ聞いた、婆様が子どもの頃の話をミックスして、推理と推測を重ねて、考察している。
前回のブログを投稿したあとに、
ねこまたは、はた。と気がついた事があった。
おばあちゃん神が語る、昔昔の日々は何度も聞かせてもらった。
ねこまたが結婚してからも、夫と喧嘩をするたびにおばあちゃんの体験談を聞きに行っては、乗り越える秘訣を教えてもらっていた。
がしかし、
よくよく思い返してみれば、ポイズン教祖婆様本人から、ご本人の昔話を聞いた事はないんじゃない?
ポイズン教祖婆様はまだ生きているから、たくさんの話を本人から聞けるのに、ねこまたは聞こうとすらしていないんじゃない??と。
そう。
結婚後も仕事を辞めず、夫婦共働きで50代まで勤め上げた婆様は、常に忙しくて、疲れておられた。
娘のねこまたと、たわいもないおしゃべりを楽しむような時間が取られる事はなかった。
ねこまたが求めていた、母親との楽しいおしゃべりタイムは、ほぼ全てがダメ出しと、あれをした方が良い。こうした方が良いのアドバイスタイムになっていた。(これは今も変わらない。笑)
今日、ポイズン教祖婆様から生まれしねこまたは、
ポイズン教祖婆様の口から、おばあちゃん神の事を聞いてみるために、実家のドアを開けた。
実に、人生で初のチャレンジである。
、、、、、、、、ある意味すごい。
ねこまたは、ポイズン教祖婆様が受け継いだ、皮肉っぽくて嫌味でしつこくて(←ひどいなおい)、その時々で意見を変える天邪鬼さは、
ポイズン教祖教祖小姑から連鎖されし毒!!
と、決め込んでいた節があった。
おばあちゃん神は、それこそ神のような心を持つ女性で、ポイズンにまみれた家庭の中で、臍を曲げずにユニークに生きた、光の塊のような人だった
という、理想を思い描いていた。
婆娘ちゃんは、母親の影響でポイズン化したのではない、姑や小姑や姪っ子のポイズンに呑まれたから、ポイズン化したのだ
と、思い込もうとしていた。
、、、、だって、ねこまたが知っているおばあちゃん神は、優しくてあったかくて、心が広くておおらかで、いつも前向きな言葉を使う、笑顔のおばあちゃんだったから、、、、。
テーブルに向き合って、お菓子を食べつつポイズン教祖婆様と話すこと数時間。
ポイズン教祖婆娘ちゃんは、自分の母親であるおばあちゃん神の事を、何も知らなかった事が判明した。
おばあちゃん神が結婚した時の話や、おばあちゃん神が若い娘さんであった時の話、戦争中の話、新妻だった時の話も、何ひとつ知らなかった。
家業持ちの長男の嫁として嫁いで来たおばあちゃん神には、自分の時間はなかったのだ。
当時のポイズン教祖婆娘ちゃんは、成績優秀、運動神経抜群、委員長なんかもしちゃうという、非常に優秀なお子様であったから、母親から怒られたことも、何かを言われたこともなかったらしい。
ポイズン教祖婆様は、小学校や中学校での出来事を聞くと、たくさんの思い出を話してくれたが、
家族の話を聞くと、とたんに話すことがなくなってしまった。
思い出が何もないらしい。
子どもの頃の事は、本当に覚えてないらしい。
ポイズン教祖婆様が覚えている家族の思い出は、
9歳の時に、出戻って一緒に暮らしていた小姑おばさんが自宅で息を引き取り、白い布団に寝かされて家の片隅にいた事が、怖くて嫌だった事と、
小姑おばさんの死後、なぜか強烈な性格の小姑の娘(たぶん20歳、同じくらい強烈)が自宅に来て住む事になり、小姑の娘と姑がおばあちゃん神(母親)の悪口を言うのを聞くのが嫌だった事。
以上。
す、少なっ
ねこまたは、ポイズン教祖婆様に言った。
「わたし、なんで婆様は母親であるおばあちゃんに性格が似てないの??って、いつも言ったたやん。」
「でも。もしかしたら、おばあちゃんも、若い頃はポイズンマザーやったんかもしれんな。」
「おじさん達(ポイズン教祖婆の兄弟)も、おばあちゃんの事を口うるさいって言ってたもんね。」
「孫の前で見せる姿と、母親として見せる姿は、違ったのかもしれんね。」
と。
ポイズン教祖婆は、
「おばあちゃんからしたら、この田舎の家は自分の事を誰も知らない場所やったから、新しい自分を演じたのかもしれんな。」
「ほら。高校デビューみたいに。」
と答えた。
孫のねこまたが知っている、仏のようなおばあちゃんは、
様々なポイズンや葛藤を経験した上で、「こんなお母さんになりたかった」「こんな風に子どもと接したかった」という思いを形にして、実践してみた結果なのかもしれない。
実際に、ねこまたの弟であるおっさんボーイが中学生の時に、おばあちゃんの家で生活した時期があったのだが、
自分の家で孫のおっさんボーイに接するその姿が、田舎の娘の家で見せる優しい祖母の姿と違っていたのを見て、とても驚いたとも語っておられた。
娘の家庭を手伝うために、家政婦をする。
そう決めて、娘夫婦からお給金をもらって(少しだけれどもー)、田舎の一軒家に来る日々は、
おばあちゃん神にとって、日常ではない世界だったのかもしれない。
もしかしたら、ねこまたが憧れてやまないおばあちゃん神も、ポイズンマザーであったのかもしれない。
陰で嫁の悪口を言う姑や、直接攻撃をしてくる小姑や、寡黙で男尊女卑な夫や、性格が強烈にひねまがっている姪っ子からも、ポイズンはダダ漏れでいただろうから、
家庭の中に漂う全ポイズンを吸収して、現在のポイズン教祖婆様が作り上げられたのだろう。
だれか1人だけの影響で、立派なポイズン人間が出来上がる事は、ない。
そしてきっと、おばあちゃん神は、今のねこまたのように自分自身を変えたくて、自分のポイズンを忍耐五重奏で包み込み、孫達(特に気が合ったねこまたに)に良い風を送ってくれたのだろう。
ねこまたが尊敬するおばあちゃん神は、根っからの仏ではなかった!!
普通のポイズンお母さんだった!!
元ポイズン人間は、自分の力で仏人間の顔を持てるようになる!!
それを、晩年のおばあちゃんは証明してくれたのだ
変わりたい。
いや、変わる!!
そう決める事で、ポイズンの連鎖は断ち切る事ができる。
難しいし、なんどもぶり返してしまうけれども、できる。
時間はかかるけど、できるのだ。
現時点で、ポイズン教祖婆様からポイズンが抜ける事はない。
ポイズン教祖婆様は、「わたしは変われない。」「わたしは変わりたくない。」そう思っているからだ。
だからきっと、この世からおさらばするまで、おっさんボーイとポイズン教祖婆様の関係は変わらないだろう。
うん。それはそれでいい。どちらも、自分の思いに素直に生きればいい。
ねこまたは、「変わりたい」と思っている。今すぐには無理でも、もっと年老いた時に、おばあちゃん神みたいになりたい!と思っている。
子どもの話を聞き流すのではなく、心と心でキャッチボールできるようになってみたいと思っている。
ポイズン教祖婆様の生態を調べて見た事で、ポイズンの連鎖の糸がちょっとだけ見えて来た。
このポイズンの糸は、ねこまたの世代で切りたい。
いや、ポイズンカラーの糸に、新しい色の糸を撚り合わせて、繋げていきたい。
たぶんきっと、人間が積み上げてきた歴史や価値観を、をぶち切って瞬間的に変えることができないように、ポイズンだって断ち切る事はできないのだ。
よーし。
ポイズン教祖婆様から受け継ぎしねこまたのポイズンは、ここらで色を変えよう。
一気に変えたらしんどいから、ちょっとづつ変えよう。
ちょっとづつ変えて、その後に続く糸の色は、宇宙人娘と猿息子に託してしまおう。
、、、、、、、
おばあちゃん。いかがお過ごしですか??
そろそろ別の生き物になっておりますか??
孫は今、あなたを見習って精進中でございます。
ねこまたがこの世をおさらばする暁には、お互いに婆さんの姿で、コタツみかんでおしゃべりをしましょう。
ねこまた人生の珍道中を聞いて、大笑いしてください。
かしこ。